事故米騒動

2008-09-16 00:00:23 | 市民A

世界各地では、昨年から「米騒動」が起きていて、これから日本でも一騒動あるのかと思っていたら、同じ米騒動でも「事故米騒動」とは、やはり日本って世界からズレた国だ。

まず、太田農水大臣。どうにもならないので、話題にもならないし、国会がないので平然と放言を繰り返している。しかし、自民党の総裁選挙で新総裁が首相になって、ただちに解散総選挙であるなら、基本的に大臣は現状と変えないはず。たぶん、この人だけが交代なのだろう。そして、落選の目もあり、ということだろうか。

次に、農薬とカビの話が混同されているが、実は全然違う。太田大臣が言うように、濃度が低いから問題ない、というのは農薬の方の話だ。農薬は人工物でその効果は知られているし、使用するときは濃度を希釈されている。そして農薬の常として、均一に散布されるのだから、「濃度の問題」と言うことも間違いではない。

しかし、カビ毒(アフラトキシンB1)について考えれば、まず猛毒であることだ。wikipediaには書かれていないが、生物兵器の原料にも考えられているようだ。さらに天然物であり、効果にはバラツキがある。強い発ガン性もある。しかも、もっとも重要なことは、「カビ」の濃度は均一ではない、ということ。事実を想像してみれば、「カビ」というのは、一箇所にまとめて発生し、ほっておけば発生箇所はドンドン拡大する。米の内部に浸透し、表面を削っても駆逐できない。サンプリング調査で全体濃度を推定しているのだろうが、濃度の高い部分もあるはずだ。数字の読み方を過つと、正しい対策が立てられない。第一、発ガン性のある米を工業用とはいえ、転売してもいいのだろうか。

今後、事故米を生産国に返す、という「ありえなさ」。貿易実務をやった経験があれば、すぐに感じるだろうが、一旦買ったものを返すというのは、まず困難である。コメの受取場所で農薬検査などを行い、不具合なら、その場で受け取らないというのが正しいやり方だが、最大の問題は、契約上の受け渡し地。海外の倉庫、あるいは積出港で引き渡すことが多いだろう。その場合、返品はムリだ。せいぜい保険をかけておくことだろうか。

事故米起源の焼酎の廃棄について。一部には、「もったいない」という声もあるのだが、実は買った方にも数パーセントの責任はある。きちんと来歴を調べずに原料に使ったこと。少なくてもコメのブレンドには過去から不正はつきものなので、もっときちんとした業者から買うべきだ。痛い思いをしないと変えられないものだ。(近くの「いなげや」系のスーパーでは、問題のニッカ製焼酎を安売りしていた)


さて、実はかなり前のことだが、米穀店の仕事に絡んだことがあった。東京の東の方の米穀商と付き合ったことがある。ちょうど、ブランド米のビニール袋だけを転売したことが見つかり、散々な目にあっていた。その時に、その米穀商から受けた感触なのだが、まず「犯罪意識が皆無」であった。姉歯事件と同様に、この業界に対しては、「詐欺罪乱発」が必要なのだろう。