アネハ構造と同じ農水省

2008-09-09 00:00:27 | 市民A
三笠フーズの「事故米食用転売事件」は、まさに姉歯事件と相似している。形だけの行政関与を見透かされ、巨利の追求という甘い汁を業者に吸い取られてしまい、一般の国民は単に報われることのない犠牲者になる。

姉歯事件は、強度計算ソフトの数値の改竄だったが、調べる気があるなら、サンプリング検査でも簡単に発覚したはずだ。余計な不正を見つければ、忙しくなるだけだし、運が悪ければ内部で叱責される。それが役人根性というもの。今回の転売事件でも、食用で転売した先を、工業メーカーの名前に書き換えて出荷していたのだが、そのメーカーに電話一本かければ一発でわかるものを何もしていない。

なぜ農水省がメーカーの調査をしなかったか、まだ発表していないが、真の答えははっきりしている。工業メーカーは経済産業省の縄張りだからだ。

農水省のHPに毎日の調査情報が更新されているが、三笠フーズ以外の全国15業者の名前も掲載されている。予見を持つことは危険だが、なぜか酒どころ、米どころの県が多いようでちょっと不気味である。

当初、実名での公表が遅れたことについて、憶測(中国バッシングの誘発、風評被害、隠蔽工作、政府買い上げ制度への批判誘発など)が飛んでいたが、私の推測は別だ。

つまり、事故米になった原因として、残留農薬どころじゃない危険物質が含まれている。

アフラトキシンB1

地球上に存在するもっとも発ガン性の高い物質。ダイオキシンの10倍だそうだ。かなり高率(100%に近く)でガンとなる。魚の焦げた皮なんかの比じゃない。世界中の多くの国が、この物質を厳しく禁止している。しかも、急性肝炎をも引き起こすそうだ。なにしろ、「生物兵器」にも使われているそうだ。もともとはカビから発生すると言われている。


事故米といってもこれだけの猛毒を含む物質なのだから転売ではなく焼却処分にしなければならないのではないだろうか。農薬の場合は、ある一定濃度になると危険、という言い方が正しいのだが、発ガン性物質の場合は、少量でもDNAに影響してガンが発生する可能性があるわけだ。工業用(例えば糊)に使われても、加工業者の従業員などへの影響もある。

今のところ、このアフラトキシンB1は鬼界島酒造と西酒造の焼酎に混入していることがわかったようだ。

さらに役人の話だが、この会社二重帳簿だったそうだ。農水省検査用と実際の帳簿。税務署に提出していたのも農水省用だとすれば、脱税事件だが、おそらくは実際の売買(つまり不正利得を得ている)による帳簿だったのではないだろうか。税務署員は、ぼろ儲けの構造を知っていても、守秘義務で黙っていたのだろうか。本来、こういった帳票の裏を読む仕事は税務署員の得意分野である。

唯一、三笠フーズの言い分で合理的だったのが、合併した「宮崎商店」が、以前からこういう不正工作をしていた、という部分。合併時に気付かなかったわけだが、世界中で、この手の問題は、「キズ物企業を買った側の泣き寝入り」と決まっていることだ。「調査不足!」。


ところで、役人の隠蔽工作の例の一つが、大分県教育委員会。点数嵩上げして合格させた教師たちが突然クビになり、現場は大混乱。

しかし、この事件、よく考えれば、「実際に点数を加点して、不合格者を合格させた」のは、受験者ではなく、教育委員会そのものである。クビにするのは、別の人たちではないだろうか。