宮本三郎に見るゴージャス

2004-08-29 15:31:26 | 美術館・博物館・工芸品
de25fc03.jpg自由が丘駅から5分ほど、世田谷美術館分館、宮本三郎記念美術館がある。
世田谷美術館はバブル絶頂期に完成した超最高峰の美術館である。とても区のレベルで管理しているとは信じられない豪華さである。一方、今春開館した分館には、建物としては多くは期待していなかったのだ。画家の居宅とアトリエを改造したものとばかり思っていた。しかし、地図をたどるとそこにはコンクリート作り2階建ての堂々とした新築の美術館があったのである。さすがに世田谷区である(世田谷文学館だって凄い)。新築のにおいが感じられる。

開館記念の宮本三郎展は、多くのパブリシティで評論が書かれ、技術的なことについて付け加えることもない。追加すべき賛辞は「豪華」ということばである。豪華とは、値段のことではない。絵画の技法や原色のあふれる色彩のはなやかさと休憩用のソファーに座りゆったりと味わう気持ちである。こころの豪華さ。

多くの作を、画家本人がずっと私蔵していたことを考えると、画家自体、自作とともに生活する豪華さを味わっていたのではないだろうか。各作品は見れば見るほど「巧い」。

最後に、辛口の話ではあるが、所蔵品の量に比べ、展示スペースに限度があるため、詰め込み過ぎなのではないか。ちょっと視覚的に忙しい。もっと少なくても構わないではないか。浮世絵で有名な原宿の太田美術館も展示は一部だけである。
世田谷分館でも何回かにわけて展示すればいいのではないか。場所は便利だし、料金は安い。200円。