ダイエー再建策に見る、困難さ

2004-08-05 16:55:47 | MBAの意見
e509faf1.gifUFJのタイムアップが近づき、問題融資先の先送りが困難になってきた。その一つがダイエーであるが、この問題は難しい。

自主再建策として、子会社売却、債権放棄、不採算店閉鎖を中心とし、有利子負債圧縮を中心課題にした会社案と、産業再生機構に任せてしまおうという案だ。
実際は、産業再生機構の今までのやり方は、債権放棄、子会社売却なので、会社がむきに主張している自主再建策と結果は大差ない(経営者が交替するかどうかの差はあるが)。

しかし、気がつくと思うが、それでは「カネボウ」と同じことかもしれない。優良子会社の売却は一時的には本体のキャッシュインになるのは確かだが、それらが産み出していた利益がなくなるわけで、本体のスーパー事業で収益力があるかということである。
実態は、ダイエー各店の競争力は、店舗力ではなく、立地性に負っていることが多い。お客様を集めるのではなく、お客様の方が来ているのである。
ダイエーが集客力を伸ばした時期、大量仕入れによるディスカウントは魅力であったのだが、現在、競合のイオンやヨーカ堂などに比べれば、ちょっとは安いが乱雑な店舗というイメージが定着している。

10年ほど前、ロードサイドビジネスを手がけていた時期があり、たまたま仕事で行った香川県のある場所で、当時できたてのダイエーのハイパーに入ってみたが、「何かの勘違い」ではないかと思うほどチープであった。かたや押し寄せるカルフールの豪快さにくらべ、ダンボールのまま積み重ねられた「のみの市」のような店舗。
これでは関東では戦えないし、見る価値もないと感じたわけである。崩壊前のソ連のようなモノ不足の国家向きである。
あまりに日本人を馬鹿にしているような違和感があった。少し外国を見てくればいいのにということ。
対極はセブンイレブンはじめとするコンビニであり、ハイパーならカルフールである。

今やジャスコが郊外に続々と出店している巨大店舗。ダイエーの失敗を下敷きにしているに違いない。

巨大化した企業が時代に取り残される時、その崩れる速度は速いが、発生するマイナスエネルギーもまた巨大である。