羽生を追いかける青年棋士

2004-08-01 17:06:33 | しょうぎ
2c20edc7.jpg 将棋王位戦第二局は、第一局で完敗した羽生が谷川に完勝。どうも谷川の指し方が淡白に感じたのだが、7番勝負の後半に備えた彼の作戦なのであろうか。年齢差8歳。どうも6番、7番までは行きそうである。

将棋界が現在のように毎年名人戦を行うようになったのが昭和13年。以来、12人が名人に就いている。その中で、通算5期以上、名人の座についた者に「永世名人」の称号が与えられる。今までに、木村義雄(8期)、大山康晴(18期)、中原誠(15期)、谷川浩司(5期)の順で、羽生善治は既に4期であるので、衆目の見るところ数年内には間違いないだろう。しかし、その羽生でさえ、33歳。最近は磐石とはいえず、いつのまにか同世代の森内に名人・竜王の2大タイトルを奪取されてしまった。

現在、この羽生、谷川、森内に棋聖佐藤を加えた4人が抜けていて、他の棋士とは香車1本力が違うような状況なのだが、最近、渡辺明が好調である。なにしろ、15歳でプロ四段になった男である。ヒルトンホテルでの昇段パーティには、将来の布石のように記者や並レベルの若手プロあたりが大勢顔を並べていたのである。しかし、以来3年、昨年の王座戦(対羽生善治)まではどうもちょっと強い五段という域を出なかったのであるが、王座戦の死闘で敗れて以来、将棋がアツイのである。
実際、昨年の王座戦では、羽生を相手にタイトルに半分手がかかるところまで行って、最終局では、あきらめきれなかったのか、盤の真中で最後に金を打って詰められるところまで指した男である。小学生でもその前に投了する。最後の金打には羽生の怒りがこもっていたらしい。そして、そして平常心を失った羽生はその後の不調に落込んでいく。王位戦第二局で破れた谷川も直前の対局で渡辺明に敗れている。

現在進行中の各棋戦の予選でも、王座戦は挑戦者決定戦を森内名人と争う。勝てば、昨年と同じく、羽生王座とのリターンマッチである。竜王戦もあと二つで挑戦権。手元の将棋手帳では棋士の序列130位。羽生世代の次の世代を一人で背負うのだろうか?20歳。