これから重い三セクのつけ

2004-08-18 15:50:53 | MBAの意見
39555f37.jpg先週、8月5日付けのNIKKEI NETに小さな記事が掲載されていた。
累積損失の積み上がっている第三セクターの問題である。これは少し危険な兆候であると考えられる。

記事では、累積赤字が100億円を超える3セクの23社の合計では赤字が5,768億円で一年前に比べ412億円拡大しているとのことである。赤字が100億円以下の会社は試算では計算していない。

そして、大阪の例として、債務超過の大阪ワールドトレードセンタービル、アジア太平洋トレードセンター、湊町開発センターについて再建が始まったというように書かれている。
実際、大阪市ではその他、大阪ドームやUSJへの出資、オリンピック誘致と組み合わせであった港湾開発事業などの出資は多いが、リターンは少ない。大阪市の対策としては、有利子負債の債権化のような形で、追加融資でなんとか凌ごうということのようだが、前途は苦しい。

一方、川崎市では、見込みのない事業は議会審議に耐えないとして清算を進める方向である。
実際、先延ばし方式が成功すればいいのだが、単年度決算すら改善しない以上、追加融資が無駄になることは十分に予測できる。

そして、問題はここからであるが、この第3セクターに出資しているのは、公共団体のみならず、地元の地銀(第二地銀も含む)、と旧興銀であるみずほFGが中心である。

折から、半年後にはペイオフ解禁である。各都道府県にわたり存在する第三セクターの経営不振。金融界の次なる問題であるが、民間企業と異なり簡単に整理もできず、また武家商法のマンパワー。追加融資となれば地方議会の議決が必要なことを考えれば、これから荷物は重いと言わざるを得ない。