R25に思う

2004-08-07 16:52:42 | 書評
4822b679.jpgR25という雑誌がある。リクルート社が毎週木曜に発行している。価格0円である。
0円というと、マクドナルドのスマイルも0円と書かれていたが、R25には原価がある。
それなりに、0円でもなんとかなる仕組みはあるのだろう。広告収入とか、他のリクルート誌の配達ネットに載せるとか・・・。同社の住宅情報タウンズという雑誌も0円である。
しかし、雑誌は本来物流業ではないので、問題は中身の記事である。ターゲットは25才超の男性ビジネスマン。
政治、経済、スポーツ、文化と全部さらっと記事があるが、ことさら男性向けということも感じない。
0円で問題なのは、優秀なライターがいるかということだが、残念ながら記事に深みがない。
たとえば、8月6日号「個人金融資産1400兆円って、誰が・・」という気になる記事がある。実感と違うということである。記事では、40代まではあまり貯蓄はなく、50代以上が日本のほとんどの貯蓄を持っているという統計的な事実を記載し、シニアの財布が緩む商品開発がビジネスのキーであるということばで締めているが、この程度の記事が25才以上向けとは、悲しくなってしまう。およそ15歳から17歳くらいまでのレベルのような気がする。

世代間に偏っている貯蓄率の違いから、退職金制度とか長寿化に伴う遺産相続時期の遅れとか、年金問題とかに話題を拡大し、少なくとも「経済学は複雑系の学問である」という主張が、25才以上向けには必要なのではないだろうか。