三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「人権団体、国連弁務官の辞任要求 中国の残虐行為「不問」に」

2022年06月18日 | 国家・社会
https://www.afpbb.com/articles/-/3409013?pid=24591538
「AFP」 2022年6月9日 17:15 発信地:ジュネーブ/スイス
■人権団体、国連弁務官の辞任要求 中国の残虐行為「不問」に

【写真】中国・広州で、習近平・中国国家主席とオンラインで会談するミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官(左)を映した画面。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)提供(2022年5月25日撮影、公開)。(c)AFP PHOTO / Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights (OHCHR)

【6月9日 AFP】230超の人権団体が8日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)高等弁務官が先月の中国訪問時に同国政府の「残虐行為」を「不問に付した」として、即時の辞任を求める共同声明を出した。
 共同声明には、ウイグル人やチベット人、香港人の権利保護を求める団体が名を連ねた。署名した団体には、同一団体の支部も含まれている。
 声明は、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長に対し、8月末で任期満了となるバチェレ氏の再任を提案しないよう訴えた。
 バチェレ氏をめぐっては、中国訪問時に同国の人権侵害を厳しく非難しなかったとして、批判の声が広がっている。同氏が視察した新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)では、ウイグル人らイスラム系少数民族100万人以上が拘束され、強制労働や不妊手術を強いられているとされる。
 米国は同自治区における中国の行為を「ジェノサイド(集団殺害)」「人道に対する罪」と認定している。これに対し、中国は治安維持と過激派対策に必要な措置だと主張し、そうした見方を強く否定している。
 声明は「(バチェレ氏は)中国当局による一連の組織的な人権侵害に対処せず、責任追及を図る貴重な機会を無駄にした」と指摘。逆に「中国政府が言うところの『テロ対策』という偽りのお題目に乗ることで犯罪隠蔽の試みを正当化してしまった」と糾弾した。
 同自治区の収容施設についても、中国政府の用語である「職業技能教育訓練センター」という呼び名を繰り返し使った点も非難。
 その上で、バチェレ氏の中国訪問は「失敗」であり、「中国政府の統治下で暮らす人々の人権危機を悪化させたばかりでなく、世界で人権を擁護・推進するOHCHRの品位をも著しく損なった」とこき下ろした。(c)AFP/Nina LARSON


https://www.afpbb.com/articles/-/3407237?cx_part=latest
「AFP」 2022年5月29日 15:41 発信地:北京/中国
■国連人権弁務官、新疆訪問「調査ではない」 人権団体は批判

【写真】中国の習近平国家主席とオンラインで会談するミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官(左)を映した画面。中国・広州にて(2022年5月25日撮影)。(c)AFP PHOTO / Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights (OHCHR)
【写真】中国・広州で、オンライン会議に出席するミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官(左から2人目)、中国の王毅外相(中央)と馬朝旭外務次官(右から2人目、2022年5月25日撮影)。(c)AFP PHOTO / Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights (OHCHR) 
【写真】中国・広州で会談するミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官(左から2人目)と中国の王毅外相(右、2022年5月23日撮影)。(c)AFP PHOTO / United Nations High Commissioner for Human Rights 

【5月29日 AFP】国連(UN)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)人権高等弁務官は28日、物議を醸している新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)訪問について「調査ではなかった」と説明した。中国当局に対しては「恣意(しい)的で無差別な」取り締まりを回避するよう求めた。
 国連人権高等弁務官の訪中は17年ぶり。中国の馬朝旭(Ma Zhaoxu)外務次官は「前向きで具体的な成果」があったと主張した。これに対し、人権活動家やNGOは、バチェレ氏の発言は中国にプロパガンダ上の大きな勝利をもたらしたと反発している。
 中国は、ウイグル自治区でウイグル人を中心とするイスラム教少数民族100万人以上を拘束し、強制不妊手術を施したり、強制労働をさせたりしているとされる。米国は、中国当局の行為を「ジェノサイド(集団殺害)」や「人道に対する罪」に当たると非難。しかし中国政府は疑惑を強く否定し、治安当局による取り締まりは過激派への必要な対応だと反論している。
 そうした中、今週訪中したバチェレ氏は、かねて計画していたウイグル自治区訪問を実現。日程最終日のこの日、中国国内で記者会見し、中国当局や市民団体、学者と「率直」に話す機会を得たと述べた。
 中国政府に対しては、新疆での取り締まりにおいて「恣意的で無差別な手段」を用いないよう強く求めた。同時に「過激主義に基づく暴力行為」により被害がもたらされていることも認識していると語った。
 その上で「今回の訪問は調査ではない」と強調。新疆では、国連が手配した面会相手に「当局の監視を受けずに」会えたと説明した。
 バチェレ氏は、自治区の区都ウルムチ(Urumqi)とカシュガル(Kashgar)で刑務所やかつての再教育施設、観光地のカシュガル旧市街、テロ対策の展示施設、綿花畑などを視察。カシュガル刑務所では受刑者に面会し、控訴審が行われる刑務所内の法廷も見学したとし、「非常に開放的で透明性が保たれた」視察だったと評した。
 人権団体から強制再教育施設だと指摘されていた「職業訓練施設」について、自治区政府はバチェレ氏に対し「解体された」と語ったという。ただ、同氏としては「全面的な評価はできなかった」と述べた。
 中国政府は2019年、「職業訓練施設」から全訓練生が卒業したと発表した。これに対し人権団体は、収容者の多くが工場に移されて強制労働をさせられたり、自治区内の他の刑務所に再収容されたりしているとの見方を示している。
 バチェレ氏は記者会見で、自治区内の人権侵害に関する国連報告書の公表が遅れていることについては言及しなかった。
 記者会見を受け、バチェレ氏を批判する声が相次いだ。
 亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議(WUC)」の広報担当者ディルシャット・ラシット(Dilxat Raxit)氏は「国連人権理事会(Human Rights Council)のためにバチェレ氏が唯一できる意味ある行動は、辞任することだ」と主張。米国在住のウイグル人活動家ライハン・アサット(Rayhan Asat)氏は「完全な裏切りだ」とツイッター(Twitter)に投稿した。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)のアニェス・カラマール(Agnes Callamard)事務総長は「国連人権高等弁務官の訪問に関しては、政府高官との写真撮影や中国国営メディアによる発言の操作が特徴的だ。容易に予想できたにもかかわらず中国政府のプロパガンダにまんまとはまってしまった印象がある」とする声明を発表した。(c)AFP/Laurie CHEN, Aidan JONES


https://mainichi.jp/articles/20220527/k00/00m/030/270000c
「毎日新聞」 2022/5/27 20:29
■新疆の再教育施設、17年前半に建設開始 収容政策本格化と同時期

【写真】中国新疆ウイグル自治区南部カシュガル地区シュフ県で、ウイグル族らを対象にした「再教育施設」とみられる建物(中央)=2018年1月12日撮影、グーグルアースから

 中国新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグル族らが再教育施設などに多数収容されている問題で、自治区南部カシュガル地区シュフ県にある再教育施設とみられる建物の衛星写真を分析すると、2017年前半に建設工事が始まっていた。16年に自治区トップの共産党委書記に就任した陳全国氏の下で、収容政策が本格化した時期と重なる。
 シュフ県の公告によると、県内の再教育施設とみられる建物は「イシライムチ路」という通りにある拘置所の裏側に建設された。グーグルアースや欧州の地理情報サービス「センチネル・ハブ」の衛星画像を分析したところ、施設は農地だった場所で17年3月以降に本格的な建設工事が始まった。その後、17年末には4階建ての収容棟(長さ約90メートル)四つの外観と、敷地を取り囲む外壁がほぼ完成していた。

【写真】中国新疆ウイグル自治区南部カシュガル地区シュフ県で、ウイグル族らを対象にした「再教育施設」とみられる建物が建つ前の敷地の衛星写真=2015年7月7日撮影、グーグルアースから

 自治区の公安当局のコンピューターから流出した「新疆公安ファイル」には、この施設の警備態勢などを記した18年の複数の内部文書があり、A~Dの四つの収容棟があるなどの記載が外観とも一致する。流出資料の収容者リストには、この施設に収容された多数のウイグル族とみられる人の名前が並んでいる。【八田浩輔、隅俊之(ニューヨーク)】


https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2478K0U2A520C2000000/
「日本経済新聞」 2022年5月24日 18:20
■ウイグル族収容「逃亡者は射殺を」 中国の内部資料流出

【写真】多数のウイグル族の市民が強制収容されていると指摘されている(2021年4月、ウルムチ)=AP

 中国の新疆ウイグル自治区で多数のウイグル族の市民が施設に「強制収容」されているとする問題を巡り、収容者約2900人の顔写真や中国共産党幹部の発言内容など収容施設の内部資料が流出した。2017年5月に当時の新疆ウイグル自治区トップである党委員会書記だった陳全国氏が「数歩でも逃げれば射殺しろ」と発言したとの記録も含まれている。
 内部資料は公安当局へのハッキングで流出し、匿名の人物がウイグル問題の研究者であるエイドリアン・ゼンツ氏に提供した。同氏が属する米非営利団体の共産主義犠牲者記念財団が24日に公開した。日本経済新聞は流出資料の信頼性を独自に確認できていない。
 陳氏の発言記録は「録音に基づき作成された」とメモに記されている。そのほか流出資料には、趙克志国務委員兼公安相による18年の演説や、収容施設で実施した保安訓練の写真なども含まれている。
 ウイグル族の人権弾圧問題を巡っては、バチェレ国連人権高等弁務官が23日から28日の日程で中国を訪問しており、滞在期間中に新疆ウイグル自治区を訪問する予定だ。


https://www.afpbb.com/articles/-/3406511?cx_part=latest
「AFP」 2022年5月25日 5:44 発信地:北京/中国
■新疆の内部資料が大量流出 収容所の「衝撃的」実態浮き彫りに

【写真】中国・新疆ウイグル自治区の収容所で撮影された写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation
【写真】中国・新疆ウイグル自治区の施設に収容された15歳の少女の写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 
【写真】中国・新疆ウイグル自治区の施設に収容された15歳の少年の写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 
【写真】中国・新疆ウイグル自治区で違法な演説を聞いたとして拘束された17歳の少女の写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 
【写真】中国・新疆ウイグル自治区で、別の被収容者の親族だという理由で拘束された15歳の少年の写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 
【写真】中国・新疆ウイグル自治区の施設に収容された73歳の女性の写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 
【写真】中国・新疆ウイグル自治区の施設に収容された73歳の女性の写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 
【写真】中国・新疆ウイグル自治区の収容所で撮影された写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 
【写真】中国・新疆ウイグル自治区の収容所で撮影された写真。米NPO「共産主義犠牲者記念財団」が公開。(c)Victims of Communism Memorial Foundation 

【5月25日 AFP】中国当局から流出した新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に関する数万点の内部資料が24日、米団体により公開された。資料には数千枚の写真や公文書が含まれ、同自治区でウイグル人などの少数民族が暴力的な手段で収容された実態が改めて浮き彫りとなった。
 資料は、匿名の人物が新疆の公式データベースをハッキングして入手し、米NPO「共産主義犠牲者記念財団(Victims of Communism Memorial Foundation)」に所属するドイツ人研究者アドリアン・ツェンツ(Adrian Zenz)氏に提供。ミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)国連人権高等弁務官による新疆訪問中に公開された。
 活動家によると、新疆ではイスラム教徒を中心とするウイグル人ら少数民族100万人以上が収容所や刑務所に収容されてきた。一方、中国政府はこれら施設を職業訓練所としており、強制収容の事実はなく、過激な宗教思想の根絶を目的とした施設だと説明している。
 だが、公開された写真や文書からは、収容が自発的なものではなかったことや、習近平(Xi Jinping)国家主席をはじめとする政権上層部が厳しい取り締まりを呼び掛けていたことが示されている。
 資料によると、同自治区の陳全国(Chen Quanguo)共産党委員会書記は2017年の演説で、収容所から脱走を試みる者は射殺するよう命じ、地元の役人に「宗教信者を厳重に管理する」よう要請。趙克志(Zhao Kezhi)公安相は18年の演説で、習国家主席が収容所の増設を指示したことに言及したとされる。
 さらに、警察から流出した被収容者の写真2800枚以上も公開された。こうした被収容者の中には、違法な演説を聞いたとして拘束された17歳や、別の被収容者の親族だという理由で拘束されたとみられる16歳も含まれている。
 AFPが先に入手した警察の名簿でも、一度に数百人の住民が捕らえられ、一つの世帯から多数の人が拘束されることも頻繁にあったことが示されている。今回の資料の一部は、英BBCや仏紙ルモンド(Le Monde)などの報道機関によって信ぴょう性が確認された。
 資料からは、収容所内部の実態も浮き彫りとなった。写真には、頭を袋状の物で覆われ手錠をかけられた被収容者が警棒を持った警察官によって拘束され、迷彩服を着て銃を構えた他の警察官に囲まれる様子が写されている。
 英国のリズ・トラス(Liz Truss)外相は、流出した資料の内容は「衝撃的」だと非難。新疆を訪問中のバチェレ氏が現地の状況を的確に把握できるよう、「完全かつ制限のない」視察を許可するよう中国側に要請した。
 一方、中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は、流出資料を「新疆を中傷する反中国勢力」による「寄せ集めの資料」と断じ、報道機関が「うそとうわさを広めている」と非難した。


「AFP」 2022年5月23日 12:00
■中国当局のデータベース流出、拘束されたウイグル人の詳細明らかに

【写真】トルコ・イスタンブールでAFPの取材に応じるウイグル人のヌルシマングル・アブドゥレシドさん(2022年3月12日撮影)。(c)Yasin AKGUL / AFP
【写真】トルコ・イスタンブールで、子どもと遊ぶウイグル人のヌルシマングル・アブドゥレシドさん(2022年3月12日撮影)。(c)Yasin AKGUL / AFP 
【写真】トルコ・イスタンブールで、観葉植物の世話をするウイグル人のヌルシマングル・アブドゥレシドさん(2022年3月12日撮影)。(c)Yasin AKGUL / AFP 

【5月24日 AFP】中国当局の拘束下にあるイスラム教少数民族ウイグル人、1万人超の名簿が入ったデータベースが流出した。AFPが確認した名簿は、これまで知られていなかったものだった。
 ヌルシマングル・アブドゥレシド(Nursimangul Abdureshid)さん(33)は、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)での弾圧で行方不明になった家族の所在を知る手がかりをこの名簿から得た。
 研究者の推計によれば、テロ対策の名目で中国の秘密拘禁施設に収容されているウイグル人ら少数民族は100万人を超える。自治区内での弾圧や被害者に関する情報は、中国共産党により厳重に管理されている。拘束された人に連絡を取ることはできず、警察に問い合わせても回答はなく、裁判所の通知もごく一部しか公開されない。
 2015年からトルコ・イスタンブールに暮らすアブドゥレシドさんは、5年前に家族と連絡がつかなくなった。アンカラの中国大使館は2020年になりようやく、両親と弟メメティリさんがテロ関連の罪で獄中にあることを認めた。
 在外ウイグル人活動家が入手した中国警察の流出文書によると、メメティリさんは禁錮15年11月の判決を受け、自宅から600キロ離れたアクス(Aksu)地区の刑務所に収監されている。刑期は在トルコ中国大使館でも確認が取れた。
 「居場所が全く分からないより、ずっといい。小さな幸せがある」とアブドゥレシドさん。「ときどき、そこ(アクス)の天気を確認している。寒いのか、暖かいのか知りたくて」。

◆「息が詰まる」名簿
 流出した名簿には、新疆ウイグル自治区南西部のコナシェヘル(Konasheher)県で収監されたウイグル人1万人以上が載っていた。その中にはアブドゥレシドさんの故郷の村人100人余りも含まれている。
 両親と、やはり拘束されたとみられる兄は、今もどこにいるのか分からない。
 名簿には見覚えのある村人7人の名前があった。いずれも小規模事業主や農場労働者で、テロとは無関係のはずだとアブドゥレシドさんは言う。「この名簿を検索していると、息が詰まる」。

◆恣意的に選別
 流出した名簿には、収監された人の名前、生年月日、民族、ID番号、罪状、住所、刑期、刑務所の詳細が記されている。AFPはデータベースの信ぴょう性を独自に検証できていないが、親族・知人が名簿に掲載されていたという在外ウイグル人5人に取材した。
 データベースを見ると、各町村で数百人が拘束されおり、一世帯だけで何人も拘束された事例も少なくない。
 英シェフィールド大学(University of Sheffield)の講師で東アジア研究が専門のデービッド・トービン(David Tobin)氏は、「対象を絞ったテロ取り締まりではない」と指摘する。「各戸をしらみつぶしに回って、大勢を連れ去っている。恣意(しい)的に選んだ共同体を標的とし、自治区全体に分散しているのは明らかだ」
 罪状は「社会秩序を乱す目的で集団を組織した」「過激主義を扇動した」「因縁をつけてトラブルを引き起こした」など、さまざま。
 政府統計によると、新疆ウイグル自治区の裁判所で判決を受けた人は、2014年には約2万1000人だったが、2018年には13万3000人以上に増加した。
 罪に問われなかったウイグル人の多くは、自治区各地の「再教育キャンプ」に送られた。中国政府が「職業訓練センター」と呼ぶこれらの施設では、強制労働、政治的洗脳、拷問、強制不妊手術が行われている証拠があると、外国政府や人権団体は指摘している。
 米国や西側の政治家は、中国政府のウイグル人に対する扱いを「ジェノサイド(集団殺害)」だと非難している。ミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)国連人権高等弁務官は今月訪中し、新疆ウイグル自治区も訪れる予定だ。だが、中国の人権侵害の疑いに関する独立調査と呼ぶにはほど遠いだろうと活動家は警告する。

◆すべての家で誰かが…
 2017年に中国政府がイスラム過激主義への取り締まりを強化する「厳打」キャンペーンを強化して以降、5年以上の実刑判決の割合は3倍近く増加した。非公開裁判が大半を占めている。
 ノルウェー在住のウイグル人活動家アブドゥエリ・アユプ(Abduweli Ayup)氏は、流出した名簿で約30人の親族や近隣住民の名前を確認したとAFPに語った。
「父の故郷のオグサク(Oghusaq)や母の故郷オパル(Opal)では、すべての家で誰かが拘束されたことが分かる」。
 ほとんどは商人や読み書きのできない農民だという。「いとこは、ただの農民だ。『テロ』という単語を読むことも、意味を理解することもできないだろう」
 AFPは、警察のデータベースから流出したとされる別の名簿も確認した。主にカシュガル(Kashgar)県とアクス県で2008~15年に拘束されたウイグル人1万8000人が特定されていた。
 中国政府は、新疆ウイグル自治区におけるウイグル人らイスラム教少数民族の迫害をかたくなに否定している。それどころか、ウイグル人への対応は過激主義に対する正当な対応だと主張し、貧困地域の経済再生に数十億ドルを投じたと反論している。
 流出した名簿についてのAFPの質問に対し中国外務省は、「新疆に関して一部組織や個人が捏造したうそに、われわれはすでに反論した」「新疆の社会は調和が取れ、安定している。あらゆる少数民族がさまざまな権利を十分に享受している」と回答した。(c)AFP/Laurie Chen with Eylul Deniz Yasar in Istanbul
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