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三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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大阪人権博物館での報告「日本占領下の海南島で」中止問題 3

2009年04月30日 | 大阪人権博物館
 2009年2月28日の海南島近現代史研究会の要請書と質問書にたいして大阪人権博物館から3月14日に、大阪市市民局人権室から3月13日につぎのような回答がありました。

■大阪人権博物館からの回答
       人博第148号
     大阪人権博物館
      館長秋定嘉和

貴研究会の「要請書」に対する回答

 謹啓、日頃から当館の運営に関しまして格別の理解と協力をいただき、感謝申し上げます。
 まずはじめに、リバティセミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」が中止となり、講師を依頼していたキムチョンミさんおよび貴研究会に対して深くお詫び申し上げます。
 貴研究会より2009 年2月28 日付の「要請書」を受け取りましたので回答いたしますが、その前にリバティセミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」について説明いたします。
 当館では、2008 年度事業として「今日からアジア・太平洋戦争と差別との関係を振り返り、平和の尊さを学び、人権の大切さを考える」という趣旨のもとに、①「アジア・太平洋戦争と在阪沖縄人」、②「アジア・太平洋戦争と都市下層社会」、③「アジア・太平洋戦争と朝鮮人」、④「アジア・太平洋戦争と民衆」を内容とするリバティセミナー「アジア・太平洋戦争と被差別民衆」を2月から3月にかけて開催することにしました。
 担当者は10 月頃から企画内容の具体化を始め、予算的な制約もあって3回は当館の学芸員を講師とし、1回は「アジア・太平洋戦争と朝鮮人」について研究を進めているキムチョンミさんに講師を依頼しました。とくにキムさんには、『大阪人権博物館紀要』第10 号(2008 年3月)に掲載された「国民国家日本の海南島侵略犯罪史認識と伝達」の内容を中心に、その後の調査研究をふまえて講演いただくことになりました。
 当館の学芸員およびキムさんと調整を終え、タイトルは「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」、内容的には①「総力戦体制と日雇労働者」(吉村智博)、②「日本占領下の海南島で-1939 年~1945 年-」(キムチョンミ)、③「日中戦争期の在阪沖縄人」(仲間恵子)、④「戦時期の問題と水平運動」(朝治武)と具体化しました。またキムさんの所属については、ご本人の希望により「海南島近現代史研究会」としました。
 このような調整をふまえて11 月下旬から12 月上旬にかけてチラシを作成していた段階で大阪市市民局人権室から「運営費補助事業等変更承認申請書」の必要が伝達され、当館は12 月18 日付の「申請書」を大阪市市民局人権室に提出しました。 しかし大阪市市民局人権室は2009 年1月5日付の文書で、「補助事業の目的、内容等が適正とは認められないので、補助事業等変更承認申請を不受理としました」と当館に通知しました。
 このことは当館にとっては極めて残念な結果とはなりましたが、受け入れざるをえない状況でした。
 経緯から見ると不受理になりましたが、当館に不備があったことは否めません。
 それは当初から詳細に企画を練り、内容と講師を明確にすべきだったといえます。そのうえで展示企画委員会と理事会において議論に付し、承認を受ける必要があったといえます。このような努力を怠ったため補助事業等変更承認申請の提出となってしまい、結果的には不受理となってしまったのです。
 以上をふまえて、「要請書」に対して回答いたします。

 ①1と2について
 3月4日に大阪市市民局人権室に口頭で申し入れをおこないました。大阪市市民局人権室から文書が届き次第、貴研究会に提示いたします。
 ②3について
 当館は、入館料など独自の収入とともに大阪府と大阪市からの運営費補助を受けて運営されています。運営費補助は今年度から大幅に削減されたとはいえ、収入全体の9割を越えています。事業に関しては理事会で決定していても、事業変更申請が大阪市から承認されないと実施できない仕組みとなっています。
 このような状況のなかで実施すると、大阪市からの運営費補助がさらに削減される状況をつくり出し、当館の存立基盤を危うくする可能性があります。したがって今回は、当館独自でのリバティセミナー開催を中止することにしました。
 ③4について
 リバティセミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」については、2008 年10 月1日発行の『広報誌リバティ』第42 号の「information」で「◆リバティセミナー/アジア・太平洋戦争と被差別民衆/2009 年2~3月」とのみ広報していました。詳細については広報していなかったので、中止となったこととお詫びについて簡潔なお知らせを次号の『広報誌リバティ』およびホームページに載せます。

 なお「要請書」に関わって、重要なことであると考えますので、次のことを申し添えます。
 ご承知の通り、2004年以来、海南島に関する特別展もしくは企画展は当館側の不備により開催に至っておりません。しかし海南島に関する資料的裏付けを積み上げ、諸状況を考慮しながら開催に向けて努力していく姿勢は理事会と展示企画委員会でも確認されています。
 これをふまえて、すでに海南島については当館の学芸員とキムさんの論文を『大阪人権博物館紀要』に掲載することによって調査研究の進展を公表してきました。また中止にはなりましたが、海南島についてはリバティセミナーという形式で調査研究の成果を一般に公開することを考えていました。
 当館をめぐっては極めて困難な状況にありますが、引き続き海南島については博物館事業として企画を検討していきたいと考えています。そして理事会・展示企画委員会、関係機関において企画の開催の承認が得られますよう、引き続き努力していく所存です。その際には貴研究会と連携・協議しつつ、開催形態や内容などを検討していきたいと思います。
 最後になりましたが、今後とも当館の運営に理解と協力を頂けますようお願い申し上げて、貴研究会の「要請書」に対する回答といたします。


■大阪市市民局人権室からの回答(原文中の「元号」は普通暦に訂正しました)
     大阪市市民局人権室
         相談担当課長
             渡邊誠

2009年2月28日付けの書簡に対する回答について

 平素は大阪市政に格別のご配慮を賜りましてありがとうございます。

 ご質問の1 および2 について、まとめてご回答いたします。

 2006年9 月に開催された財団法人大阪人権博物館展示・企画委員会と、同年11 月に開催された同財団第8 3 回理事会において、2007年度に予定されていた海南島に関する企画展を延期する旨の決定がなされました。
 その後現在までの間、海南島に関する企画について、同財団の展示・企画委員会で改めて取り扱われたことはなく、したがって第8 3 回理事会の決定を変更することも理事会では取り扱われておりません。
 今回財団から申請のありました「大阪人権博物館運営費補助金変更承認申請書」につきましては、このように所定の手続きがとられていないことから適正とは認められないと判断したところです。
 なお、この件については大阪府とも協議しております。

 以上、ご回答申し上げます。
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大阪人権博物館での報告「日本占領下の海南島で」中止問題 2

2009年04月29日 | 大阪人権博物館
 この問題にかかわって海南島近現代史研究会は、2009年2月28日に、大阪人権博物館につぎのような要請書を、大阪市市民局人権室につぎのような質問書を送りました。


■要請書
 大阪人権博物館館長 秋定嘉和さま

 海南島近現代史研究会は、2007年8月に結成されました。
 2009年2月14日から4回にわたって予定されていた大阪人権博物館の2008年度リバティセミナー(2)「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」の2回目に、講演依頼を受けた海南島近現代史研究会会員のキム チョンミが、「日本占領下の海南島で(1939年~1945年)」という題で講演することになっていました。
 「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」の案内チラシに、キム チョンミは講演要旨を書き、校正を2008年11月末におえていました。チラシの印刷は12月に終わっていたようです。

 ところが、2009年1月20日になって、このセミナーの担当者から、セミナーを中止することになったと聞きました。
 その理由は、大阪市市民局人権室から、2009年1月5日付の文書で、このセミナーの「目的、内容等が適正とは認められないので」、「不受理」と通知されたからとのことでした。
 このことにかかわって、つぎのことを要請します。

 1、大阪市市民局人権室にたいし、「適正とは認められない」という「目的、内容等」を具体的に文書で示してもらってください。そして、その文書回答を、海南島近現代史研究会に提示してください。
 2、大阪市市民局人権室にたいし、「適正とは認められない」理由を文書で詳細に具体的に示してもらってください。そして、その文書回答を、海南島近現代史研究会に提示してください。
 3、大阪人権博物館が、案内チラシを印刷したにもかかわらず、独自にリバティセミナーを開けない理由を説明してください。
 4、リバティセミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」を中止した事実と経過を、大阪人権博物館のホームページなどで、公表してください。

 2009年3月15日(土)までに、文書およびメールで回答してください。

■質問書
 大阪市市民局人権室室長さま

 海南島近現代史研究会は、2007年8月に結成されました。
 2009年2月14日から4回にわたって予定されていた大阪人権博物館セミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」の2回目に、講演依頼を受けた海南島近現代史研究会会員のキム チョンミが、「日本占領下の海南島で(1939年~1945年)」という題で講演することになっていました。

 ところが、2009年1月20日になって、このセミナーの大阪人権博物館担当者から、セミナーを中止することになったと聞きました。
 その理由は、大阪市市民局人権室から、2009年1月5日付の文書で、このセミナーの「目的、内容等が適正とは認められないので」、「不受理」と通知されたからとのことでした。
 このことにかかわって、つぎのことを質問します。

 1、「適正とは認められない」という「補助事業の目的、内容等」を具体的に示してください。
 2、「適正とは認められない」理由を具体的に詳細に説明してください。

 2009年3月15日(土)までに、文書で回答してください。
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大阪人権博物館での報告「日本占領下の海南島で」中止問題 1

2009年04月28日 | 大阪人権博物館
 2009年2月14日から4回にわたって予定されていた大阪人権博物館のリバティセミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」の2回目、2月21日に、海南島近現代史研究会会員であるキム チョンミさんが、「日本占領下の海南島で(1939年~1945年)」という題で報告することになっていました。
 この公開セミナーの案内チラシは、昨年12月はじめまでに刷り上っていました。
しかし、2009年1月20日、このセミナーの企画責任者である大阪人権博物館の担当者から、大阪市市民局人権室から2009年1月5日付で、「(このセミナー)の目的、内容等が適正とは認められないので」、「不受理」とするという文書が届いたので、セミナーを中止することになったという連絡がキム チョンミさんにありました。
 それにたいし、海南島近現代史研究会は、2月28日に、つぎのような質問を大阪人権博物館の秋定嘉和館長に文書でおこないました。

 1、大阪人権博物館では、大阪市市民局人権室に、①このセミナーのどの内容が「適正とは認められない」のか、②「適正とは認められない」理由はなにか、具体的に確認してください。
 2、大阪人権博物館では、大阪市市民局人権室がこのセミナーである「補助事業の目的、内容等が適正とは認められないので」、「不受理」とされ、セミナーを中止することにしたとのことですが、大阪人権博物館が独自にセミナーを開けない理由を説明してください。

 この海南島近現代史研究会の質問にたいする大阪人権博物館の回答、およびこの問題にたいする海南島近現代史研究会の大阪市市民局人権室にたいする質問と回答、再質問などについては、あとで報告しますが、本日(2009年4月28日)、大阪人権博物館(リバティおおさか)のホームページ(ウェブサイトのトップページ)に、つぎのような「お詫び」が掲載されました。http://www.liberty.or.jp/

■リバティセミナー中止・延期についてのお詫び
 当館では今年の2月から3月にかけて、「総力戦体制と日雇労働者」(吉村智博)、「日本占領下の海南島でー1939年~1945年ー」(キムチョンミ)、「日中戦争下の在阪沖縄人」(仲間恵子)、「戦時期の問題と水平運動」(朝治武)をテーマとしたリバティセミナー「被差別民衆とアジア・太平洋戦争」の開催を予定していました。しかし海南島に関しては特別展もしくは企画展の開催を当館の理事会と展示企画委員会において延期を決定しているとの理由で、大阪市市民局人権室からリバティセミナー開催は承認されませんでしたので、今回のリバティセミナーは中止・延期することにしました。
 当館をめぐっては極めて困難な状況にありますが、今後も海南島については展示やセミナーなど博物館事業の企画を検討していきたいと考えています。そして理事会・展示企画委員会、関係機関において企画の開催が承認されますよう、引き続き努力していく所存です。講師を依頼していた海南島近現代史研究会のキムチョンミさん、およびリバティセミナー開催を期待されていた皆さまに対して、深くお詫び申し上げます。
                                大阪人権博物館
                                館長 秋定嘉和

 
 5年近くまえ、大阪人権博物館は、「催し物のご案内」などで、企画展「海南島で日本はなにをしたのか――侵略・虐殺・略奪・性奴隷化――」(大阪人権博物館主催・紀州鉱山の真実を明らかにする会後援)を2004年7月21日~8月15日に開催すると広報していましたが、開会70日たらずまえの2004年5月13日に、紀州鉱山の真実を明らかにする会にたいして、企画展名「海南島で日本はなにをしたのか――侵略・虐殺・略奪・性奴隷化――」が“刺激的だ”という理由で、変更することを提案しました。展示の内容は変えないというので、紀州鉱山の真実を明らかにする会は、企画展名を「海南島とアジア太平洋戦争――占領下でなにがおこったか――」と変更することに合意しました。
 それまで、紀州鉱山の真実を明らかにする会は、主催者の大阪人権博物館とともに、2002年11月から11回、綿密な打ち合わせ会議をおこない、準備を進めていました。
 ところが、わずかその17日後の2004年5月30日に、大阪人権博物館は、現在の状況で、企画展「海南島とアジア太平洋戦争――占領下でなにがおこったか――」を開催すると、右翼に攻撃される可能性が強まることが予想され、大阪人権博物館としては対処できないので、延期をしたいと、紀州鉱山の真実を明らかにする会に一方的に通告してきました。これは、大阪人権博物館では、決議を経た決定だとのことでした。
 その後、これまで、日本の海南島侵略という重大な人権侵害にかんする展示は、大阪人権博物館においては実現していません。
 韓国では、特別展『海南島で日本は何をしたのか 侵略・虐殺・掠奪・性奴隷化』(主催:民族問題研究所、独立紀念館。後援:紀州鉱山の真実を明らかにする会)が、2004年10月1日から10日まで、ソウルの西大門刑務所歴史館で、2004年10月15日から11月20日まで、独立紀念館で開かれました。
 韓国での展示はもちろん朝鮮語でおこなわれましたが、それは日本の大阪人権博物館で突然延期さ展示の日本語原稿(解説・キャプション)をほとんどそのまま翻訳したものです。
 その日本語原稿は、このブログに2006年10月7日~10日に連載してあります。
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