三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「強制動員被害者訴訟の時効、人権の観点から広く取るべき」

2022年06月13日 | 国民国家日本の侵略犯罪
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/43710.html
「The Hankyoreh」 2022-06-10 06:51
■「強制動員被害者訴訟の時効、人権の観点から広く取るべき」
 破棄差し戻し審→再上告審を経て消滅時効が争点化 
 下級審の判断が交錯する中、「広く解釈すべき」指摘

【写真】2021年10月28日、強制動員問題の解決と対日過去清算のための共同行動の主催で行われた「10・30強制動員最高裁判決3年 被害者および市民社会団体記者会見」で、ある参加者がプラカードを手に日本の企業と政府に最高裁判決の履行を求めている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期の強制動員被害者の損害賠償請求権の消滅時効問題は、契約法の法理どおりに狭く判断してはならない、と指摘する声があがっている。歴史上の事件の被害者に対する権利の保障は人権保護の観点からアプローチすべきだとの趣旨からの主張だ。
 高麗大学法学専門大学院のキム・ジェワン教授は、大韓弁護士協会の主催で8日午後に行われた「日帝被害者強制動員事件に関する最近の法的争点についての討論会」において「歴史上の事件における判例変更による権利行使の可能性と消滅時効の起算点」をテーマとして発表し、このように主張した。キム教授は「軍事独裁時代の国家暴力や日帝強占期の強制動員事件のような『転換期の事件』の司法問題は、その社会がどれほど人権親和的な国かを示している。だが最近の裁判所の判決は、退行的な姿勢があらわになっていて残念だ」と発表の口火を切った。
 この日の討論会で議論された消滅時効は、強制動員被害者の損害賠償請求権が有効かどうかを分けるテーマだ。日本企業に強制徴用された被害者たちは、日本企業を相手取って未払い賃金と違法行為に対する損害賠償を請求する訴訟を起こした。1965年の韓日請求権協定締結当時、韓国と日本の政府が合意した補償金には、被害者個人に対する「損害賠償」は含まれていないとの趣旨によるものだ。最高裁は2012年5月、強制動員被害者勝訴の趣旨から破棄差し戻し判決を下した。しかし、日本企業が破棄差し戻し審も不服として再上告したことで、2018年10月に再上告審が確定するまでに6年あまりの時が流れた。
 問題は、このように流れた6年あまり間に、被害者の損害賠償請求権は消滅時効を過ぎたとする新たな争点が生じたことだ。日本企業は、2012年5月の最高裁の破棄差し戻し判決で被害者の権利行使の障害となっていた事由は解消され、その時点から起算して損害賠償請求権の消滅する3年が過ぎた2015年5月に請求権は消滅したという主張を展開している。いっぽう被害者側は、再上告審を経て裁判が最終確定した2018年10月に初めて障害事由が消え、この時点を消滅時効の起算点にすべきだと反論している。
 下級審の判決は分かれている。光州(クァンジュ)高裁民事2部は2018年12月、同じ趣旨の損害賠償請求訴訟で、2018年10月の最高裁全員合議体による判決を損害賠償の消滅時効の起算点と見るべきだとして、被害者勝訴の判決を下した。いっぽう今年2月、ソウル中央地裁民事68単独は、2012年5月の判決で障害事由が解消されたとして、日本企業勝訴の判決を下している。
 この日の討論会でキム教授は「歴史上の事件で『消滅時効抗弁』を合理的に判断するには、被害者の権利行使が遅れた原因は何なのかを問わなければならない」と指摘した。被害者の権利行使が遅れた事由を、最高裁の基準である「法律上の障害」の有無だけで判断するのではなく、客観的な、または事実上の障害をも念頭に置いて「権利行使が遅れたことについて被害者を非難できるのか」をも考慮しなければならないというわけだ。歴史上の事件の被害者たちは、法的に損害賠償請求訴訟が禁止されていたわけではないため、権利行使に法律上の障害事由はない。しかし「最高裁で破棄差し戻しされた事件の再上告審の結論が出ず、6年以上漂流していた状況などを考慮すれば、一般人が訴訟を起こす決心をすることは難しかっただろう」とキム教授は述べた。
 キム教授は、歴史上の事件は特殊な形態の違法行為事件であるだけに、消滅時効に関する法理を前向きに適用すべきだとも強調した。「契約法と不法行為は消滅時効法理が完全に異なるが、韓国の裁判所は歴史上の事件もつけの代金を受け取れなかった事件のように契約法上の法理を適用する愚を犯している」と指摘した。キム教授は続けて「消滅時効の存在理由を人権親和的に考え、適切な妥当性とバランスを保たなければならない」とし、「自救解釈ばかりに縛られるのではなく、根本的な正義の観点から考える必要がある」と付け加えた。
チェ・ミニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1046223.html
韓国語原文入力:2022-06-08 17:55


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/43489.html
「The Hankyoreh」 2022-05-18 07:38
■日本の強制労働、損害賠償の時効はいつ?…交錯する下級審、最高裁の判断に注目
 西松建設被害者遺族が損害賠償訴訟 
 「請求権は存在するかどうか」下級審の判決が交錯

【写真】キム・ミョンス最高裁長官ら最高裁の判事が2018年10月、日帝強制労働の被害者が新日鉄住金(現日本製鉄)を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、全員合議体判決を言い渡すために席についている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期(日本による植民地時代)の強制労働被害者の損害賠償請求権が認められるかどうかを巡り、下級審の判決が交錯する中、被害者の遺族が日本企業を相手取って起こした訴訟で「損害賠償を請求する権利は存在する」と再び主張した。
 ソウル中央地裁民事48部(イ・ギソン裁判長)の審理で17日に行われた初の口頭弁論で、原告である強制労働被害者の遺族Pさんらは、被告の西松建設株式会社に対してこのように主張した。被害者のKさんは、日帝強占期に咸鏡北道富寧郡(プリョングン)にあった軍需事業所で働いていたが、1944年5月29日に死亡した。遺族は「当事者の意思に反して強制的に動員され、労役について亡くなったという不法行為に対して、損害が賠償されなければならない」として、2019年6月に提訴した。
 原告側は、1965年に締結された韓日請求権協定によっては不法行為に対する被害者の損害賠償請求権は消滅していない▽損害賠償請求権の消滅時効は2018年10月の最高裁全員合議体判決の時点から起算すべきだと主張した。当時の最高裁判決の趣旨に沿って「被害者の損害賠償請求権は日本政府の不法な植民地支配、侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的不法行為に対するものであるため、韓日請求権協定では消滅していない」と主張したのだ。
 これに対して西松建設側は「韓日請求権協定ですでに損害賠償請求権は消滅しており、損害賠償請求権を行使しうる障害事由も2012年5月の最高裁判決で解消されている」と反論した。日本企業を相手取った強制動員被害者による損害賠償請求訴訟は、被害者が行使しうる損害賠償請求権が最高裁の2012年5月判決と2018年10月判決のどちらを起点として計算すべきかが争点になっているが、日本企業は先となる2012年5月判決を起点として3年の消滅時効を計算し、被害者の権利はすでに消滅しているとの主張を展開している。
 被害者の損害賠償請求権がいつから有効なのかについては、下級審の判断が交錯しており、最高裁が起算点を整理すべきだとの声があがっている。実際に2018年12月に光州(クァンジュ)高裁民事2部は同趣旨の損害賠償請求訴訟で、2018年10月の最高裁全員合議体判決を起点とすべきだとし、被害者勝訴の判決を下している一方、ソウル中央地裁民事25単独と民事68単独は昨年、2012年の最高裁破棄差し戻し判決が起点だとして被害者敗訴の判決を下している。

チェ・ミニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1043220.html
韓国語原文入力:2022-05-17 16:45
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