「毎日新聞」 2023/5/11 18:12
イスラエル軍、2日連続でガザ空爆 民間人や子ども含む24人死亡
【写真】イスラエルの空爆を受けた住宅付近で、被害者にまつわるものが残されていないか探す人々=パレスチナ自治区ガザ地区ハンユニスで11日、ロイター© 毎日新聞 提供
イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザ地区への空爆を2日連続で実施した。ガザ当局によると、死者は過激派組織「イスラム聖戦」の幹部と民間人、子供5人を含む計24人に達した。イスラム聖戦は450発以上のロケット弾をイスラエルに向けて発射。一部は商都テルアビブ周辺に飛来したが、イスラエル側に負傷者は出ていない。
イスラエル軍は、これまでにイスラム聖戦の軍事拠点など133カ所を攻撃。ネタニヤフ首相は10日、今回の戦闘でイスラム聖戦に大きな打撃を与えたとした上で、「まだ作戦は終わっていない」と述べた。攻撃に巻き込まれる民間人が増えており、国連のグテレス事務総長は10日の声明で、民間人の殺害は「受け入れられない」と非難し、双方に戦闘の停止を呼び掛けた。現在、隣国のエジプトが停戦の仲介を続けている。
ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスは、今回の戦闘に参加していないとみられる。【イスタンブール三木幸治】
「毎日新聞」 2023/5/3 11:04
■ハマスが30発以上のロケット弾発射 イスラエル3人負傷で報復空爆
【写真】イスラエル軍の空爆で煙が上がったパレスチナ自治区ガザ地区=2023年5月2日、ロイター
パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスと過激派組織「イスラム聖戦」は2日、イスラエルに向けてロケット弾30発以上を発射した。イスラエルに拘束されていたイスラム聖戦の幹部が死亡したためで、イスラエル側で3人が負傷した。イスラエルは2日夜、報復としてガザ地区を空爆した。
イスラエル当局によると、イスラム聖戦のカデル・アドナン幹部(45)はテロに関与した容疑で2月に逮捕された後、イスラエル側に抗議して約3カ月のハンガーストライキを実施。今月2日朝に死亡が確認された。ハマスはイスラエルがアドナン幹部を「不法に殺害した」と主張し、ガザに近いイスラエル南部に向け、断続的にロケット弾を30発以上発射。建設現場などで働いていた外国人労働者3人がロケット弾の破片で負傷した。
これを受け、イスラエル軍は2日夜、ガザにあるハマスの弾薬庫などを空爆。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、エジプトやカタールの仲介で、双方は3日朝までに停戦で合意した。
ハマスのロケット弾で破壊された車=イスラエル南部スデロットで2023年5月2日、ロイター
ハマスは4月上旬、エルサレム旧市街でイスラエル治安部隊とパレスチナ人が衝突したことを受け、隣国レバノンの拠点からロケット弾を発射するなど、イスラエルへの攻勢を強めている。
イスラエルではネタニヤフ政権が推し進める「司法改革」を巡って大規模な抗議デモが継続しており、国内の混乱が治安悪化を招いているとの見方も出ている。【エルサレム三木幸治】
「ARAB NEWS Japan」 03 May 2023 12:05:28 GMT9
■ハンスト中のパレスチナ人戦闘員がイスラエル拘束下で死亡し、ガザで緊張が高まる
【写真】2023年5月2日、約3カ月のハンガーストライキの末にイスラエルの刑務所で死亡した過激派組織「イスラム聖戦」の指導者、ハデル・アドナン氏の写真を手にするパレスチナ人。(AP通信)
パレスチナ自治区、ガザ市: 86日間のハンガーストライキを行っていたパレスチナ人受刑者ハデル・アドナン氏が5月2日、イスラエルの拘束下で死亡。
過激派組織「イスラム聖戦」の指導者であるアドナン氏は、10年以上前から長期のハンガーストライキを始め、イスラエルが罪状や裁判なしにパレスチナ人を大量拘束することに対する新しい形の抗議を導入した。
5月2日、45歳のアドナン氏は長期ハンストによってイスラエル拘束下で死亡した初めての抗議者となった。
イスラエルとパレスチナの衝突が激化する中、行政拘留者の数はこの1年で1,000人以上となり、過去20年間で最多。
行政拘禁者にとって、ハンガーストライキはしばしば最後の手段である。中には数ヶ月に及ぶハンガーストライキを行い、危険な状態に陥った人も少なくない。これまでのイスラエル政府は、拘束死を回避するために彼らの要求の一部を受け入れたこともあった。
今回、アドナン氏の健康状態が悪化しているという警告は無視されたと、イスラエルの擁護団体「人権のための医師団(Physicians for Human Rights Israel)」は述べている。
この団体とアドナン氏の弁護士は、イスラエル当局に対し、彼の状態をしっかりと観察できる病院へ独房から移動させるよう要請したと述べた。同団体によると、数日前に同氏を訪ねた医師は、彼が命の危険にあることを指摘したという。
報復として、パレスチナの諸派は5月2日の朝、ガザ地区からイスラエルの町に向けて少なくとも3発のロケット弾を放ったが、この攻撃に対して声明を出したグループはない。
イスラエル国防軍は、ガザ地区から発射された3発の砲弾を探知したが、砲弾はすべて開けた場所に落下し、防衛システム「アイアンドーム」で迎撃されることはなかったと発表。
イスラム聖戦の事務総長であるジヤド・アルナカラ氏は、次のように述べた: 「シェイク・カーダーは、我々の民族の偉大な象徴であり、世界の自由戦士の象徴であり、エルサレムに向かう我々の行進における高旗であり続けるだろう」。
「(我々は)今日、すべての殉教者とシェイク・ハデル・アドナン、そして祝福された殉教者の仲間入りをする者たちに忠誠を表明する 」と付け加えた。
「私たちの土地がシオニストの殺人者や犯罪者から解放されるまで、私たちは聖戦と抵抗の道を離れることはない」とアルナカラ氏は言った。
パレスチナの地元メディアは、ガザ地区のイスラム聖戦の指導者たちが、政治部の会合に出席する計画をキャンセルしたとの情報筋の話を引用した。
情報筋は、包囲された飛び地での紛争の激化と新たな対立への戻行を防ぐために、国内外の様々な関係者が努力を重ねていると付け加えた。
パレスチナのAl-Quds紙が情報筋の話を引用して以下のように報じた: 「イスラム聖戦は、アラブ諸国や国際各国から接触を受け、報復を控えるよう圧力がかかる中、現在も内部で対応策を協議中である。」
アドナン氏は、ヨルダン川西岸地区北部のジェニンのアーラバ出身。行政拘留で12回逮捕され、2012年から5回のハンガーストライキを行った。
カタール在住のハマス政治局長のイスマイル・ハニエ氏は、アドナンの死後、レバノン在住のアル=ナカラ氏に連絡した。
ハニエ氏はその後「これは占領地に対する公然の戦いであり、我々の民衆は24時間体制でこれに立ち向かっている。」と語った。
ガザ地区では、2007年半ばにハマスが支配して以来、イスラエルとの間に数十回の戦闘が発生、その中で最も激しかったのは2021年5月である。
ハマスの政治局員であるフッサム・バドラン氏は、「この極悪非道な犯罪は、アドナンを刑務所で暗殺し、医療面でも放置し、さらに罪状も裁判もなしに何度も行政拘留することで、人道的な意味合いをすべて放棄した忌まわしい占領軍の素顔を示すものである。」と語った。
イスラム聖戦の政治局員であり、政治部門を担当する役人であるムハンマド・アル=ヒンディー氏は「敵はこの犯罪の代償を払うだろうし、我々の捕虜と国民に対する全ての犯罪の代償を払うだろう、神様の思し召しのままに。」と述べた。
イスラム聖戦は、ガザ地区でハマスが参加しない形で2回の紛争の激化を引き起こしている。1度目は、2019年にその軍事指導者の一人であるバハ・アブ・アル・アッタがイスラエルによって暗殺されたことを受けて、2度目は2022年に軍事指導者らの暗殺を受けてのことである。
ガザ市の赤十字国際委員会本部前に集まったパレスチナ人たちは、アドナン氏の死を非難した。
彼らは「ハデル・アドナン、革命家、抗議者、そして殉教者」と書かれたプラカードを掲げた。
「東亞日報」 May. 04, 2023 08:44
■パレスチナ指導者死亡後、イスラエルとパレスチナの武力衝突が激化
パレスチナの武装組織「イスラム聖戦」の指導者、カデル・アドナン氏(45)が2日、獄中でのハンガーストライキ中に死亡したことで、イスラエルとパレスチナの紛争が激化している。パレスチナがロケット弾を撃ち、アドナン氏の死に怒りを表明すると、イスラエルもガザ地区全域を空爆して報復に出るなど、緊張が高まっている。
ロイター通信などは2日、イスラエルの戦闘機がガザ地区内の武器製造工場だけでなく、別の武装組織ハマスの訓練キャンプなどに対する全面的な空爆に乗り出したと報じた。すると、ハマスとイスラム聖戦もロケット弾を発射して応戦した。
アドナン氏は、イスラエルが正当な法的手続きなくパレスチナ市民を拘留することを批判し、過去の収監の時も何度もハンガーストライキをした。今年2月に投獄された後、再びハンガーストライキを行い、病院での治療を要請したが拒否された。このためアドナン氏が2日午前に死亡すると、イスラム聖戦とハマスはすぐにイスラエルに30発のロケット弾を発射した。
双方が3日、一時休戦に合意したものの、紛争の火種は依然として残っており、いつまた再び衝突が起こるか分からない。
ガザ地区とヨルダン川西岸では、アドナン氏の死に抗議するパレスチナ住民のデモが続いている。一部のデモ隊は、イスラエル軍に向かって石を投げて抗議し、イスラエルも催涙弾やゴム弾で対応しており、いつ犠牲者が発生してもおかしくない状況だ。
今回の事態が国外に広がる可能性もある。反イスラエル感情が強いイランは3日、声明を通じてアドナン氏を「殉教者」として追悼した。そして、「彼の死で、イスラエルが70年間犯した非人道的で暴力的な行為が浮き彫りになった」と批判した。
「時事ドットコムニュース」 2023年5月2日18時19分
■武装組織指導者、ハンスト死 報復でイスラエルにロケット弾―パレスチナ
【写真】東エルサレムの病院で治療を受けるパレスチナ武装組織「イスラム聖戦」の指導者アドナン氏(左)=2015年7月(AFP時事)
【ガザ市AFP時事】イスラエルの占領地ヨルダン川西岸で2月に軍に拘束され、解放を求めて3カ月近くハンガーストライキを行っていたパレスチナ武装組織「イスラム聖戦」の指導者アドナン氏(45)が2日、収容施設内で死亡した。当局が発表した。これを受け、パレスチナ自治区ガザからイスラエルに向け、ロケット弾3発が撃ち込まれた。