三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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ガザ戦争に沈黙するスターはアンフォロー…米国で「デジタル断頭台」運動

2024年05月15日 | 国家・社会
https://japanese.joins.com/JArticle/318617?servcode=A00&sectcode=A00
「中央日報日本語版」 2024.05.14 11:03
■ガザ戦争に沈黙するスターはアンフォロー…米国で「デジタル断頭台」運動
 戦争で苦しんでいるガザ地区の痛みに沈黙する有名人をソーシャルメディア(SNS)で遮断する運動が米国で行われている。いわゆる「デジタル断頭台(digital guillotine)運動」だ。テイラー・スウィフト、ジャスティン・ビーバー、キム・カーダシアン家族などがターゲットになっている。
 デジタル断頭台運動は6日、米国ニューヨークで開かれた「メットガラ」に参加した有名モデルのヘイリー・カリルが投稿したSNS映像に対する反発がきっかけとなった。華やかなドレスを着て登場したカリルは「ケーキを食べればいいじゃない」と話した。これはフランス革命の時、マリー・アントワネット王妃が言ったとされる言葉だ。
 メット・ガラファッションショーが開かれる会場の外では、ガザ地区戦争の終息を促すデモが行われていたため、カリルのこのような発言は大衆の怒りを買った。
 カリルの発言に侮辱感を感じたTikTokクリエイターは「困っている人を助けるために資源を使わないすべての有名人とインフルエンサーを遮断する時だ。彼らに与えた我々の関心や『いいね』、コメントとお金を取り戻す時だ」と訴え、「デジタル断頭台」運動を提案し、呼応を受けることになった。
 カリルは謝罪文を投稿した。自分はファッションショーの参加者ではなく芸能ニュースの司会者として参加したのであり、ガザ戦争に対する十分な情報がなくて論評しなかったという釈明だったが、大衆の怒りは収まらなかった。
 ポップスターのセレーナ・ゴメスやジャスティン・ビーバー、女優ゼンデイヤなど有名なスターたちが相次いで「殺生簿」に名を連ねた。
 効果は即効性だった。リストに含まれた有名人たちは、1日平均数万人から数十万人ずつフォロワーが減ったことが分かった。
 パレスチナを支持し、戦争に反対する曲やラップを作って掲示する有名人も続々と出ている。
 この他にも、米国では大学街で卒業式が行われないほど、戦争に対する反戦デモが激しくなっている。


「The Hankyoreh」 2024-05-13 09:11
■[フォト]韓国の大学生、米国大使館前で反戦を叫ぶ

【写真】大学生平和行動のメンバーが10日午前、ソウル鍾路区の米国大使館前で、「全世界の大学街の反戦デモに連帯する緊急大学生平和行動」記者会見をおこなっている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 「韓国の大学生は連帯する。この地に反戦と平和を!」
 「世界中の大学街の反戦デモに対する暴力と鎮圧をやめろ!」

 大学生たちが10日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)の米国大使館前に集まった。平和ナビネットワーク、ソウル女子大学ムソウィプル(サイの角)、梨花女子大学学生マイノリティー人権委員会、韓国外国語大学生活図書館、淑明女子大学淑明アムネスティ、高麗大学生マイノリティー人権委員会などの14の学生団体からなる「大学生平和行動」のメンバーはこの日、イスラエルによるパレスチナのガザ地区での民間人虐殺の中止を要求するとともに、米国政府によるイスラエル支援および反戦デモ鎮圧を糾弾した。
 記者会見の開始前、彼らはパレスチナ国旗の色のテントが描かれた横断幕に連帯のメッセージを記した。学生たちの掲げたプラカードと横断幕は、光化門(クァンファムン)広場を歩く外国人観光客の視線を釘付けにした。「民間人虐殺支援をやめろ(STOP FUNDING GENOCIDE)」、「キャンパス取り締まりを中止せよ(STOP CRACKDOWN ON CAMPUS)」など、英語で記されたメッセージを携帯電話で写真に収める人々が目についた。大学生たちは、風にはためく米国大使館の星条旗を背景に反戦スローガンを叫んだ。
 東国大学歴史サークル「サダリ(はしご)」で活動するパク・チュンソンさんは、「私たちがいま記者会見しているこの瞬間にも、戦争に苦しむ女性、子どもたち、弱者がいるはず。世界の警察を自任する米国はこのような戦争を止めるどころか支援し、ほう助している」と述べた。進歩大学生ネット・ソウル女子大学支会のパク・セヒ支会長は、「米国ニューヨークのコロンビア大学からはじまった大学の反戦デモに、警察は強硬対応している」とし、「戦争の虐殺暴力を糾弾する大学生たちの口を、もうひとつの暴力で塞ごうとしている」と批判した。
 彼らは3カ国語に翻訳された声明で、「日本軍性奴隷制問題、日帝強制動員問題、朝鮮戦争での無差別民間人虐殺、ベトナム戦争そして5・18民主化運動に至るまで、私たちの近現代史には戦争と虐殺による痛みが残っている」、「韓国の大学生たちは米国の大学生たちと連帯し、世界に広がる反戦デモを支持し、戦争犯罪なき世を作ろうとしている一国の大学生として連帯する」と表明した。

【写真】参加者たちが記者会見前に、大学反戦デモのテントの絵に連帯メッセージを書いている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社
【写真】パレスチナ国旗の色のテントが描かれた横断幕に韓国語、英語、日本語、中国語などで反戦メッセージが記されている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社
大学生平和行動のメンバーが「全世界の大学街の反戦デモに連帯する緊急大学生平和行動」記者会見をおこなっている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社
【写真】通りがかりの観光客が記者会見を写真に収めている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社
【写真】学生たちがプラカードを高く掲げてスローガンを叫んでいる=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社
【写真】記者会見に参加した学生たちのカバンとプラカードが地面に置かれている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

キム・ヨンウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1140067.html
韓国語原文入力:2024-05-10 16:55


「The Hankyoreh」 2024-05-09 08:23
■[フォト]「ガザ虐殺やめろ」韓国の大学でも「グローバル反戦デモ」の波
 
【写真】ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」の学生が8日午後、ソウル冠岳区新林洞のソウル大学で、パレスチナのガザ地区でのイスラエルによる「人種虐殺」に反対し、米国の大学生たちが学内でおこなっているデモに連帯して座り込みをしている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 春の学園祭が真っ最中の大学キャンパスで、パレスチナのガザ地区で起きているイスラエルによる「人種虐殺」に反対するデモが行われた。
 ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」の学生たちは、8日午前10時から午後6時まで、ソウル冠岳区新林洞(クァナック・シルリムドン)のソウル大学冠岳キャンパスで、パレスチナへの連帯を示し座り込みと集会をおこなった。米国の大学生たちがはじめたキャンパス占拠闘争が米国にとどまらず全世界へと広がる中、韓国の大学生たちも連帯を開始したのだ。彼らは「イスラエルがおこなってきた人種虐殺と76年間のパレスチナ占領はもう終わらせなければならないという声を伝えるため、学生たちのこの巨大な運動に参加することを決めた」と述べた。
 学生たちは「ソウル大学当局に対し、パレスチナ抑圧に寄与しているイスラエルの諸機関(テルアビブ大学、ヘブライ大学)との交流を中止すること、ガザ地区で起きている人種虐殺の即時中止」を要求し、イスラエルのラファ侵攻を糾弾した。

【写真】ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」の学生が8日午後、ソウル冠岳区新林洞のソウル大学で、パレスチナのガザ地区でのイスラエルによる「人種虐殺」に反対し、米国の大学生たちが学内でおこなっているデモに連帯して座り込みをしている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
【写真】ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」の学生が8日午後、ソウル大学の校内で、パレスチナのガザ地区でのイスラエルによる「人種虐殺」に反対し、米国の大学生たちが学内でおこなっているデモに連帯する集会でスローガンを叫んでいる=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
【写真】ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」の学生たちが8日午後、ソウル大学の校内で、パレスチナのガザ地区で起きているイスラエルによる「人種虐殺」に反対する集会をおこなっている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
【写真】ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」の学生たちが8日午後、ソウル大学の校内で、パレスチナのガザ地区で起きているイスラエルによる「人種虐殺」に反対する集会をおこなっている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
【写真】ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」の学生たちが8日の座り込み中に、連帯の意を込めて記した付箋を貼っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

キム・ジョンヒョ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-08 15:49


「The Hankyoreh」 2024-05-09 08:14
■世界の大学に広がるパレスチナ連帯デモ…韓国でも号砲

【写真】ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」はガザ戦争に反対するために8日午前10時から午後6時まで座り込みデモをおこなった=コ・ギョンジュ記者//ハンギョレ新聞社

 「フリー、フリー、パレスタイン(パレスチナを解放せよ)!」、「ストップ、ストップ、ジェノサイド(虐殺やめろ)!」。
 8日午後12時30分ごろ、春の学園祭真っ最中のソウル大学の学内に、パレスチナ連帯の声が響き渡った。韓国、スウェーデンなど多くの国から集まった20人あまりの学生は、肩に色とりどりのパレスチナの伝統的スカーフ「ケフィエ」を巻いてスローガンを叫んだ。
 米国の一部の大学ではじまったガザ地区戦争反対デモが全米の大学と欧州に広がる中、韓国の大学でもパレスチナ支持デモがはじまった。ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」はこの日午前10時から午後6時まで、学内で座り込みを行うことをもってデモの開始とした。延世大学の学生たちも同日午後4時から、学生会館から新村(シンチョン)駅までデモ行進を行う。
 ソウル大学のデモを主催したスバクは声明で、「ガザ地区で繰り広げている人種虐殺を直ちに中止せよ。イスラエルのラファ侵攻を強く糾弾する。ソウル大学当局には、パレスチナ人抑圧に寄与しているイスラエルの諸機関(テルアビブ大学、ヘブライ大学)との学術交流を中止することを要求する」と述べた。テルアビブ大学とヘブライ大学はイスラエル軍の部隊を支援していることが知られている。
 彼らは、「大学生としての責任感」がデモ参加の理由だと語った。彼らは「パク・ジョンチョル烈士(民主化運動の学生運動家。拘束中に拷問死した)をはじめとする私たちの先輩の大学生たちは、自身の問題だけでなく社会正義のために闘争してきたという伝統がある」とし、「その伝統の上で、パレスチナ問題がパレスチナ人だけの問題ではなく、世界の自由と平和を願うすべての人々の問題だと考えて(連帯デモを行う)」と語った。彼らは学内のパク・ジョンチョル烈士の胸像にもケフィエを巻いた。
 デモに参加したソウル大学の在学生イ・シホンさんは「(米国などの)全世界の大学生が反戦デモを主導していく姿を見て、共に闘わなければならないという気がした。今日を契機として他大学にもこのような動きが拡大してくれれば」と話した。
 異なる意見を持つ学生との対立が拡大する可能性もある。先月15日にはイスラエル国籍のソウル大学音楽学部の教授が、学内に貼ってあったパレスチナ支持ポスターにスプレーを吹き付け、送検されている。
コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-08 15:46


「The Hankyoreh」 2024-05-09 00:52
■[コラム]A級戦犯とネタニヤフ
 人類全体を絶滅の危機へと追い込みうる戦争と、その中で発生する集団虐殺のような戦争犯罪を防ぐには、どうすればよいのだろうか。第1次世界大戦という途方もない悲劇を経験しつつも、再び大きな戦争の惨禍にさらされた人類は、真剣に悩みはじめた。
 第2次世界大戦という巨大な危機を克服した人類は、侵略戦争をはじめるという判断を下した「戦争指導者」や、その戦争で残虐行為を事とした「戦争犯罪者」のような「個人」を処罰すべきだとの結論に達した。「国家」や「集団」はもちろん、「個人」にも応分の代価を支払わせることが重要だった。そこで米国、英国、フランス、ソ連の連合国4カ国は1945年8月8日、国際軍事裁判所憲章に合意する。同憲章は第6条で、平和に対する罪▽通常の戦争犯罪▽人道に対する罪という3つの戦争犯罪を規定した。とりわけ平和に対する罪という名のついたa項は、侵略戦争を計画、準備、開始、遂行した戦争指導者を処罰するために作られたものだ。靖国神社を参拝する日本の主な政治家を「A級戦犯が合祀されている神社の参拝は、先の侵略戦争を肯定するもの」だと批判する際に出てくる「A級戦犯」という用語は、まさにこの条項に由来するものだ。
 だが、その後も戦争と戦争犯罪は絶えなかった。特に冷戦直後の1990年代初めにはじまったユーゴ内戦とルワンダ内戦で発生した集団虐殺は、人類に大きな衝撃を残した。結局、国際社会は1998年7月に「国際刑事裁判所(ICC)に関するローマ規程」(2002年7月発効)によって常設の刑事裁判所を作ることを決める。124カ国が加盟するICCでは、集団殺害犯罪(6条)、人道に対する犯罪(7条)、戦争犯罪(8条)などを起こした個人を処罰することができる。
 昨年10月のハマスの先制攻撃ではじまったガザ戦争は、すでに7カ月続いている。パレスチナ側の死者はイスラエル(約1200人)の30倍の3万5千人にのぼる。見るに見かねた国際司法裁判所(ICJ)は調査を開始しており、イスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状の発行を準備しているという。にもかかわらず「大破局」は防げていないようにみえる。期待を集めたイスラエルとハマスとのカイロ休戦会談が成果を出せなかったことから、ネタニヤフは5日、すべての責任をハマスに押し付ける声明を発表し、7日には最悪の「集団虐殺」を招きうるラファ侵攻を開始した。歴史はネタニヤフを何者として記憶するのだろうか。
キル・ユンヒョン論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-08 16:00


「AFP」 2024年5月8日 11:04 発信地:アムステルダム/オランダ 
■欧州の大学でも反イスラエルデモ拡大

【写真】スイス・ローザンヌ大学で開かれた親パレスチナ学生らの集会(2024年5月6日撮影)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP
【写真】仏パリ政治学院の入り口に貼られたポスターを撤去する警備員(2024年5月7日撮影)。(c)Dimitar DILKOFF / AFP 
【写真】仏パリ政治学院の入り口に立つ警備員(2024年5月7日撮影)。(c)Dimitar DILKOFF / AFP 

【5月8日 AFP】イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への報復攻撃を続ける中、オランダやドイツ、フランスなど欧州各国の大学では、イスラエルの研究機関との協力関係を停止するよう求める抗議活動が拡大している。
 オランダでは、6日夜にアムステルダム大学(University of Amsterdam)で警察が抗議行動の参加者を警棒で制圧したり、敷地内に設営されたテントを壊したりしている様子が映っている動画が拡散。ただ、7日夜には数百人がデモを再開した。警察は6日以来、169人を逮捕したとしている。
 独ライプチヒ大学(University of Leipzig)では、50~60人のデモ参加者が講義棟を占拠。大学によるとドアを内側からバリケードでふさぎ、敷地内にテントを設営している。
 大学は7日午後に警察を呼ぶとともに、一部の参加者を刑事告訴した。警察によれば、親イスラエル派約40人もカウンターデモを実施している。
 先週から反イスラエルデモが続いている仏エリート養成機関、パリ政治学院(Sciences Po)では、メインホールに立てこもった学生約20人を排除するため治安部隊が動員された。
 スイスでも、ローザンヌ大学(University of Lausanne)など3大学で反イスラエルデモが行われた。


「The Hankyoreh」 2024-05-07 11:46
■6歳のヒンドの最後の瞬間…ガザの「死の数字」は今日も増え続けている
 [ハンギョレS]ソ・ジェジョンの一つの半島、一つの世界 
 イスラエルによる虐殺3万4535人 
 
 ICJ、イスラエルに「虐殺防止命令」 
 その3日後、脱出しようとした車が攻撃を受け 
 救助を求めた6歳の子どもまで殺害 
 出動した赤新月社の隊員も遺体で発見

【写真】米ニューヨークのコロンビア大学の学生たちが先月30日(現地時間)、学内のハミルトンホールを占拠した後、ガザで虐殺された少女の名前から「ヒンドのホール」と命名するという横断幕を掲げた/AP・聯合ニュース

 ヒンド・ラジャブ。この名前だけは覚えていてほしい。3万4535人を覚えきれないのであれば。
 この世で送った年数はたったの6年だった。ガザ市で暮らした6年、一日一日は決して楽なものではなかっただろう。それでも、愛情を注いでくれる両親と親戚がいて、楽しく一緒に遊んだいとこたちがいた。その日、叔父といとこたちと一緒に車に乗ったのが過ちだったのか。
 イスラエルが行っているパレスチナ人の集団虐殺は遠い国のことだ。自分とは関係ない、と思うかもしれない。それでも、ほんの一瞬でもヒンド・ラジャブのことを考えてほしい。彼女が最期を迎えたのが起亜の自動車の中だったから、というだけではない。
 もう3カ月前に起きたことだが、忘れないでほしい。今年1月29日、ヒンドは叔父の家族と一緒に車に乗ってガザ市から脱出を試みた。そうしようとした。だが、永遠にガザ市を離れることはできなくなった。イスラエル軍の銃弾を恐れて逃げようとした。だが、その銃弾のために永遠に逃げられなくなった。

◆叔父、叔母、従姉も死に…
 永遠に逃げられなくなったのはヒンド・ラジャブだけではない。素朴ながらも幸せな暮らしを築いていた住まいが崩され、学校が破壊され、病院が壊された。3700万トンを超える建物の残骸の下にも、逃げられなかったヒンドたちがいることを忘れないでほしい。生き残った人々が道具もなく素手でいくら片付けても、コンクリートの塊は重く積み重なっていて、焦れながら穴をかき分けてみても、1万人以上がその下におしつぶされている。
 ヒンドは最後まで生きていた生存者だった。叔父と叔母が先に殺された。従姉も死んだ。すでに遺体となった彼らが乗っていた車は動くことができなかった。まだ息の残っていた15歳のラヤンが、外国にいる親戚に電話をかけた。
「お母さんとお父さんは死んじゃった。姉さんも死んだ。私とヒンドだけ生きてる」
「心配しないで。怖がらないで。すぐに救急車を送るから。その場にそのままいて」
 親戚はすぐにガザ市の赤新月社に連絡した。救助を要請した。ラヤンの電話番号を教え、連絡してくれればラヤンが出ると伝えた。だがイスラエルの戦車はその自動車をそのままにしておかなかった。ラヤンが恐怖におびえた声で電話している間に銃撃した。鈍い銃撃音とラヤンの叫び声が受話器に響いた。電話は切れた。
 南アフリカ共和国は昨年12月、国際司法裁判所(ICJ)にイスラエルを集団殺害の疑いで提訴した。集団殺害罪の防止と処罰に関する条約に違反し「パレスチナ人を抹殺しようとする意図を持って集団殺害を行った」ということだ。第2次世界大戦当時、ナチス・ドイツが行ったユダヤ人集団殺害のような民族浄化などの犯罪の再発を防ぐために結ばれた条約(ジェノサイド条約)だ。その条約にイスラエルが違反したという南アフリカの提訴に、コロンビア、ニカラグア、トルコが賛同した。ICJはこの訴訟を通じてすでに1月26日、集団虐殺防止、ガザ地区の住民の人道的状況の改善など、暫定措置をイスラエルに命じた。その日、ヒンド・ラジャブはまだ生きていたことを思い出してほしい。
 その3日後、叔父と叔母、いとこたちがみな殺害された中、それでもヒンド・ラジャブは生きていた。赤新月社のスタッフが再び電話した時、電話に出たのはヒンドだった。戦車が来ている、助けてほしいと訴えた。そして電話が切れた。ところが、再び電話がつながった。ヒンドは生きていた。切れてはつながり、弱々しくなり、また声が聞こえた。「もう暗くなってきてる。真っ暗で怖い」。

◆イスラエル軍が進入した地域には集団墓地
 通話が続いていた3時間、赤新月社は必死に努力した。イスラエル軍の侵攻後、作戦地域には救急車を送るのが不可能な状況だった。しかし、奇跡的に許可を受けた。ヒンドの車があるガソリンスタンドにスタッフ2人が急派された。ところが、ヒンドに近づいていったユスフ・アル・ゼイノとアフマド・アル・マドフーンは、何かおかしいと訴えた。自分たちの救急車をイスラエル軍がレーザーで照準している。そして銃声、爆発音。連絡は途絶えた。ヒンドの声ももう聞こえなくなった。
 イスラエル軍が攻撃を開始して200日、ジャーナリスト137人、医療スタッフ356人、国連の救援機関スタッフ178人が殺害された。4月末までにパレスチナ人7万7704人が負傷し、3万4535人が虐殺された。そのうち70%が女性と子どもだった。このすべての数字が意味をなさないならば、ヒンド・ラジャブだけでも考えてほしい。
 イスラエル軍が退却してやっと親戚は戻ることができた。連絡が途絶えてから12日目、その時になってようやくヒンド・ラジャブの遺体は収拾された。起亜の車は蜂の巣になっていた。すぐ隣に救急車があった。ユスフとアフマドの遺体もそこにあった。完全に破壊された救急車の近くには、ミサイルの破片も散らばっていた。M830A1、米国製の戦車破壊ミサイルだった。その後、米国はイスラエルへの260億ドルの支援を決定した。パレスチナにも10億ドルの人道支援を割り当てた。
 イスラエル軍が進入し去っていった場所では、集団墓地が発見されている。ナセル病院の敷地で遺体400体余りが埋められた集団墓地が発見された。アル・シファ病院の敷地でも集団墓地が発見された。
 アントニオ・グテーレス国連事務総長も、集団墓地に対する国際調査を求めた。手が縛られていたり、裸にされた状態で、あるいは病院のガウンを着た状態で、治療用の医療チューブが挿入された状態で埋められた遺体の名前はわからなくても、ヒンド・ラジャブは覚えていてほしい。
 今、ラファには140万人の避難民が集まっている。イスラエル軍の虐殺と破壊を逃れて家を捨ててきた人々が集まった最後の避難所だ。避難民は最後の避難所で飢え死にするか、病気で死ぬかの選択を迫られている。イスラエルはここも攻撃すると公言している。ヒンド・ラジャブはガザ市を抜け出すために最後の力を尽くしたが、彼女に安全な避難所はあったのだろうか。
 ハマスのイスラエル攻撃で1200人が殺害された。136人がまだ人質に取られている。このうち何人が生きているかは確認されていない。彼らの命のためにも、ヒンド・ラジャブを覚えていてほしい。コロンビア大学の学生たちが占拠したハミルトンホールを「ヒンドのホール」と命名したことも覚えていてほしい。

ソ・ジェジョン|日本国際基督教大学 政治・国際関係学科教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
韓国語原文入力:2024-05-04 18:45 
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「ガザで国連の国際職員に初の犠牲者 車両に攻撃」

2024年05月14日 | 国家・社会
「AFP」 2024年5月14日 10:30 発信地:国連本部/米国
■ガザで国連の国際職員に初の犠牲者 車両に攻撃

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスで破壊された国連車両(2024年3月7日撮影、資料写真)。(c)AFP
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで、イスラエル軍の攻撃によるがれきの前を走行する国連車両(2024年10月31日撮影、資料写真)。(c)SAID KHATIB / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ市を走行する国連車両(2024年4月1日撮影、資料写真)。 

【5月14日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で13日、国連(UN)職員が乗っていた車両が攻撃を受け、国際職員1人が死亡、1人が負傷した。国連は、昨年10月のガザでの戦闘開始以降、国際職員が犠牲になったのは初めてだとしている。
 死傷したのは、安全保安局(DSS)の職員。DSSは、世界130か国以上で国連機関・プログラムの安全管理を担っている。殺害された職員の国籍は明らかにされていない。

 ファルハン・ハク(Farhan Haq)国連事務総長副報道官によると、アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、職員に死傷者が出た事態に「深い悲しみ」を表明するとともに、国連職員へのあらゆる攻撃を非難し、徹底調査を求めた。
 ハク氏は一方で、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員を中心に、現地採用されたパレスチナ人職員の犠牲者が約190人に上っている点にも言及した。(c)AFP

「The Hankyoreh」 2024-05-14 09:44
■ラファでの地上戦予告から1週間…パレスチナ人36万人が退避
 国連パレスチナ難民救済事業機関が発表  「行くところがない…休戦なしには安全な場所はない」

【写真】パレスチナの住民たちが13日(現地時間)ラファに予告された爆撃を避けるため急いで荷物をまとめて避難しようとしている=ラファ/AFP・聯合ニュース

 イスラエルの攻撃が差し迫っていると予告されたガザ地区南部のラファから、この1週間で36万人の住民が避難したとみられると国連が明らかにした。
 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は13日(現地時間)、SNSのX(旧ツイッター)を通じて、「1週間前に避難命令が出されてから、36万人もの人たちがラファを脱出した」と明らかにした。UNRWAはさらに「ガザ北部での爆撃とは異なる避難命令によって、さらに多くの移動が生じた。数千人の家族が恐怖を感じている」として、「ここには行くところがない。休戦なしには安全な場所はない」と強調した。
 これに先立ちイスラエル軍は6日、イスラム組織ハマスの壊滅を目標に、ラファでの地上戦を行うことを予告し、住民たちにビラをまいたり携帯電話にショートメッセージなどを送り、指定された人道主義区域である地中海沿いのマワシや南部最大の都市ハンユニスの近くに避難するよう要求した。この日ラファの住民たちは、電話やショートメッセージなどでさらなる避難命令を伝えられ、これを受けてより多くの人たちが避難を準備していると、英国のガーディアンが報じた。ラファにはガザ地区の住民約230万人のうち半分以上にあたる約140万人が住んでいる。
 ガザ地区の保健当局はこの日、過去24時間に死亡者が57人、負傷者が82人増え、昨年10月7日のガザ戦争開始後に死亡した人は3万5091人に達すると発表した。負傷者は7万8827人に上った。アルジャジーラの報道によると、病院や救急車を動かす燃料と輸送労働者の確保が困難で、ガザ地区内の医療システムが「数時間以内に」崩壊する可能性があることを保健当局は懸念しているという。現在のガザ地区内の36の病院と基礎医療センターのうち3分の1だけが復旧しており、これらでさえ医薬品や基礎的な医療用品、燃料や人材が深刻な不足に直面しているとアルジャジーラは報じた。
 一方、イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は、米国のアントニー・ブリンケン国務長官と12日夜に電話で会談し、「ラファでハマス残党を狙った『精密な作戦』などをガザ地区内で展開している状況を議論した」と、イスラエル国防省が13日明らかにした。イスラエルは、ラファでの地上戦を行わずには「ハマス掃討」という目標を達成できないとして、地上戦強行を主張しているが、米国などの国際社会は民間人の被害を懸念してイスラエルの侵攻を阻止しようとしている。
キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1140435.html
韓国語原文入力:2024-05-13 22:49


「AFP」 2024年5月13日 20:23 発信地:ラファ/パレスチナ自治区
■イスラエル軍猛攻撃 「地獄」語るラファ避難民

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で立ち上る煙(2024年5月7日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファでがれきの中に立つ男性(2024年5月3日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファからハンユニスに避難する人々(2024年5月11日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファから避難する人々(2024年5月9日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファからの避難に向けて準備をする人々(2024年5月9日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで、避難民のために食事を作る「ワールドセントラルキッチン」のボランティア(2024年5月3日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファでがれきの前に立つ少年(2024年5月3日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で破壊された建物に集まる人々(2024年5月3日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファでがれきの中に座る男性(2024年4月29日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファのナジャール病院で、イスラエル軍の攻撃で亡くなった親族を悼む人々(2024年5月3日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファから避難するために家財道具をまとめた人(2024年5月11日撮影)。【写真】エジプトとの境界に近いパレスチナ自治区ガザ地区北西部マワシにできた避難民キャンプ(2024年5月9日撮影)。    

【5月13日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)最南部ラファ(Rafah)の沿岸部は12日、イスラエル軍によるラファ東部への猛攻撃から逃れてきた人々であふれていた。
 「私たちは地獄のような3日間を耐えた」。ラファ東部から北西部マワシ(Al-Mawasi)地区に逃れてきたムハンマド・ハマドさん(24)は言った。マワシ地区は避難民の流入に対する備えがないと援助団体が警告しているにもかかわらず、イスラエルが退避先だとする「人道地帯」に指定されている。
 イスラエルによると、これまでに退避命令を受けて30万人がラファを脱出した。
 イスラエル軍は国際社会の反対を押し切り、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の最後の拠点を破壊するとして、人口が集中するラファに攻撃の焦点を移しつつある。
 目撃者によるとラファ東部ではここ数日、イスラエル軍による激しい爆撃が実施されている。戦車や地上部隊を送り込み、「限定的な地上作戦」を行っているとされる。
 これまで7か月に及ぶ紛争で、ガザ地区の他の地域のパレスチナ人数十万人がラファに避難したことから、ラファの人口は約140万人に膨れ上がっていた。
 イスラエル軍はラファ東部への攻撃開始時に「朝から(攻撃を知らせる)ビラを配布したが、その直後に猛烈な砲撃と空爆を開始した」とハマドさんは語った。
■死を望むところまで来ている
 AFPカメラマンは、家財道具をトラックに積んでラファを離れる何十世帯もの家族を目撃した。多くが目指しているのはガザ地区南部の中心都市ハンユニス(Khan Yunis)だ。
 イスラエル軍は先週、エジプトとガザを結ぶ検問所のパレスチナ側を占拠・閉鎖。検問所は、ガザ地区への燃料供給のすべてが通過する地点となっている。
 ガザ地区の民間防衛当局者は「ガザ北部の避難民には医療サービスも人道支援も届いていない。(イスラエル軍による)今回の侵攻初期と同様の殺りくと破壊だ」と述べた。
 ある女性は、戦闘から逃れるために家族で7回も移動したと語った。「私たちは死を望むところまで来ている。家族には身体障害者、高齢者、子どもがいる。昼も夜も爆撃がやまないのに、私たちはどこへ行けばいいのか」
 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク(Volker Turk)高等弁務官は12日、ラファに対するイスラエル軍の全面攻撃は国際法とも整合性がないと指摘し、「起こしてはならない」と述べる。
「(イスラエルによる)最新の退避命令はラファにいる100万人近い人々に影響を与える。彼らはどこへ行けばいいのか。ガザに安全な場所はない!」 


「The Hankyoreh」 2024-05-14 06:55
■イスラエル、再びガザ北部に進撃…米「ハマスは戻ってくる」撲滅には懐疑的
 「ハマスはイデオロギーであり、社会運動…撲滅は不可能」 
 中東専門家ら、イスラエルのハマス撲滅政策を批判

【写真】12日(現地時間)、ガザ地区北部に対するイスラエルの空爆で、煙が立ち上っている/EP・聯合ニュース

 イスラエル国防軍(IDF)が先月初めに撤退したパレスチナのガザ地区北部に再び進入した。態勢を整えたハマスを撲滅することを理由に掲げているが、非現実的な目標で民間人の被害を増やすだけという批判の声があがっている。
 12日(現地時間)、イスラエル軍はガザ北部の都市ジャバリヤに戦車で進撃した。ロイター通信などがパレスチナ保健省と現地住民の話として報じた。前日の夜から続いた大規模な空爆と地上砲撃で、少なくとも19人が死亡し、数十人がけがをした。ジャバリヤにはガザ地区にある難民キャンプ8カ所のうち最も規模の大きいキャンプがあり、およそ10万人が滞在している。昨年10月7日の戦争開始以来、この日までパレスチナ人の死亡者は3万5千人を越えた。
 前日夜、イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は記者団に「ジャバリヤでハマスがこの数週間、軍事力を建て直そうとしているのを確認した」とし、「このような試みを阻止するために軍が作戦を行っている」と述べた。さらに「軍がガザ北部にあるザイトゥーン地域でも作戦を行い、その結果、ハマス隊員30人を射殺した」と明らかにした。
 ロイターは、イスラエル軍が初期攻撃の時よりさらに深く進入したものとみられるとし、戦車が町内市場の近くまで入ってきたと報道した。ジャバリヤの住民サイードさん(45)は「彼らは避難民が滞在する学校周辺を含め、どこにでも砲撃を行っている」とし、「戦争が再び始まった」と語った。
 米紙ニューヨーク・タイムズは、ガザ北部でイスラエル軍とハマスが激しい近接戦を繰り広げていると報じた。ザイトゥーンやサブラ地域など北部の民間人住居地でも大規模な爆撃が続いている。これらの地域は、すでにイスラエル軍が数カ月前にハマス撃退を目標に通過した地域だ。12日、ガザ地域でハマスが発射したロケットがイスラエルのアシュケロンに向けて飛んできて空襲警報が鳴ったが、これはガザ内部に依然としてロケットを発射できる兵力が存在することを意味する。
 ニューヨーク・タイムズは米政府関係者の話として、ハマスの最高指導者であるヤヒヤ・シンワル氏をはじめ、他のハマスの隊員たちが、ハンユニスの下に設置されたトンネルから出たことがないと報じた。米国とイスラエルの分析の結果、シンワル氏がイスラエルの人質を盾にイスラエルの攻撃を逃れているということだ。これは、米国がイスラエルのラファ全面攻撃を引き止める理由であり、イスラエルが再びガザ北部に向かう背景でもある。
 アントニー・ブリンケン米国務長官は同日、米CBS放送のインタビューで、ガザ北部と南部都市のハンユニスなどに言及し、「イスラエルがハマスを追い出したガザ地域で、ハマスが再び戻ってきていることが目撃されている」と述べた。さらにイスラエルの「成功」が数多くの民間人被害を出しており、「持続可能ではない」と懸念を示した。特にイスラエルが勝利したところに現れる「空白」が「混乱、無政府状態、やがてハマス(の復帰)で埋められる可能性が高い」と語った。
 軍事専門家たちもやはりハマスの「撲滅」が現実的な目標ではないと警告してきた。ワシントンにあるアラブ湾岸国家研究所のフセイン・イビシ上級研究員は昨年末、CNBC放送で「ハマスは一つのブランドであり、自らをハマスと呼びたがるパレスチナ人がいる限り、ハマスは存在し続けるだろう」と語った。国際対テロ研究所所属のイスラエル国防軍予備役大佐ミリー・アイシン氏も同放送で、ハマス撲滅のためには「人々にハマスの方式がより良い未来をもたらせないことを示さなければならない」と述べた。ハマスの軍事部門を破壊できるかもしれないが、イデオロギーであり社会運動、ガバナンスとしてのハマスをなくすには、アプローチを替える必要があるという指摘だ。
ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1140354.html
韓国語原文入力:2024-05-13 19:36


「AFP」 2024年5月12日 15:36 発信地:ラファ/パレスチナ自治区

■イスラエル、ラファ住民に避難命令拡大 中部では医師2人死亡


【写真】パレスチナ自治区ガザ中部デイルアルバラで、負傷した子どもをアルアクサ病院に担ぎ込む男性(2024年5月11日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ中部デイルアルバラのアルアクサ病院で、親族を待つ少年(2024年5月11日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ中部デイルアルバラのアルアクサ病院の外で、イスラエル軍の爆撃で負傷した子どもの死亡が確認され、嘆く女性たち(2024年5月11日撮影)。【写真】 パレスチナ自治区ガザ中部デイルアルバラのアルアクサ病院に搬送された負傷者(2024年5月11日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ中部デイルアルバラのアルアクサ病院の外で、イスラエル軍の爆撃で子どもを亡くし倒れ込む女性(2024年5月11日撮影)。  

【5月12日 AFP】イスラエルは12日、パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)南部ラファ(Rafah)の住民に対する避難命令の対象範囲を拡大した。一方、ガザの民間防衛当局は同日、中部デイルアルバラ(Deir el-Balah)で医師2人が殺害されたと発表した。
 目撃者によると、イスラエル軍は11日、エジプトと接するラファも攻撃した。
 イスラエル軍は今週、国際的な批判を無視してラファ東部に侵攻。援助物資を搬入する上で重要な検問所を事実上閉鎖した。
 イスラエルによると、これまでに避難命令を受けて30万人がラファを脱出した。避難命令の対象範囲はラファ東部へ拡大され、住民は水タンクやマットレスなどの荷物を車に積み上げ、退避の準備をした。
 住民はラファ北西マワシ(Al-Mawasi)地区にある「人道地帯」に退避するよう通告されている。
 イスラム組織ハマス(Hamas)は、イスラエルは「ラファの侵攻対象を市中心部と西部の新たな地区に拡大している」と非難した。
 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は12日、クウェートで開催された国際会議でビデオ演説し、「即時の人道的停戦、無条件での人質全員の解放、人道援助の即時拡大」を改めて呼びかけた。


「AFP」 2024年5月10日 17:23 発信地:パレスチナ自治区
■ガザ停戦交渉、ボールは「完全に」イスラエルの手に ハマス主張

【写真】イスラエルの爆撃を受けて立ち上る黒煙。パレスチナ自治区ガザ地区ラファで(2024年5月6日撮影)。
【写真】イスラエルによる爆撃が続く中、再度の避難に向けて準備を進める避難民。パレスチナ自治区ガザ地区ラファで(2024年5月9日撮影)。 
【写真】イスラエルによる爆撃が続く中、パレスチナ自治区ガザ地区ラファから移動する避難民(2024年5月7日撮影)。
【写真】イスラエルによる爆撃が続く中、避難の準備を進める住民。パレスチナ自治区ガザ地区ラファで(2024年5月10日撮影)。  

【5月10日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)は10日朝、同組織の代表団がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での戦闘休止をめぐる交渉が行われていたエジプトの首都カイロを離れカタールの首都ドーハに向かったと明らかにし、交渉のボールは今、「完全に」イスラエルの手にあると述べた。
 ハマスは他のパレスチナ武装組織に向けたメッセージで、「占領軍(イスラエル)は、仲介国が提示した休戦案を拒絶し、いくつかの重要な問題に異議を唱えた」が、ハマス側はこの休戦案を支持しているとし、「したがって、ボールは今、完全に占領軍(イスラエル)の手にある」と主張した。
 エジプト政府系のアルアカヘラ・ニュースは9日、ガザでの7か月に及ぶ戦闘の休止を目的とした2日間の交渉後、イスラエルとハマス双方の代表団がカイロを離れたと報じていた。
 ハマスは6日、仲介国が提示した停戦案を受け入れると表明した。ハマスによれば、休戦案はイスラエル軍のガザからの撤退、パレスチナ人避難民の帰還、イスラエル人人質とパレスチナ人囚人の交換が含まれ、恒久的な休戦を目指す内容となっていた。
 一方、イスラエル首相府は同日、「イスラエル側の本質的な要求からは程遠い」が、交渉団をカイロに派遣すると述べていた。
 イスラエルは、ハマスを完全に解体しなければならないとの主張を崩しておらず、恒久的な休戦案に難色を示している。
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ロシア、ウクライナ北東部へ地上軍戦闘を拡大…重大局面を迎えるか

2024年05月14日 | 国家・社会
「The Hankyoreh」 2024-05-13 15:28
■ロシア、ウクライナ北東部へ地上軍戦闘を拡大…重大局面を迎えるか 
 ロシア「ハルキウ州の5つの集落を占領」…ウクライナ「激しい戦闘続いている」

【写真】ロシア軍が進撃し激しい戦闘の繰り広げられているハルキウ州北部の国境沿いのボルチャンスクで、燃えている建物の前を通るウクライナ警察=ボルチャンスク/AP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ北東部の国境を越え、ハルキウ州に地上軍を進撃させ、地上戦線をウクライナ東部と南部から北東部まで拡大した。兵力と武器で押されるウクライナ軍をあちこちに所に分散させながら地上戦で優位を確実にする一方、この地域を「緩衝地帯」として確保しようとする作戦とみられている。
 ロイター通信などの報道によると、ロシア国防省は11日(現地時間)、自国軍が10日にウクライナ国境沿いのベルゴロドからハルキウ州に進撃したのに続き、国境付近の5つの集落を占領したと発表した。ロシア軍はハルキウ市から北東に70キロメートルほど離れたボルチャンスクを狙った大規模空爆を行った後、地上軍を投入した。ロシア国防省は、プレテニウカ、オヒルツェベ、ボリシウカ、ピルナ、ストリレチャなど国境沿いの5つの集落を解放した」と主張した。これらの集落は国境から3~5キロメートルほどの距離だ。
 ウクライナ側は、国境沿いの集落周辺で激しい戦闘が2日間続いたと述べた。ハルキウ州のオレグ・シネフボウ知事はこのように明らかにし、今後「戦闘がさらに拡散して圧迫が増大し、駐留軍隊が補強されるだろう」と述べた。だが、人口130万人のウクライナ2大都市であるハルキウ市から住民が避難すべき状況ではないと付け加えた。

【地図】ハルキウに対するロシア軍の攻勢//ハンギョレ新聞社

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日夜、クラスネなど他の地域でも戦闘が起きたとし、「わが軍の将兵たちが2日連続で反撃し、ウクライナ領土を守っている」と述べた。
 現地政府関係者らは、ロシア軍の攻撃後、1700人ほどの住民が安全な場所に避難したと明らかにした。AP通信は、自社の記者たちが住民避難支援チームに同行しているとし、多くの建物が破壊され、道路から人影が消えたと報道した。ロシアの戦闘機が空爆を続け、黒い煙が立ち上る中、道路のあちこちに爆撃で大きな穴ができ、燃える建物も多かったとも報じた。
 ボルチャンスク地域の軍政庁責任者、タマズ・ハンバラシビリ氏は「(ロシア)国境沿いの集落の状況が非常に悪い」とし、「空爆が続きミサイル攻撃や砲撃も続いている」と語った。
 ロシア軍は2022年2月に始まったウクライナ侵攻戦争初期にウクライナの首都キーウとハルキウ市周辺まで進撃したが、4月以後ウクライナ軍の激しい反撃に遭い、両地域から撤退した。特に、同年9月以降はハルキウ州から兵力を完全に撤退させ、東部のドンバス地域と南部ヘルソン州などにのみ地上軍を配置してきた。その後、ハルキウ州と国境近くのロシアのベルゴロド地域は、ウクライナ軍の主な攻撃目標になった。
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今年3月、ウクライナ軍の攻撃を阻止する緩衝地帯を自国の国境に近いウクライナ地域に作るよう指示した。この指示以後、ロシア軍がハルキウ州に対する空爆を強化し、この地域を緩衝地帯として確保しようとする作戦が差し迫ったものとみられてきた。
 米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、ロシア軍がハルキウ州で戦術的に相当な成果を上げたと分析した。
 ニューヨーク・タイムズ紙などの米国メディアは、今回の地上軍作戦がロシア軍の「春の大攻勢」につながった場合、2年以上にわたるウクライナ戦争が重大局面を迎える可能性があると指摘した。
シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-12 23:48


「AFP」 2024年5月11日 17:14 発信地:キーウ/ウクライナ
■ウクライナ、東部国境付近から1775人避難 ロシアが地上攻撃

【写真】ロシアの侵攻を受けるウクライナ東部ハルキウ州の集落で、住民の避難を手伝う志願兵(2024年5月10日撮影)。(c)SERGEY BOBOK / AFP
【写真】ロシアの侵攻を受けるウクライナ東部ハルキウ州の集落からバスで避難する住民(2024年5月10日撮影)。(c)SERGEY BOBOK / AFP 

【5月11日 AFP】ウクライナ東部ハルキウ(Kharkiv)州のオレグ・シネグボウ(Oleg Synegubov)知事は11日、同州のロシアとの国境付近から住民計1775人を避難させたと明らかにした。
 ロシア軍は前日、同州への地上攻撃を開始した。シネグボウ氏はソーシャルメディアで、過去24時間に30集落がロシア軍の砲撃を受けたと明らかにした。
 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日、ハルキウ州で「激しい戦闘」が行われていると明らかにし、「われわれはロシアの攻勢を阻止し、主導権をウクライナに取り戻さなければならない」と訴えた。(c)AFP


「The Hankyoreh」 2024-05-11 07:09
■ウクライナのドローン「1500キロ飛行」、ロシア本土最大の石油化学団地を打撃
 ロシア本土に対する最長の「ドローン飛行」 
 ポンプ施設ある建物が一部損傷 
 「後方の施設も安心できない」

【写真】ウクライナ東部戦線に駐留したウクライナの軍人がドローン調整装置を扱っている=ドネツク州/AP・聯合ニュース

 ロシアの第2次世界大戦の戦勝記念日である9日(現地時間)、ウクライナ軍がロシアの内陸の奥深い場所にある石油化学複合団地をドローンで攻撃した。今回の攻撃は飛行距離が1500キロメートルに達するもので、ウクライナのロシア本土に対する最長距離飛行攻撃と言える。
 ウクライナ情報当局筋は同日、自国軍がドローンを利用してロシアとクライナの国境から1400キロメートル離れたロシア西南部バシコルトスタン共和国内の石油化学・肥料複合団地を攻撃したことを明らかにした。ロイター通信が報じた。同筋はこのためにドローンが1500キロメートルを飛行し最長距離飛行記録を立てたとし、「ロシアの軍事施設を供給先とする製油所や石油貯蔵施設は、(前線から)遠く離れた後方にあっても安心できない」と述べた。
 この日攻撃を受けた施設は、ロシアの巨大エネルギー企業ガスプロムの子会社が運営する精油、石油化学、肥料生産施設が集まっているロシア最大の複合団地だ。
 ロシアの災害対応当局もこの複合団地のポンプ施設の建物がドローン攻撃で損傷したことを確認したと、RIAノーボスチ通信が報じた。バシコルトスタン共和国の首長のラディ・ハビロフ氏は、ソーシャルメディアへの投稿で「ドローン攻撃を受けたが、この団地は現在正常に運営されている」と述べた。
 ウクライナ軍は同日、ロシアの黒海沿岸都市アナパにある石油貯蔵施設2カ所もドローンで攻撃し、この施設に大規模火災が発生したと主張した。同貯蔵施設には、クリミア半島に駐留しているロシア軍に供給する燃料を移し替える施設があると、消息筋が伝えた。
 ウクライナ軍のドローン攻撃は、ロシア軍がキーウ、リビウなどウクライナ全域の電力施設7カ所を集中打撃した翌日に行われた。ウクライナ軍は今年初めからドローンを利用し、ロシア本土内のエネルギー施設への攻撃を続けている。ロイター通信の報道によると、北大西洋条約機構(NATO)のある関係者は、この影響で3月末現在のロシアの精油処理容量の約15%程が運営に支障を来たしたものと推算した。
 地上軍戦闘が繰り広げられているウクライナ東部戦線では、ロシア軍が少しずつ占領地を広げ、ウクライナ軍がますます窮地に追い込まれている。
 ロシア軍が人口1万2千人規模のドネツク州中部都市トレツクの北部と南部からこの都市に向かって接近したことを受け、住民たちは避難した。同地域の緊急救助隊のある関係者は「住民たちが家の中にいることさえますます危険になっている」とし、これまで救援物資に依存して持ちこたえてきた高齢層などが都市から脱していると伝えた。この都市は戦前の人口は6万6千人だったが、最近は営業中の商店や病院を探すのも難しい状況だと住民たちは話した。
 AP通信によると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、東部戦線の状況が非常に厳しいことを認めた。ゼレンスキー大統領は同日、ロベルタ・メツォラ欧州議会議長との会談後、共同記者会見を開き、東部戦線で自国軍が「本当に厳しい状況」に直面しているが、米国の大規模軍事支援が入ってきており、今後は状況を変えることができると述べた。
シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-10 22:11


「The Hankyoreh」 2024-05-11 09:56
■ロシア、ウクライナ第2の都市ハルキウに侵攻…地上戦で住民数千人避難
 ロシア、国境の安全のため「緩衝地帯」占領を狙うか 
 ウクライナ、追加兵力を急派…ロシアの戦争計画転換と判断

【写真】10日(現地時間)ウクライナ北東部ハルキウにある住宅がロシアの攻撃で被害を受け、ウクライナの救助隊員が消火活動をしている=ハルキウ/EPA・聯合ニュース

 ロシア軍は10日(現地時間)、ウクライナで2番目に大きい都市である北東部のハルキウを狙って攻撃を開始した。ウクライナ軍はロシアの戦争計画が転換されたと判断し、これに対抗して追加兵力を急派するなど、この地域での地上戦は続くもようだ。
 ハルキウ州のオレグ・シネフボウ知事は、前日夜から続くロシア軍の攻撃で、少なくとも住民1人が死亡、5人が負傷し、州当局は住民3000人を避難させた状態だと明らかにした。AP通信が報じた。ロシアは、国境から5キロメートルも離れていないボルチャンスクを狙い、誘導爆弾やS300などの地対空ミサイルを利用した大規模爆撃を行い、装甲車で防衛ラインを突破しようとした。ロシアの「偵察兵力」も進入したと、英国BBC放送は明らかにした。今回の攻撃は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がベルゴロドなどのロシア国境地域に対するウクライナからの攻撃を防ぐために構想した「緩衝地帯」を形成しようとする動きとみられる。
 これに先立ち、ウクライナ軍当局はハルキウやスミ地域などの北東側の国境に数千のロシア軍兵力が集結していることを確認したとして、ロシアに対して警告している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、記者団に「この方向で激しい戦闘が繰り広げられている」として、「撃退する準備はできている」と述べた。ウクライナの公共放送「ススピーリネ」が明らかにした。
 ハルキウは、2022年2月のウクライナ戦争開戦直後に戦闘が行われたところだ。ウクライナ軍は、ロシアの侵攻を受けた2022年9月ごろにハルキウを奪還した。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-10 23:09
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ハマス「イスラエル国防軍が攻撃を継続する限り人質釈放はない」

2024年05月12日 | 国家・社会
「中央日報日本語版」 2024.05.08 07:16
■ハマス「イスラエル国防軍が攻撃を継続する限り人質釈放はない」
 イスラエル国防軍(IDF)がラファ国境検問所を掌握して圧迫を加えるとハマスは軍事作戦を中断しない限り人質の釈放はないとして対抗した。
 7日(現地時間)、ロイター通信によると、ハマスのオサマ・ハムダン報道官はこの日、レバノン・ベイルートで開いた記者会見で「ラファでイスラエルの軍事攻撃が続く場合、(人質釈放のための)休戦交渉はない」と警告した。
 ハムダン氏は「イスラエル国防軍のラファ軍事作戦が遠足になることはできない」とし、ハマスが同意した最近の休戦提案は「我が民族と抵抗の要求に応じる最小限のこと」と強調した。
 あわせて「ボールはもうネタニヤフ側へ移った」とし「ラファ国境は完全にエジプトとパレスチナの間の国境であり今後もそうあり続ける」と付け加えた。
 これに先立ち、イスラエル国防軍はこの日午前、ラファからエジプトに通じる国境検問所のガザ地区側区域を掌握した。
 一方、エジプト官営メディア「アルカヒラ・ニュース」はカタール・米国・エジプトの仲裁者がこの日カイロでハマス代表団とガザ地区休戦について話し合っていると報じた。
 イスラエルもカイロで開かれる休戦交渉の場に中間級官僚で構成された交渉団を派遣して仲裁国の休戦案を受け入れたハマスの意図を把握するとこの日、明らかにした。
 米国ホワイトハウスのカービー国家安全保障疎通補佐官もこの日オンライン会見を通じて、カイロでガザ地区の休戦・人質釈放交渉の再開事実を確認した。


「中央日報日本語版」 2024.05.08 06:55
■イスラエル、タンク走らせてラファ検問所を占領…市街戦まで秒読み
 「ガザ地区最後の避難所」と呼ばれるラファに対する攻勢を始めたイスラエル地上軍が徹夜作戦の末に7日、ラファ検問所のパレスチナ側区域を掌握した。イスラエル国防軍(IDF)は前日午前、ラファ東部地域の住民に退避令を下してから一日も経たないうちに戦闘機による空襲を敢行したことに続き、タンクで国境を越えた。
 ロイター通信やタイムズ・オブ・イスラエルなどはこの日午前、イスラエル第401機甲旅団がガザ地区ラファ検問所を占領したと伝えた。IDFは徹夜作戦を通じて約20人の武装暴漢を射殺し、地下坑道3カ所を突き止めたと発表した。IDFはハマスの拠点に対する「標的攻撃」を行っていると説明した。前日、IDFのダニエル・ハガリ報道官は「イスラエル国防軍の戦闘機がラファ周辺のテロリスト施設50カ所以上を打撃した」と明らかにした。
 IDFが占領したラファ検問所はガザ地区南部とエジプトをつなぐ唯一のルートだ。戦争初期に焦土化したガザ北部などを離れた避難民が密集している。エジプトおよびイスラエルと国境を接しているラファは国際社会がガザ地区に救護物資を支援する際の主要な関門でもある。イスラエルはラファにハマス首脳部が潜伏しているとみている。外信はIDFが「制限的地上戦」を行って同地だけを掌握することによって、ラファに潜伏したと推定されるハマスの退路を断つと同時に本格的な市街戦が「秒読み」に入ったと伝えた。
 これに先立ってタイムズ・オブ・イスラエルは、イスラエルのタンクと兵力がこの日未明にラファに向かって進軍する様子が捉えられたと伝えた。匿名のエジプト当局者はIDFがエジプトとラファの国境約200メートルの距離まで接近したと伝えた。エジプト国営アルカヘラ・テレビが国境の外からラファを撮影した映像からは、この日午前1時33分ごろ銃声と爆発音が聞こえてくる。該当の映像にはタンクとヘリコプタードローンが動く音も入っている。
 ラファでは避難の行列が続いている。これに先立ち、IDFは前日未明ラファ東部の民間人にガザ北部のハーン・ユーニスや北西部海岸都市アルマワシに準備された人道主義区域に退避するよう命じた。数時間後、戦闘機の空襲に続いてタンクまで進入すると、パニック状態に陥った住民たちがピックアップトラックやロバ、車、自転車などに身を載せるなり、徒歩なりで避難を始めた。IDFの報道官はAP通信に対して「民間人退避令はハマス破壊のための計画の一部」とし、ラファ進軍のための予備手続きであることを明確にした。
 IDFの今回の「制限的地上戦」はハマスがエジプト・カタールが提示した休戦案を受け入れると通知した直後に行われた。ハマスが受け入れた休戦案にはイスラエル側の人質とパレスチナ収監者の交換、IDFのガザ地区撤退などの内容が盛り込まれている。また、エジプト・カタール・国連などの監督の下、3~5年かけてガザ地区の再建計画を履行するという内容とイスラエルのガザ地区封鎖解除なども含まれた。
 これに対してイスラエルは「ハマスの最新の休戦提案はイスラエルの必須要求事項とかけ離れている」として拒否した。イスラエル戦時内閣は「人質釈放を含んだ戦争目標の達成に向けてハマスに軍事的圧迫を続け、ラファ攻撃を継続することを全会一致で決定した」と明らかにした。ただし、休戦交渉は引き続き進めるという立場だ。


「中央日報日本語版」 2024.05.07 07:32
■「60万人の子どもたちが行き場を失った」…中東紛争の中、ラファの悲鳴
 
【写真】イスラエルとハマスの戦争

 イスラエル軍が6日(現地時間)、ガザ地区の最南端都市ラファの東部に留まっている住民10万人に対して西側地中海のビーチあるいは北側のハーン・ユーニスに撤退避難するように疎開令を下すと国連ユニセフ(国際児童基金)はラファにいる数多くの子どもたちが危険に陥ると警告した。
 CNNによると、ユニセフのキャサリン・ラッセル代表は「ラファはいま、子どもたちの都市と言えるほど子どもが多く、彼らが安全に避難できるところはガザのどこにもない」という声明を発表した。
 ラッセル代表は60万を超える子どもたちが今でも災難状態にあるのに、攻撃が実行されればさらに状況が悪化するとしながら「大規模な軍事作戦が始まれば子どもたちは暴力と隣り合わせとなり、混沌と恐怖の危険に陥る。今でも彼らは身体的にも精神的にも非常に弱くなっている」と強く懸念した。
 ガザ保健部が発表した戦争関連の累積死亡者3万5000人のうち43%である1万5000人が未成年者だ。さらに2万人が母親を失って孤児になった。
 これに先立ってイスラエル国防軍アラビア語報道官のアビハイ・アドライ氏はこの日ソーシャルメディア(SNS)のX(旧ツイッター)に海岸にあるアルマワシの「人道主義区域」を拡大するとしながら、ラファ東部に留まっている住民たちにここに避難するように呼びかけた。
 「アルマワシには野戦病院やテント村、食糧と水、医薬品などが備わっている」とし「政治的承認に基づいてイスラエル国防軍はラファ東部の住民の臨時退避を求める。この過程は今後の状況評価により徐々に実行される」と話した。
 続いてビラや文字メッセージ、電話通話はもちろん、アラビア語メディアを通じて民間人に対する避難情報を提供すると付け加えた。
 ガザ地区で活動する救護団体も民間人退避に関連した情報をイスラエル国防軍から受け取ったという。
 AFP通信によると、イスラエル国防軍の報道官はこの日記者団と会い、今回「制限された地域」に対する退避作戦を通じて概略で10万人ほどを安全なところに移動させることができると明らかにした。
 ロイター通信は目撃者を引用し、この日ラファ東部で一部避難民が家族単位で退避を始めたと伝えた。現在ラファにはガザ地区北部から押し寄せた140万人ほどの避難民が集まっている。
 米国をはじめとする国際社会はこのようなラファで本格的な地上戦が始まる場合、大規模な人命被害が懸念されるとし、イスラエル国防軍のラファ攻撃を引き止めてきた。
 イスラエルはハマス掃討、人質救出、安保脅威解消など戦争目標達成のためにはラファ攻撃が避けられないとし、民間人を避難させた後に作戦に出ると公言してきた。
 また、このためにガザ地区南部の最大都市ハーン・ユーニスの近郊に約50万人を収容できる大規模テント村を作った事実が衛星写真などを通して確認された。


「中央日報日本語版」 2024.05.07 07:06
■イスラエル「ハマス側の休戦案、我々の要求とは程遠く…ラファ攻撃続ける」
 イスラエルがハマス側の休戦提案がイスラエルの要求事項に至らないと評価して、ガザ地区最南端都市ラファの攻撃を継続することを決めた。ただし、イスラエルは自分たちの要求に合致する休戦案を模索するために仲裁国に交渉代表団を派遣することにした。
 イスラエル総理室は6日(現地時間)、声明を出して「戦時内閣は人質釈放を含む戦争目標達成を目指してハマスに軍事的圧迫を加えるためにラファ攻撃を継続することを全会一致で決定した」とし「ハマスの最新の休戦提案はイスラエルの必須要求事項とかけ離れている」と明らかにした。
 ただし声明は「イスラエルは交渉代表団を派遣し、仲裁国とイスラエルの要求に合致する合意が引き出せるように試みていく」と付け加えた。
 これに先立ってハマスは、この日最高政治指導者であるハニエ政治局長がカタールの首相とエジプトの情報局長に休戦提案の受け入れ決定を通知したと明らかにした。
 同時にハマス高官は「まだ休戦が実現したわけではない。イスラエル側はまだ立場を伝えてきていない」としながら「ハマスは仲裁者の休戦案を受け入れた。今やボールはイスラエル占領勢力に移った」と話した。
 ハマスのガザ地区副指導者であるカリル・アル・ハイヤ氏はアルジャジーラ放送で、休戦が42日ずつ3段階で行われ、第2段階休戦中にイスラエル国防軍のガザ地区全面撤退が含まれていると明らかにした。また、第1段階休戦中にはイスラエルの民間人釈放が、最終第3段階ではイスラエルとパレスチナ間の囚人交換が行われると付け加えた。
 ハマスの休戦提案受け入れ発表はイスラエル国防軍がガザ最南端都市ラファ攻撃のために民間人疎開令を下した中で出てきた。イスラエルはこの日退避令が下されたラファ東部地域に数十回空襲を加えてハマスを圧迫した。


「中央日報日本語版」 2024.05.07 06:49
■イスラエル、ラファ空襲を再開…避難民の退避中も爆発音鳴りやまず
 イスラエル国防軍が6日、パレスチナ避難民140万人が集まったガザ地区最南端ラファ地域に退避を指示したが、一日も経たない内に戦闘機の空襲を敢行した。
 AFP通信はガザ地区の民間防衛および救護当局の関係者を引用し、イスラエル国防軍がこの日退避命令を下したガザ地区南部ラファの東部2カ所を戦闘機で空襲したと報じた。ガザ民間防衛庁のアーメド・リドワン報道官は「イスラエル国防軍の標的になった地域はガザ国際空港周辺、アル・シュカ地域、アブハラワ地域、サラヘディン通り、サラム近隣地域など」と明らかにした。
 ロイター通信もラファ避難民が離れる間も爆発音が聞こえて煙が広がり始めていると伝えた。荷物をまとめて避難したあるパレスチナ住民は「最も大きな集団虐殺がラファでまもなく起きる」と涙声で話した。
 これに先立ちこの日午前、イスラエル国防軍はソーシャルメディア(SNS)のX(旧ツイッター)にラファの海岸小都市アルマワシの「人道主義区域」を拡大すると言いながら、ラファ東部にいる住民にこちらに退避するように求めた。イスラエル国防軍は「ラファでハマスを崩壊させるための制限された範囲の作戦を行う予定」としながら「退避を要請した地域には避難民約10万人がいると推測される」と伝えた。ラファがあるガザ地区南側の国境と13キロを接しているエジプトも軍事対備態勢を強化した。
 イスラエルのガラント国防相は5日、ハマスがラファ近隣からイスラエル南部のケレム・シャローム検問所にロケット約10発を撃ち込んで死傷者が発生すると、ハマスが休戦を望んでいないようだとしてラファ軍事作戦を始めるという意思を明らかにした。そして5日夜、米国にラファ攻撃が避けられないという立場を伝達した。
 ハマスは先週末、エジプト・カイロで米国・エジプト・カタールの仲裁によって行われた休戦および人質釈放交渉でイスラエルに終戦議論とイスラエル国防軍撤退の約束を要求した。だが、ネタニヤフ首相は一時的休戦は可能だが、ハマスの終戦要求は絶対に受け入れられないという立場を明確にした。
 ネタニヤフ首相はこの日、第2次世界大戦当時に600万人に達するナチスのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)被害者を悼む国家追悼の日を迎えて「恐ろしいホロコースト当時、世界の指導者は傍観し、どの国も私たちを助けてくれなかった」とし「イスラエルが一人で立つべきだとすれば一人で立つ」と強調した。


「AFP」 2024年5月6日 16:28 発信地:エルサレム/中東・アフリカ
■ラファ東部から「10万人退避させている」 イスラエル軍

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファにある避難民キャンプ(2024年4月30日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファで、イスラエル軍に攻撃されたビルに開いた穴(2024年4月30日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で破壊された建物の周囲に集まった人々(2024年5月5日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で負傷した人を搬送する人々(2024年5月5日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で破壊された建物(2024年4月29日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で破壊された建物のがれきに立つ子どもたち(2024年4月27日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で破壊された建物のがれき(2024年4月24日撮影)。  


【5月6日 AFP】イスラエル軍は6日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)南部ラファ(Rafah)に対する地上作戦の開始を前に、ラファ東部から約10万人を退避させていると発表した。
 イスラエル軍は声明で「ラファ東部の住民に対し、拡大された人道的地域に向かうよう促す」と述べた。
 世界保健機関(WHO)によると、ラファには現在約120万人が避難している。大半は昨年10月に始まったイスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマス(Hamas)の紛争で、ガザ地区内の他の場所から逃れてきた人々だという。
 イスラエル軍によるラファ侵攻が予想される中、援助団体や世界各国の指導者は警戒を強めている。
 米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は3日、イスラエルはいまだ「危険にさらされている市民を本気で保護するための信頼に足る計画」を提示していないと指摘。そうした計画がなければ、米政府は「ラファへの大規模な軍事作戦を支持することはできない」と述べた。
 昨年10月7日のガザ紛争開始後、イスラエルはガザ北部に住むパレスチナ人に対し、ラファを含むガザ南部の「安全地帯」に移動するよう通告した。しかし、ラファも何度も空爆を受けており、パレスチナ人はガザ地区に安全な場所はないと語っている。
 イスラエル軍は今回、「ガザに流入する援助物資の増加に対応するため、マワシ(Al-Mawasi)地区の人道的地域を拡大した」と発表。報道官は記者団に対し「今朝、ラファ東部の住民を一時避難させるための作戦を開始した。ただしこれは限定的な範囲での作戦だ」と述べた。
 軍は声明で「人道的地域に一時的に移動するよう、アラビア語のポスター、SMS、電話、メディアの放送などを通じて伝えている」と付け加えた。またハマスが拘束している人質を全員帰国させるまで、「ガザのあらゆる場所で」ハマスの戦闘員を追い続けると述べた。


ttps://www.afpbb.com/articles/-/3518001?cx_part=latest
「 AFP」 2024年5月6日 13:28 発信地:ドーハ/カタール
■イスラエル、アルジャジーラの活動禁止 ガザ報道めぐり

【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラにある、衛星テレビ局アルジャジーラの支局(2024年5月5日撮影)。(c)Zain JAAFAR / AFP
【写真】衛星テレビ局アルジャジーラのチャンネルをつけると表示される「政府決定に基づき、イスラエル国内におけるアルジャジーラの放送は停止された」との通告。中東エルサレムで(2024年5月5日撮影)。(c) RONALDO SCHEMIDT / AFP) 
【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラからニュースを伝える衛星テレビ局アルジャジーラの特派員(2024年5月5日撮影)。(c)Zain JAAFAR / AFP 

【5月6日 AFP】イスラエルは5日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)侵攻をめぐる衛星テレビ局アルジャジーラ(Al Jazeera)の報道を問題視し、国内での活動を禁じる決定を下した。同局はこれに対し、「犯罪的」だと反発した。
 ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は同日、同局の国内放送を禁じることを閣議で全会一致で決定したと発表。その数時間後、同局の放送は停止された。
 同局は声明で「われわれは情報へのアクセスという人権を侵害するイスラエルの犯罪的行為を非難し、糾弾する」とし、法的手段に訴える方針を示した。
 同局は「ガザで行われていることを隠蔽(いんぺい)するためとみられる、報道の自由に対するイスラエルの継続的な抑圧は国際法と人道法に反する」と指摘した。
 さらに、イスラエルはジャーナリストを直接の標的として殺害しており、逮捕したり脅迫したりしていると主張。しかし、「取材を貫こうとするアルジャジーラの意志をくじくことはできない」と強調した。
 昨年10月7日以降、カタールを拠点とするアルジャジーラはガザで現地取材を続け、惨状を伝えてきた。これまでにガザ支局が爆撃され、特派員2人が殺害されている。
 一方、イスラエルのシュロモ・カルイ(Shlomo Karhi)通信相はネタニヤフ氏との共同声明で、自身がアルジャジーラを閉鎖して機材を押収するとともに、活動をインターネット配信のみに制限する命令を出したと明かした。
 アルジャジーラによると、取材許可証は抹消され、メディア各社がアルジャジーラのニュースを伝えることも禁じられた。(c)AFP


「AFP」 2024年5月5日 11:47 発信地:中東・アフリカ
■ハマス、完全停戦なければ「合意せず」 ガザ休戦案めぐり

【写真】パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤで、破壊された街並み(2024年5月4日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤで、水を運ぶ少年(2024年5月4日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤで、段ボールを集める少年たち(2024年5月4日撮影)。 
【写真】
パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤで、自転車を押す男性(2024年5月4日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤの通りを歩く人々(2024年5月4日撮影)。 

【5月5日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の戦闘休止に向けた交渉について、イスラム組織ハマス(Hamas)の幹部は4日、戦闘の完全終結を含む案以外には受け入れないと述べた。また、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が交渉を「個人的に妨げている」と非難した。
 休戦交渉を仲介しているカタール、エジプト、米国は同日、カイロでハマスの代表団と会談し、昨年10月以来の戦闘の休止に向け協議した。

 英国によると、交渉では40日間の戦闘休止と、ガザに捕らわれている人質とイスラエルが拘束しているパレスチナ人を交換する案について、ハマスが回答することになっていた。
 しかし、ハマス高官は4日夜、イスラエルのガザ撤退を含む戦闘の完全終結を明示していない休戦案には「いかなる状況下でも同意しない」と語った。
 匿名で取材に応じたこの幹部は、「ガザ侵攻の終結と関連づけることなく」人質解放を実現させようとするイスラエルを糾弾。ネタニヤフ首相が「個人的な利益」のために休戦合意を「個人的に妨げている」と非難した。
 イスラエルは交渉に代表団をまだ派遣していない。同国政府当局者は、提案されている枠組みに「前向きな動き」があった場合にのみ派遣するとして、「実際の合意には、厳しく長い交渉が予想される」とAFPに語った。
 あるハマス幹部筋はAFPに、交渉は5日に再開されると話した。


「AFP」 2024年4月27日 12:38 発信地:パレスチナ自治区
■空爆で瀕死の母から生まれた女児、死亡 ガザ

【写真】イスラエル軍の空爆で瀕死になった母親から帝王切開で生まれたサブリーン・ルー・シェイクちゃん。パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの首長国病院で(2024年4月24日撮影)。

【4月27日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で、イスラエル軍による空爆で瀕死(ひんし)になった母親から帝王切開によって誕生した女児が25日、医療スタッフの懸命の努力にもかかわらず死亡した。おじが26日、AFPに明らかにした。
 サブリーン・ルー・シェイクちゃんは先週末、イスラエル軍の空爆で致命傷を負った母親から誕生した。母親は出産直後に死亡し、父親と姉も空爆で死亡したため、サブリーンちゃんは生まれて間もなく孤児となった。
 ガザ南部ラファ(Rafah)にある首長国病院(Emirati Hospital)によると、妊娠7か月だった母親から未熟児として生まれたサブリーンちゃんは25日、「新生児室のスタッフの懸命の努力にもかかわらず」死亡した。
 おじのラミ・シェイクさんはAFPに対し、病院から「容体が悪化し、救えなかった」と連絡があったと説明。「めいは家族の元へ旅立った。きょう、病院に行ってすべての手続きを済ませ、遺体を連れ帰った」と述べ、サブリーンちゃんの父親の墓を開けてそこに埋葬したと付け加えた。
 サブリーンちゃんの母親、サブリーン・サカニさんはイスラエル軍の空爆で頭と腹に致命傷を負い、重体で救急搬送された。目撃者がAFPに語ったところによると、サカニさんの自宅が空爆を受けたという。ガザの保健当局は、この空爆でサブリーンちゃんの家族を含む少なくとも19人が死亡したとしている。


「 BBCニュース」 2024年4月24日 
■ガザ病院で280人超の遺体発見 「恐怖を覚える」と国連人権高等弁務官

【写真】重機がないため人力で遺体を掘り起こすパレスチナ人(ガザ・ナセル病院),REUTERS 

 パレスチナ自治区ガザ地区の当局は、南部ハンユニスのナセル病院の敷地内で283人の遺体が見つかったと発表した。国連のフォルカー・トゥルク人権高等弁務官は23日、「恐怖を覚える」と述べ、独立した調査の実施を求めた。
 死亡した経緯や、遺体が埋められた時期は明らかになっていない。
 ガザ地区でイスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエル国防軍(IDF)が遺体を埋めたとの見方も出ているが、IDFは「根拠がない」とした。
 一方でIDFは、2月にナセル病院で2週間にわたって作戦を実施した際、パレスチナ人によって埋められた複数の遺体を「調査した」と説明。IDF部隊が「インテリジェンス(機密情報)によって人質がいる可能性が示された場所で」調査したとした。
 既に解放されている10人の元人質は、ナセル病院で長期間拘束されていたと証言している。
 IDFがナセル病院で作戦を実施する前、同病院のスタッフは周辺地域で戦闘があり、複数の墓地へのアクセスが断たれたことから、病院の中庭に遺体を埋葬せざるをえなかったと語っていた。昨年11月にIDFが北部のアル・シファ病院を初めて襲撃する前にも、アル・シファ病院から同様の報告があった。
 IDFはガザ地区の多数の病院を襲撃したのは、ハマス戦闘員が病院内で活動しているためだとしている。ハマスや医療関係者はこうした主張を否定している。

◆遺体の状態は
 パレスチナ当局は、ナセル病院の敷地内で見つかった283人の遺体のうち42人の身元が確認されたと報告した。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報道官は、現在その裏付けを取っているところだと述べた。
 「犠牲者は地中深くに埋められ、廃棄物で覆われていたと報告されている」と、ラヴィナ・シャムダサニ報道官はスイス・ジュネーヴで記者団に語った。
 「死者の中には高齢者や女性、けがをした人がいたとされる。また、(中略)手を縛られたり、衣服をはぎ取られたりした状態で発見された人もいた」。
 トゥルク人権高等弁務官は、死者に関する独立した、効果的で透明性のある調査の実施を求め、「処罰を受けずに済むという空気が広がっていることを考慮すると、国際的な調査官を加えるべきだ」と述べた。
 「病院は国際人道法の下で非常に特別な保護を受ける権利がある。そして民間人や拘束者、戦闘能力のない(敵対行為に参加していない)人々を意図的に殺害することは戦争犯罪にあたる」。

◆ハマス、IDFが遺体を別の場所に埋めたと
 ハマスが運営する民間防衛隊の報道官は22日、BBCアラビア語の番組「ガザ・トゥデイ」に対し、ガザでの戦闘中に殺害され、病院の中庭にあるその場しのぎの墓地に埋葬された「多数の」遺体が、イスラエルによる襲撃の最中に別の場所に移されたとの報告を、現地の複数のパレスチナ人から受けたと語った。
 「調査した結果、占領軍(IDF)が集団墓地をつくり、ナセル病院にあった遺体を掘り起こしてその集団墓地に埋めたことが分かった」と、マフムード・バサル報道官は述べた。
 「ガザ・トゥデイ」はまた、親戚の男性2人の遺体を探しているという男性に話を聞いた。この男性は、IDFが最近終了した攻撃の最中に、親戚の遺体を持ち出したとしている。
 「私が親戚の遺体をアパートの敷地内に埋葬した後、(IDFが)やって来て、遺体を移動させた」と男性は述べた。「私たちは毎日、彼らの遺体を探しているが、見つからない」。
 ハマスは、こうした遺体にはIDFによって「冷酷に処刑された」人が含まれると主張しているが、証拠は示していない。

◆ハマスの主張は「根拠がなく事実無根」とIDF
 IDFは23日の声明で、「IDFがパレスチナ人の遺体を埋めたという主張には根拠がなく、事実無根だ」と述べた。
 「ナセル病院周辺でのIDFの作戦中、人質や行方不明者の捜索活動に基づいて、パレスチナ人がナセル病院周辺に埋めた遺体の調査が行われた」。
 「調査は人質がいる可能性を示す情報があった場所でのみ、慎重に実施された。死者の尊厳を保ちつつ、敬意を持って実施された。調査した遺体のうちイスラエル人の人質ではなかった遺体は、もとの場所に戻された」。
 IDFは病院への襲撃で「病院内にいたテロリスト約200人」を拘束し、弾薬のほか、イスラエル人の人質のための未使用の医薬品も発見したという。
 また、この襲撃は「標的を絞った方法で、病院や患者、医療スタッフに危害を加えることなく」実施されたと主張した。

◆病院で何が
 しかし、3人の医療スタッフは先月、BBCに対し、襲撃を受けた際に拘束され、屈辱的な扱いを受けたと述べた。殴打され、冷や水を浴びせられ、何時間もひざまずくことを強要されたとも語っていた。
 IDFに占領された後もナセル病院に残っていたという医療スタッフによると、水や電気、そのほかの物資が不足するなどし、患者のケアができずに13人が死亡したという。
 4月1日、IDFはガザ市内のアル・シファ病院から引き揚げた。IDFはアル・シファ病院での作戦について、「ハマスのテロリストらがアル・シファ病院内で再編成された」ために実施された、もう一つの「正確な」作戦だったとしている。
 IDFは当時、2週間にわたる襲撃で病院とその周辺で200人の「テロリスト」を殺害したと発表した。また、500人以上を拘束し、複数の武器や情報が「病院の至る所で」見つかったと付け加えた。
 その5日後、世界保健機関(WHO)はアル・シファ病院にチームを派遣。同病院は「今や空っぽの抜け殻状態」で、ほとんどの建物が広範囲にわたって損傷または破壊され、大部分の設備は使用できない状態か灰になっていると、WHOは説明した。
 また、救急診療や管理棟、外科病棟のすぐ外には地面の「浅い部分に多数の墓」が掘られ、「多くの遺体の手足が見える状態で、部分的に埋められていた」とした。
 IDFはアル・シファ病院についても、患者に危害が及ばないようにしたと主張している。
 しかし、WHOは同病院の院長代理の話として、IDFに包囲されている間、患者はひどい状況に置かれていたとした。治療へのアクセスが欠如し、医療スタッフの移動が制限されていたことから、少なくとも20人の患者が死亡したと報じられている。
 OHCHRのシャムダサニ報道官は、2つの埋葬地に計30人の遺体が埋められており、そのうち12人の身元が判明していることが、OHCHRが確認した複数報告書で示されていると述べた。
 ガザの市民防衛部門の報道官は9日、アル・シファ病院の周辺から381人の遺体が収容されたと米CNNに述べた。ただ、この数には同病院の敷地内に埋められた人は含まれていない。
 トゥルク国連人権高等弁務官は、ここ数日の、イスラエルによるガザ南部ラファへの一連の空爆の犠牲者の大半は女性と子供で、「戦争行為を超えている」と非難した。
 20日夜には、死亡した妊婦に緊急帝王切開が行われ、胎児が取り出された。女性の夫ともう1人の娘も死亡した。
 トゥルク氏は、150万人が避難しているラファに対する全面的な地上攻撃は、国際人道法と人権法に対するさらなる違反につながると、イスラエル側に再び警告した。
これに対してIDFは、「ハマスの軍事・行政能力を解体するために活動している」と主張した。
 そして、「ハマスがイスラエルの男性や女性、子供たちを意図的に攻撃しているのとはまったく対照的に、IDFは国際法に従い、民間人の被害を軽減するために実現可能な予防措置を講じている」と付け加えた。

(英語記事 UN rights chief 'horrified' by mass grave reports at Gaza hospitals)


「NHK NEWS WEB」 2024年4月24日 12時49分
■ガザ南部の病院で300人以上の遺体 国連“独立した調査必要”
 イスラエル軍による軍事作戦が続くガザ地区では23日も北部で激しい空爆がありました。一方、南部ハンユニスの病院で300人以上の遺体が見つかった問題で国連は独立した調査が必要だと訴えました。
 ガザ地区でイスラム組織ハマスに対する攻撃を続けるイスラエル軍は23日には北部の町、ベイトラヒヤの一部の住民に指定する場所まで退避するよう通告を出しました。
 イスラエル軍はSNSで、この地域からイスラエル側に向けてロケット弾4発が発射されたとして、住民に退避の通告を出したあと、ロケット弾が発射された場所付近のトンネルの坑道や軍事施設などを空爆したとして、映像を公開しました。
 映像では、爆発とともに炎と煙が上がる様子が確認できます。
 一方、イスラエル軍が今月初めに部隊を撤収させた南部ハンユニスにあるナセル病院では、23日、これまでに少なくとも310人の遺体が見つかったと中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどが伝えています。
 これに対し、ロイター通信はイスラエル軍が「根拠がない」と述べた上で「以前パレスチナ人が埋葬した遺体を人質捜索のために調査し、元の場所に戻した」と主張したと伝えています。
 ガザ地区ではナセル病院のほかにも地区最大のシファ病院でも多数の遺体が見つかったと伝えられていて、国連人権高等弁務官事務所の報道官は、23日、記者会見で人権高等弁務官の談話として、「ナセル病院やシファ病院の破壊や病院とその周辺で大量の遺体が埋葬されていたのが見つかったことについてぞっとしている」と非難しました。
 その上で「遺体について効果的で透明な、独立した調査を求める」として死亡した原因などについて調査の必要性を訴えました。
林官房長官 “人道状況深刻 即時停戦求める”
  林官房長官は、午前の記者会見で「ガザ地区では連日、多数の子どもや女性、高齢者を含む死傷者が発生するなど、危機的な人道状況はさらに深刻さを増している」と述べました。
 そのうえで、「わが国として、人質の解放が実現するよう即時の停戦を求めるとともに、持続可能な停戦につながることを強く期待しており、当事者に、直ちに人道的観点から行動するよう求めている。引き続き、外交努力を粘り強く積極的に行っていく」と述べました。


「 AFP」 2024年4月23日 12:30 発信地:パレスチナ自治区/パレスチナ自治区
■ガザ病院埋葬の遺体、200人に ハマスは283人と主張

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区ハンユニスのナセル医療複合施設の敷地で、掘り起こされた遺体(2024年4月21日撮影)。(c)AFP

【4月23日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)南部ハンユニス(Khan Yunis)の医療施設に多数の遺体が埋められていた問題で、民間防衛当局は22日、3日間の捜索で見つかった遺体は約200人になったと発表した。犠牲者はイスラエル軍に殺害、埋葬されたとされる。
 民間防衛当局の広報担当者はAFPに「職員は現在もナセル医療複合施設(Nasser Medical Complex)で遺体の収容を続けている。20日以降、200人近い殉教者の遺体が収容された」と話した。

 また、腐敗している遺体もあり身元確認は難航しているが、努力を続けると述べた。
 一方、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の報道担当者は、同施設で見つかった遺体は283人だと主張。「子どもや女性を含む民間人への犯罪行為についての徹底的な国際調査を要求する」と語った。
 イスラエル軍は「この件については後日発表する」とコメントした。
 同施設一帯では2月半ばに激しい戦闘があり、3月26日にはイスラエル軍の戦車や装甲車に包囲された。(c)AFP

「 AFP」 2024年4月22日 13:03 発信地:パレスチナ自治区/パレスチナ自治区
■ガザ南部病院に50人超の遺体 拷問の痕も

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区ハンユニスのナセル医療複合施設の敷地で、遺体を掘り起こす医療従事者ら(2024年4月21日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区ハンユニスのナセル医療複合施設の敷地で、掘り起こされた遺体(2024年4月21日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区ハンユニスのナセル医療複合施設の敷地から掘り起こされた親族の遺体のかたわらで嘆く人(2024年4月21日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区ハンユニスのナセル医療複合施設の敷地で、親族の遺体が見つかり泣き崩れる人(2024年4月21日撮影)。

【4月22日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の民間防衛当局は21日、南部ハンユニス(Khan Yunis)の医療施設で、イスラエル軍に殺害された少なくとも50人の遺体を医療従事者が掘り起こしたと発表した。
 当局はAFPに、遺体が見つかったのはナセル医療複合施設(Nasser Medical Complex)の中庭だと説明した。
 当局の広報担当者は、同施設には「イスラエル占領軍が掘った集団埋葬地が複数あり、そのうちの一つできのう、50人の殉教者の遺体が見つかり衝撃を受けている」と述べた。また、「きょうも捜索活動が続いており、最終的な殉教者数を把握するため、全ての埋葬地の掘り起こしが終わるのを待っている」と語った。
 同担当者は「衣服を身に着けていない遺体もあり、これは間違いなく(死者が)拷問され虐待されたことを示している」と主張した。
 同施設一帯では2月半ばに激しい戦闘があり、3月26日にはイスラエル軍の戦車や装甲車に包囲された。
 AFPカメラマンもこの日、民間防衛当局の職員が施設の中庭で遺体を掘り起こしているのを目撃した。白い布に包まれた数人の遺体が親族に引き取られたという。
 イスラエル軍はこの発表について、事実関係を調査しているとコメントした。


「中央日報日本語版」 2024.04.22 08:44
■「ガザ地区病院中庭から密葬された遺体が少なくとも50体」
 イスラエルとハマスの戦争
 ガザ地区南部最大の都市ハーン・ユーニスにある大型病院の中庭から埋葬された遺体が数多く見つかったと21日(現地時間)、AFP通信が報じた。
 メディアによると、ガザ地区民防衛局は20日からハーン・ユーニスのナセル病院団地内の中庭から密葬された遺体を少なくとも50体探し出したと発表した。
 防衛局報道官は遺体発掘のことを伝えながら「すべての集団埋葬地を掘り返してはじめて最終殉教者の数を確認することができる」と話した。
 続いて「一部の遺体は衣服を脱がされた状態で埋蔵された」とし「これは彼らが拷問と虐待を受けたことを確実に見せている」と強調した。
 イスラエルと戦争中のハマスは声明を通じて50体の遺体が見つかった病院の中庭を共同墓地と称した。
 イスラエル国防軍は2月中旬にナセル病院を急襲した。
 当時イスラエル国防軍首席報道官のダニエル・ハガリ氏(少将)は「ハマスがナセル病院に人質を捉え、(病院には)死亡した人質の遺体があるという、信じるだけの情報がある」とし「これに伴い、病院内部で精密かつ制限的な作戦を展開している」と言及していた。
 このような軍事作戦によって医療陣や患者が強制避難し、国連は病院運営に支障が生じたとして懸念を示していた。
 ハマス掃討のためにハーン・ユーニスで作戦を実行していたイスラエル国防軍は7日、ガザ南部から兵力を撤収させた。


「 AFP」 2024年4月22日 12:09 発信地:ワシントンD.C./米国
■米、人権侵害でイスラエル軍部隊に制裁へ 報道

【写真】イタリア・カプリ島で、先進7か国(G7)外相会合閉幕後に記者会見に臨むアントニー・ブリンケン米国務長官(2024年4月19日撮影)。(c)Tiziana FABI / AFP

【4月22日 AFP】米国は、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で人権を侵害している疑いがあるとして、一部のイスラエル軍部隊に近く制裁を科す見通しだ。同国のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は20日、そうした動きについて「愚行の極み」だと非難した。
 米ニュースサイト・アクシオスは同日、米情報筋3人の話として、アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官が「数日中にも」イスラエル軍大隊への制裁を発表する見込みだと報道。制裁により、同部隊は米国の軍事支援や訓練を受けることが禁じられる。
 これに先立ち、ニューヨークの非営利報道組織プロパブリカも、国務省の特別委員会が昨年12月、西岸で活動するイスラエル軍の複数部隊や警察部隊に対して米国の支援を停止するようブリンケン氏に勧告したと報じていた。
 この件についてイタリア訪問中に記者から質問されたブリンケン氏は、報道内容を否定しなかった。詳細は明らかにしなかったものの、人権を侵害している外国の治安部隊への軍事支援を禁じる米国法に基づき、調査を行っていると説明。「決定は下している。数日後には結果が判明するだろう」と述べた。
 イスラム組織ハマス(Hamas)による昨年のイスラエルへの越境攻撃に先立つ2022年末、国務省は、在イスラエル米大使館の職員に対し、超正統派の兵士で構成された「ネツァ・イェフダ(Netzah Yehuda)」大隊による西岸での暴行疑惑を調査するよう指示。この中には、同年1月、パレスチナ系米国人(78)が拘束された後に心臓発作で死亡した件も含まれていた。
 米国がイスラエル軍部隊への制裁を示唆したのを受け、ネタニヤフ氏はX(旧ツイッター)で、「わが国の兵士がテロリストの怪物と戦っている時に軍の一部隊に制裁を科そうとするのは愚行の極み」だと反発。「わが政権はこうした動きを断固阻止する」と表明した。


「AFP」 2024年4月14日 16:27 発信地:エルサレム/中東・アフリカ
■ハマス、新たなガザ休戦案を拒否 イスラエル

【写真】パレスチナ自治区ガザで、イスラエル軍による爆撃で立ち上る煙を見る住民(2024年4月11日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザのヌセイラットで、イスラエル軍の爆撃後に出動する消防車(2024年4月12日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区のデイルアルバラフで、イスラエル軍の爆撃で負傷し、病院で治療を受ける記者(2024年4月12日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザで、イスラエル軍による爆撃で負傷した少女を運ぶ住民(2024年4月11日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザで、イスラエル軍の爆撃を受けた住宅の被害を確認する住民(2024年4月12日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザのヌセイラットで、イスラエル軍の爆撃を受けた建物の残骸(2024年4月12日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザのヌセイラットで、イスラエル軍の爆撃後に立ち上る煙(2024年4月12日撮影)。

【4月14日 AFP】イスラエルの対外特務機関モサド(Mossad)は14日、イスラム組織ハマス(Hamas)が、パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)での新たな休戦案を拒否したと明らかにした。
 モサドはイスラエル首相府を通じて発表した声明で、休戦案の拒否はハマスが人道的な取引や人質の返還を望んでいないことを示していると指摘。「(イスラエルと)イランとの緊張を利用」して、中東全体の緊張を激化させることを狙っていると非難した。
 一方のハマスは、「恒久的な停戦」と「ガザ全域からの(イスラエル)占領軍の撤退」を求める考えを変えていない。


「 AFP」 2024年3月27日 15:45 発信地:ジュネーブ/スイス
■ガザで「ジェノサイド」 国連特別報告者指摘に支持相次ぐ 人権理

【写真】国連人権理事会で発言するフランチェスカ・アルバネーゼ特別報告者(左)。スイス・ジュネーブで(2024年3月26日撮影)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP【写真】国連人権理事会でフランチェスカ・アルバネーゼ特別報告者(画面右)の発言を聞く各国代表。スイス・ジュネーブで(2024年3月26日撮影)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP 

【3月27日 AFP】国連人権理事会(UN Human Rights Council)からパレスチナ自治区の特別報告者に任命されているフランチェスカ・アルバネーゼ(Francesca Albanese)氏は26日の理事会で、イスラエルが同自治区ガザ地区(Gaza Strip)で実行している軍事作戦は「ジェノサイド(集団殺害)行為」に当たるとの持論を重ねて表明した。それを受け、アラブ諸国や中南米諸国から支持する声が相次いだ。
 アルバネーゼ氏は、「ガザにおける(イスラエルの)ジェノサイドの意思は明々白々であり、われわれは目を背けてはならず、立ち向かい、防ぎ、罰しなければならない」と主張。各国に対し、対イスラエル武器禁輸と制裁措置を呼び掛けた。
 それに対しパキスタンの代表はイスラム協力機構(OIC)を代表し、「(イスラエル)軍はハゲワシのように(ガザ南部)ラファ(Rafah)を取り囲み、ヨルダン川西岸(West Bank)では強欲にも土地侵略を続けている」とし、武器禁輸・制裁への支持を表明した。
 またエジプト代表はアラブ諸国を代表して、イスラエルは「ガザを構造的、計画的に攻撃し、人が住めないようにしようとしている」と非難した。
 イスラエルと後ろ盾の米国の代表は欠席した。(c)AFP/Robin MILLARD


「AFP」 2024年3月26日 12:42 発信地:ジュネーブ/スイス
■イスラエル、ガザで「ジェノサイド条約」違反 国連特別報告者

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部の病院にイスラエル軍の攻撃で負傷した子どもを運び込む男性(2024年3月24日撮影)。(c)MOHAMMED ABED / AFP
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で破壊された建物のそばを移動するパレスチナ人の家族(2024年3月24日撮影)。(c)MOHAMMED ABED / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラエル軍の攻撃で親族を亡くした男性(2024年3月21日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区中部から南部に退避するパレスチナ人の人々(2024年3月21日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区北西部で、破壊された建物のそばを歩く男性(2024年3月25日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ市からガザ地区中部に退避するパレスチナ人の人々(2024年3月21日撮影)。 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエル軍の攻撃で立ち上る煙。イスラエル南部から撮影(2024年3月14日撮影)。(c)JACK GUEZ / AFP 

【3月26日 AFP】国連人権理事会(UN Human Rights Council)からパレスチナ自治区の特別報告者に任命されているフランチェスカ・アルバネーゼ(Francesca Albanese)氏は25日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での軍事作戦で「ジェノサイド(集団殺害)」に相当する行為を働いたと判断する「合理的な根拠」があるとの報告書を公表した。「民族浄化」の恐れがあることにも警鐘を鳴らしている。
 アルバネーゼ氏は、イスラエルがガザで、国連のジェノサイド条約に記載されている五つの行為のうち三つに違反しているのは明らかだと指摘。
 報告書は違反行為として、「集団構成員の殺害」「集団構成員に対する重大な肉体的または精神的な危害」「集団の全部または一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件の強要」を挙げた。
 さらに、イスラエル政府の一部高官が、パレスチナ人の強制移住と自国民の入植拡大を表明していることについて、「退避命令と安全地帯を、民族浄化を達成するための集団殺害の道具として使っている」と糾弾している。
 国連の特別報告者は国連人権理事会によって任命されるが、国連を代表する立場にはない。
 スイス・ジュネーブのイスラエル代表団は、同国は「報告書の内容を断固否定する」とし、「イスラエル国家の樹立そのものを否定しようとする試みの一端にすぎない」と反発。
 「イスラエルの戦争は(イスラム組織)ハマス(Hamas)に対するものであり、パレスチナ住民に対するものではない」と主張した。
 米政府当局者はAFPに対し、報告書について把握しているが、「イスラエルがガザで集団殺害を行ったと信じるに足る根拠は得ていない」と語った。


「AFP」 2024年3月25日 13:09 発信地:パレスチナ自治区
■ガザ住民「恐怖と飢餓」に直面 国連総長、支援拡大と即時停戦訴え

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区とエジプトの境界にある同国側のラファ検問所で記者会見する国連のアントニオ・グテレス事務総長(2024年3月23日撮影)。(c)Khaled DESOUKI / AFP
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区とエジプトの境界にある同国側のラファ検問所を訪問した国連のアントニオ・グテレス事務総長(中央、2024年3月23日撮影)。(c)Khaled DESOUKI / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区ラファに近いエジプト・アリーシュにある空港に到着した国連のアントニオ・グテレス事務総長(中央、2024年3月23日撮影)。(c)Khaled DESOUKI / AFP 

【3月25日 】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は24日、訪問先のエジプトで、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の住民は「恐怖と飢餓」にさらされているとして、人道支援の拡大と即時停戦を訴えた。
 グテレス氏は、多数の住民が避難している南部ラファ(Rafah)への地上侵攻を計画しているイスラエルに対し、計画の実行を思いとどまるよう要請。
 ガザでは240万人の住民が「ノンストップの悪夢」を強いられているとし、「銃を置き、即時の人道的停戦をすべき時がとっくにきていることを世界中が認識している」と述べた。
 さらに、ラファでは人道支援物資の輸送トラックが足止めされているとして、イスラエルに搬入を許可するよう求めた。
 イスラエル軍はこれを受け、SNSで、国連に物流面での拡充を促し、「自分たちの失態をイスラエルのせいにするのはやめるべきだ」と反論した。


「AFP」 2024年3月23日 12:40 発信地:エルサレム/中東・アフリカ
■イスラエル、西岸の800ヘクタール「国有地化」 米国務長官の訪問中

【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のイスラエル入植地(上、2024年2月29日撮影)。(c)Menahem Kahana / AFP
【写真】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(右)とベツァレル・スモトリッチ財務相(2024年1月7日撮影)。(c)RONEN ZVULUN / POOL / AFP 

【3月23日 AFP】イスラエル極右のベツァレル・スモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は22日、占領下に置くパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のヨルダン渓谷(Jordan Valley)北部にある土地800ヘクタールを「国有地化」すると発表した。
 イスラエルの入植活動を監視するNGO「ピース・ナウ(Peace Now)」によれば、1回の接収面積としては1993年にオスロ合意(パレスチナ暫定自治宣言)が調印されて以降最大。2024年の接収面積も過去最大となる見通しだという。
 接収の発表は、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相率いる強硬右派政権の入植地拡大を批判してきた米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官のイスラエル訪問中に行われた。ピース・ナウは「挑発」との見方を示している。
 西岸でのユダヤ人入植地の拡大は国際法違反と見なされているにもかかわらず、スモトリッチ氏は拡大計画を推し進めている。(c)AFP


「AFP」 2024年3月22日 14:41 発信地:ワシントンD.C./米国
■ガザ戦闘、若者の方がイスラエルに批判的 米

【写真】米首都ワシントンで行われたパレスチナ支持者によるデモ(2024年3月2日撮影)。(c)Mandel NGAN / AFP

【3月22日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での戦闘をめぐり、米国の若者は他の年齢層よりもイスラエルに対してはるかに批判的であることが、米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が21日に公表した調査結果で明らかになった。
 調査では、昨年10月7日のイスラム組織ハマス(Hamas)による奇襲攻撃に対するイスラエルの対応について、18~29歳の46%が「許容できない」と回答。21%が「許容できる」とし、残りは「どちらとも言えない」と答えた。
 年齢が上がるにつれ、この数字はほぼ反転している。65歳以上でイスラエルの対応を支持すると答えた人は53%に上る一方、許容できないと答えたのは29%だった。
 調査は1万2693人を対象に行われた。
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「ガザへの支援物資空中投下、ハマスが中止要請 2人死亡受け」

2024年05月10日 | 国家・社会
「 AFP」 2024年5月10日 12:40 発信地:パレスチナ自治区/パレスチナ自治区
■ガザへの支援物資空中投下、ハマスが中止要請 2人死亡受け

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区上空でヨルダン軍機から投下される支援物資。同軍提供(2024年3月31日提供)。(c)AFP PHOTO / JORDANIAN ARMY
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区に投下する支援物資を積んだヨルダン軍機。同軍提供(2024年4月9日提供)。(c)AFP PHOTO / JORDANIAN ARMY 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区への支援物資を積んだヨルダン軍輸送機。同軍提供(2024年3月3日提供)。(c)AFP PHOTO / JORDANIAN ARMY 

【5月10日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部での人道支援物資の空中投下でパラシュートが開かず2人が死亡したのを受け、イスラム組織ハマス(Hamas)は9日、空中投下の中止を求めた。
 飢餓が迫っているとされるガザ北部では、米英仏など複数の国が支援物資を定期的に投下している。

 だが7日の空中投下では、パラシュートが開かず、支援物資を受け取ろうと住民が集まっていた倉庫の屋根に落下。2人が死亡した。
 ハマス当局によると、同様の事故でこれまでに少なくとも21人が死亡している。
 ハマスの広報責任者は声明で、「空中投下は市民の命を差し迫った危険にさらし、ガザ北部での食糧危機を緩和する真の解決策とはならないことを強調したい」「この非効率的で間違った支援物資の届け方の即刻中止し、全ての検問所を解放してガザ北部に支援物資を陸路で届けることを求める」と訴えた。
 北部にわずかな食糧しか届かず、国連が「飢餓が差し迫っている」と警告する中、各国政府は空中投下を実施している。
 人道支援機関によると、イスラエルがガザとエジプトの境界にあるラファ(Rafah)検問所を制圧・閉鎖した後、状況はいっそう悪化している。
 ガザとイスラエルの境界にあるケレムシャローム (Kerem Shalom)検問所でも、5日以降3度にわたりロケット弾を撃ち込まれたため、物資の輸送が滞っている。(c)AFP


「The Hankyoreh」 2024-05-10 07:15
■米国、イスラエルに2000ポンド爆弾の輸送を一時停止

【写真】ガザ地区南部のハンユニスで8日、パレスチナ人たちが水を運んでいる=ハンユニス/EPA・聯合ニュース

 ジョー・バイデン大統領が、米国がイスラエルに供与してきた高重量爆弾によってガザ地区の民間人の命が奪われたことを認めた。米政府が高重量爆弾の輸送を保留したしたと明らかにした中、バイデン大統領はイスラエル軍がガザ地区南端のラファに侵攻した場合、攻撃用兵器の供与を中止すると警告した。
 バイデン大統領は8日、CNNのインタビューで「イスラエル軍がラファに侵攻した場合、ラファなどの都市への対応でこれまで使われてきた武器を供与しない方針を明らかにした」と述べた。輸送が保留された高重量爆弾だけでなく、砲弾なども供与しないと警告したものとみられる。
 バイデン大統領はまた、米国がイスラエルに与えた2000ポンド(907キログラム)爆弾が民間人の命を奪ったのかという質問に、「人口密集地域を狙ったこのような爆弾および他の方法によってガザの民間人が殺された」と答えた。バイデン大統領がイスラエルに武器供与を中止する可能性について警告を行ったのも、米国が供与した2000ポンド爆弾でパレスチナ人の命が失われたと発言したのも、今回が初めて。
 これと関連して、ロイド・オースティン米国防長官は同日、米上院の歳出委員会に出席し、先週イスラエルに対する「高重量爆弾の1回分の輸送」を保留したと明らかにした。また「我々はイスラエルが自らを守る手段を手に入れるよう必要なことを続ける」とする一方、「ラファの状況と関連し、短期的な軍事支援の提供については検討を進めている」と述べた。武器の輸送を一部保留したという報道を認めたのだ。米国のマスコミは2000ポンド爆弾1800個と500ポンド(227キログラム)爆弾1700発が保留の対象だと報じた。
 オースティン長官はまた、ラファへの攻撃などには「適切な武器」を使わなければならないとし、「人口密度が高く、建物が密集している所では、精度の高い小口径爆弾が非常に有効だ」と述べた。また「広範囲な被害を起こしかねない2000ポンド爆弾はそのような武器ではない」と語った。ラファには、ガザ地区の北側からイスラエル軍に追われてきた避難民ら140万人が集まっており、全面攻撃の際、大規模な惨事が懸念されている。
 バイデン大統領とオースティン長官の発言は、2000ポンド爆弾による民間人殺傷問題が深刻であることを公に認めたもの。ベトナム戦争当時に開発された2000ポンド爆弾の現在のモデルは戦闘機から投下されるものであり、米軍が保有した非常に強力な通常兵器の一つだ。設計によって広い面積や地中の標的を破壊することもできる。AP通信は、この爆弾の爆発半径は360メートルに及ぶほど破壊力が非常に高いため、精密誘導装置を取り付けても、特に都市では深刻な民間人被害が避けられないというのが専門家たちの説明だと報じた。
 イスラエル軍は昨年10月7日の開戦以来、人口・建物密集地でこの爆弾を頻繁に使用してきた。爆弾一発で数棟の建物が崩れ落ち、大きな爆発穴ができるのがこの爆弾を使用した「証拠」とされてきた。開戦から1カ月で2000ポンド爆弾の使用を裏付ける穴が500個もできたという集計もある。CNNは「ベトナム戦争以来見たことのない」深刻な破壊が進んでいるとも報じた。バイデン政権はイスラエルに「民間人殺傷の最小化」を繰り返し求めながらも、高重量爆弾の供与の中止を要求する声には最近まで耳を塞いできた。ガザ地区保健省の集計によると、死亡者数は現在3万5千人に迫っている。
 一方、イスラエルのギラド・エルダン国連大使は、米国の高重量爆弾の輸送保留は「大きな失望を抱かせる決定」だと、イスラエルのメディアに語った。
ワシントン/イ・ボニョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-09 21:27


「AFP」 2024年5月9日 16:50 発信地:ジュネーブ/スイス
■ガザ南部の病院、燃料あと3日分のみ WHO事務局長

【写真】イスラエル軍が戦車を進入させて閉鎖したエジプトとの境界にあるラファ検問所。パレスチナ自治区ガザ地区南部で。イスラエル軍提供(2024年5月7日撮影、提供)。(c)AFP PHOTO / Handout / Israeli Army【写真】

【5月9日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は8日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)南部の病院には、燃料が3日分しか残っていないと述べた。検問所が閉鎖されているためとした。
 イスラエルは7日、南部ラファ(Rafah)に戦車を送り、エジプトとガザを結ぶ検問所を制圧した。同検問所は、ガザへの支援物資搬入のための主要経路となっていた。
 テドロス氏は、WHOが8日に搬入されるとみていた燃料が止められたことを明らかにした。「(ラファ)検問所の閉鎖により、国連(UN)による燃料搬入が阻止されている。燃料がなければ、人道支援活動はすべて停止する。検問所の閉鎖で、ガザへの人道援助物資搬入も妨げられている」とX(旧ツイッター)で述べた。
 また「ガザ南部の病院には、3日分の燃料しか残っていない。これは活動がすぐにでも停止する可能性を意味する」とも指摘している。
 テドロス氏はさらに、ラファの病院3施設のうちの一つ、ナジャール(Al-Najjar)病院が、付近での持続的な敵対行為と軍事作戦のために閉鎖されたとし、「人道支援活動へのてこ入れが急務となっている中、ラファでの軍事作戦は、十分な食料や衛生環境、医療体制や身の安全が確保できない多数を支援するための(WHOの)能力をさらに制限するものとなっている」と訴えた。


「AFP」 2024年5月9日 12:22 発信地:ワシントンD.C./米国
■ラファ侵攻なら武器供給せず バイデン氏、イスラエルに警告

【写真】イスラエル軍の爆撃を受けたパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの建物(2024年5月3日撮影)。
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで、イスラエル軍の爆撃で死亡した子どもの遺体にキスをする男性(2024年4月27日撮影)【写真】 

【5月9日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は8日、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)最南部ラファ(Rafah)に侵攻した場合、武器や砲弾の供給を停止すると公に警告した。また、イスラエルが米国製の爆弾を使って民間人を殺害していることを厳しく非難した。
 バイデン氏は米CNNのインタビューで、イスラエルがラファに侵攻した場合、同国がガザ侵攻で使用してきた武器を供給しないと明言した。
 米国は7日、ラファ侵攻計画をめぐる懸念から、イスラエルへの爆弾の輸出を一時停止したことを明らかにした。エジプト国境に近いラファには、家を追われたパレスチナ人100万人以上が避難している。
 バイデン氏は「彼ら(イスラエル)が人口密集地に侵攻してこうした(米国製の)爆弾などを使用した結果、ガザで民間人が殺害されている」と指摘した。


「AFP」 2024年5月8日 15:54 発信地:ワシントンD.C./米国
■米、イスラエルへの爆弾輸出停止 ラファ侵攻計画を懸念

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファで、イスラエル軍の爆撃でできたクレーター(2023年12月19日撮影)。(c)Mahmud HAMS / AFP

【5月8日 AFP】米政府高官は7日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)最南部ラファ(Rafah)への地上侵攻計画をめぐる米国の懸念に対応しなかったため、爆弾の輸出を先週、一時停止したことを明らかにした。
 高官は匿名を条件に「われわれは先週、1回分の発送を取りやめた。2000ポンド(約907キロ)爆弾1800発と500ポンド(約226キロ)爆弾1700発だ」と述べた。「この出荷分を今後どう扱うかについて、最終的な決定は下されていない」とした。
 ジョー・バイデン(Joe Biden)政権はラファへの地上侵攻に強く反対しているが、イスラエルが実行に移す構えを見せたため、弾薬供給の一時停止を決めたという。
 高官は、米・イスラエル両国の当事者が代替案について協議を続けているが、イスラエル側は「懸念に完全には対応していない」と指摘。米政府としては、大型の2000ポンド爆弾を人口密度が一段と高くなっているラファで使用した場合にどのような結果がもたらされるかに「特に留意」していると語った。
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「イスラエル、アラブ遊牧民ベドウィンの集落を破壊」

2024年05月09日 | 国家・社会
「AFP」 2024年5月9日 13:08 発信地:ネゲブ砂漠/イスラエル
■イスラエル、アラブ遊牧民ベドウィンの集落を破壊

【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊する治安部隊のを見つめる住民(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊する治安部隊とそばに立つラクダ(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊しに向かう治安部隊(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊する治安部隊(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊しに向かう治安部隊(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊する治安部隊と対峙(たいじ)する住民(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠のアラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルで、治安部隊の到着を受けて住民が火を放った家(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊する治安部隊(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP
【写真】イスラエル南部ネゲブ砂漠で、アラブ遊牧民ベドウィンの集落ワディハリルを破壊する治安部隊のを見つめる住民(2024年5月8日撮影)。(c)Oren Ziv / AFP

【5月9日 AFP】イスラエル当局は8日、南部ネゲブ砂漠(Negev Desert)でアラブ遊牧民ベドウィンの住宅48棟を破壊した。AFP特派員が伝えた。極右イタマル・ベングビール(Itamar Ben Gvir)国家治安相は、ベドウィンの住宅は「違法建築物」だと主張している。
 ネゲブ砂漠の集落ワディハリル(Wadi al-Khalil)にブルドーザーが現れて次々に住宅を破壊し、住民たちは激怒している。
 住民の一人、スレイマン・アブ・アサさんは「ここには500人以上が住んでいる。子どもや女性には他に行くところがない」「家を壊され、行き場をなくして困っている」と訴えた。
 さらに「こんな仕打ちを受けるいわれはない。われわれは何年もの間、公正な解決を望んできたが、国家(イスラエル)はわれわれの選択肢をすべて妨害してきた」と怒りをあらわにした。
 イスラエル政府は、ワディハリルに建てられた住宅を違法とみなしている。
 ベングビール国家治安相は8日、インターネットへの投稿でこの点を強調し、ワディハリルの住宅は「違法建築物」であり、「ネゲブ(砂漠)で法を犯す者」に対する警告だと主張。
 政府当局への異議は認められないことを示す「重要な一歩」であり、「土地を占拠し、そこに別の現実を築こうとする者たちと警察は闘う」と強調した。
 1948年のイスラエル建国以前、ネゲブ砂漠には約9万2000人のベドウィンが住んでいた。だが、アラブ系少数民族擁護団体アダラー(Adalah)によれば、イスラエル建国を受けて勃発した同年の第1次中東戦争後、国内に残ったベドウィンはわずか1万1000人だった。
 ベドウィンの多くは都市部への移住を拒否し、以来、イスラエル社会で困難に直面し続けている。
 アダラーによれば、イスラエル国内のベドウィンは現在約30万人で、半数が都市部に、残る半数が政府に認められていない集落に住んでいる。
 アラブ系イスラエル人の活動家は、政府は「(ベドウィンの)市民が建築許可を得ることを許さず、そして許可がないという口実で彼らの家を取り壊す」と語った。
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「ロシア軍の死者15万人 仏推計」

2024年05月05日 | 国家・社会
「AFP」 2024年5月4日 12:22 発信地:パリ/フランス
■ロシア軍の死者15万人 仏推計

【写真】フランスのステファヌ・セジュルネ外相(2024年4月30日撮影)。(c)GIL COHEN-MAGEN / AFP

【5月4日 AFP】フランスのステファヌ・セジュルネ(Stephane Sejourne)外相は3日公開のインタビューで、ウクライナ侵攻によるロシア軍側の死傷者は50万人で、うち15万人が死亡したとの推計を公表した。
 独立メディア「ノーバヤ・ガゼータ欧州(Novaya Gazeta Europe)」のインタビューで語った。同メディアは2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して間もなく、ロシア独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)の亡命記者らによって立ち上げられた。
 セジュルネ氏は「欧州とそのパートナーは、必要な限り団結し、断固たる態度を取り続ける。ロシアの軍事的失敗は既に明らかだ。われわれはロシア軍の死傷者は50万人で、うち15万人が死亡したと見積もっている」と語った。
 「これはいったい何のためなのか」「一言で言えば、無駄だった」と続けた。
 ロシア軍の死傷者数について、同国側は公表していない。
 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は今年2月、18万人が死亡したと発表した。
 英国は、約45万人が死傷したとの推計を公表している。
 英BBCは4月、独自調査を基に、5万人超が死亡したと報じた。


「The Hankyoreh」 2024-05-03 07:44
■「幽霊都市」を作るロシアの焦土化戦術…ウクライナ東部の拠点、灰の原に
 ドローンの映像を公開…人影消えたチャシウヤルの姿 
 「水・電気の供給途絶えてから1年…住民1万2千人から682人に激減」 
 「昨年占領された近隣都市のバフムトに類似」

【写真】ここ数カ月にわたりロシア軍の集中攻撃を受けているウクライナ東部の主要都市チャシウヤルのマンションが爆撃を受け、廃墟と化した=チャシウヤル/ウクライナ警察・AP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ東部戦線の核心拠点とされるチャシウヤルを占領するため猛烈な攻撃を続け、一時は1万2千人以上が暮らしていたこの都市が廃墟と化した。
 AP通信は1日(現地時間)、ウクライナ警察が先月29日にドローンを利用して撮影したチャシウヤルの映像を入手し、この都市内の建物のほとんどが破壊されたことを確認したと報道した。住居用住宅と市政府の建物の中で完全な形で残っているものはほとんどなく、ほとんどが黒く焼けて崩れ落ちていたと、同通信は報じた。
 この都市内のあるマンション集合地は爆撃を受けてあちこちに穴が開き、かなりの部分は瓦礫の山へと変わっていた。黄金のドームで飾られた教会の建物はかろうじて形を保っていたが、建物のあちこちが壊れていた。この映像では住民や兵士の姿はほとんど見られず、破壊された建物の間にできた道を歩く男性一人の姿が映っていただけだった。
 戦争勃発前には1万2千人が暮らしていたこの都市が廃墟と化したのは、ロシア軍の焦土化戦術のためだ。ロシア軍はウクライナ東部戦線で占領目標都市を完全に破壊し、人が住めないようにする戦術を駆使している。
 AP通信は、チャシウヤルの惨状が、昨年5月にロシアが占領した近隣都市のバフムトや、今年2月に占領したアウディーイウカと類似していると指摘した。ロシア軍は二つの都市を占領するため、数カ月にわたり集中的な包囲攻撃を行ったが、チャシウヤルでも兵力2万人以上を動員して同様の作戦を展開している。
 チャシウヤルは地上戦が集中しているドネツク州の中部地域の高地帯に位置している。このため、ロシア軍がこの都市を占領した場合、ドネツク州西部地域を守っているウクライナ軍に対する攻撃がはるかに容易になる。
 ドネツク州のバディム・フィラシキン知事は同日、ウクライナの放送番組に出演し、人口が1万2500人以上だったこの都市の状況が悪化し、現在住んでいるのは682人だけだと述べた。さらに、残っている住民たちは1年以上水と電気の供給が途絶えた状況で暮らしているとし、救護活動に乗り出すことも難しいと語った。
シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-02 19:45


「中央日報日本語版」 2024.04.23 17:57
■「ロシア、クリミア半島に100キロメートルの防衛線設置…遺跡まで掘り返す」
 ロシアがクリミア半島に大規模防衛線を構築しているという分析が出てきた。クリミア半島はロシアが2014年に強制併合したウクライナ領土だ。ウクライナ政府行政組織である「クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表部」は22日、報告書を通じて「ロシアがクリミア半島の黒海沿岸に最近構造物を増やしている。2~3月に新しく建てた構造物の長さだけで100キロメートルを超える」と明らかにした。
 報告書によると、ロシアは防衛線を構築して自然保護区域と遺跡などの観光地を掘り返した。セベルネ村に残っている古代定着地の上に海岸防衛要塞が作られたと強調した。ロシア海軍がクリミア半島周辺海域で潜水艦やサボタージュ(破壊工作)対応訓練を頻繁に実施しているとも付け加えた。
 ウクライナはクリミア半島に特殊部隊と無人機(ドローン)を動員したゲリラ式攻撃を続けてきた。ウクライナ軍は21日、クリミア半島に駐留するロシアの黒海艦隊所属救難艇を攻撃し作動不能状態にした。
 17日にはクリミア半島北部の飛行場を爆撃し、ロシア軍のS400対空ミサイル発射台4基を無力化した。先月24日にはロシア軍黒海艦隊司令部があるセバストポリ港に大規模ミサイル攻撃を加え揚陸艦2隻を破壊した。昨年7月に爆発物を搭載した無人艇(水上ドローン)でクリミア半島とロシア本土をつなぐクリミア大橋を打撃したりもした。

◇プーチン氏「南北輸送回廊、関心がある国招待」
 一方、ロシアのプーチン大統領はこの日バイカル・アムール幹線鉄道(BAM)着工50周年行事で、国際南北輸送回廊「INSTC」の開発に関心がある国をすべて招くと明らかにした。プーチン大統領はこの席で「BAMがソ連の全共和国の利益に向けた建設プロジェクトになったように、国際南北輸送回廊も最も広い国際協力の模範とならなければならない」と強調した。
 BAMはシベリア横断鉄道幹線のひとつで、東部シベリアと極東地域を結ぶ。INSTCはインド、イラン、ロシアの3カ国をインド洋とペルシャ湾、カスピ海などを利用する水路と鉄道などを利用して連結する複合輸送回廊構想だ。
 この日の行事にはアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が参加した。アリエフ大統領の父のヘイダル・アリエフ前アゼルバイジャン大統領は旧ソ連時代にBAM建設を監督したことがある。
 プーチン大統領は「BAMとシベリア横断鉄道をアップグレードする事業に参加するパートナーに急速に成長するアジア太平洋地域市場に対するアクセス性を提供する準備ができた」としてアゼルバイジャンがこの事業に参加していると話した。また、BAMのおかげでシベリアと極東地域を開発する大きな機会を得られるようになったと付け加えた。
 プーチン大統領は行事に先立ち、アリエフ大統領とロシア大統領府で会い、コーカサス地域(ロシア南西部、アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア一帯)の安全保障問題を話し合った。両国の首脳会談は17日にロシア大統領府がアゼルバイジャンとアルメニアの紛争地であるナゴルノカラバフでロシア平和維持軍が撤収中だと公式に確認した後に行われて関心を集めた
 ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルバイジャン領だが、アルメニア系が約30年間占有していた地域だった。昨年9月にアゼルバイジャンの大々的な空爆により住民の大部分がアルメニアに離れた。
 プーチン大統領は会談を始めながら「われわれは地域安保を保障する側面で状況を話すもの。扱わなければならない敏感な問題が多い」と話した。アリエフ大統領は「地域安保問題はいつもわれわれの議題にあり、われわれはそれが解決された方式に満足している。ロシアはコーカサスとそれより広い地域の安保で核心的な国」と強調した。
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イラク内のイスラム武装勢力、イスラエル首都にミサイル攻撃

2024年05月03日 | 国家・社会
「中央日報日本語版」 2024.05.03 10:02
■イラク内のイスラム武装勢力、イスラエル首都にミサイル攻撃

 イラク国内の武装勢力イスラミック・レジスタンス(Islamic Resistance)がイスラエルの首都テルアビブにミサイル攻撃をしたと、ロイター通信が3日(現地時間)報じた。
 報道によると、同武装勢力の消息筋はテルアビブの標的を狙ってイラクから巡航ミサイルを発射したと明らかにした。ミサイルが実際にどこを打撃したかなどはまだ伝えられていない。


「 AFP」 2024年4月22日 10:41 発信地:バグダッド/イラク
■シリア駐留米軍基地にロケット弾攻撃 イラク北部から発射

【写真】イラクのニナワ、アンバル両州にまたがる地区でパトロールに当たる、親イラン武装勢力の連合体「人民動員隊」を含むイラク部隊の車両(2023年8月5日撮影、資料写真)。(c)Zaid AL-OBEIDI / AFP

【4月22日 AFP】イラク治安部隊は、21日夜に同国北部からシリアに駐留する米軍主導の有志連合軍の軍事基地に向けてロケット弾が発射されたと明らかにした。
 治安部隊は声明で、同日午後9時50分ごろ、「武装勢力がシリア領内にある多国籍軍の基地を数発のロケット弾で攻撃した」と指摘。イラク軍が同国北部ニナワ(Nineveh)州で大規模捜索を行ったところ、攻撃に使用された車両を発見したとしている。
 有志連合軍に対する本格的な攻撃は数週間ぶり。
 英国を拠点とするNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdel Rahman)所長は、米軍が駐留しているシリア北東部ハラブアルジル(Kharab al-Jir)基地に、イラク領内から数発のロケット弾が発射されたと説明。
 攻撃したのは、親イランの民兵諸派連合「イラクのイスラム抵抗運動(Islamic Resistance in Iraq)」との見方を示した。
 「抵抗運動」はこれまで、パレスチナへの連帯を示し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での紛争で米国がイスラエルを支援していることを非難している。


「中央日報日本語版」 2024.04.16 07:52
■「イランの極超音速ミサイル、すべてイスラエルの標的に命中」

【写真】イランが開発を完了した極超音速ミサイル「ファッターフ1」 [UPI/革命防衛隊提供]

 イラン革命防衛隊が13日夜(現地時間)、イスラエルを報復空襲した際、数発の極超音速ミサイルを発射し、すべて標的に命中したと、現地メディアが報じた。
 イラン国営プレスTVは情報筋を引用し、「イスラエルと協力国(米国など西側、中東内の親米国)はイランの極超音速ミサイルを迎撃できなかった」とし「イランが極超音速ミサイルを実戦で使用したのは今回が初めて」と報じた。
 革命防衛隊は今回の空襲にドローン・ミサイルなど300発余りを発射したが、ここに極超音速ミサイルが含まれていたのか、何発が含まれていたのかは具体的に公開しなかった。
 イスラエルはこれらドローン・ミサイルの99%を迎撃し、被害はほとんどなかったという立場だ。
革命防衛隊は昨年11月、独自開発を完了した極超音速ミサイル「ファッターフ1」の試験発射に成功したと発表した。 当時発表した諸元によると、ファッターフ1はマッハ13-15の速度で飛行し、最長1400キロの距離の標的を打撃できる。 固体燃料を使用し、大気圏外でも軌道の変更が可能で、ステルス機能もあるという。
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米ブラウン大学、親パレスチナデモの学生らと合意

2024年05月01日 | 国家・社会
「AFP」 2024年5月1日 18:30 発信地:プロビデンス/米国
■米ブラウン大学、親パレスチナデモの学生らと合意

【写真】米ロードアイランド州プロビデンスのブラウン大学で、大学側との合意を喜ぶ親パレスチナデモを続けてきた学生ら(2024年4月30日撮影)。(c)Joseph Prezioso / AFP
【写真】米ロードアイランド州プロビデンスにあるブラウン大学で、大学側との合意を受け撤収する親パレスチナデモを続けてきた学生ら(2024年4月30日撮影)。(c)Joseph Prezioso / AFP
【写真】米ロードアイランド州プロビデンスにあるブラウン大学で、親パレスチナデモを行う学生ら(2024年4月29日撮影)。(c)Joseph Prezioso / AFP

【5月1日 AFP】米ロードアイランド州プロビデンス(Providence)にあるブラウン大学(Brown University)は4月30日、イスラエル関連の資金引き揚げを検討するとし、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への連帯を示す抗議行動を続けてきた学生らとの間で合意に達した。合意を受け、学生らは構内に設置していたテントを撤去し始めた。
 抗議行動は全米各地の大学に広がり、多数の逮捕者も出ているが、名門大学でこうした譲歩が行われるのは初めて。
 クリスティーナ・パクソン(Christina Paxson)学長は声明で、学生らは現地時間の4月30日午後5時までに抗議行動を終了するとともにテントを撤収し、「ブラウン大学の行動規範に反するような行為を年度末まで控える」ことに同意したと表明。
 代わりに「5月に学生5人を招き、大学側の5人の前で、ガザでのジェノサイド(集団虐殺)から利益を上げている企業からの寄付金の引き揚げについて訴えてもらう」としている。理事会は学生側の提案について、10月に採決を行う。
 抗議デモを続けていた学生らは合意の知らせを大いに喜び、「恐怖ではなく愛を。資金引き揚げは近い」とシュプレヒコールを上げ、テントの撤去作業を進めていた。


「The Hankyoreh」 2024-05-02 07:15
■「ガザ反戦」コロンビア大学、1968年から抵抗のるつぼに…警官隊が突入
 ハミルトンホール「ガザ戦争反対」占拠座り込みに警官隊投入 
 1968年のベトナム戦争反対の座り込みの鎮圧日と同日

【写真】4月30日夜、米ニューヨーク警察がガザ地区での戦争に反対する学生が占拠しているニューヨークのコロンビア大学のハミルトンホールにはしご車を投入し進入している=ニューヨーク/AFP・聯合ニュース

 米国の大学生のガザ戦争に対する抵抗の震源地となったニューヨークのコロンビア大学に警官隊が突入し、建物を占拠して座り込みをしていた学生たちを逮捕した。1968年のベトナム反戦運動を始めたコロンビア大学の学生たちが鎮圧されたのと同じ場所かつ同じ日に行われた鎮圧であり、56年前を彷彿とさせる学生たちの抵抗がどのような影響を与えるのか注目される。
 米国メディアは4月30日夜(現地時間)、ニューヨーク警察がこの日早朝から、数十人がバリケードを築いて座り込みをしていたコロンビア大学のハミルトンホールに突入し、座り込みをしていた者たちを逮捕したと報じた。鎮圧用の装備で武装した警官が、はしご車を利用して建物の2階の窓から進入して逮捕した。警官隊は、校内の中央広場でテントを使った座り込みをする学生も逮捕した。キャンパス外で鎮圧に抗議した学生も連行された。
 これに先立ちコロンビア大学当局は、前日午後2時までにテントを使った座り込みをしている場所から退去するよう通知したが、学生たちは投票を通じて拒否を決議した。その直後、学校当局は学生たちに停学処分を下すと警告。翌日早朝、一部の学生が、座り込みの場所の近くにあるハミルトンホールに入ってバリケードを築いて占拠した。コロンビア大学は、建物を占拠した学生たちを退学させると脅す一方で、警察に鎮圧を要請した。ネマト・シャフィク学長は警察に送った書簡で、学校の構成員ではない者たちが座り込みに加担しており、「わがキャンパスに深刻な危険を招いている」と主張した。シャフィク学長は警察に、少なくとも5月17日までは校内に留まるよう要請した。

【写真】4月30日夜、ニューヨーク警察が逮捕され後ろ手に縛られた学生らを警察のバスに乗せている=ニューヨーク/AFP・聯合ニュース

 ハミルトンホールを占拠した学生たちは、この建物を「ヒンドのホール」と自主的に命名し、横断幕を張るなどをした。学生たちが記憶にとどめようとしているヒンド・ラジャブは6歳のパレスチナ人少女で、昨年10月7日のガザ戦争勃発後にイスラエル軍の攻撃によって死亡したパレスチナのガザ地区の民間人の悲劇を象徴する。ヒンドは昨年1月29日、家族全員が殺害された車両の中から救助を要請する電話をしたが、2週間後に車の中で遺体となって発見された。出動した救助隊員2人も遺体で発見された。
 戦争に反対して軍産複合体への投資の撤回を要求する学生たちに対する鎮圧は、1968年のコロンビア大学の状況と様々な点で似ている。当時、ハミルトンホールなどを占拠し、ベトナム戦争での徴兵反対と同校の軍産複合体との関係断絶を主張した学生約700人を、約1000人の警官を投入して鎮圧した日も4月30日だ。56年前の座り込みは反戦運動に一線を画した事件だ。その後、反転運動が続くなかで、1970年5月に州軍の発砲によってケント州立大学で4人、ジャクソン州立大学で2人が命を失った。今回の占拠座り込みをした「コロンビア大学アパルトヘイト投資撤回」を名乗る集団は、学校当局が「武装した警官隊と軍隊を呼び入れ、新たなケント州立大学とジャクソン州立大学の事件を起こそうとしている」と主張した。
 1968年以降、米国の学生運動を主導したコロンビア大学では、ハミルトンホールは何度も占拠座り込みの場所として使われた。最初の鎮圧の直後の1968年5月にも、学生250人がこの建物を占拠して逮捕され、1972年にも占拠座り込みがあった。1985年には、アパルトヘイト(白人による黒人差別)政策を行っていた南アフリカ共和国と関係する企業に対する投資の回収を要求する座り込みが行われた。1992年には、黒人人権運動家のマルコムXが暗殺された場所となったコロンビア大学が所有する建物の改造計画に反対する学生が建物を封鎖した。1996年にも、人種と民族的な多様性をカリキュラムに反映するよう要求する学生が占拠した。
 コロンビア大学は4月18日、警官隊がテント座り込みの参加者108人を逮捕したことで、全国的な抵抗を誘発したところだ。その後、数十の大学でテント座り込みなどが行われた。29日にはポートランド州立大学の学生が図書館占拠座り込みを始めた。30日には、ニューヨーク市立大学シティカレッジでもテント座り込み参加者を警官隊が連行した。この日、ノースカロライナ大学チャペルヒル校でも30人が逮捕された。これまで米国全土で逮捕された学生は約1100人に至る。
ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-01 21:28


「The Hankyoreh」 2024-05-01 09:18
■米コロンビア大学「反戦デモ」学生が学生部長室の建物を占拠
 ガザ地区虐殺やめるよう求め座り込み中の学生 
 大学当局側の「大量停学」着手に反発…建物占拠

【写真】29日(現地時間)、米テキサス大学オースティン校で逮捕された座り込み参加者を乗せた警察車両の行く手を阻んだ学生たちに向かって、警察が催涙ガスを撒いている=オースティン/ロイター・聯合ニュース

 米国の数十の大学を席巻しているテント座り込みの震源地であるコロンビア大学の当局は、座り込みの解散を拒否する学生たちに対する大量停学手続きに着手した。デモに参加する学生たちはこれに対抗して学内の建物を占拠し、事態は激化しつつある。
 コロンビア大学は29日(現地時間)、この日午後2時までに学内の中央広場の座り込み現場を撤去せよとの要求を拒否した学生たちに対する停学手続きを開始したと発表した。コロンビア大学は4月18日に警察を引き入れ、ガザ戦争局面における同大学のイスラエルや軍需企業に対する投資の撤回を要求して座り込みをおこなっていた108人の学生を逮捕させ、大学生の全国的な反発を触発した。
 大学当局が停学手続きに着手したことに対し、デモ参加学生たちは30日未明、学内の建物を奇襲占拠した。デモを組織した学生団体はインスタグラムで、コロンビア大学がイスラエル企業などからの財政支援を中止するまで建物にとどまる計画であることを表明した。デモ隊はこの日0時35分ごろ、「パレスチナ解放」を叫びながらキャンパスの近くを行進している途中、学生部長室のある「ハミルトンホール」を占拠した。
 この日は、当局側の解散要求により警察がキャンパスに押し寄せてくることが予想されたため、緊張が高まっていた。150人あまりの参加者は当局の解散要求をめぐって行われた投票で、圧倒的多数で座り込みの継続を決議した。その直後、警察が再び鎮圧に来る可能性があるとのうわさが広まり、参加者を守るために数百人の学生が座り込み現場を取り囲んだ。報道によると、10人あまりの教授も、学生たちの表現の自由を守らなければならないとして現場周辺を守った。
 コロンビア大学は、5月15日の卒業式の前に座り込みテントを撤去する方針を固めたという。政界は共和党を中心として、ミノーシュ・シャフィク学長に「反ユダヤ主義」を扇動する座り込み現場を直ちに撤去するよう迫っている。だが、座り込み参加者の中にはユダヤ人学生もおり、学生の主張の要は反ユダヤ主義ではなく「虐殺を止めること」と「大学と米国の共犯行為の中止」だとの強い反論が提起されていることから、学校当局の苦心が続いている。
 AP通信によると、テキサス大学オースティン校ではこの日、警察が座り込みのテントを再び設置した約50人の学生を逮捕した。この日までに逮捕された学生の数は、全米で1千人に迫っている。
 ポリティコの報道によると、米政府に所属する20人あまりの弁護士らが、イスラエル軍のガザ地区攻撃は米国製の兵器の提供に関する米国法と国際人権法に違反しているとして、バイデン政権に兵器提供の中止を求める書簡を準備しているという。
ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-04-30 22:12


「The Hankyoreh」 2024-04-29 11:10
■イスラエルとイランの「出来レース」後、120万人に地獄の門が開かれる
 [ハンギョレ21]2023~2024年のガザの惨劇 
 イスラエル、避難民が集まるガザ地区ラファへの攻撃が近づく

【写真】2024年3月4日、長期間の食糧と水の供給中断によって栄養失調になった乳児がガザ地区最南端のラファの医療施設でやせこけた脚をあらわにした状態で治療を待っている/REUTERS

 イスラエルがシリアにあるイラン大使館を空爆すると、イランはイスラエルに対する報復攻撃を行った。イランの報復を受けイスラエルは再報復をした。イスラエルもイランも相手からの報復によって受けた被害はほとんどない。両国とも報復に関する情報を事前に関連国と共有していた。報復をやりあった後には、両国とも状況を悪化させうる追加の行動はとらない意向であることを明確にした。奇妙な「約束組手」だ。

◆報復攻撃の前に周辺国に事前連絡
 2024年4月1日午後(現地時間)、シリアの首都ダマスカス駐在の総領事館がイスラエルの空爆によって破壊された後、イラン側は報復を誓った。主権侵害に等しい外交公館への攻撃で軍首脳部ら7人が命を失ったため、そのまま見過ごせる事案ではなかった。イランは4月13日夜から翌日明け方まで、無人機(170機)・巡航ミサイル(30発)・弾道ミサイル(120発)を大量にイスラエルに向けて発射した。4月14日、トルコ、ヨルダン、カタール、イラクなど周辺国の外交当局は、「イラン側が事前に攻撃計画を通知した」と明らかにした。イランのホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相も「周辺国とイスラエルの同盟国である米国側に、攻撃の72時間前に事前に計画を伝えた」と述べた。
 米国側は「イランの事前通知を受けた事実はない」と反論した。しかしトルコ外務省側は、「仲裁者の立場として、報復攻撃前に米国およびイラン側と連絡を取り、関連の事実も伝えた」と明らかにした。イラン側が外交チャネルを通した「間接伝達」方式を選んだということだ。事前通知を受けたヨルダンは、報復攻撃の際、米国と共同でイランからの飛翔体に対する迎撃作戦に参加した。米国もイスラエルも事前にイランの攻撃を知っていたことを反証する。
 イラン革命防衛隊(IRGC)とつながりのある「タスニム通信」は4月18日、航空宇宙軍のアミール・アリ・ハジザデ司令官の話を引用し、「イスラエルに対する攻撃には、旧型兵器だけを用いた。最小限の手段を使ってイスラエルと西側が兵器システムを最大限使うよう圧力をかけた」と報じた。新型ミサイルと高性能の無人機を使用しなかった理由は、波紋が広がることを望まなかったからだろう。特別な被害はなかったが、自国領土を狙った攻撃が行われただけに、イスラエルも対応に乗りださざるをえなかった。ただし、イスラエルも同様に戦争拡大は望んでいなかった。米国もイランに対する報復対応には「絶対に加担しない」と強い圧力をかけた。

【写真】2024年4月21日、パレスチナのガザ地区最南端のラファでイスラエル軍の空爆によって倒壊した建物の前で2人の子どもがうなだれて座っている/REUTERS

 このような状況で、「ある種の取引」と推定される動きは他にあった。「匿名のエジプト当局者が、カタールメディア『アルアラビ・アルジャディード』に、イスラエルが推進してきたガザ地区最南端のラファに地上軍を投入する作戦を米国が受け入れたと述べた。イランの前例のないミサイルと無人機による攻撃に対抗する大規模な報復攻撃を行わないことが条件だった」。日刊紙「タイムズ・オブ・イスラエル」は4月18日、このように報じた。さらに同紙は「米国はただちに関連の報道は事実ではないと否定したが、エジプト側はイスラエルのラファ侵攻作戦による後日の混乱に備え始めた」と付け加えた。

◆ラファ侵攻を念頭に置いた戦略的判断
 イスラエル側は、ラファに駐留するハマスの兵力は少なくとも4個大隊規模になるとみている。特に、ハマス指導部が連れ去ったイスラエルの人質とともにラファに潜伏していると推定している。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が「全面的な勝利のためには、ラファ侵攻作戦は避けられない」と繰り返し主張するのもこのためだ。
 問題は、ガザ地区北部と中部に住んでいた住民が、戦争から逃れて南に避難し、ラファだけで避難民が約120万人集まっているという点だ。イスラエル軍が戦車を前面に立て地上軍をラファに突入させた場合、発生しうる人命被害の規模は計り知れない。米国側がこれまでラファ侵攻作戦に強く反対してきたのも、このような理由からだ。

【写真】イスラエルの報復攻撃の3日後の2024年4月22日、イラン中部イスファハーン郊外の国際空港に隣接したミサイル防衛基地の姿を撮影した衛星写真/AP・聯合ニュース

 4月19日早朝、イラン中部イスファハーン郊外で爆音と閃光が感知された。イスラエル軍が予告した正面対抗に出たのだ。かつてペルシャ帝国の首都だった古代都市イスファハーンは、小型原子炉3基と核技術センターなどが位置するイランの核開発計画の心臓部だ。ウラン濃縮施設があるナタンツは、イスファハーンから100キロメートルほどしか離れていない。イスラエルがイスファハーンを攻撃したというニュースによって、国際原油価格は急騰し、主要国の株価は暴落した。
 肝心のイラン側は淡々とした反応を示した。アミール・アブドゥラヒヤーン外相は攻撃当日、米国NBCのインタビューで、「子どものおもちゃのような小型の無人機が飛び回っただけ」だと述べた。「プレスTV」などのイラン国営メディアは「迎撃システムが稼動し、何の被害も受けなかった」と強調した。イランの報復攻撃の際にイスラエルが示した反応を思い出させる。イラン側は「追加の報復対応はしないだろう」とも明らかにした。ただ、エブラヒム・ライシ大統領は4月23日にパキスタンのラホールを訪問した際、「イスラエルがふたたびイランの領土攻撃という誤った判断をするならば、状況は今とはまったく違うだろう。イスラエル政権には何も残らなくなる」と警告した。
 イランとイスラエルが一歩ずつ後退したことで、戦争の危機にまでエスカレートしていた中東情勢はひとまず安定を取り戻した。しかし、両国が互いに攻撃できる能力を相手方に確認させたということから、情勢はいつでも急変する可能性がある。重要な変数はふたたびパレスチナのガザ地区になった。3点に留意してみる必要がある。
 1つ目は、国連安全保障理事会が4月18日に会議を開き、「オブザーバー」資格で国連に進出したパレスチナ自治政府の国連加盟問題を表決に送った。韓国を含む12カ国が賛成票を投じ、英国とスイスは棄権した。米国は拒否権を行使した。米国のロバート・ウッド国連次席大使は会議で「パレスチナ自治政府側に、国家樹立のために必要な改革措置をするよう長きにわたり要求してきた。しかし、テロ組織であるハマスが今でもガザ地区で権力と影響力を行使している。それで反対票を投じた」と述べた。

◆病院の近くに埋められた遺体は700体近く
 2つ目は、イスラエルのガザ地区侵攻から200日目となる4月23日、米上院はウクライナと台湾、そしてイスラエルに対する950億ドル(約15兆円)規模の支援案を圧倒的多数(賛成79票、反対18票)で可決した。イスラエルへの割り当て分は、戦時支援金170億ドル(約2兆7000億円)と、ガザ地区(約20億ドル、約3200億円)を含むその他の戦争地域への人道支援用の予算90億ドル(約1兆4000億円)など、260億ドル(約4兆1000億円)に達する。ジョー・バイデン大統領は翌日午前、ただちに支援案に署名した。
 3つ目は、侵攻200日目をむかえ、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は資料を公開し、最近ガザ地区で子どもと女性の死亡者が急増していることに懸念を示した。実際、4月19日にラファのタル・アル・スルタン地域の住居用建物が爆撃され、子ども6人と女性2人を含む9人が命を失った。4月20日には、ラファ東部のタヌール地区に隣接する家屋2軒に爆撃が加えられ、子ども15人と女性5人ら20人が死亡した。同じ日にシャボラ地区で行われた空爆で、子どもと妊娠した女性ら4人が死亡した。フォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官は「10分ごとにガザ地区では子どもが1人、死亡したり負傷したりしている。戦争法と交戦順守規則によって保護されなければならない対象であるのにもかかわらず、(子どもと女性に)被害が集中している」と述べた。

【写真】パレスチナ民間防衛隊員が2024年4月24日、ガザ地区南部のハンユニスのナセル病院周辺で密かに埋められた遺体を収拾している/UPI・聯合ニュース

 特にトゥルク氏は、「ガザ地区南部のハンユニスのナセル病院と北部のガザ市のアル・シファ病院の破壊された姿と、2つの病院の近くで大規模な埋葬地が発見されたということに驚いた」と述べた。ナセル病院近くでは、4月20日から24日までの間に、密かに埋められた遺体310体あまりが発掘された。一部の遺体は裸で手足が縛られた状態だった。イスラエル軍が3月中旬から2週間封鎖作戦を行った後に撤退したアル・シファ病院の近くでも、4月初めに埋められた遺体380体あまりが発掘されたことがある。トゥルク氏は「発見された遺体に対する独立的かつ透明な調査が実施されなければならない」と求めた。トゥルク氏は「犯罪を犯しても処罰を受けない状況が続いているという点を考慮し、多国籍の要員が調査に参加しなければならない。医療施設は国際人道主義法によって特別な保護を受けなければならない。民間人と拘束者、その他の戦闘能力を喪失した人を意図的に殺害することは戦争犯罪だ」と述べた。
 さらにトゥルク氏は、イスラエル軍に対し、ラファ侵攻作戦を行ってはならないとも強調した。トゥルク氏は「ラファ侵攻作戦は、国際人道法と国際人権法に重ねて違反する行為だ。死者と負傷者がさらに増えることになり、避難民が大規模に待避しなければならない状況が広がりかねない。追加の戦争犯罪の発生の可能性も高い。このような結果を招くのであれば、関わった当事者は法的責任を逃れることはできないだろう」と述べた。
 国連人道問題調整事務所(OCHA)は、4月25日に発表した最新資料で、2023年10月7日から戦争201日目となる4月24日までの間にイスラエル軍の攻撃によって、子ども1万4600人あまりと女性約9600人あまりを含むガザ地区の住民34262人が死亡したと集計した。負傷者は7万7229人に達し、死亡してがれきの山に埋もれていると推定される不明者も7000人あまりにもなる。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は最近、「開戦後からこれまでの間に、ガザ地区にたまった破壊された建物の残骸だけでも約2300万トンに達し、不発弾が随所に散らばっている。これを片づけるだけで数年を要するだろう」と指摘した。

◆「ラファ侵攻作戦に必要なすべての準備を終えた」
 イスラエル側は、近いうちに地上軍をラファに投入する勢いだ。ウォール・ストリート・ジャーナルは4月22日、「イスラエル軍はラファの民間人の避難計画を用意している。地上軍の作戦は約6週間続く見込み」だと報じた。APは4月24日、衛星写真の解析をもとに「最近、イスラエルの攻勢が集中したハンユニスの近くに、大型のテント村が新たに建設された」と報じた。同日のロイター通信は、イスラエル軍高官の話を引用し、「ラファ侵攻作戦に必要なすべての準備を終えた。政府の承認が下れば、ただちに地上軍の投入作戦を開始できる」と報じた。「地獄の門」がもう一つ開かれている。
チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-04-28 13:22


「The Hankyoreh」 2024-04-29 08:34
■「ガザ戦争反対」米大学生の逮捕者700人超え…教授の反発拡大
 米警察、テント座り込みでさらに200人あまりを逮捕 
 教授「学生に手を出すな」デモ

【写真】26日、米イリノイ州エバンストンのノースウェスタン大学のテント座り込み現場の周囲に、イスラエルに対する投資の回収を求め、ガザ地区のパレスチナ人との連帯を強調する横断幕が掲げられている=エバンストン/AP・聯合ニュース

 イスラエルによるガザ地区戦争の遂行を支援する企業に対する投資の回収などを要求する米国の大学生たちのテント座り込みが全国に広がっている中、27日にさらに200人あまりが逮捕された。
 米国の各メディアは、27日未明にボストンのノースイースタン大学で警察が102人の座り込み参加者を逮捕したと報じた。大学側は座り込みの解散を求めていたが学生たちに拒否され、警察を呼んだ。同大学の報道担当者は、座り込みには外部のデモ専門家たちがかかわっており、「ユダヤ人を殺そう」などのスローガンも登場したと述べた。しかし、座り込み参加者たちは、自分たちはほとんどがノースイースタン大学の学生であり、そのようなスローガンは叫んでいないと反論している。25日にはボストン警察がエマーソン大学で118人を逮捕している。
 アリゾナ州立大学でも、27日朝に大学警察がテント座り込みに取り組んだ69人の学生を逮捕した。インディアナ大学でも23人が逮捕された。
 これで、18日に最初にテント座り込みが開始されたニューヨークのコロンビア大学で108人が逮捕されたのをはじめ、700人以上の学生がガザ地区戦争に対する抗議行動で逮捕された。各大学は、釈放された学生に対して停学などの懲戒処分を開始している。ニューヨーク・タイムズの集計によると、この10日間で学生がガザ地区戦争の抗議デモに参加した大学は86校にのぼる。
 「ガザ連帯キャンプ」を開催した学生たちを、警察を動員して逮捕させ、座り込みを解散させる大学当局に対する教授たちの反発も相次いでいる。全国的なテント座り込みの震源地となったコロンビア大学では、教授、教職員、学生が参加する大学評議会が26日、ネマト・シャフィク学長が警察に出動を要請したことなどが適切だったかを問うための調査チームを作ることを決めた。同大学の教授たちは、「学生たちに手を出すな」と書いた紙を手にデモに立ち上がってもいる。コロンビア大学当局は、学生たちがテントを再び設置したことについては警察に出動を要請しておらず、交渉を続けている。
 22日に133人が逮捕されたニューヨーク大学では、教授たちが大学当局に抗議書簡を送った。これらの書簡の内、同大学ロースクールの30人あまりの教授が署名した書簡は、警察を引き入れたことは「大学の汚点」となったと批判している。エモリー大学では25日、一部の教授がテント座り込みに参加し、学生たちと共に逮捕されている。
 一方、27日にバイデン大統領の出席する中で開かれたホワイトハウス記者会の年次夕食会も、ガザ地区戦争に対する批判デモに直面した。開始前から会場のホテル周辺に集まっていた数百人の参加者は、ホテルに入る参加者に向かって「恥を知れ」などのスローガンを叫んだ。彼らはまた、記者たちはガザ地区戦争の真相をきちんと伝えていないと糾弾した。夕食会を前に、ガザ地区で取材する複数のメディアの記者たちが、ホワイトハウスの担当記者たちに夕食会への不参加を求めていた。
ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-04-28 11:06


「The Hankyoreh」 2024-04-25 09:49
■「パレスチナ支持」ポスターにスプレーのソウル大学教授、15分にわたり暴言も
 イスラエル国籍の音楽学部教授A氏 
 ポスター貼る学生に暴言も 
 「大学は懲戒を」

【写真】ソウル冠岳区のソウル大学に貼り出されたパレスチナ支持ポスターに、白いスプレーが吹き付けられている=ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」提供//ハンギョレ新聞社

 イスラエル国籍の現職のソウル大学教授が、学生が学内に貼った「パレスチナ支持」ポスターを毀損したとして送検された中、ソウル大学の学生たちが同教授に暴言を浴びせられたことを公開し、大学による懲戒を要求した。
 ソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」は23日、インスタグラムなどに投稿した声明で「パレスチナ支持ポスターを毀損した人物が他でもないソウル大学の教授だったということに、私たちは衝撃を禁じえない」、「大学当局は教授を厳重に懲戒し、このような行動は大学内では認められないということを明確にすべきだ」と述べた。
 著名なピアニストでありソウル大学音楽学部の教授でもあるA氏は、2月12日午後7時30分ごろに、ソウル大学の学内に貼り出されていた「パレスチナ人たちと連帯を! 国際行動の日」のポスターを白いスプレーで毀損した疑いが持たれている。このポスターには「イスラエルは人種虐殺をやめろ」、「米国政府も虐殺の共犯者だ」などと記されていた。ソウル冠岳(クァナク)警察署は防犯カメラ(CCTV)を分析して容疑者がA氏であることを確認し、15日に器物損壊の疑いでA氏を送検した。

【写真】23日にソウル大学パレスチナ連帯サークル「スバク」がインスタグラムに投稿した声明=「スバク」インスタグラムより//ハンギョレ新聞社

 2月9日にこのポスターを貼ったソウル大学の在学生イ・シホンさんは24日、ハンギョレに「ポスターを貼った際にも(A氏が)近づいてきてポスターを剥がせと強く迫ってきた」と明かした。イさんが公開した動画を確認すると、A教授はイさんに「バカだ。子どものような真似をして」、「おかしくなったのか」などの暴言を約15分間にわたって繰り返している。
 イさんは、ソウル大学の学内でパレスチナ支持ポスターが毀損されたのは今回が初めてではないと語る。イさんは「昨年10月にも学内に貼ったパレスチナ支持の壁新聞が破られ、その上に『イスラエルの側に立て!』というポスターが貼り付けられていた。そのポスターの隣に『パレスチナ人、このXXXどもが罪のない我が国民を殺している』というポスターも貼られていたことを考えると、これもイスラエル人がやったのだと思う」と主張した。
コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1138006.html
-*韓国語原文入力:2024-04-24 17:49


「AFP」 2024年4月24日 11:01 発信地:ニューヨーク/米国
■米大学でパレスチナ連帯活動続く

【写真】米ニューヨークのコロンビア大学周辺で行われた親パレスチナデモ(2024年4月23日撮影)。(c)Charly TRIBALLEAU / AFP

【4月24日 AFP】米国の一部大学で、イスラエルの攻撃にさらされているパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への連帯を示す活動が続いている。
 ニューヨーク名門コロンビア大学(Columbia University)では23日、抗議活動の主催者が大学に対し、「パレスチナでのイスラエルによるアパルトヘイト(人種隔離政策)やジェノサイド(集団殺害)、占領から利益を上げている」企業への投資を引き揚げるよう要求。
 これに対し、同大のベン・チャン(Ben Chang)副学長(広報担当)は22日、記者団に対し、「学生には抗議する権利があるが、学内を乱したり、嫌がらせや威嚇をしたりすることは許されない」と語った。「われわれはユダヤ人学生の懸念の声を受けて動いている」とする一方、大学当局は「誠意をもって」抗議参加者とも対話していると述べた。
 だが、抗議活動「ガザ連帯のキャンプ」に参加した学生らは、自分たちの活動が「反ユダヤ主義的」とされていることについて、パレスチナ人を支持しているのであり、そうした指摘は当たらないと否定。
 同大のバーナード・カレッジ(Barnard College)のユダヤ人学生、サラ・ボーラスさんは記者会見で、「大学当局も議員も学長もユダヤ人社会の代弁者役を続け、反シオニズム(ユダヤ人国家建設運動に反対する立場)と反ユダヤ主義を同一視している」と批判した。
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「「米国は集団虐殺の共犯」米国務省人権担当者がまた辞職」

2024年03月29日 | 国家・社会
「The Hankyoreh」 2024-03-29 08:56
■「米国は集団虐殺の共犯」米国務省人権担当者がまた辞職

【写真】27日、ガザ地区のガザ市で住民が自転車を引きながら歩いている=ガザ市/AFP・聯合ニュース

 米国国務省の職員が、集団虐殺にあたるイスラエルの戦争遂行を支援する米国政府ではこれ以上働けないとして、辞表を提出した。
 国務省の民主主義・人権・労働局中東担当のアネル・シェライン氏は、米国がガザ地区での戦争を行うイスラエルに兵器を提供し続ける状況に耐えられないとして、27日に辞職した。シェライン氏は、国務省の異議聴取のルートや会議を通じて懸念が伝わるよう試みたが、米国がイスラエルに兵器を送り続けるかぎり、このような努力は無意味だという結論を下したことを明らかにした。中東地域の民主主義と人権に関する仕事をしてきたシェライン氏は「もうこれ以上、私の仕事をすることはできない」として、「人権擁護のための努力は不可能だった」と述べた。
 シェライン氏は、CNNのウェブサイトに掲載された「私はなぜ国務省を辞めるのか」と題した寄稿で、ガザ地区の保健省の集計で子ども1万3000人をはじめとする3万2000人を殺害したイスラエル軍の攻撃に、米国が供給した砲弾が使われたと指摘した。また、数十万人が餓死の危機に直面しているとして、「専門家が集団虐殺の犯罪にあたると主張するこのような犯罪は、米国の外交的・軍事的支援のもとで実行されている」と述べた。また、米国はイスラエルに強い影響力を発揮できないという主張もあるが、あるイスラエル軍の予備役少将が昨年11月、軍用機とミサイルはすべて米国から来ているとして「イスラエルは米国なしではこの戦争を遂行できない」と述べたと指摘した。ジョー・バイデン政権は民間人保護を武器移転の重要条件として挙げながらも、自らはそれを守らなかったとして、バイデン大統領も直接批判した。あわせて「米国が人権擁護者として持っていた信頼度は、この戦争開始後、すべて消えてしまった」と述べた。
 また、先月ワシントンのイスラエル大使館前で戦争中止を要求して焼身自殺した米空軍兵士のアーロン・ブッシュネル氏の最後のSNSへの投稿が脳裏に焼きついていると語った。ブッシュネル氏はその投稿に「多くの人たちが『もし自分の国が集団虐殺を犯しているとしたら、私はどうしたらいいだろう』などと自問する。その答えは、あなたたちが今、そうしているということだ」と書いた。
 2年の契約職として国務省で1年ほど働いたというシェライン氏は、当初は辞職しても再度国務省で仕事をする可能性は閉じたくなかったと述べた。しかし、辞職の計画を聞いた同僚が「自分たちの代わりに話してほしい」と要請し、公開の場で辞職の事実と理由を明らかにすることにしたと語った。シェライン氏は、多くの国務省の同僚が米国の行動に裏切られたという思いを抱いているとして、自身の辞職がガザ地区の戦争に対するバイデン政権の支持を撤回させる多くの努力の一つとしての役割を果たすことを望むと主張した。
 昨年10月には、国務省で武器移転の業務を遂行していた職員が、「議論や論争もなしに武器を外国(イスラエル)に送るという、過去にはみられなかったことが起きている」と抗議して辞職した。その職員は、ワシントン・ポスト紙への寄稿を通じて、イスラエルに対する武器支援が原則に反して進められていると批判した。
ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-03-28 11:21
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