三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

「「負の歴史に向き合って」 川崎にもあった「朝鮮人虐殺」の教訓 あす関東大震災から97年」

2020年09月30日 | 国民国家日本の侵略犯罪
https://www.tokyo-np.co.jp/article/52179
「東京新聞」 2020年8月31日 07時08分
■「負の歴史に向き合って」 川崎にもあった「朝鮮人虐殺」の教訓 あす関東大震災から97年

【写真】朝鮮の人々を保護するため、旧田島町の神社境内に設けられた小屋=「大正12年9月1日大震災記念写真帳」より(川崎市立中原図書館所蔵)

 関東大震災では、デマを信じた人々が多くの朝鮮人や中国人を殺害した。東京と横浜に挟まれた川崎市内も惨劇と無縁ではない。憎悪をあおるヘイトスピーチも広がる今、加害者にならないために、歴史から何を学べばいいのか。防災の日を前に、九十七年前に川崎で起こった「事件」から考える。 (中山洋子)

 川崎市内の実態は、市民グループが二〇一二年度に調査している。横浜や東京に比べて調査が少なく、地域で知られていないことから、元市職員の山田貴夫さん(71)と仲間たちが「記録に残したい」と着手。一年がかりで新聞記事や公文書などを集めて分析、冊子にまとめた。
 当時の新聞記事によると、市内では、現在の川崎競馬場の場所にあった紡績工場で、自警団に朝鮮人三人が殺害され、一人が重傷を負ったほか、海岸で朝鮮人一人が自警団に殺害されていた。朝鮮人に間違われて襲われた日本人の記事もあった。
 一方、朝鮮人労働者を雇い、工員を派遣していた親方が暴徒から朝鮮人たちをかくまったり、旧田島町の助役が新田神社(川崎区渡田)に小屋を設け、約百八十人の朝鮮人を保護し、自警団が押しかけても守った記録もあった。
 旧中原村(中原区北部)では、警察から「朝鮮人暴動に備えて出動せよ」と言われた青年団員の日記なども残っていた。
 東京や横浜と比べると犠牲者が少ない理由について、山田さんは「当時の川崎はまだまだ人口の少ない田舎。『朝鮮人が放火した』というデマでパニック状態になった東京や横浜と比べ、火災が極めて少なかったことも影響している」とみる。
 加えて、山田さんは「日ごろから朝鮮人と付き合いがあった人たちは、簡単にデマを信じることなく、加害者にもならずにすんだ。犯罪をあおるヘイトスピーチと対峙(たいじ)していくヒントがある」と指摘する。三年後の関東大震災百年に向け、負の側面も含めて地域で歴史の共有を目指す。
 専修大の田中正敬教授(朝鮮近代史)も「過去と現在はつながっている」と警鐘を鳴らす。
 関東大震災では軍や警察が虐殺やデマの流布に関与していた。「今も、朝鮮人犠牲者追悼式に追悼文を送るのを止めた小池百合子都知事のような振る舞いが、排外主義的な言動を後押ししている。熊本地震や西日本豪雨など近年の災害時も、SNSなどで流言が飛び交っている。政治や行政はヘイト行為を勢いづかせないよう歴史に真摯(しんし)に向き合うべきだ」と話した。
<関東大震災> 1923(大正12)年9月1日に発生。政府の中央防災会議の報告書(2009年)によると、大震災の死者・行方不明者約10万5000人。このうち流言飛語で虐殺された朝鮮人らの犠牲は推計で「1〜数%」としている。

【写真】関東大震災当時、朝鮮半島の人々を保護する小屋が設けられた新田神社=川崎区で


https://www.tokyo-np.co.jp/article/53609
「東京新聞」 2020年9月6日 07時09分
■関東大震災でデマ 虐殺の朝鮮人悼む 「悲劇繰り返さぬよう強く願っている」 横浜・久保山墓地

【写真】慰霊碑に献花する参列者=横浜市西区で

 97年前の関東大震災で、「朝鮮人が暴動を起こした」とのデマが原因で自警団や軍隊などに虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼会が5日、横浜市西区の久保山墓地で開かれた。(丸山耀平)
 県内の在日朝鮮人や日本人などでつくる「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」の主催。新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれたものの「思いをつなげていかないといけない」と、規模を縮小して開いた。実行委員ら約三十人が集まり、一般の参加希望者らはメッセージを寄せた。
 朝鮮人の遺体が流れていたとの目撃証言がある南区の中村川などでフィールドワークを行った神奈川朝鮮中高級学校の生徒たちは「誰もが虐殺しないで平和に生きていける世の中に」「悲劇が繰り返されないよう強く願っている」などとメッセージで訴え、委員たちが代読した。
 実行委代表で元小学校教諭、山本すみ子さんは「歴史の真実を未来に伝えていかないといけない」とあいさつ。委員たちは、墓地内の「関東大震災殉難朝鮮人慰霊碑」に献花した。
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「「射殺せよと? 本当ですか?」 韓国軍、北朝鮮の交信を傍受していた」

2020年09月29日 | 北部朝鮮
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/29/2020092980261.html
「チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版」 2020/09/29 20:22
■「射殺せよと? 本当ですか?」 韓国軍、北朝鮮の交信を傍受していた
 「もう一度伺います。射殺せよと? 本当ですか?」
 北朝鮮軍による韓国海洋水産部(省に相当)職員の射殺事件が発生した当時、韓国軍が緊迫した北朝鮮軍の内部報告と上層部の指示内容をリアルタイムで傍受していたことが分かった。
 国会の国防委員会と情報委員会によると、韓国軍は、行方不明の職員が西海(黄海)登山串付近で北朝鮮の船舶に発見された22日午後3時30分より前から、北朝鮮軍の交信内容を無線で傍受していたという。傍受した内容によると、北朝鮮の海軍司令部が「射殺せよ」と命令し、北朝鮮軍の大尉級艇長が「もう一度伺います。射殺せよと? 本当ですか?」と聞き返していた。その後22日午後9時40分ごろ、現場から「射殺した」との報告が上層部に届いたことが分かった。
 これについて、国会国防委員長を務める与党「共に民主党」のミン・ホンチョル議員は「(韓国国防部から)北朝鮮軍の上層部から指示が下され、北朝鮮の大尉級艇長がその指示を1、2度確認する過程があった、という報告を受けた」と述べた。ただし「『射殺せよと? 本当ですか?』という言葉については報告を受けていない」と話した。
 韓国軍の関係者は「北朝鮮軍同士の交信内容の正確な文言は確認することができないが、大尉級艇長が射殺の可否を確認するために何度か言葉を交わしたのは正しいようだ」と述べた。野党のある議員は「北朝鮮軍の艇長が上層部の意向を正確に把握できず『殺せと言うことですか、生かせということですか』などと上層部に尋ね、最終的に上層部から殺せと言う命令が下された、との内容の報告を国防部から受けた」と述べた。
 北朝鮮は韓国側に送った通知文で、韓国海洋水産部の職員が「80メートル離れた所で『大韓民国、何々』とごまかした」としていたが、韓国軍はこの内容が事実ではないとの見方を示している。韓国軍は北朝鮮軍が海洋水産部職員を射殺した後、遺体を焼却したものとみている。
 韓国軍はこのような内容を22日午後10時30分に青瓦台(韓国大統領府)に報告した。しかし青瓦台は、23日未明に関係長官(閣僚)会議まで開いたものの、文在寅(ムン・ジェイン)大統領にこの事実を報告したのは23日朝の8時30分だった。依然として政府の遅すぎる対応が議論を呼んでいる。
          キム・ジョンファン記者


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200929004400882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.29 19:04
■北朝鮮による射殺事件 「周辺国と情報協力」=韓国大統領府がNSC
【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)は29日、徐薫(ソ・フン)国家安保室長主宰の国家安全保障会議(NSC)常任委員会で北朝鮮軍が黄海で韓国公務員の男性を射殺した事件について協議し、正確な事実関係究明のため迅速に努力し、周辺国との情報協力も続けるとの方針を確認したと発表した。
 関連機関が合同で行っている遺体の捜索活動を点検するとともに、海上の安全と監視態勢の維持に万全を期すことも申し合わせた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270729?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.29 15:15
■北の通知文は「緘口した」というが…「北は公務員の個人情報を把握、越北した」

【写真】小延坪島付近海上で行方不明になった海洋水産部所属の漁業指導船公務員が北朝鮮軍に襲撃にあって死亡した事件に関連し、26日海洋警察警備艦で漁業指導船公務員の遺体および遺留品を捜索している。[写真 仁川海上警察]

 韓国海洋警察が、北朝鮮軍に射殺された海洋水産部の公務員が越北意思を表現した状況を把握したと発表した。北朝鮮側が25日に送った通知文で「公務員が逃走しようとして、北朝鮮側の命令にも緘口して応じず、銃撃を加えた」と釈明したが、これとは異なる内容だ。
 海警は29日、漁業指導公務員行方不明関連捜査の進行状況を伝えながら「殺害公務員は越北した可能性が高い」とし、その根拠に「行方不明者が越北の意思を表現した状況などを確認した」 「行方不明者だけが知っている本人の名前、年齢、故郷、身長などの情報を北側が詳細に把握していた」という点を提示した。海警の説明によると、この公務員は北側の海岸側に意図的に移動し、北側に個人情報を公開したため、越北の意思を打診した可能性が高いという。
 北朝鮮側の説明は違った。北朝鮮側は通知文で「我々の沿岸の浮遊物に乗って不法侵入した者に80メートルまで接近し、身分確認の要求をしたが、1、2回だけ大韓民国の誰々とあいまいに答え、その後は返答しなかった」と説明した。
 また「命令に応じないため我々の軍人が空砲弾を撃つと、驚いてうつ伏せになり、正体不明の対象が逃走する状況が見られた」とし、このため射撃につながったと伝えた。北朝鮮が公開した内容によると、この公務員が北側に個人情報を公開し、越北意思を打診する場面がない。
 これに関し海警関係者は「北の機関員が殺害公務員の名前、年齢、越北意向、身分を他の機関員に報告したのを軍が確認した」と説明した。ただ、これも直接確認したことではなく、国防部の資料を確認した後に出した結論だ。国防部はどのようにこの公務員の個人情報および越北意思が北側に伝えられたかは公開しなかったという。


https://japanese.joins.com/JArticle/270728?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.29 14:42
■韓国海警「北に殺害の公務員、インターネット賭博で負債2億6000万ウォン」

【写真】行方不明になった海洋水産部の公務員イさんの公務員症と財布。 チェ・ヘソン記者

 韓国海洋警察庁が29日、北朝鮮軍に銃殺された海洋水産部の公務員イさん(47)について、賭博サイトなどで3億ウォン台の負債があったと明らかにした。
 海洋警察庁のユン・ソンヒョン捜査情報局長はこの日のブリーフィングで「独自の調査の結果、死亡したイさんの全体債務は3億3000万ウォン(約3000万円)程度と把握された」とし「このうちインターネット賭博で生じた負債が2億6800万ウォン程度で、全体の債務のうち大きな部分を占めていた」と説明した。
 また「イさんの金銭状況が良くなく、家庭も不遇とみられるが、単に債務があったという事実だけで越北を断定するのは難しい」とし「国防部の協力を得て把握した資料などに基づき、越北の事実を確認することができた」と述べた。
 海警はこの日、「行方不明者が北側海域で発見された当時、ライフジャケットを着用していたほか、北側が行方不明者の人的事項を詳細に把握していて、北側に越北意思を表明した状況、行方不明者が延坪島(ヨンピョンド)周辺海域をよく知っていた点、そして漂流予測分析の結果などを総合してみると、行方不明者は北に行ったと判断する」と発表した。
 また海警は国立海洋調査院など国内の4つの機関が出した行方不明者の漂流予測分析の結果も公開した。行方不明者が実際に発見された位置と漂流予測地点の間には相当な距離があり、「人為的な努力」なしには実際の発見位置まで漂流するのは難しいと説明した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200929002100882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.29 14:29
■遺体焼却巡り北と異なる説明 情報の再分析に着手=韓国
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が黄海で韓国公務員の男性を射殺した事件で、韓国国防部が情報の再分析に着手した。ただ、北朝鮮は男性の遺体を焼却していないと表明したが、遺体を燃やしたとの同部の従来の判断に変わりはないという。国防部のムン・ホンシク副報道官が29日の定例会見で明らかにした。

【図】韓国人男性射殺の推定位置=(聯合ニュース)

 国防部は24日、さまざまな情報を分析したとしながら、北朝鮮側が男性を銃撃後、遺体に油をまいて燃やしたと説明していた。だが、北朝鮮は25日に韓国青瓦台(大統領府)に送った通知文で事件の経緯について、遺体ではなく男性が乗っていた浮遊物を焼却したと説明しており、双方の説明に食い違いが生じている。
 ムン副報道官は「(24日の)当時発表した内容はさまざまな情報をまとめて出た結論を説明したもの」とした上で、「(北側の通知文と)一部の内容が異なり、関連資料を精査している」と伝えた。複数の情報を組み合わせる過程で誤りがあった可能性を排除せず、改めて確認する方針とみられる。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200929001700882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.29 11:59
■韓国政府 射殺事件の翌日に対北医療物資支援を承認
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部が、北西部の小延坪島付近で行方不明になった公務員の男性が北朝鮮側の海上で射殺された翌日の23日に北朝鮮への医療物資支援を承認していたことが、29日分かった。

【写真】韓国・仁川の延坪島から見た北朝鮮のケモリ海岸=29日、仁川(聯合ニュース)

 国会外交統一委員会所属の最大野党「国民の力」の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員が統一部から提出を受けた資料によると、同部は21日と23日にそれぞれ「栄養支援」と「医療物資支援」の名目で北朝鮮への物資の搬出を承認した。
 男性は21日に行方不明になり、22日夜に北朝鮮軍の銃撃を受けて死亡した。死亡の一報は22日夜に青瓦台(大統領府)に伝えられ、23日午前1時に青瓦台の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が緊急関係閣僚会議を招集し、李仁栄(イ・イニョン)統一部長官も出席した。 
 これについて、鄭氏は統一部が男性の射殺を認識していたにもかかわらず北朝鮮への支援を承認したと指摘した。
 統一部は、鄭氏に提供した資料で「24日に軍当局の発表で北が韓国国民を銃撃したことが公開された後、(対北支援の)承認状況と進行状況を点検し、9月中に承認した団体について物資搬出手続きを中止するよう即刻通告した」と明らかにした。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200929001800882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.29 11:37
■北朝鮮軍が射殺の男性 「北側に越境と判断」=韓国海洋警察
【仁川聯合ニュース】韓国海洋警察庁は29日、北朝鮮軍が黄海で韓国公務員の男性を射殺した事件について、この男性が北朝鮮側に越境したとする中間捜査結果を発表した。

【写真】漁業指導船に残されていた男性の公務員証(実兄提供)=(聯合ニュース)

 海洋水産部所属のこの男性は今月21日、北朝鮮に近い韓国北西部の小延坪島付近で漁業指導船乗船中に行方不明となり、22日に北朝鮮軍に射殺された。
 海洋警察庁の尹晟鉉(ユン・ソンヒョン)捜査情報局長は会見で、男性が北朝鮮側の海域で発見された当時、ライフジャケットを着て気力を失った状態で浮遊物につかまっていたことを、国防部を訪れて確認したと説明。その上で、「男性だけが知り得る名前や年齢、出身地、身長などの個人情報を北が詳細に把握しており、男性が越北(北朝鮮側への越境)の意思を示した状況なども確認された」と述べた。
 海洋警察庁は、男性がライフジャケットを着ていたため、漁業指導船から足を滑らせて海に落ちた、あるいは自殺を図った可能性は非常に低いと判断した。
 男性が行方不明になった当時の小延坪島付近の潮の流れなどを分析した結果も、北朝鮮側に越境した状況を示しているという。国立海洋調査院など4機関の分析結果によると、男性が行方不明になった当時、単に漂流していたとすれば南西側に流されたと推定されるが、実際には小延坪島から北西側に38キロ離れた北朝鮮側の海域で銃撃された。
 尹氏は、男性は延坪島周辺の海域を熟知していたとし、「これまでの捜査結果から越北したものと判断している」と述べた。海洋警察庁は捜査を継続する計画で、必要に応じて国防部に追加で協力を求めるという。


https://japanese.joins.com/JArticle/270719?servcode=400&sectcode=400
「中央日報日本語版」 2020.09.29 11:14
■韓国海上警察「『北朝鮮襲撃で死亡』公務員、越北だ」…中間捜査結果を発表
 海洋警察庁が延坪島(ヨンピョンド)付近海上で行方不明になった後、北朝鮮軍によって射殺された公務員は越北したのが事実だと判断した。
 海上警察は29日、行方不明になった公務員事件に関連した捜査進行に関する記者会見で「行方不明者が北朝鮮海域で発見された当時ライフジャケットを着用していたし、北朝鮮が行方不明者の人的事項を詳細に知っていた」として「北朝鮮に越北の意向を表明した情況、行方不明者が延坪島周辺海域をよく知っていたという点、そして漂流予測分析の結果などを総合すると、行方不明者は越北した判断している」と発表した。これは海上警察捜査チームが28日国防部を訪問して確認した内容だ。
 海上警察は「行方不明者がライフジャケットを着ていた点を考えると、単に転落や極端な選択を図った可能性は非常に小さい」と明らかにした。
 海上警察は漁業指導船の実況と周辺調査などについても伝えた。海上警察は「漁業指導船の現場調査と同僚の供述などを通して船尾の甲板に残されたスリッパは行方不明者のものと確認され、科学捜査研究所の遺伝子鑑識中にある」として「船内の防犯カメラ(CCTV)は故障して行方不明前日である20日午前8時2分まで動画が保存されていたし、保存された動画731件を分析した結果、行方不明者に関連した重要な手がかりは見つけられなかった」と明らかにした。
 また、海上警察は行方不明者の北朝鮮側海域の移動に関連した漂流予測分析の結果に言及した。国立海洋調査院など韓国の4機関の分析結果によると、行方不明当時、潮汐・潮流などを考慮すると単なる漂流である場合、小延坪島(ピョンド)周辺を反時計回りで回りながら南西に漂流することが明らかになった。漂流予測の結果と行方不明者が発見された位置は相当な距離があり、人為的努力なしで実際の発見位置まで漂流するのは限界があるというのが海上警察の説明だ。
 海上警察は「24日以降行方不明の経緯を糾明することに重点を置いて単なる転落事故、極端な選択企画、越北などすべての可能性を開いて捜査を進めた」として「漁業指導船の現場調査、防犯カメラ(CCTV)の録画映像分析、行方不明者の周辺人・金融関係調査、行方不明者の移動に関連した漂流予測分析、国防部訪問を通した事実関係の確認など多角的に調べた」と話した。
 また「今まで確認された事項と現在進行中であるCCTVの鑑識、インターネットポータルの記録と周辺人の追加調査、そして必要に応じて国防部の追加協力を受けて捜査を進めていく」として「遺族の方々には深いお見舞いの言葉を申し上げる」とした。


https://japanese.joins.com/JArticle/270716?servcode=100&sectcode=120
「中央日報日本語版」 2020.09.29 10:49
■【時視各角】民間人射殺、北朝鮮からこれくらいは受け取れ=韓国
 戦争・正当防衛のような正当な理由がない限り、殺人を謝罪で帳消しにするようなところはどこにもない。経緯がどうであれ、北朝鮮は民間人殺害に対し、それ相応の責任を取らなければならない。今回の事件に対する金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の謝罪が異例であることは事実だ。絶対に間違うことはないという(無誤謬性)金委員長が、それも南側の人々に対して「非常に申し訳ない」と話すとは誰もすぐに推測することができなかった。
 漂流だったにせよ、自主的な越北だったにせよ、射殺された場所が北朝鮮側の海だったということもファクトだ。韓国公務員が犠牲になったのに、これを理由に全面戦争を起こすのは適切ではない。戦争が起きる場合、双方が受ける被害が莫大なものになるのは目に見えているからだ。
 それでも明らかなことは、今回の事件がただ「深く謝罪する」で終わるようなものではないという事実だ。金委員長の言葉が本物になるためには、それに見合う最低限の措置が伴わなければならない。
 まず国際法上、北朝鮮内の誰かが必ず責任を取らなければならない。終戦宣言に平和協定議論まで出て国会が紛糾しているが、国際法上、南北は依然として戦時状態だ。1953年結んだ停戦協定が依然として有効なのはこのためだ。だが、民間人保護に関連したジュネーブ条約は「敵対行為に直接参加しない者は人道的に待遇されなければならず、殺人・傷害・虐待および拷問はいかなる場所でも禁止する」と規定している。あわせて同条約は「(民間人保護に関連して)重大な違反行為を犯したりこれを命じたりした者は、締約国が捜査して起訴する義務がある」としている。北朝鮮は1957年ジュネーブ条約に加入した。
 次に、再発防止のための措置が講じられなければならない。北朝鮮は「海上警戒勤務規定が承認した行動準則により射撃した」と説明している。行動準則がどんなものかは確実ではないが、今回のような悲劇は十分に予想することができた。先月末、北朝鮮当局は前例のない緊急布告文を発表した。「中国との国境1キロメートル以内に入ってくれば無条件に射殺する」という内容だった。国境での北朝鮮住民と中国人の間の接触を完全に遮断することによって、新型コロナウイルス(新型肺炎)の流入を防ぐということだった。だが当時、韓国内では無条件に殺すというこの措置に対する懸念の声はほぼ聞こえなかった。当局とマスメディアはともにこの問題の措置が中国人と北朝鮮住民だけをねらったものだと思っていたせいだろう。だが、もう少しよく考えれば、南側から越えてくる越北者も同じように射殺される危険があることを十分に予想することができた。決心した越北者もいるが、ちょっとした手違いで北方限界線(NLL)を越えてしまう漁船もなくはない。韓国統一部によると、2011年金委員長執権以後、南に送還された越北者だけで22人になる。北朝鮮に残った場合まで合わせると、毎年少なくない人数が北に渡っているということだ。このような状況であるにも関わらず、今の北朝鮮軍の行動準則が続くなら、同じような悲劇が再び起きかねない。だから「国境接近時には無条件で射殺」という反倫理的措置は即刻撤回するよう北朝鮮側に要求しなければならない。
 最後に北朝鮮は適切な賠償を行わなければならない。金委員長自身が射殺事実を認めている以上、北朝鮮当局が責任を取って被害者家族に賠償金を支払わなければならない。そうではない場合、当局が適切な賠償につながるように行動しなければならない。重要な事実は、北朝鮮当局が拒否しても賠償につなげることができる点だ。現在、韓国内には20億ウォン(約1億8000万円)程度の北朝鮮著作権料がある。任鍾皙(イム・ジョンソク)元秘書室長の主導下で、北朝鮮放送の映像などを使用する対価として南側メディア業界から受け取ったものだ。したがって、亡くなった海洋水産部公務員の遺族が国内の裁判所で北朝鮮に対して訴訟を起こせば、賠償を受け取る道が開かれる。北朝鮮に抑留されて2015年に亡くなった米国人オットー・ワームビアさんの遺族も同じ方法を使った。彼らは米裁判所に訴訟を起こして勝訴すると、米国内の金委員長の隠匿資産を差し押さえることに成功した。
 このような要求がどれくらい通るかは未知数だ。それでもただ口を閉じているのと、実現が難しくても正当な要求を叫ぶのは全く違う。自国民のための最低限の義務にさえ目を背けるなら、これは国ではない。
          ナム・ジョンホ/論説委員


https://japanese.joins.com/JArticle/270713?servcode=400&sectcode=400
「中央日報日本語版」 2020.09.29 09:45
■北朝鮮に射殺された韓国公務員の実兄「きょう、外信記者会見…国際機関の調査必要」

【写真】海上で北朝鮮軍の銃撃に死亡した海洋水産部傘下西海(ソヘ)漁業地図管理団所属の公務員A氏の実兄、イ・レジン氏

 海上で北朝鮮軍の銃撃に死亡した海洋水産部傘下西海(ソヘ)漁業地図管理団所属の公務員A氏の実兄、イ・レジン氏が今回の事件に対して国際機関の調査が必要だと主張した。イ氏は29日午後2時、ソウル中区(チュング)韓国言論会館のソウル外信記者クラブで外信記者たちを相手に記者会見を行う予定だ。
 イ氏は自身のフェイスブックに「(ソウルに駐在している)外信に記者会見の意向を緊急伝達し、このように決定された」と書き込んだ。韓国内取材陣の出入りが統制される理由について「新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)のために統制される」とした。彼は国際機関の調査の必要性も提起した。
 イ氏は「大韓民国で弟の悲劇的な死を解決できなければ、IMO(国際海事機関)など国際調査委員会を通した調査も考えるほど深刻な状況」として「襲撃地点が大韓民国でない北朝鮮なので必ず国際調査機関を通した調査が必要だ」と強調した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270706?servcode=400&sectcode=400
「中央日報日本語版」 2020.09.29 08:49
■襲撃された韓国公務員の兄「南北の船舶、随時無電交信…弟を救うことができた」

【写真】北朝鮮軍に射殺された海洋水産部公務員イ氏の兄イ・レジン氏

 北朝鮮軍に射殺された海洋水産部公務員イ氏(47)の兄イ・レジン氏が「西海(ソヘ)北方限界線(NLL)付近では南北間交信が可能で海軍と海上警察が北朝鮮軍に弟の救助を求めることもできた」と主張した。イ氏は28日、中央日報との電話インタビューで「23日午前、海水部所属の漁業指導船『ムクゲ23号』に乗って北側がNLLだと主張する海域に移動した。その時、北朝鮮からの接近を許さないという警告無電を4~5回聞いた」と話した。航海士であるイ氏は、遺族代表の資格で海水部西海漁業管理団の要請により船に乗ったと明らかにした。
 彼は「私が直接聞いたが、北朝鮮が『越えてくるな』と相次ぎ警告を発した。船舶には南北が共同で使う周波数チャンネルがあって交信が可能だったし、当時韓国側も『公務員が行方不明になって捜索中』という内容の無電を送った」と説明した。
 また「船舶には南北が共同で使う周波数チャンネルがあって交信が可能だった。軍で活用可能な連絡手段で韓国公務員の遭難事実を知らせるべきだったし、たとえ北朝鮮から返信がなくても遭難信号である「メーデー」信号を送るべきだった」と指摘した。同時に「確かに現場にはこのような交信システムがあるのに韓国政府は稼動しなかった」として「わが国民のために使うべき無電装備は装飾ではない」とした。彼は「越北たかどうかが重要なのでなく、弟がそこまで行く過程で捕まえられなかったのか問題」として「弟が北朝鮮に抑留されて生きていた22日午後3時30分から6時間のゴールデンタイムの間、軍と政府と与党は何をしたのか」とうっ憤をぶつけた。
 イ氏はこの日、自身のフェイスブックを通じても「弟は確かに生きていた22日昼間の間、兄と国が十分に救助してくれるという信頼と確信を持っていた」とし「兄がまぬけに何もしてあげられなかったという罪悪感のために感情がこみあげた」と吐露した。イ氏は軍当局が関連諜報資料を海上警察に提供することを検討中という報道に言及し「捜索している時だけでも軍が正常なシステム作動をしてもこのような悲劇はなかっただろう」とし、「軍は(弟に)越北という名分を作って何も明らかにしていない状況」と批判した。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37892.html
「The Hankyoreh 」 2020-09-29 07:18
■漁業指導員銃殺事件「韓米の機密情報から越北は事実と確認されつつある」特別委が発表
 「民間人殺害特別委員会」のファン・ヒ委員長が会見 
 遺体の毀損の有無は「さらに確認が必要」

【写真】北朝鮮軍に銃撃を受けて死亡した西海漁業管理団所属のムグンファ10号の航海士A氏(47)が、北朝鮮海域で発見された時に乗っていた浮遊物について疑問がふくらんでいる。海洋警察関係者は「長い間船に乗っていた航海士であることを考慮すると、フェンダーブイをつなげていかだを作った可能性もあり、この部分に対して捜査力を集中している」と明らかにした。写真はムグンファ10号とムグンファ29号の間の黄色いフェンダーブイの様子。28日撮影/聯合ニュース

 北朝鮮軍に銃撃され死亡した海洋水産部の漁業指導員が「越北」したのは事実ではあるものの、北朝鮮軍による「遺体毀損」の有無はさらなる調査が必要だという主張が与党から出ている。共に民主党の「西海(黄海)民間人銃殺事件共同調査と再発防止特別委員会」は28日、「様々な経路を通じて得た韓米の機密情報によると、越北は事実と確認されつつある」と明らかにした。ただし、遺体を毀損したかどうかについては結論を留保した。軍が入手した情報には、「燃やした」という話があるだけで、何を燃やしたかについては明確な言及がないという。 同特委のファン・ヒ委員長は28日、国会疎通館での記者会見で「出どころは明らかにできないが、ファクト資料が存在し、今後も保存されるため、決して隠せない事案」とし、北朝鮮軍による銃撃の犠牲者の越北は事実だと述べた。ファン委員長は「単に救命胴衣を着ており、(船に残っていた)履き物がきちんとそろえられていたという状況のみをもって(越北と)判断しているのではなく、それ以上の情報資産に接した内容をもって国防部が判断している」と付け加えた。
 ファン委員長は、遺体の毀損についてはさらなる調査が必要だとして、留保する立場を取った。「北側の主張の通り浮遊物を燃やしただけなのか、韓国側が把握した通り遺体まで燃やしたのかは、(南北の)協力調査が必要だ。越北とは異なり、入手した情報をさらに分析し、確認する必要があると思う」と述べた。当初、軍は、北朝鮮軍が22日夜9時40分に行方不明の公務員を銃撃した後、油を注いで40分間にわたって遺体を燃やしたと発表している。ファン委員長は「越北については(情報を通じて)判断が可能だ。遺体毀損の部分はそれほどではないが、かなり信憑性の高い推測を可能にする情報」と説明した。
 ハンギョレの取材結果を総合すると、軍が収集した情報には「燃やした」という表現はあるが、燃やしたものが遺体なのか浮遊物なのかについては、はっきりとした言及がなかったという。ただし軍は「何を燃やせと正確に出ているわけではないが、遺体を燃やしたと判断しうるもう一つの情況がある」と複数の国防委員に説明したという。軍は「北朝鮮軍が発泡スチロールを遺体の周囲に置き、(一緒に)燃やしたと推測している」と国防委員に報告したという。
 北朝鮮が犠牲者を発見後、かなりの時間を使って救助と推定される活動を行っていた情況も明らかとなった。国防部の幹部は「軍の実務者が22日午後3時30分に最初に認知した後、相当な時間にわたり救助行為とみられる情況を認知したが、状況が急反転し、(韓国側の)対応には限界があった」と説明した。
ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/964005.html
韓国語原文入力:2020-09-28 20:33


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37886.html
「The Hankyoreh 」 2020-09-28 23:49
■文大統領、漁業指導員死亡事件から6日後に謝罪「不幸な出来事、大変申し訳ない」
 「分断状況とはいえ、起きてはならないこと」 
 金正恩委員長の謝罪と関連し 
 「格別な意味として受け止めている」 
 南北対話の突破口を開くことを希望

【写真】文在寅大統領が今月28日、大統領府で開かれた首席・補佐官会議に出席している/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が28日、北朝鮮軍による漁業指導員A氏射殺事件と関連し、「理由の如何を問わず、政府としては大変申し訳なく思っている」とし、遺憾の意を表した。今月22日に銃撃死亡事件が起きてから6日後、公の場で、国民の生命と安全を守れなかったことについて事実上の謝罪をしたわけだ。さらに文大統領は、今回の事件の真相究明を凍り付いた南北対話の扉を開く「災い転じて福となす」きっかけにする考えも示した。
 文大統領は同日、大統領府で行われた首席・補佐官会議で「遺憾で不幸な出来事が発生した。分断状況とはいえ、起きてはならないこと」だとし、このように述べた。また「国民が受けた衝撃と怒りも十分察してあまりある」と付け加えた。
 文大統領はA氏の家族と親戚にも「犠牲者がどのようにして北朝鮮の海域に行ったのか、その経緯と関係なく深い哀悼の意を表するとともに、お悔やみ申し上げる」と述べた。越北の意思の有無をめぐる南北当局の釈明が食い違っているうえ、韓国政府がA氏の越北意思を口実に犠牲を防げなかったことについて責任逃れをしているという激しい批判を意識したものと言える。同時に、同事件が越北を試みたか否かをめぐる攻防に広がった場合、反北朝鮮感情が高まると共に、陣営間の分裂にまで突き進むことを事前に防ぐ意味も含まれているとみられる。
 文大統領が公の場で「申し訳ない」と述べたのは、A氏が死亡した22日から6日が過ぎた時点だ。これまで文大統領の発言と指示は非公開会議を通じて間接的に伝えられてきた。文大統領は23日朝8時30分、安保室長と秘書室長から初めての初対面報告を受けた際、「事実なら国民の憤りを買う出来事だ。北朝鮮にも確認して事実関係を把握するよう」と指示しており、翌朝9時に2回目の対面報告を受け、「国家安全保障会議を招集してから、国民に真相を知らせるよう」と指示した。同日午後には「衝撃的な事件で非常に遺憾だ。いかなる理由であれ容認できない」とし、「北朝鮮政府は責任ある答弁と措置を取らなければならない」と述べた。その間、保守野党の国民の力は「文在寅大統領様、今どこにいらっしゃいますか」というスローガンを掲げ、場外集会を行うなど、北朝鮮軍の行為に関する文大統領の行動が消極的だとして批判を強めてきた。
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「非常に申し訳ない」とした北朝鮮当局の謝罪に関して、文大統領は「格別な意味として受け止めている」と評価した。「北朝鮮当局は韓国政府が責任ある答弁と措置を要求した翌日に通知文を送り、迅速に謝罪して、再発防止を約束した」とし、「特に金正恩委員長が韓国国民に非常に申し訳ないという意を伝えてきたことは、核別な意味として受け止められる」と述べた。さらに「北朝鮮の最高指導者として直ちに直接謝罪したのは史上初めての非常に異例の出来事」だとし、北朝鮮の最高指導者の意思を盛り込んだ迅速な謝罪を、事態を悪化させて南北関係を取り返しのつかない状況に突き進むことを望まないという北朝鮮の明確な意志表明として捉えていることを示したのだ。北朝鮮を刺激せず、追加共同調査の道を模索しようという慎重な態度がうかがえる。
 文大統領は、今回の事件の真相究明と収拾が足踏み状態の南北対話と関係改善の契機になることを望むという考えも示した。文大統領は「今回の事件を解決していくことから対話の火種を生かし、協力の扉を開けていくことを望んでいる」とし、「類似した事件が起きてはならないという南北の意志が言葉で終わらないよう、共同で解決策を模索していくことを望んでいる」とし、「悲劇的な事件が事件で終わらないように、対話と協力の機会を作り、南北関係を進展させるきっかけに変えていくことを期待する」と述べた。また前日には緊急安保関係閣僚会議を開き、軍通信線の復元・再稼働と南北共同調査を北朝鮮に提案した。同日も「軍事通信船を通して連絡とコミュニケーションかできてこそ、偶発的軍事衝突や突発事件を防げるし、海上漂流についても救助協力を円滑に進めることができる」とし、「少なくとも軍事通信船だけはまず復旧して再稼働することを要請する」と述べた。
ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/963912.html
韓国語原文入力:2020-09-28 20:37


https://japanese.joins.com/JArticle/270692?servcode=400&sectcode=400
「中央日報日本語版2020.09.28 17:36
■韓国海洋警察、小青島周辺で「救命胴衣」と推定される物体を捜索中

【写真】海洋警察が海洋水産部西海漁業管理団所属の公務員イさんの遺体と所持品を探す捜索作業をしている。[写真 仁川海洋警察署]

 北朝鮮に攻撃された公務員イさんの遺体を探すための捜索が8日にわたり続いている。海洋警察は28日に仁川市甕津郡(インチョンシ・オンジングン)の小青島(ソチョンド)東南側海域一帯で救命胴衣と推定される物体を捜索するのに集中している。韓国軍がこの日午前10時ごろ、小青島近くでオレンジ色の救命胴衣のような物体を確認したと通知してきたためだ。
 海洋警察はこれと関連し小青島海一帯でオレンジ色のプラスチック製浮遊物を発見したと明らかにした。汚濁防止膜のプラスチックと推定されるという。だがこの物体が軍が発見したと通知してきた「救命胴衣のような物体」なのかは確認されていない。海洋警察関係者は「小青島側で救命胴衣を捜索中だが海で発見される救命胴衣はタイヤの破片が道路で見つかるようにありふれたもの。救命胴衣を見つけたとしてもイさんのものなのかは確認してみなければならない」と話した。

◇潮の流れに沿って捜索範囲広げることに
 海洋警察はイさんの行方がわからなくなった21日から延坪島(ヨンピョンド)周辺海上を捜索してきた。イさんの遺体や所持品が西海(黄海)北方限界線(NLL)の南側地域に流れてくる可能性に備えてだ。海洋警察が現在捜索している範囲は延坪島西側から小青島南側まで東西96キロメートル、南北18.5キロメートル海上の8つの区域だ。
 海軍が西海NLLと近い4つの区域を、海洋警察がその南側の残り4つの海上を担当した。海洋警察は500トン級艦艇4隻、300トン級3隻、小型艦艇6隻の13隻と航空機2機を、海軍は哨戒艦2隻、高速艦2隻、高速艇7隻、高速ゴムボート(RIBボート)5隻の16隻と航空機3機を投じた。仁川市、甕津郡と忠清南道(チュンチョンナムド)など自治体所属の漁業指導船9隻も捜索に動員した。だが特別な成果がなく、周辺海上で操業する漁船にも「浮遊物を見つけたら知らせてほしい」と要請した。海洋警察はこの日から潮流が西側に移動するのに沿って捜索範囲も西側に広げる予定だ。

◇捜査状況にはまだ成果なく
 イさんの行方がわからなくなる前の行動に関する捜査は大きな進展がない状況だ。イさんが乗っていた漁業指導船に設置された防犯カメラ2台は18日から故障した状態だった。航行日誌にも「防犯カメラが駆動しない」と記録されているという。海洋警察は国立科学捜査研究院に防犯カメラに対する分析を依頼する計画だ。
 船内からはイさん個人のパソコンや携帯電話は見つかっていない。共用パソコンにはイさんが使用した記録はあるが、文書を作成したりインターネット検索をした記録はなかった。イさんが同僚らと滞在していた木浦(モクポ)の宿舎でも個人のパソコンは見つかっていないという。海洋警察は指導船のパソコンもデジタル分析をしている。
 イさんとともに当直勤務をしていた同僚は、イさんが21日午前1時35分に操舵室を出てから探さなかった理由について、「『書類作業をしに行く』と話しており、作業が終わった後に自分の部屋で寝たと考え残った人たちで勤務交代をした」と明らかにした。海洋警察はイさんが失踪した当時救命胴衣を着ていたという部分も改めて調査している。指導船に登録された救命胴衣は29着だが実際に船内で確認された救命胴衣は85着と確認された。
 海洋警察関係者は「指導船関係者らが当時船内に救命胴衣が何着あったのか正確に覚えていない。イさんの行動を全般的に調査している」と話した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270691?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.28 17:02
■北朝鮮、共同調査に応じないだろう…韓国人観光客銃撃事件と同じ対応
 韓国政府が公務員のイさんが北朝鮮軍に射殺された事件に対する南北共同調査を要求してきたが、実際に調査が実現するのは難しいと考える専門家が多い。北朝鮮側がいち早く「線引き」に出てだ。
 事件の経緯に対し南北がそれぞれ異なる主張をする状況で、真相究明と責任者の処罰に向けては関連者に対する調査が必要だ。だが過去の事例からみると北朝鮮がこれに応じる可能性は大きくないというのが専門家らの見方だ。2008年7月に発生した金剛山(クムガンサン)観光客パク・ワンジャさん銃撃事件が代表的だ。
 元韓国政府高官は「パク・ワンジャさん事件の時も北朝鮮が遺憾を表明し再発防止に言及したが共同調査には応じなかった。今回もやはり北朝鮮で神格化された存在の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が遺憾表明をしただけに、25日に電話通知文を送ったことで状況を終わらせようとするだろう」と話した。
 責任者の処罰やはり同様だ。国民大学のチョン・ヒョンジュン兼任教授は「北朝鮮は電話通知文でイさんを『侵入者』と表現し、『艇長の決心の下に海上警戒勤務規定が承認した行動準則』を実行したとの立場を明らかにした。これは合法的手続きにより行動したもので特別な場合でなければ処罰しないという意味」と話した。また韓国軍が、北朝鮮軍が上部の指示を受けてイ氏を射殺して燃やしたという当時の状況を提示しているのに対し、北朝鮮は偶発的な状況で現場対応したものと主張している。これは責任が上層部に広がらないよう一種の「尻尾切り」を試みているものとの分析が出ている。
 こうした対応はパク・ワンジャさん事件の時とそっくりだ。当時北朝鮮は哨兵の勤務警戒規則順守に基づく「偶発的銃撃事件」だったと強調した。談話では「早朝の視界上の制限で侵入対象がどこから現れたのか、男か女か識別できない条件」だったと釈明した。北朝鮮は銃撃を加えた哨兵がどのような処罰を受けたのか明らかにすることもなかった。一部ではこの哨兵が規定通りに対応したとして処罰の代わりに内部的に称賛されたとの噂が広がったりもした。


https://japanese.joins.com/JArticle/270688?servcode=200&sectcode=200
「中央日報日本語版」 2020.09.28 16:08
■文大統領、北の韓国公務員銃殺に初めて言及…「極めて遺憾で不幸なこと」

【写真】25日午前、京畿道利川(イチョン)陸軍特殊戦司令部で開催された「国軍の日」記念式で演説する文在寅大統領。 [青瓦台写真記者団]

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、「犠牲者がどのように北の海域に行くことになったかの経緯に関係なく、遺族の傷心と悲嘆に深い哀悼と慰めの言葉を伝える」とし「国民が受けた衝撃と怒りも察するに余りある」という立場を表明した。
 文大統領はこの日午後2時、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)与民館で開かれた首席秘書官・補佐官会議で、「極めて遺憾で不幸なことが発生した。いくら分断状況だとしても起きてはならないことだ」とし、このように述べた。
 これに先立ち文大統領は24日、報道官を通じて遺憾を表すメッセージを出したが、公開的な席で北朝鮮の韓国国民銃殺事件に言及したのは今回が初めて。
 文大統領はこの日、「理由に関係なく、国民の生命と安全を守るべき政府として本当に申し訳ないという思い」とし「こうした悲劇が二度と発生させないという約束と共に、国民の生命保護のための安全保障と平和の大切さを再確認し、政府の責務を強化するきっかけにしたい」と話した。
 続いて「北の当局は、わが政府が責任のある答弁と措置を要求した翌日に通知文を送り、速やかに謝罪し、再発の防止を約束した」とし「事態を悪化させて南北関係を取り返しのつかない状況に向かわせることを望まないという北側の意志の表明と評価する」と明らかにした。
 さらに「特に金正恩(キム・ジョンウン)委員長が我々の国民に本当に申し訳ないという意を伝えてきたことは格別の意味として受け止める」とし「北の最高指導者として直ちに直接謝罪したというのは史上初めての極めて異例なことだ」と述べた。
 文大統領は「金正恩委員長も今回の事件を重く受け止めていて、南北関係が破綻しないことを願う気持ちを確認することができる」とし「今回の事態の解決にも、南北関係の未来のためにも役に立つことを望む」と強調した。
 文大統領は「振り返ると、長い分断の歴史は数多くの犠牲の記録」とし「今回の事件と今後の処理の結末も分断の歴史の中に記録されるだろう」と述べた。続いて「悲劇が繰り返される対立の歴史はもう終わらせなければいけない。すぐに制度的な南北協力に進めないとしても、平和を維持できる最前線はいかなる場合にも守っていかなければならない」と語った。
 さらに「今回の事件の事実関係を究明し、再発防止のための実質的な案を用意するのは、南北にとって切実に必要なこと」とし「似た事件が発生してはならないという南北の意志が言葉で終わらないよう、共同で解決法を模索していくことを望む」と話した。
 文大統領は「今回の事件を解決していきながら対話の火種を生かし、協力の突破口を開いていくことを願う」とし「今回の事件で最も惜しまれるのは南北間の軍事通信線がふさがっている現実」と指摘した。
 続いて「緊急に南北間の軍事通信線を通じて連絡と意思疎通ができてこそ偶発的な軍事衝突や突発的な事件事故を防ぐことができ、南北の国民や船舶が海上で漂流する場合にも救助協力を円滑にすることができる」とし「少なくとも軍事通信線だけは優先的に復旧し、再稼働させることを北側に要請する」と促した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200928002700882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.28 15:59
■文大統領「金委員長の謝罪、格別な意味」 北朝鮮の韓国人射殺で
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、北朝鮮による黄海での韓国人射殺事件について、「国民が受けた衝撃と怒りは十分に察してあまりある。理由のいかんを問わず、政府としては非常に申し訳なく思う」とし、南北が分断された状況であっても起きてはならない残念で不幸なできごとだったと述べた。また「犠牲者がどのようにして北の海域に行くことになったのか、経緯に関係なく、深い哀悼とお悔やみの意を表する」と話した。同日行われた首席秘書官・補佐官会議で述べた。

【写真】青瓦台(大統領府)で首席秘書官・補佐官会議を主宰した文大統領=28日、ソウル(聯合ニュース)

 文大統領は「このような悲劇が再び発生しないようにするという確約とともに国民の生命保護のための安全保障と平和の大切さを再確認し、政府の責務を強化する契機にする」と約束した。
 その一方で文大統領は「悲劇的な事件が事件としてだけで終わらないよう、対話と協力の機会を作り、南北関係を進展させる機会にすることを期待する」とし、事件の解決を通じて北朝鮮との対話と協力の糸口を見つけることを願うと述べた。
 事件を巡り、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が通知文で謝罪したことについては「金委員長がわが国民に非常に申し訳ないと考えると伝えたことは格別な意味があると受け止める」とし、「北の最高指導者が直ちに直接謝罪したのは史上初であり極めて異例だ」と評価した。
 また「金委員長も(今回の事件を)深刻かつ重く受け止めており、南北関係を破綻させてはならないという気持ちがあることを確認した」とし、「南北関係の未来に役に立つことを願う」と述べた。 
 文大統領は「事実関係の解明および再発防止のための実質的方策の用意が緊要だ。同じような事件の発生を防ぐための解決策を共同で模索しなければならない」とし、「対話が断絶していれば問題を解決する方法がなく、協力できなければ効果のある対策を立てるのは難しい」と指摘した。
 その上で「最も残念なのは、南北軍事通信線が閉じている現実」とし、「これをまず復旧し、再稼働するよう北側に要請する」と話した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200928001400882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.28 11:30
■8月に韓国入りした脱北者39人 4月以降の月数人から大幅増
【ソウル聯合ニュース】ここ数カ月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた各国の移動制限の影響で韓国への入国数が減っていた脱北者が、8月は39人に増えたことが分かった。韓国国会外交統一委員会所属の与党議員が28日、統一部から提出を受けた資料を基に伝えた。

【写真】今月初め、中国・吉林省長白朝鮮族自治県から撮影した北朝鮮側。銃を持った朝鮮人民軍の兵士が鴨緑江沿いを警備している(資料写真)=(共同=聯合ニュース)

 韓国入りした脱北者の数は1~3月は計135人だったが、4~6月は計12人で2003年の統計開始以来、最低となった。4月が7人、5月が2人、6月が3人で、7月も6人にとどまった。
 北朝鮮の国境を越えた脱北者はタイやベトナムなどの東南アジア、あるいは中国を経て韓国に渡るケースが多い。だが、新型コロナウイルス感染拡大はこうした脱北ルートの封鎖につながった。
 専門家は北朝鮮が年初から新型コロナウイルス対策として境界地域の警戒を強化している点を踏まえ、8月に韓国入りした脱北者は北朝鮮を最近逃れた人たちではないとの見解を示した。韓国の感染状況が8月中旬まで比較的小康を保っていたことから、東南アジアや中国などにいた脱北者が韓国に向かったとの見方もある。
 政府系シンクタンク、統一研究院のキム・スアム上級研究員は「ずっと前に北を逃れて第三国に長期滞在していた人たちが、新型コロナウイルスの長期化で暮らしが厳しくなり韓国に移動した可能性がある」と述べた。
 1~8月に韓国に入国した脱北者は累計192人で、前年同期の724人に比べると約4分の1にとどまっている。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200928001500882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.28 10:52
■北朝鮮 韓国の軍通信線再稼働要求に応じず
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が28日午前現在、韓国との軍通信線を正常の状態に転換していないことが分かった。韓国の政府消息筋が明らかにした。
 同消息筋は「北が軍通信線をオフにしている」として、「この状態が転換されなければ通話ができない」と述べた。
 韓国は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が27日に開いた緊急の安全保障関係閣僚会議で、北朝鮮に軍通信線の復旧と再稼働を要請することを決めた。
 南北の軍事当局は東側と西側の軍通信線を利用し、毎日午前9時と午後4時の2回、定期的な通話を行ってきたが、北朝鮮は韓国の脱北者団体による北朝鮮非難ビラの散布を問題視し、6月9日から応じていない。
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「北朝鮮の射殺事件「厳しく認識」 対応を検討中=韓国統一部」

2020年09月28日 | 北部朝鮮
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200928001800882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.28 11:41
■北朝鮮の射殺事件「厳しく認識」 対応を検討中=韓国統一部
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が韓国公務員の男性を射殺した事件について、韓国統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官は28日の定例会見で、「現在の状況を非常に厳しく認識している」として、「北の追加的な反応を鋭意注視しいろいろな状況を考慮しながら、(対応を)慎重に検討している」と述べた。

【写真】北朝鮮に近い大延坪島の海岸を巡察する海兵隊(資料写真)=27日、延坪島(聯合ニュース)

 同部は24日、事件について「南北の平和に向けたわれわれの一貫した忍耐と努力に冷や水を浴びせるもの」と非難する声明を発表した。
 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が謝罪を表明し、南北関係の改善を期待する声が出ていることに関しては、「(男性の)遺族の立場から問題が速やかに解決することを望む」と述べるにとどめた。
 一方、北朝鮮が朝鮮労働党創建75周年の記念日(10月10日)に実施する見通しの閲兵式(軍事パレード)の準備動向については、「準備が進められているという程度で把握している」として「(状況を)見極めている」と述べた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270682?servcode=200&sectcode=220
「中央日報日本語版」 2020.09.28 14:10 
■ゴールデンタイム逃した韓国軍の釈明… 「北、初期は救助の動き…後に状況が急反転」
 北朝鮮が22日、海洋水産部所属の公務員イさん(47)を銃で殺害する前、救助しようとする状況が見られたと、軍当局が28日明らかにした。
 韓国国防部の関係者はこの日、「(北がイさんを最初に発見した後)相当な時間、救助の過程とみられる状況を認知した」とし「しかし後に状況が急反転し、対応に制限があった」と述べた。
 軍当局によると、イさんは行方不明になった翌日の22日午後3時半ごろ、北朝鮮水産事業所の船舶に発見され、この日午後9時40分ごろ銃撃を受けて死亡した。
 国防部の釈明は、軍当局がイさんを発見してから銃撃までの6時間、生存の事実を把握しながらも積極的に行動しなかったという批判が強まった後に出てきた。
 この関係者は「情報を収集する末端実務者が(北のイさん発見情報を)認知した」とし「この情報について、信憑性がある状況かを確認し、内容を分析し、軍首脳部まで報告するには相当な時間がかかった」と釈明した。
 続いて「西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)南側で海軍と海警がイさんの遺体の捜索作戦をしている」とし「NLL付近で数十隻の中国漁船が操業中であり、これを統制する活動も一緒にしている」と説明した。また「北も自主的な捜索に入ったと聞いている。NLLや西海5島近隣で北の特異動向はない」と伝えた。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37884.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-28 13:02
■[インタビュー]北の銃撃で弟を失った兄「生かせることができたはずの死だった」
 北朝鮮の銃撃で死亡した公務員の兄、イ・レジンさんインタビュー 
 22日から収拾作業に合流…ニュースで死亡の知らせを聞き 
 「北朝鮮と交信しながらなぜ行方不明者の捜索を要請しなかったのか」 
 軍当局の越北断定に強く反発 
 「使命感で働く公職生活を最後までやり遂げたがっていた」 
 遺体収拾、南北共同真相究明を強調

【写真】北朝鮮の銃撃で死亡した海洋水産部公務員の実兄、イ・レジン氏が今月26日、国会で「国民の力」のキム・ジョンイン非常対策委員長との面会後に行われたインタビューで心境を語っている/聯合ニュース

 「弟がまだ生きていた時間、韓国軍は救命胴衣の数を数えていました」。北朝鮮で銃殺された公務員の兄、イ・レジンさん(55)は、複雑な表情で口を開いた。27日午後、京畿道安山市(アンサンシ)の事務所で会ったイさんの後ろで、「銃撃受けた公務員の乗っていたムグンファ10号が入港」というニュースの字幕がテレビに出ていた。ムグンファ10号は、航海士出身のイさんが弟の行方不明の知らせを聞き、22日に小延坪島(ソヨンピョンド)に向かって捜索作業のために乗っていた船でもある。イさんは「南側の西海(黄海)の北方限界線(NLL)付近に最大限近づきたかったが、船が足りず行けなかった。(捜索人員を)増やしてほしいと要請したが受け入れられなかった」と言い、「日没なので撤収したら、全数調査だといって船の廊下に救命胴衣を並べた。弟が射殺される3時間前だった」と語った。そして翌日夜、メディアの記事で死亡の事実を知ったイさんは、24日朝、軍当局が「公務員の自発的な越北」という結論を下したことを聞き「呆れ果てた」と話した。イさんは遠洋漁船の船長出身である弟が「最後まで公職生活を続ける」と言って笑っていた姿を記憶している。彼は弟の名誉を守りたいと強調した。「弟が南の海を漂っていた20時間以上も行方を明かさず、越北だと性急に決めつけたことに強く抗議します」。

 以下はイさんとの一問一答。
-弟が行方不明になった21日以降、事件はどのように進行したのか。
 「21日午後2時30~40分ごろ、弟が所属していた西海漁業団から弟が行方不明になったという電話を受けた。小延坪島に入るには2日かかると言って、翌日の22日朝8時、船で小延坪島に入った。2時間ほど後、事故船舶(ムグンファ10号)に乗り、すぐに捜索に入った。同時に海洋警察に資料の要請もした。その日は、海軍4隻、海洋警察3隻、地方指導船2隻が出ていたと覚えている。西海の北方限界線の最近接まで行きたかったが、船が足りなかった。増員要請はしたのだが…日没までに捜索作業を終え、夕食直後の午後6時30分ごろ、海軍から全数調査が入ったとしてライフジャケット(救命胴衣)を廊下に並べた。軍幹部が確認しろと言ったという。政府は情報などを通じてすでに生きているという事実を知っていたにもかかわらず、救助の代わりにこのような全数調査をした」。
-23日も捜索作業に乗り出したのか。
 「朝7時1分、海洋警察の艦船から身元不明の遺体が発見されたと聞いて遺体を直接確認した。腐敗がひどく、弟ではなかった。10号の3倍ほど大きいムグンファ23号に乗り換え、捜索作業を続けた。午前7時30分から午前8時まで北朝鮮警戒所の方から「侵犯するな」との交信があった。韓国軍は詳しい説明なしに「行方不明者を捜索中だ」と短く答え、応射交信しただけだった。午前10時まで5、6回の交信があった。理解できないのは、行方不明直後、なぜ韓国軍が先に北朝鮮に行方不明に対する交信をしなかったのかということだ。交戦状態でもないのに、常識的に「韓国国民が越ていったので返してほしい」と交信できるのではないか。私が知る限りでは、22日には何の交信もなかった。そして23日夜、弟の死亡のニュースを通じて知った。そこで捜索の代わりに真偽を把握するため、24日に陸地に上がった」。
-その時からAさんが自ら越北しようとして北側の海に入り、銃撃を受けて死亡したものとみられるという主張が出ていたが。
 「(弟が)普段どんな性格だったかを知っているので戸惑った。私もそうだが、弟も遠洋漁船に5年乗り、船長までした。その経歴が公職任用に有利なので、8年前に公務員になった。ニュースを見ていたら、中国の違法船舶取り締まりは危険だというので、弟にそれは辞めて自分のやっている事業を手伝ってほしいと言った。すると弟は、使命感で働く生活が良いんだと言い、最後まで公職生活を続けると話した。それで、できる限り最善を尽くようにと言った。行方不明の前日には、子どもたちとも電話で話した。政府は弟の死が報道された後、あまりに性急に越北と決めつけた。船内のCCTV(監視カメラ)も故障しており、いまは弟のパソコンのハードディスクの分析に入ったが…このような問題は推定で決め込んではならないのではないか。それよりは遺体収拾と真相究明が先だと思う」。
-越北の根拠として、Aさんの負債問題も取り上げられているが。
 「正確には分からないが、借金が数千万ウォン(数百万円)あると聞いている。この国に借金のない国民が何人いるというのか。責任を避けるための主張としか思えない。たとえ債務関係であっても、私を含めて借金を返済できる兄が2人もいるのに、私たちがそれを無視するわけがない。私の携帯には、よく連絡するリストの一番上にはいつも弟がいた。唯一私に甘える弟で、一番愛着のあった弟だった。いくらでも助けてあげられた。弟の夫婦関係についての話も出ているが、喧嘩のない夫婦がどこにいるのか。 離婚熟慮期間だったが、弟の奥さんも今、精神的に参っている状態だ。このような問題を(越北の根拠に)追い込むのは稚拙だ。大統領も、現政府も本当に好きだった。しかし、いざ今回のことを経験してみると、弟に裏切り者のレッテルを張ることにあくせくしているという感じは隠せない。弟の名誉を無慈悲に汚す行為だ」
-他の家族はどんな状態か。
 「約30年前、いとこの姉が莞島(ワンド)の警戒所で警戒兵のミスで銃で撃たれて死んだ。家族全員にとって恐ろしいトラウマだった。他の事故死より銃殺のトラウマは特に恐怖が大きく、みんなショックが大きい。弟の子ども2人も母親と一緒にいるが、ニュースでずっと父の死について「銃を乱射した、燃やした」と報道されていることをどんな気持ちで聞いているのだろうか。二人はまだ高校生と中学生だ。死を受け入れられると思うか。弟の奥さんは、私に事を大きくしないでくれと言っている。それでも私は捜索した当時、8マイルしか離れていない状態で救助を待っていたはずの弟の死を突き止めなければ、それこそ弟に罪をつくることだと思う。あきらめたくない」。
-北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が25日、大きな失望感を与えたことに対して大変申し訳なく思うと謝罪した。どう見たか。
 「一発だけ撃ったのなら、気持ちのつらさまだましだったかもしれない。36時間に冷たい海の中で救助を待っていた弟に銃弾10発を撃ったというが…遺族として許すとしても、どう受け入れればいいのか。それでも、弟の遺体を捜して引き渡してもらうために受け入れた。 大韓民国の国民として南北関係の改善は一生の念願と希望だ。しかし、それとは別に軍や政府から遺族代表に何の連絡もないのは悲惨な現実だ。弟の奥さんに海洋水産部長官名義で『深い慰労の意を伝える』という慰労書が1枚届いたのが全部だ。事件が起きて国防部、合同参謀本部、統一部に電話をかけたが、『調べてみる』という答えばかり繰り返す。与党などは金委員長の親書一つを日照りに雨のごとく考えて利用しているのではないか。悲しく、痛々しい心情だ」。
-今後どのような要求事項を伝える予定か。
 「今は遺体収拾が最優先だ。その後は、南北共同真相調査で真相究明し、誤りが明らかになれば、責任者を厳重に問責しなければならない。弟の死には国の責任があるから補償請求しようという提案も入っているが、断っている。何億ウォンの補償を受けなくてもかまわない。弟の名誉が守られることを願うばかりだ。まずは合同参謀に弟が南側の海を漂流した経緯を厳しく聞く予定だ。いっそ、弟が海を漂っていたところ韓国軍が誤って撃った銃に撃たれて死んだなら悔しさはまだましかもしれない。潮流に乗って北朝鮮軍から惨く乱射されたではないか。北側の海に移動するまで、いったい韓国軍は何をしていたのか分からない。私の弟の36時間について聞きたい。生かせることができたはずの死だった」。

【写真】今月27日、京畿道安山市の事務所で会ったイ・レジンさんが捜索状況を説明している//ハンギョレ新聞社

ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/963864.html
韓国語原文入力:2020-09-28 09:22


https://japanese.joins.com/JArticle/270677?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.28 12:11
■韓国首相「公務員襲撃事件、真相究明しなければ… 南北共同調査できない理由がない」
 丁世均(チョン・セギュン)首相が仁川延坪島(インチョン・ヨンピョンド)で公務員が射殺された事件に対して南北共同調査を推進しなければならないと再度強調した。
 丁首相は28日午前、CBSラジオ番組『キム・ヒョンジョンのニュースショー』に出演して「(事件に対して)私は国防部で報告を受けた。また、北朝鮮から通知文が届いた内容がメディアに報じられて両方とも内容を聞いたが、お互いにちょっと内容が違う」として「真相を究明することが望ましい」と話した。
 丁首相は「この問題のせいで解氷しそうな南北関係に冷や水が浴びせられたようだ。冷や水よりさらにひどいものを浴びせられた状況」とし「否でも応でも対話と疎通を通じて結局は平和を作っていかなければならない。今回のことが大きな障害に発展しないように真相究明を一日も早くしたほうが良いだろう」と明らかにした。
 司会者が「真相究明は南北が共同で行うべきだと考えるか」と尋ねると、丁首相は「共同で行ってこそ両側が承服できるのではないか」とし、「共同でできない理由がない。真相究明をして今回の事態によって南北関係がさらに良くない方向に達することを防ぎ、また今後(類似した事件が)再発しないように取り組むべきだ」とした。
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が前日緊急安保関係長官会議を開いて北朝鮮に共同調査を求めたことに対しては「まだ答えが届いていない」として「見通しが容易ではない。北朝鮮側とはとても限られた程度の疎通だけが行われている」と話した。軍事通信線があったとすれば、南北が互いに疎通して問題を予防したかもしれないとし「軍事通信線をはじめとする全体的な南北間疎通ルートが復元されるのが両側のために必要な状況」とも話した。
 一方、丁首相はこの日から始まった2週間の特別防疫期間をめぐり「かつては民族の大移動が起きる時期だ。この大移動を最小化して新型コロナが旺盛に広がることを是非防ごう(ということ)」とし、「国民もどうかお宅にいらっしゃってほしい。さまざまなテレビ番組も良いものを作ってお宅で楽しめるようにし、故宮や博物館なども防疫守則を守りながら少数だけが参加できるようにして若干の扉を開けておきながら全体的には制限するつもり」とした。
 また、開天節(建国記念日、10月3日)とハングルの日(10月9日)に予告された一部の集会をめぐって「普段韓国国民が享受してきた自由をしばらく留保してほしい」として「憲法的基本権を尊重して(これを)常によく守って差し上げなければならないが、国民の命と安全より重要ではない」とした。車両集会の不許可に対しては「車両何台以上のデモのようなことができないように道路交通法などが定められている」として「ソウル市が集合禁止命令を下した。変形された形の集会も許容しないということ」とした。


https://japanese.joins.com/JArticle/270671?servcode=100&sectcode=110
「中央日報日本語版」2020.09.28 11:09
■【社説】国民感情に火をつける「金正恩擁護」=韓国
 韓国の国民が北朝鮮軍に殺害されたにもかかわらず、責任ある与党側の人たちが北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を事実上称賛した。今回の事件の本質は、北朝鮮軍が海で行方不明になった韓国国民を救助するどころか銃で射殺した後に燃やしたという反倫理的な行為だ。殺害されたイさんは韓国海洋水産部の公務員であり、海に落ちた後、浮遊物にしがみつきながら約30キロ漂流した。北朝鮮軍に発見された時は力尽きた状態だったはずだ。北朝鮮は国際規範に基づき遭難者を救助すべきだった。しかもイさんは非武装状態だった。金委員長は非難世論が強まると、3日後に謝罪性の通知文を送った。人を殺害した後に「申し訳ない」という格好だ。
 にもかかわらず一部の人たちはあきれるような表現で、北朝鮮の残酷な行為に怒りを感じている国民感情に火をつけた。柳時敏(ユ・シミン)盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団理事長は金委員長を「啓蒙君主」に例えた。柳理事長は25日、ユーチューブのライブ配信で金委員長の通知文が伝えられると「(迅速な謝罪は)我々が望んだ朗報」とし「(金委員長は)啓蒙君主のようだ」と語った。共に出演した丁世鉉(チョン・セヒョン)平和統一諮問会議首席副議長は「(金委員長は)度量が大きいところがある」と称えた。北朝鮮がイさんの遺体を海上で燃やした蛮行についても「残った残余物に対して防疫規定に基づき焼却措置を取ったとすれば理解できる」とかばった。北朝鮮の反倫理的行為に免罪符を与えたのだ。大韓民国の統一部長官を務めたという彼の経歴が疑われる。さらにこの日のユーチューブ参加者は北朝鮮の通知文を喜ぶように笑ったりもした。国民が犠牲になった状況でどうすれば笑いが出るのだろうか。李仁栄(イ・インヨン)統一部長官も同日、国会で「(北朝鮮最高指導者が)『申し訳ない』という表現を2回も使ったのは初めて」と金委員長を擁護した。
 国民は北朝鮮の非人間的な蛮行に怒りを感じている。今回の事件に金委員長の許可や指示があったかどうかは分からないが、金委員長に総体的な責任がある。したがって金委員長に対して蛮行を糾弾し、真相究明および関係者の処罰を求めるのが正常だ。にもかかわらず金委員長を「啓蒙君主」「度量が大きい指導者」などと称賛する人たちの考えには怒りを越えて悲しみを感じる。このためSNSでは「悲惨だ」「北に対する文在寅政権の片思いに金正恩が韓国人銃殺で応えた」という非難が多い。
 国民が犠牲になる間、青瓦台と政府、軍はいかなる措置も取らずに見守っているだけだった。一部の政界関係者は北朝鮮擁護に没頭している。国がこうした状況になるまで何が問題だったのかをまず反省し、北朝鮮には責任を問うてこそ、正常な国でありオピニオンリーダーだといえる。過ちはなかったと擁護すれば、北朝鮮が誠意を持って共同調査に応じるだろうか。


https://japanese.joins.com/JArticle/270667?servcode=200&sectcode=220
「中央日報日本語版」 2020.09.28 10:32
■<韓国公務員射殺>元情報当局者ら「政府は無計画、軍はねじが緩んだ」

【写真】25日、青瓦台の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が青瓦台春秋館ブリーフィングルームで南北首脳間の親書に関するブリーフィングをしている。[青瓦台写真記者団]

 北朝鮮軍が韓国国民を射殺するまでの6時間に韓国政府がいかなる対応もしなかったことについて、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の元情報当局者らが叱責した。
 参加政府(盧武鉉政権)当時に情報当局にいた複数の関係者らは27日、中央日報に対し「政府は北側が応答するかどうかに関係なく、青瓦台、国家情報院、板門店(パンムンジョム)連絡事務所などホットラインを総動員して生還させる努力をすべきだった」と指摘した。

◆「文大統領だけ見えて国民は見えないのか」
 特に元当局者らは、今回の事件の前後に南北首脳間が親書を交わし、北側の統一戦線部名義の通知文があったことに言及しながら、韓国政府の消極的な対応を批判した。
 匿名を求めた元情報当局者Aは「文在寅(ムン・ジェイン)政権が無計画で対応したことが如実に表れている」とし「行方不明になれば、ホットラインが稼働するかどうかに関係なく北側に『特に関心を向けてほしい。救助してほしい』と要請するのが当然だ」と述べた。また「そうしてこそ国民に対して一種の免責になり、南北対話を始めるきっかけにもなるのではないのか。それだけ現在の安保ラインが無能ということだ」と批判した。
 別の元情報当局者Bは「親書だけでも事件の前にホットラインがあったというのは明白」とし「新型コロナ状況などで親書を第3国接触で受けるのは難しかったはず。親書交換は国家情報院のファックスと推定される」と話した。
 続いて「北側は徐薫(ソ・フン)室長に対して冷たい感情が残っているため、青瓦台でなく国家情報院を通じて親書が交わされた確率が高いとみられる」と語った。また「最近、南北関係がいくら良くないとしても、こうしたホットラインを通じて必ず状況を確認して措置を取るべきだった」と強調した。
 文在寅大統領に翌日朝になってから報告された点についても批判が出てきた。Bは「夜中に青瓦台で安保室長が関係長官会議まで開いたというのは、それだけ事態を重く受け止めたということ」とし「大統領を起こしてでも報告すべきだった。安保室は文在寅大統領だけが見えて国民は見えないのか」と批判した。

◆「北の緻密な計画にもてあそばれた」
 元情報当局者は今回の事件をめぐる北側の対応をついて、「北が非常に精巧かつ緻密に計画を準備した状況が見られる」とし「文在寅政権は金正恩委員長の手のひらでもてあそばれた」と話した。
 元情報当局者Aは「北は多角的に今回の事件の効用性を最大化しようとしたはず」とし「南北関係が難しくなれば国民も守れないというメッセージが一つ、文在寅政権には我々は黙っていないというメッセージを与えた」と解釈した。
 続いて「その一方で事後に通知文を送り、窮地に追い込まれた文在寅大統領の厳しい立場を緩和した。これは北が『我々の態度によって韓国の情勢を変えることができる』というもう一つのメッセージを与えたとみられる」と語った。
 Aは「なぜ統一戦線部の名義で通知文を送ったかに注目する必要がある」とし「おそらく今後、朴智元(パク・ジウォン)国家情報院長の役割に期待しながら後押しするためにカウンターパートの統一戦線部を活用した可能性がある」という見方を示した。
 別の元当局者Cは北朝鮮軍が射殺前に6時間待機したことについて「現場報告を受けた北の上部が指示を出す前にいろいろと悩む時間が必要だったのだろう」と述べた。続いて「遺体が流れるのを防ぐため『跡を残すな』という焼却命令を出したはず」とし「そうしてこそ新型コロナ防疫という正当化の名分を前に出して遺体毀損問題から逃れることができるため」と評価した。

◆「軍の非常識な釈明…政治的な判断の疑い」
 軍の内外では、軍の6時間の無対応に批判が出ている。元軍情報関係者Dは「合同参謀本部が射殺と遺体毀損を目撃した翌日まで海軍と海警はとんでもないところで捜索していた」とし「海軍と情報が共有されていなかったのではないのか」と指摘した。また「それがまさに海軍哨戒艇(高速艇)の任務であり、2、3隻を周辺に送るだけでも確認できたはず」とし「必ずこの部分に対する責任追及がなければいけない」と強調した。
 民間人射殺当時には「正確な位置を把握できなかった」という軍の釈明も釈然としないという指摘が出ている。これに対し軍関係者は「当時、わが軍は米軍が各種情報資産を通じて把握した関連情報を随時共有した」と伝えた。Dは「北の船が2隻も浮いていたのに位置を知らなかったはずはない」とし「外側から見ると、軍が政治的な判断をするという疑いを持つしかない」と話した。
 しかし国防部は24日、一歩遅れて関連事実を公開し、「見えない遠距離海域で起きたことを、さまざまな情報を総合的に判断して再構成した」とし「北の海域で起きている状況を随時確認して対応することはできないという点を理解してほしい」と説明した。
 24日に軍関係者は記者らに「北が射殺して遺体を燃やすことは予想できなかった」と述べた点も論議を呼んでいる。元情報当局者Bは「北がそこまでするとは考えていなかったという言葉を聞いて衝撃を受けた」とし「民間人でもなく軍人がどうすればそのように話せるのか」と批判した。続いて「軍は過剰と思われるほどの対応準備をするのが常識ではないのか。ねじが緩んでいるということだ」と嘆いた。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200928001200882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.28 10:21
■北朝鮮の射殺事件「南北関係に冷や水」 共同調査の必要強調=韓国首相
【ソウル聯合ニュース】韓国の丁世均(チョン・セギュン)首相は28日、ラジオ番組に出演し、北朝鮮軍が韓国公務員の男性を射殺した事件について、「南北関係に冷や水を浴びせるもの」と指摘し、早期の真相解明を求めた。
 丁氏は青瓦台(大統領府)と政府が27日、北朝鮮に真相解明のための共同調査を提案したことに関しては、「共同で(調査)してこそ双方が納得できるのではないか」として、「共同でできない理由もない」との見解を表明。「軍事通信線をはじめ、南北の意思疎通のチャンネルが再開されることが双方にとって必要」と強調した。
 一方、一部の保守系団体が建国記念日にあたる10月3日の「開天節」に集会を強行する方針を明らかにしたことについては、「集会の自由は憲法の基本権だが、国民の生命と安全より重要ではない」として、「申し訳ないが、その基本権をしばらく留保してほしい」と呼びかけた。
 丁首相は27日に国民向け談話を発表し、新型コロナウイルスを巡る現在の状況を「戦争に準ずる事態」とし、集会に関連する違法行為者は現場で検挙するなど、厳しく対応する方針を明らかにした。
 車に乗ったまま集会に参加する人も処罰の対象にするかどうかに関しては、「(車に乗って)通る過ぎることに対しては何も言えない」とした上で「道路交通法などを犯せば処罰する」と説明。「形態を変えた集会も認めない」と述べた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270662?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.28 09:41
■韓経:<韓国公務員射殺>韓国大統領府、北朝鮮に追加・共同調査を要求
 青瓦台(チョンワデ、大統領府)が27日、小延坪島(ソヨンピョンド)付近の海上で行方不明になった公務員イ氏殺害事件に関連して北朝鮮側に追加・共同調査を求めた。与党でも徹底した真相究明に向けた韓国と北朝鮮の共同調査の必要性を繰り返し強調し、北朝鮮が受け入れるかどうかに注目が集まっている。
 青瓦台はこの日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領主宰の安保関係長官会議を開いて「北朝鮮の迅速な謝罪と再発防止約束を肯定的に評価する」として「南と北がそれぞれ把握した事件の経緯と事実関係に違いがあるので早急な真相究明に向けた共同調査を求める」と明らかにした。
 共同調査を機に南北間疎通ルートの復元に対する意志も表わした。ソ・ジュソク青瓦台国家安保室第1次長はこの日、記者会見で「南北間疎通と協議、情報交換のために軍事通信線の復旧と再稼働を求める」と強調した。
 遺体の収拾が最優先だとして北朝鮮とともに中国にも協力を呼びかけた。ソ次長は「北方限界線(NLL)付近の海域で操業中である中国漁船もあるので中国当局と中国漁船にも遺体と遺留品の収拾に協力することを求める」と話した。
 与党要人も先を争って共同調査の必要性を強調している。共に民主党の李洛淵(イ・ナギョン)代表はこの日、SNSに文章を投稿して「南北が共同で調査しようという韓国政府の提案を北朝鮮が迅速に受け入れることを促す」と明らかにした。
 だが、ほとんどの専門家は追加調査と前例のない南北共同調査いずれも簡単ではないと分析した。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)防疫を最優先にしている北朝鮮で韓国要人と接触できる調査に応じる可能性が大きくないためだ。また、北朝鮮はその間共同調査の要請に応じたことがない。2008年7月金剛山(クムガンサン)でパク・ワンジャ氏殺害事件が発生した時も政府は北朝鮮に現場訪問を許容することを求めたが拒否された。
 この日、国会のレベルで対北朝鮮糾弾決議案を採択する方針は与野党院内代表間会合が反故になって白紙化した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270655?servcode=200&sectcode=200
「中央日報日本語版」2020.09.28 08:30
■「大統領はどこにいるのか」…野党、「文大統領の10時間」で攻勢

【写真】北朝鮮軍が西海(ソヘ、黄海)で行方不明になった公務員を射殺した事件をめぐり、野党・国民の力は27日、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の前で文在寅(ムン・ジェイン)大統領の釈明を求めるリレー1人デモを行った。金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長(左)がデモにする朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表と対話している。 オ・ジョンテク記者

「大韓民国の大統領を捜しています」「文在寅(ムン・ジェイン)大統領、今どこにいるのですか」。
 韓国海洋水産部の公務員イさん(47)が北朝鮮軍に銃殺された事件に関連して27日、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)噴水台の前でリレー1人デモを続けた韓国野党・国民の力の議員はこのよう書かれたカードを掲げた。8時間ほど行われたこの日のデモには、院内首席副代表の金成願(キム・ソンウォン)議員をはじめ、郭尚道(クァク・サンド)議員、全珠恵(チョン・ジュヘ)議員、ペ・ヒョンジン議員、朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表が順に参加した。
 国民の力の議員らは「国民の生命を守るのが国家の基本だが、大統領はどこで何をしていたのか」とし「我々の国民を救うこともできたはずだが、そうできなかったことについて、青瓦台の明確な釈明がなければいけない」と主張した。野党は特に今回の対応の過程で文大統領の姿が見えなかったとし「大統領の不在と沈黙」を問いただしている。

(1)射殺情報入手前の4時間は何をしていたのか 
 争点に浮上したのは、文大統領が最初の報告(22日午後6時36分)を受けた後、正式報告(23日午前8時30分)を受けるまで何をしていたかだ。大統領への書面報告後にイさんが死亡したことが把握され、青瓦台の対応が適切だったかどうかが論議を呼ぶ可能性があるからだ。
 まず野党は、イさんが射殺されたという機密情報を入手する直前の4時間の青瓦台の対応を問題視している。青瓦台の発表によると、文大統領は22日午後6時36分に書面報告を受けた。「イさんが行方不明になり、北側が海上でイさんを発見した」という内容だった。イさんはそれから3時間後の22日午後9時40分ごろ北朝鮮軍によって射殺された。イさんが射殺されたという情報が青瓦台に入ってきたのは50分ほど過ぎたこの日午後10時30分ごろだ。
 国民の力の尹喜淑(ユン・ヒスク)議員は27日、フェイスブックで「行方不明になった国民が北の軍に発見されたという報告を受けてから銃殺されるまでの3時間に大統領は何を指示したのか。国民の保護に動かないとは本当に国なのか」とコメントした。青瓦台からは「政府と軍は状況把握のため情報チャンネルをフル稼働していた」という程度の反論が出ている。

(2)銃殺情報後の「大統領の10時間」
 22日午後10時30分に銃殺されたという情報を入手した後の「文大統領の10時間」も論議を呼んでいる点だ。情報を入手してから2時間30分後の23日午前1時、青瓦台では徐薫(ソ・フン)国家安保室長と盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長の主宰で長官級5人が出席した関係長官会議が開かれた。1時間30分ほど行われたこの会議で、政府はイさんが死亡したという暫定結論を出した。
 しかし文大統領は会議終了から6時間ほど経過した午前8時30分に関連内容の報告を受け、さらに会議が開かれたことも知らなかったと、青瓦台は説明した。
 李仁栄(イ・インヨン)統一部長官は25日、国会外交統一委員会で「夜中に会議を開き、整理する時間を経て、大統領に報告が入ったと判断した」と述べた。
 しかし野党からは「国民が北の軍の銃で死亡したという内容が、一夜が過ぎて報告されることなのか」(趙太庸・国民の力議員)という指摘が出ている。また、文大統領が最初の報告(22日午後6時36分)を受けて公式メッセージ(24日午後5時15分)を出すまでの47時間について、「分・秒単位で日程を明らかにすべきだ」(金鍾仁・国民の力非常対策委員長)と圧力を加えている。国民の力の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官は「『大統領の24時間は国民が知るべき公共財』というのが第19代大統領選挙の文在寅候補の公約だった」と指摘した。
 青瓦台は「イさんが射殺されたという情報は文大統領に直ちに報告できる水準の情報ではなかった」という立場だ。しかし文大統領の細部日程公開要求には特に反応を見せていない。

(3)親書を交わしながら救助要請はなぜできなかったのか
 青瓦台関係者は24日、今回の事件の事実関係の把握が遅れた理由について「南北間ホットラインが断たれている」と説明した。ところが青瓦台が最近交わした首脳間の親書を公開したことを受け、「親書は交わしながらなぜ人命救助には活用しなかったか」という指摘が出ている。
 国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)議員は「金正恩(キム・ジョンウン)委員長の親書を見ると、当時は北と意思疎通する窓口があった。連絡手段がなく北側に知らせることができなかったという政府の国会報告は嘘」とし「国民の生命を助けるために活用可能な手段を全く使わなかった」と指摘した。

(4)北の通知文に啓蒙君主vs居直り
 金正恩国務委員長の「申し訳ない」という発言が伝えられた北朝鮮の25日の通知文に対する与党側の反応を、野党は強く批判している。与党からは「申し訳ないという表現を2度も使うのは極めて異例」(李仁栄統一部長官)、「氷の塊の下でも川の水が流れるように、厳しい状況でも変化を感じる」(李洛淵民主党代表)、「(金委員長が)私の印象では啓蒙君主のようだ」(柳時敏・盧武鉉財団理事長)などの反応が出てきた。
 国民の力は27日、「(北側の)紙1枚の謝罪に感泣し、国民の生命を紙1枚より軽く考えている。国民のプライドは紙切れのようにくちゃくちゃになっている」(金起ヒョン議員)、「公開的な席で抗議を一度もしない大韓民国の大統領はおかしく見え、人を殺しておきながらも加害者が大きな声を出すあきれる状況」(金根植党協委員長)などと批判した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270654?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.28 08:06
■韓国大統領府、襲撃前にやりとりした親書公開…南北対話修復向けの布石?

【写真】青瓦台の徐薫(ソ・フン)安保室長が25日午後、青瓦台春秋館の大ブリーフィングルームで南北首脳間の親書に関するブリーフィングをしている。 青瓦台写真記者団

 徐薫(ソ・フン)青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室長は25日午後、メディア向けの記者会見を2回も行った。午後2時に開かれた1回目の記者会見では北朝鮮の統一戦線部が海洋水産部公務員イ氏(47)の射殺事件に関連して送ってきた通知文の内容を紹介し、午後4時2回目の記者会見では文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示にしたがって南北首脳がやりとりした親書の内容を公開した。「北朝鮮の通知文公開以降、南北首脳間の親書交換問題に対する国民の関心が高まっている」という理由だ。
 だが、該当親書はイ氏射殺事件が発生する前に交換したもので、事件の本質とは関係がない。また、北朝鮮の蛮行によって韓国の世論も悪化していた。それでも親書を公開した背景をめぐり、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の予想外に早い謝罪を肯定的に受け止めた青瓦台が南北最高位級の疎通は円滑に行われているということを強調し、今回の事件をか対話修復のきっかけにしようとするのではないかという見方がある。実際、27日、青瓦台は「北側の迅速な謝罪と再発防止の約束を肯定的に評価する」として北朝鮮に共同調査を求めた。このため、北朝鮮が一方的に切ってしまった軍事通信線の復旧も提案した。
 これに先立ち、李仁栄(イ・イニョン)統一部長官も25日、国会外交統一委員会で「南北間に対話と接触が行われれば、再発防止に向けた具体的な措置を協議できるだろう」と話した。27日には 李洛淵(イ・ナギョン)代表がフェイスブックの文章を通じて「諸般問題を南北が共同で調査しようという韓国政府の提案を北側が迅速に受け入れることを促す」と書くなど、党・政府・青瓦台が口をそろえている。
 それは、米国大統領選(11月3日)前の平和のイベントが劇的に実現できる「オクトーバーサプライズ」への依然とした期待が隠れているという分析だ。金鉉宗(キム・ヒョンジョン)青瓦台国家安保室第2次長の訪米(16~20日)-文大統領の「条件のない終戦宣言」国連演説(15日録画、18日国連送付、23日放映)-李度勲(イ・ドフン)外交部韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長の訪米(27~30日)などにつながる忙しい程度もこれを念頭に置いたものなのかもしれない。
 これを受け、ある消息筋は「金次長の訪米は文大統領の国連テレビ演説のスケジュールに合わせて行われた」とし、「北朝鮮に向かった北東アジアの防疫協力体の構成および非核化の条件が抜けた終戦宣言提案について米側に説明した」と伝えた。
 実際、わずか1週間置きで米国を訪問した金次長と李本部長の面談相手はかなり重なる。マット・ポッティンジャー米NSC副補佐官、スティーブン・ビーガン米国務副長官など米行政府の韓半島(朝鮮半島)ラインだ。それでも韓国の次官級と次官補級が相次ぎ動いたのはそれだけ対米説得に集中しているという傍証でもある。
 10月初め、マイク・ポンペオ米国務長官の訪韓も政府が期待するイベントだ。ポンペオ長官は米朝間高官級交渉で事実上首席代表の役割を果たしてきたためだ。李本部長の訪米はポンペオ長官の訪韓の際、韓米が口をそろえて条件のない終戦宣言をプレゼントとして差し出して北朝鮮の交渉復帰を促すための地ならしの側面もあるわけだ。
 だが、政府の努力が成果を上げるかは未知数だ。魏聖洛(ウィ・ソンラク)元駐ロシア大使は「青瓦台と政府は金委員長の謝罪を機に事態を早期に収拾して対話を回復したいと思うはずだが、北朝鮮は米大統領選挙以来決まったタイムテーブル通りに動くだろう」とし、「米国も直ちに非核化のない無条件の終戦宣言のカードを受け入れることが難しい状況」と指摘した。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37877.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-28 08:25
■全面に出た文大統領…「真相究明への協力」で突破口を模索
 南北共同調査要請の背景
 
 行方不明の公務員の死亡から4日後に 
 緊急安保長官会議を主宰 
 悪化した世論を考慮した「政治的賭け」 
 大統領府「北朝鮮が拒否する理由はないと思う」 
 共同調査団の構成は要求せず

【写真】ソ・ジュソク大統領府国家安保室1次長が今月27日午後、大統領主宰の緊急安保関係長官会議関連のブリーフィングのため、大統領府春秋館大ブリーフィングルームに入場している/聯合ニュース

 ついに文在寅(ムン・ジェイン)大統領が前面に乗り出した。大統領府は27日、漁業指導員の銃撃死亡事件に対する共同調査を北朝鮮に公式要請すると共に、このような決定が下された会議の主宰者が文在寅大統領であることを明らかにした。野党が事件直後、大統領府の状況判断と意思決定の過程を執拗に問題視し、「大統領も行方不明」とまで言及したことを受け、これ以上舞台裏にとどまるわけにはいかないと判断したもようだ。大統領府は、大統領まで直接乗り出した共同調査の要求を北朝鮮が簡単には拒否できないと見ている。
 文大統領は同日午後3時から4時30分まで、ソ・ウク国防部長官やパク・チウォン国家情報院長らが出席した緊急安保関係長官会議を招集した。同会議は行方不明の公務員が北朝鮮海域で銃撃を受けて死亡してから4日後に行われた。文大統領主宰の会議後に出されたメッセージは、今月25日に北朝鮮統一戦線部を通じて出された金正恩(キム・ジョンウン)国防委員長のメッセージに対する返信の性格が強い。ソ・ジュソク国家安保室1次長(国家安全保障会議事務処長)はブリーフィングで、「北朝鮮の迅速な謝罪と再発防止の約束を肯定的に評価する」と述べた。金正恩委員長の謝罪発言が含まれた統一戦線部の通知文に対する大統領府の最初の公式反応と言える。
 メッセージの主な要求事項は「共同調査」だ。大統領府と韓国政府に対する不信感の高まりと悪化した対北朝鮮感情を考慮した決定だ。その一方、「共同調査団の設置」を求めるなど、調査そのものを催促するような要求はしなかった。南北がそれぞれの水域で遺体の捜索を行い、捜索状況と調査結果については軍通信線を復旧して情報を交換しようと提案したのだ。
 文大統領は同日の会議でも野党と保守陣営が「大統領の対応」を問題視したことについてもどかしさを訴えたという。実際、23日午前1時に行方不明の公務員と関連し緊急関係長官会議を開いたのに、文大統領には翌日午前8時30分に対面報告したことが物議をかもした。これをめぐり野党と保守陣営は、2014年のセウォル号惨事事件直後、朴槿恵(パク・クネ)大統領の“空白の7時間”になぞらえ、文大統領を攻撃した。
 結果的に大統領府は同日、“政治的賭け”に出た格好だ。最高統治者が北朝鮮に共同調査とそのための軍事通信線の復旧を要請したので、北朝鮮がこれを拒否した場合、政治的打撃が少なくないからだ。北朝鮮との事前の合意はなくとも、独自の検討の結果、北朝鮮がこれを受け入れる可能性が高いと判断した可能性もある。大統領府の関係者は「金委員長が直接申し訳ないと公式謝罪したのに、真相究明のための共同調査の要請を受け入れない理由はないだろう」と楽観的な見通しを示した。しかし、共同調査が行われても、各自が調査した内容を書面や通信でやり取りする程度に止まることも考えられる。
 これに先立ち、金委員長は大統領府あてに送った労働党中央委員会統一戦線部名義の通知文で、「文在寅大統領と南の同胞たちに大きな失望感を与えたことについて、非常に申し訳なく思う」としたうえで、「このような不祥事が再発しないよう海上警戒監視と勤務を強化し、取り締まりの過程に些細なミスや大きな誤解を招くようなことがないよう、今後、海上での取締りの取扱全過程を収録する体系を立てるよう指示した」ことを明らかにした。
ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/963841.html?_fr=st1
韓国語原文入力:2020-09-27 21:43


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37876.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-28 08:14
■北朝鮮「遺体発見すれば引き渡す」…韓国政府、共同調査を要請
 文大統領、緊急安全保障会議を主宰 
 「南北軍事通信線の復旧・再稼働を」 
 北朝鮮「西南海上で捜索」 
 「南側は領海侵犯するな」と警告も 
 国防部「正常な捜索活動」と反論

【写真】西海の小延坪島海上で行方不明になった公務員が北朝鮮で銃殺された事件に関して、北朝鮮の金正恩国務委員長が韓国側に公式謝罪してから2日経った27日早朝、北朝鮮側の登山岬が見える延坪島沖合で韓国軍の海兵隊員たちが海上偵察をしている/聯合ニュース

 延坪島(ヨンピョンド)付近で行方不明になった海洋水産部所属の漁業指導員が北朝鮮軍によって射殺された事件と関連し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が27日午後「緊急安保関係長官会議」を主宰し、北朝鮮側に「早急な真相究明に向けた共同調査を要請」することに決定したと、ソ・ジュソク国家安全保障会議(NSC)事務処長(国家安保室1次長)が発表した。北朝鮮側は同日早朝、北側水域で遺体を発見すれば韓国側に引き渡す意思を明らかにした。
 ソ・ジュソク事務処長は大統領主宰会議の“決定事項”を発表する記者会見で「北朝鮮側の迅速な謝罪と再発防止約束を肯定的に評価する」としながらも、「南北がそれぞれ把握した事件の経緯と事実関係に食い違いがある」とし、「共同調査の要請」を公式化した。
 大統領府は「南北がそれぞれ発表した調査結果にこだわらず、開かれた姿勢で事実関係を明らかにすることを望む」とし、「このための疎通や協議、情報交換のための軍事通信線の復旧と再稼働」を要請した。またソ処長は「遺体と遺留品の収集は事実究明のためにも、遺族に対する人道主義的配慮のためにも、最優先的に努力を傾けなければならない」とし、「南北がそれぞれの海域で捜索に全力をつくし、必要な情報を交換することで協力していくことを望んでいる」と述べた。
 大統領主宰の会議で「共同調査」を公式要請することを決定したものの、南北それぞれの海域で捜索→軍通信線の復元・再稼働→(南北協議を経た)共同調査の手順を北朝鮮側に公式に提案したわけだ。
 これに先立ち、北朝鮮側は同日早朝、「朝鮮中央通信」の“報道”として、「我々は西南海上と西部海岸の全地域で捜索を組織し、遺体を拾得した場合、慣例通り南側に引き渡す手続きと方法まで考えている」と明らかにした。北朝鮮側は「最高指導部の意思を尊重し、北と南の信頼と尊重の関係がいかなる場合でも損なわれることが二度と発生しないよう、必要な安全対策を補強した」と説明した。
 ただし、北朝鮮側は「南朝鮮当局に警告する」という見出しの同“報道”で、「我が海軍西海艦隊の報告によると、南側では25日から数多くの艦艇、その他の船舶を捜索作戦と推定される行動に動員させ、我が水域を侵犯している」とし、「南側の行動はまた他の不始末を予告させる」と指摘した。さらに「領海侵犯は絶対に看過できず、厳重に警告する」とし、「新たな緊張を誘発しかねない西海海上軍事境界線の無断侵犯行為を直ちに中止するよう」求めた。
 韓国軍の関係者は「今回の事件と関連し、海上捜索活動を正常に行っており、これからもそうする」とし、「我々がわざと偶発的な状況を作る理由はない」と述べた。同関係者は「現在、北方限界線(NLL)付近で中国漁船など数十隻が操業活動中」だとし、「それを統制する活動も一緒に行っている」と付け加えた。これと関連し、ソ・ジュソク処長は「中国当局と中国漁船に遺体と遺留品の収拾に協力するよう要請する」と述べた。
 停戦協定により「軍事境界線」が引かれた陸地とは異なり、海では停戦協定と国際法により認められ、南北が公式に合意した「海上境界線」が確定されておらず、南北間の対立と衝突が繰り返されてきた。今回の事件が南北関係のアキレス腱である西海(黄海)海上境界線の対立と衝突につながることがないよう、南北当局ともに状況管理に力を入れるべきという指摘が多い。
イ・ジェフン、キム・ジウン、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/963833.html
韓国語原文入力:2020-09-27 20:31


「The Hankyoreh 」  2020-09-28 07:07
■死亡した漁業指導員の遺族、「越北を試みた」との推定に「納得できない」
 遺族、韓国軍の「越北断定」に憤り 
 「国民を守れなかった軍の推定に過ぎず 
 行方不明前後の状況の真相を明らかにせよ」 
 当時の状況の公開がカギ 
 海洋警察、ノートパソコンを分析し、軍に資料を要請 
 「北朝鮮の交信内容傍受」は非公開が慣例 

【写真】北朝鮮の銃撃で死亡した海洋水産部公務員の実兄、イ・レジン氏が今月26日、国会で「国民の力」のキム・ジョンイン非常対策委員長との面会後に行われたインタビューで心境を語っている/聯合ニュース

 韓国軍は北朝鮮で殺害された海洋水産部所属の漁業指導員が越北を試みたものと推定されると発表したが、事件の真相をめぐり議論が続いている。特に、遺族は行方不明者を救える“ゴールデンタイム”を逃した軍当局が、事態の責任を免れるため、越北者と断定したと主張している。
 北朝鮮側の銃撃で死亡した公務員の実兄、イ・レジン氏(55)は27日、ハンギョレとの電話インタビューで「弟が南側の海にいたその長い間、一体軍は何をしていたのか」とし、「国民を守ることができなかった軍当局が弟を越北者と推定している」と話した。イ氏は前日、最大野党「国民の力」のキム・ジョンイン非常対策委員長との面会でも、弟の無念を訴えたという。イ氏は弟が行方不明になっていた今月21日から22日にかけて、軍当局がどのような報告体系を通じて捜索活動を決めたのか、真相の公開を求めている。
 イ氏側は特に、軍当局が越北の根拠として提示した情況を信頼できないと主張した。軍当局は、死亡した公務員が救命胴衣を着用しており、浮遊物を使って長時間海に浮かんでいた点、船にスリッパを残した点などを挙げ、越北と推定されると発表した。これに対しイ氏は「セウォル号事件以降、船内で救命胴衣を着ることが義務付けられた。船で生活してきた公務員が救命胴衣を着ていたことがどうして越北の証拠になるのか」とし、「借金が数千万ウォン(数百万円)程度で、未成年の2人の子どもを置いて、越北を選択したはずがない」と話した。
 死亡した公務員A氏の同僚らも、普段A氏が北朝鮮について話したり、極端なことを試みるようなそぶりは見せなかったと、海洋警察に供述したという。A氏の失踪経緯などを調べている海洋警察は、漁業指導船にいたA氏のノートパソコンや所持品などを分析している。また海洋警察は国防部に越北と判断した根拠資料の提供も要請した。
 結果的に、越北の試みをめぐる議論は、死亡した公務員が北朝鮮側に越北の意思を表明したという情況が公開されるまで続くものとみられる。軍当局は「死亡した公務員が北朝鮮側に発見された当時、越北の意思を表明した(ことを裏付ける)情報がある」とし、これを越北と推定した有力な根拠としてきた。問題は、その情報がかなり敏感な類のものであることだ。軍が確保した情報は北朝鮮海軍の交信内容を傍受したものと推定されるが、軍事・外交上の理由から傍受の事実を公式化することはタブー視される。犠牲者の実兄のイ氏は同日、「北朝鮮が送ってきた通知文によると、弟は越北者ではなく侵入者だと説明している。軍当局が責任を逃れるために亡くなった弟の名誉を傷つけているわけではないなら、突然家族を失った遺族が納得できるように行方不明の経緯を詳しく説明してほしい」と訴えた。
ノ・ヒョンウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/963825.html
韓国語原文入力:2020-09-27 22:4


https://japanese.joins.com/JArticle/270639?servcode=A00&sectcode=A00
「中央日報日本語版」 2020.09.26 13:44
■国連事務総長「民間人の命が失われた事件は遺憾…透明な調査を要求」
 国連のグテレス事務総長が、北朝鮮軍による韓国公務員殺害事件に関連し透明な調査を促したと、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送が26日報じた。
 グテレス事務総長の報道官室は前日、VOAに送ったメールで、「事務総長は朝鮮半島海域で韓国の民間人が(北朝鮮によって)命を失った事件に遺憾を表し、透明な真相調査を促した」と明らかにした。
 続いて「事務総長は境界地域の緊張を緩和して信頼を築くために、2018年(9・19)平壌(ピョンヤン)共同宣言と南北軍事合意の精神に戻るべきだと要請した」とし「改めて南北間対話の再開に対する支持を表した」と伝えた。
 これに先立ち北朝鮮は25日、統一戦線部名義の通知文で、西海(ソヘ、黄海)上で韓国の公務員を射殺した事実を認めた。しかし北朝鮮側が伝えた事件の経緯は、韓国軍と情報当局の説明と比較して遺体の焼却、射撃時間、「越北」意図などで異なる点があり、論議を呼んでいる。
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「「慰安婦」被害者支援、正義連ではなく政府が直接することに」

2020年09月27日 | 日本軍隊性奴隷
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37865.html
「The Hankyoreh」  2020-09-25 20:28
■「慰安婦」被害者支援、正義連ではなく政府が直接することに
 下半期補助金2億ウォンは予定通り支給

【写真】5月15日午後、ソウル市麻浦区の正義記憶連帯事務室の前に出入りを統制するポリスラインが設置されている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 女性家族部が正義記憶連帯(正義連)に民間委託した日本軍「慰安婦」被害者支援事業を、国家主導に改編することにした。ただし法律検討の結果、今年下半期の2億ウォン(約1800万円)の補助金は予定通り正義連に支給する計画だ。
 女性家族部のファン・ユンジョン権益増進局長は25日「安定的で信頼性のある日本軍被害者支援事業推進のために、民間中心の事業遂行体系を来年からは政府中心に全面改編する」と明らかにした。女性家族部は、被害者に対しオーダーメード型の医療・住居・日常生活支援業務を遂行する人材として4人程度置くことを検討中だ。これとは別に、地域別専門担当公務員を指定し、定期的に被害者を訪問する個人事例管理も実施すると明らかにした。
 ファン局長は「(被害者が)何人も残っていないため、(民間委託でなく)政府主導で支援して、保護を強化すべきという国会や専門家の意見を受け入れた」として、各種事業を「直接遂行したり、地方自治体を通じて遂行方法など具体的な方案はさらに検討が必要だ」と説明した。
 正義連に対し今年下半期に交付予定だった補助金約2億600万ウォンは、予定通り支給される。これは検察によりユン・ミヒャン議員と韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の職員が共謀して2014年から今年4月までに6250万ウォンの補助金を不正受領したと判断され裁判に付されたが、正義連の不正受領などに対する疑惑は不起訴処分になった点が考慮された。
 ファン局長は「今年の健康治療およびオーダーメード型支援事業は、検察の起訴内容に含まれなかった事業」とし、「多角的な法律検討の結果、補助金管理法上の補助金交付決定取消要件に該当しないため事業の取り消しは困難との結論が出た」と話した。ファン局長は「被害者の生活の安定のためには、正義連の残余事業を遂行することが避けられない」という話も付け加えた。
 代わりに女性家族部は正義連に対し、「健康治療およびオーダーメード型支援事業管理タスクフォース(TF)」を構成させる方針だ。また、下半期の補助金を一度に交付せず、前月の使用内訳を検討した後に適切ならば1カ月分ずつ追加する分割交付を実施すると明らかにした。タスクフォースの公務員と被害者間に常時連絡体系を構築し、不安を減じる計画でもある。裁判に付された挺対協に対しては、釈明を要請し、補助金交付の取消方案を検討している。
チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/women/963680.html
韓国語原文入力:2020-09-25 16:39


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925003100882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 16:30
■韓国政府 慰安婦団体の支援事業を直接管理へ=補助金不正疑惑受け
【ソウル聯合ニュース】韓国女性家族部は25日、旧日本軍の慰安婦被害者支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」と同団体前理事長で与党「共に民主党」国会議員の尹美香(ユン・ミヒャン)氏が国の補助金を不正受給した疑惑が持ち上がっていることに関連し、来年からは同部が支援事業を直接管理する方式に全面改編すると発表した。

【写真】慰安婦被害者の支援事業について発表する女性家族部の担当局長=25日、ソウル(聯合ニュース)
【写真】慰安婦被害者の吉元玉(キル・ウォノク)さん(左)と尹美香氏(正義連のホームページより)=(聯合ニュース)

 女性家族部が慰安婦被害者の医療、住居、日常生活に必要な支援を確認し、個別に提供する予定だ。
 このため、各地域で担当公務員を指定し、被害者を定期的に訪問することを決めた。
 ただ、検察の捜査の結果、正義連については今年分の補助金の不正受給や不正会計の証拠が見つからなかったため、今年下半期分の補助金約2億ウォン(約1800万円)を給付して予定されている残りの事業を任せる。
 女性家族部は「多角的に法律を検討した結果、補助金管理法における補助金交付決定取り消し事由に該当せず、事業中止は難しいとの結論が出た」と説明。被害者の生活安定のため、正義連が10~12月の事業を実施するのはやむを得ないとした。
 これに先立ち、検察は正義連の前身の「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の職員と共謀し、2014年から今年4月まで補助金6250万ウォンを不正に受け取った罪などで尹氏を在宅起訴した。
 一方、尹氏が理事長を務めた正義連の補助金不正受領などの容疑については不起訴処分とした。
 女性家族部は、正義連の今年分の補助金を全額支給する代わりにタスクフォース(TF、作業部会)を編成し、徹底的に管理する。
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「韓国大統領府 北朝鮮に追加調査要求へ=射殺事件」

2020年09月26日 | 北部朝鮮
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200926000100882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.26 11:23
■韓国大統領府 北朝鮮に追加調査要求へ=射殺事件
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮に近い海域で漁業指導船から行方不明となっていた韓国公務員の男性を北朝鮮軍が射殺した事件で、韓国青瓦台(大統領府)は26日、北朝鮮に追加の調査を求めるとの立場を表明した。必要なら合同調査も求めるという。
 前日に開かれた国家安全保障会議(NSC)で同方針を決めた。北朝鮮が発表した事件の経緯と韓国側が把握している情報に異なる内容があるため、事実関係を究明する考えだ。韓国の軍当局は北朝鮮側が男性を射殺後、油をまいて燃やしたとみられると説明しているが、北朝鮮をこれを否定している。
 韓国軍当局などによると、男性は22日に北朝鮮側の海上で射殺された。
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日、「いかなる理由であれ容認できない」と非難し、北朝鮮に責任ある説明と措置を求めていた。
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は25日、「文大統領と南の同胞(韓国国民)を大きく失望させたことに対し、非常に申し訳なく思う」とする通知文を送り、韓国に謝罪をした。北朝鮮最高指導者の謝罪は極めて異例だ。


https://japanese.joins.com/JArticle/270633?servcode=500&sectcode=510
「韓国経済新聞/中央日報日本語版」 2020.09.26 10:45
■韓国軍「銃撃後に燃やした」vs北朝鮮「遺体でなく浮遊物を焼却」
 「謝罪はするが、蛮行ではない」。
 北朝鮮が25日に労働党統一戦線部の名義で送った通知文の内容を一言で要約するとこうだ。韓国海洋水産部の公務員イさん(47)に銃撃を加えて死亡させたことについては、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が自ら謝罪した。しかし北側が付け加えた事件の経過は韓国軍の説明とは多くの側面で差がある。越北の意思まで表した非武装民間人を上部の命令で射殺して燃やしたというのは事実でないというのが、北側の主張だ。検問に応じない「侵入者」を現場の判断で射殺したということだ。双方の主張が正面から対立するのは大きく4つの部分でだ。

(1)「遺体は焼却していない」
 韓国政府は、北朝鮮軍が海上でイさんに銃撃を加え、油をかけて燃やしたと把握している。「反倫理的な蛮行」という批判をあふれた決定的な部分だ。
 一方、北朝鮮はこの日、「約10発の銃撃を加えた後、10メートルほどの距離まで近づいて捜索したが、正体不明の侵入者はいなかった」とし「多くの血痕があり、射殺されたと判断し、国家非常防疫レベルで焼却した」と主張した。銃撃を加えたが、遺体は見つからず、防疫レベルで海上浮遊物に火をつけ、遺体の焼却ではないという立場だ。

(2)異なる射撃時間
 北朝鮮は22日晩、登山串(トゥンサンゴッ)近隣でイさんを射殺したと明らかにした。操業中だった漁船がイさんを発見し、通報を受けた北朝鮮軍が出動して空砲弾を撃つと逃げようとしたため、射撃したという主張だ。瞬間的、偶発的に起きた事件という説明だ。
 しかしこれは22日午後3時30分にイさんを発見した北朝鮮軍が防毒マスクを着用したまま接近し、6時間後のこの日午後9時40分に上部の指示で射撃して死亡させた後、40分間ほど燃やしたという政府の発表に反する。

(3)取り調べ後に処刑vs拒否して逃走
 軍当局はイさんが北朝鮮軍に発見された後、海上で取り調べを受けたと把握している。政府関係者は「通常、海上に浮いている人を発見すれば船に乗せたり陸地に移してから取り調べをするのが慣例」とし「北は当日、イさんを発見した後、陸地に入れず逃げられないようロープで身体の一部を縛った後、海上で取り調べを行ったと理解している」と話した。
 一方、北朝鮮は「イさんが身元を確認する過程で1、2回ほど大韓民国の誰々とあいまいに答えた後、返答しなかった」と逃走を図った点を強調した。「命令に無言で応じず、空砲弾2発を撃つと驚いてうつ伏せになり、逃走しそうな状況になった。(イさんが乗っていた浮遊物を)ひっくり返しながら体に何かをかぶろうとする姿もあった」というのが北側の主張だ。取り調べ自体が行われなかったということだ。

(4)越北の意思はあったのか
 イさんが北朝鮮軍に発見された直後、越北の意思を明らかにしたかどうかについても南北の主張は分かれた。軍当局は「北の軍が失踪者の漂流の経緯を確認し、越北の陳述を聞いたとみられる」と明らかにした。イさんが海上での取り調べ過程で北に行きたいという意思を明らかにした状況があったということだ。しかし北朝鮮はこの日の通知文で「越北」の意思表明に言及しなかった。

 建国大統一人文学研究団のチョン・ヨンソ教授は「北の最高指導者が文書に『申し訳ない』という表現を入れたのは極めて異例」とし「国際社会の非難が激しくなり、急いで事態の収拾に動いたとみられる」と分析した。
 軍の内外では海上漂流者はひとまず引き上げて応急措置を取った後、身元確認手続きを踏むのが普遍的・人道的な慣例だが、北朝鮮はこうした基本措置を取らなかったという批判も提起される。さらに海上で30時間近く漂流して体力が消耗していたイさんが広い海で逃走するのは不可能だったというのが、専門家らの見方だ。


https://japanese.joins.com/JArticle/270632?servcode=200&sectcode=230
「韓国経済新聞/中央日報日本語版」 2020.09.26 09:46
■国民が射殺・遺体毀損されたが…北の謝罪で雰囲気が変わった韓国与党

【写真】青瓦台の徐薫(ソ・フン)安保室長が25日午後、青瓦台春秋館の大ブリーフィングルームで南北首脳間の親書に関するブリーフィングをしている。 青瓦台写真記者団

 北朝鮮軍が海洋水産部の公務員イさん(47)を射殺して遺体を毀損したことで危機状況を直感した韓国与党・共に民主党の25日の表情は、午前と午後で大きく変わった。
 午前には一斉に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と国防部に対する護衛モードに入った。国会国防委員長の閔洪チョル(ミン・ホンチョル)民主党議員は午前、ラジオ番組に出演し、「北方限界線(NLL)北側の水域で起きたことだ。事実を確証するまで非常に難しく、米軍と協力もしなければならず(救出に動けないまま)時間がかかったようだ」と述べた。国防委員会の与党幹事の黄熙(ファン・ヒ)議員もこの日、ラジオ番組で「このようになることは全く予想できなかったようだ。CCTVを見るようにずっと見守っている状況ではなかった」と軍をかばった。共に民主党は「NLLの北側、我々の領域外で起きたことであり(国防部は)どうすることもできない。同じように対応して小銃射撃をするのか、砲撃するのか、そのようには決してできない」(ソル・フン議員)という主張も提起された。
 民主党のこうした護衛モードは、この日午後2時に青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の徐薫(ソ・フン)安保室長が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の謝罪を公開したことで安堵に変わった。政府・与党ともに一斉に「鼓舞的」などの表現を使いながら口を開いた。
 李仁栄(イ・インヨン)統一部長官はこの日、国会外交統一委員会の懸案質疑で「速かに申し訳ないという表現を2度も使いながら北の立場を発表したことは過去になかったと理解している」と評価した。民主党所属の全海チョル(チョン・ヘチョル)国会情報委員長は「表現の程度や叙述の方法を見ると極めて異例であり、率直に謝罪したのではないかと判断している。軽く見ることではなく大きな意味を持つ」と話した。青瓦台は、「慣例や相手に対する礼儀のため親書の内容を公開しない」(康京和外交部長官)という原則にもかかわらず、この日午後4時、両首脳が今月初めに交わした親書の内容を公開し、こうした雰囲気を維持した。文大統領は特に親書で「国務委員長の生命尊重に対する強い意志に敬意を表する」と書いていた。
 これに対し野党は「あり得ない」と批判した。国民の力のユン・ヒソク報道官はこの日、論評で「安全保障の第一線となるべき国家安保室長が北側の通知文を代わりに読むだけでなく親書まで公開した」とし「国民的な怒りと遺族の悲しみを考えればあり得ないことだ」と批判した。続いて「たかが親書1枚に書かれた、耳がくすぐったくなるいくつかの言葉に引かれ、国民の高貴な生命を守れなかったことを自ら認めた」と付け加えた。
 陳重権(チン・ジュングォン)元東洋大教授は「金正恩委員長の謝罪が出ると、口をそろえて『禍を転じて福と為す』と叫ぶ。国民1人が北の非人道的な措置で殺害された不幸な『禍』が、金正恩委員長の謝罪で突然『福』になってしまった」とし「国民の生命より南北関係が上位にあるという話であり、セウォル号当時の朴槿恵(パク・クネ)政権の人たちと何が違うのか…」とコメントした。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37871.html
「The Hankyoreh 」 2020-09-26 10:21
■大統領府、南北首脳間の親書を公開…「意図せぬ惨事」強調を意図
 南北関係改善の意思を込めた親書の内容を電撃公開

【写真】ソ・フン大統領府国家安保室長が25日午後、大統領府春秋館の大ブリーフィングルームで、南北懸案に関するブリーフィングを行っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領府が25日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態に関して交わした親書の内容を急きょ公開した。大統領府が異例にも外交的な「タブー」に近い首脳間親書の公開にまで乗り出したのは、漁業指導員銃殺事件で激昂した世論をなだめ、状況悪化を防ごうとする狙いがある。野党が「政府無対応」を攻勢ポイントとし「大統領の沈黙」を政治争点化する状況を遮断するという意図もうかがえる。親書は、北朝鮮統一戦線部が国家情報院(国情院)に渡したという。北朝鮮が開城連絡事務所爆破を前後して南北間ホットラインをすべて断ったと明らかにした状況でも、「統一戦線部-国情院」ラインは生かしておいたということだ。
 ソ・フン大統領府国家安保室長はこの日のブリーフィングで「文在寅大統領が、最近交わした親書の内容もありのまま国民にお知らせするように指示した」とし、8日に文大統領が金委員長に送った親書の全文と12日に受けとった返信を公開した。ソ室長は午後2時、北朝鮮の通知文記者会見を行った後、2時間後に再び記者室を訪れ、全文を読み終えた。大統領府は当初、親書の内容を27日頃に公開しようとしたが、時期を繰り上げてこの日全文を公開した。今回の事件が、南北首脳が関係を模索する大きな流れの中で意図せず起こったことという点を浮き彫りにするうえで効果的だと判断したのだ。南北首脳が親書を交わしたのは、3月以来6カ月ぶりのことだ。
 両首脳は親書で、COVID-19と水害克服に向けたこれまでの努力を激励した。文大統領は「新型コロナウイルスで非常に長く苦しい悪戦苦闘の状況から集中豪雨、数回の台風に至るまで、私たち皆に大きな試練の時期」とし、金委員長の災害現場訪問に共感すると述べた。金委員長も「文大統領の親書を読みながら、文面にあふれる心からの慰労に深い同胞愛を感じた」とし「悪性ウイルス(新型コロナウイルス)拡散と相次ぐ台風に見舞われ、誰も代わりをすることのできない厳しい大戦を乗り越える大統領の苦労に思いを馳せた」と応えた。
 南北関係改善の意志も交換した。文大統領は「わが8千万の同胞の生命と安全を守ることは、必ず守らなければならない一番の根本だ」と強調した。金委員長も「ひどい今年のこの時間が早く過ぎ、良いことが次々と待ち受ける、そんな日々が一日も早く訪れることを心待ちにしている」と述べた。大統領府の主要関係者はハンギョレとの電話で、親書に関し「たとえ不幸な事件が起きたとはいえ、お互いの疎通、信頼が水面下であった」とし「両首脳が硬直した南北対話と関係改善を図っていた」と述べた。
 しかし、親書交換と金正恩委員長の謝罪があったという事実だけで、南北関係の回復を占うことは無理があるという診断も少なくない。遺体検査の共同捜索や越境から銃撃死亡に至る一連の過程に対して、信頼できる具体的な調査結果を発表するなど追加の誠意を見せなければ、首脳間の意思疎通の努力が、韓国社会内部の共感はもとより国際社会の信頼を得るのは容易でないということだ。
キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/963718.html
韓国語原文入力:2020-09-25 20:40 修正:2020-09-26 02:36


http://japan.hani.co.kr/arti/economy/37870.html
「The Hankyoreh 」 2020-09-26 09:26
■野党「国民の力」「北朝鮮、謝罪のふりで済ませられることではない」
 民主党「再発防止の発表など責任ある姿勢が続かねば」

【写真】国民の力のキム・ジョンイン非常対策委員長が25日、ソウル汝矣島の国会で開かれた非常対策委員・外交安保特別委員会委員の緊急懇談会で、韓国国民が北朝鮮軍の銃撃を受け殺害された事件についての立場を表明している/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が25日、漁業指導員殺害事件に関連し、大統領府に送った統一戦線部名義の通知文で「大変申し訳ないと思う」と謝罪の意向を明らかにしたが、野党は金委員長の直接謝罪と責任者の処罰などを強く要求した。
 国民の力(旧未来統合党)のキム・ウンヘ報道担当は同日、論評を出し、「もし北朝鮮の金正恩の謝罪のふりの一言でふらつくような無気力さがあるなら、国民は黙っていないだろう」とし、「むしろ北朝鮮の代わりに自国民にレッテルの銃口を押しつける政府、大韓民国の主敵の概念がぶれている文在寅(ムン・ジェイン)政権を見て、国民は不安になっている。頼るところがない」と批判した。同党のチェ・ヒョンドゥ院内報道担当も「大統領府は北朝鮮の統一戦線部の報道官なのか」とし、「北朝鮮が適切な資料や状況の説明なしに通知文というものを送ってきたが、大統領府は分かったうえで説明した格好だ。北朝鮮のとんでもない通知文に反論し、責任者の究明と真相調査の追求に自信がないのなら、これを国連司令部と国連安保理で調査するよう要請せよ」と要求した。
 与党は最悪の状況は避けたという雰囲気だ。共に民主党のイ・ナギョン代表は同日、国会外交統一委員会の全体会議で「氷の塊の下でも川の水が流れるように変化があると感じるのは、大統領府が発表したように、北朝鮮が申し訳ないという心情を持ち、伝えてきたという点」だとしながら「(過去の)北朝鮮の態度に比べれば、相当な程度の変化とみられる」と述べた。共に民主党のホン・ジョンミン院内報道担当は「北朝鮮が、通知文に続き韓国国民が信頼する水準までの真相究明と再発防止の発表など、責任ある姿勢を見せてくれることを願う」と明らかにした。
キム・ミナ、ジョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/963703.html
韓国語原文入力:2020-09-26 02:30


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/26/2020092680008.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/26/2020092680008_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/26/2020092680008_3.html
「朝鮮日報日本語版」 2020/09/26 09:00
■北朝鮮「艇長が銃撃を決心」…韓国軍「上層部から指示」

【写真】行方不明になった海洋水産部漁業指導公務員の射殺事件関連の捜査を続けている海洋警察が25日、仁川市甕津郡延坪島の海上に停泊した漁業指導船「ムグンファ10号」の海上での調べを終え、移動しているところ。/写真=NEWSIS

 北朝鮮は25日、青瓦台(韓国大統領府)に送ってきた電通文で、韓国の海洋水産部(省に相当。以下同じ)公務員Aさんを射殺した事実は認めつつも「(警備)艇長の決心の下に射撃した」と主張した。上部の指示があったという韓国側の発表を正面から否定したのだ。電通文には、北朝鮮軍がAさんを海から引き揚げもしないまま、6時間にわたって取り調べ、追跡を行った末に射殺したという韓国側の発表とは全く異なる内容も含まれていた。組織的・意図的に起こされた今回の事件を、偶発的な事件に追いやろうとする狙いがあると指摘されている。

◆平壌の指示なしには射殺は不可能なのに
 北朝鮮は、Aさん射殺の過程で「上層部」の指示はなかったと主張した。北朝鮮側は「われわれの軍人らは(警備)艇長の決心の下に、海上警戒勤務規定が承認した行動準則に基づいて射撃した」とした。事件当時出動した北朝鮮軍警備艇の艇長の階級は正確に把握されていないが、韓国軍の大尉クラスに当たると推定されている。これは「上部の指示でAさんを射殺した」という韓国軍当局の発表に反するものだ。韓国軍当局では、少なくとも海軍司令官クラスまで報告が上がったものとみている。
 韓国の与党「共に民主党」に所属するミン・ホンチョル国防委員長は25日、MBCラジオの番組で、司会者が「海軍司令官の線で指示が下って終わったのか、もっと上まで報告があったのか」と尋ねたのに対し「こんな野蛮的な行為、本当に天人共怒な民間人射殺行為をするほどであれば、軍上部の決断や決定ではないか」と語った。
 保守系野党「国民の力」所属で国会国防委員会の幹事を務める韓起鎬(ハン・ギホ)議員も前日「(北朝鮮では)勝手に殺して火で焼くことはできない。韓国よりも硬直した社会であるからには、最高のトップがやったのだろう」とし「確認はされていないが、これは平壌の指示だと思う」とコメントした。金正恩(キム・ジョンウン)の指示ということもあり得るかという質問に、韓議員は「私はそう思う」と答えた。北朝鮮は今回の通知文にて、今回の蛮行は正式な指揮系統に基づいたものという韓国側の発表を否定し、「組織的殺人」という嫌疑から脱しようとしたものとみられる。

◆縄でくくって3時間引っ張り回す
 ミン・ホンチョル国防委員長は「北朝鮮が韓国の公務員を発見した後、海上にてロープで縛って移動したが逃げられ、そのせいでおよそ2時間にわたり捜索作業を展開したと国防部が報告した」と明かした。北朝鮮軍はAさんを再度発見した後、1時間以上も上部の指示を待ってから銃撃を加えたという。Aさんが乗っていた浮遊物(ゴムチューブ)を縄でくくり、3時間ほど引っ張り回して逃してしまい、そのため2時間ほど捜索作業を繰り広げて見つけ出した後、射殺して遺体を焼いたのだ。
 21日午前11時30分ごろ、小延坪島付近で行方不明になったAさんは、28時間後の22日午後3時30分ごろ、北朝鮮の登山串沖で発見された。28時間もゴムチューブにすがって38キロ流され、気力も尽き果てた状態だった。韓国軍当局は24日のブリーフィングで「北朝鮮側は、気力も尽き果てた行方不明者(Aさん)と距離を維持しつつ、防毒面を着用して漂流の経緯を確認した」と明かした。だが、北朝鮮軍がAさんに水を与えるなど救助活動をするどころか縄でくくって3時間引っ張り回して「水中取り調べ」をしたという非人道的な行為に対し、批判が強まっている。とりわけ、逃げたAさんを2時間も探し回ったのは「意図的な殺人」だということを立証する状況証拠だと指摘されている。
 ところが北朝鮮は25日午前に送ってきた電通文で、こうした状況については言及しなかった。北朝鮮は「取り締まり命令に引き続き応じずさらに接近することから、2発の空弾(空包)を撃つと、正体不明の対象が逃走するかのような状況が起きた」とし「ここでおよそ10発の銃弾で違法侵入者に向けて射撃を行い、このときの距離は40-50メートルだった」と主張した。Aさんが西海NLL(北方限界線)を越えると通常の警告射撃を行った、という趣旨の主張だ。最初の発見から水中取り調べ、追跡、射殺、遺体損傷に至るまで、実に6時間にわたって反人倫的蛮行をほしいままに行ったという事実は巧みに隠したのだ。
          ユ・ヨンウォン軍事専門記者


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37869.html
「The Hankyoreh 」 2020-09-26 08:43
■[全文]金正恩委員長「不始末で南の同胞に失望感を与え、非常に申し訳ない」
 25日午前、「朝鮮労働党中央委統一戦線部」名義ので通知文 
 「燃やしたのは行方不明者の遺体ではなく浮遊物」と主張 
 ソ・フン室長「文大統領と金委員長が最近、親書を交換」
 
【写真】朝鮮労働党中央委員会政治局会議を主宰している金正恩労働党委員長兼国務委員長/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が25日、北朝鮮軍の銃撃により、韓国の漁業指導員が死亡した事件について、「思いのよらない不始末が発生し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南の同胞たちに大きな失望感を与えたことを非常に申し訳なく思っている」という内容の通知文を韓国政府に送ってきた。
 ソ・フン大統領府国家安保室長は同日のブリーフィングで「25日午前、北朝鮮側が通知文を送ってきた」とし、「北朝鮮労働党中央委名義の通信で、北朝鮮は『22日夕方、黄海南道康リョン郡沿岸で正体不明の者が我が(北朝鮮)領海深くに不法侵入し、我が軍によって射殺(推定)される事件が発生した」と明らかにしたと伝えた。
 北朝鮮側はしかし、遺体を燃やしたという韓国政府の発表については、「焼却したのは海に浮くための器具(北朝鮮は「浮遊物」と表現)だった」として、遺体を燃やした事実はないと否定した。北朝鮮側は通知文でこうした事実を伝え、「南北関係に明らかに芳しくない影響を及ぼす出来事が我が水域で発生したことに対し、貴側に申し訳ない気持ちを伝える」と謝罪した。
 さらに、ソ・フン室長は、最近1カ月以内に文在寅大統領と金正恩委員長が親書を交わしたと述べた。

◆[以下は北朝鮮側が送ってきた通知文の全文]
 大統領府 御中
 貴側が報道した通り、22日夕方、黄海南道康リョン郡金洞里(クムドンリ)沿岸水域で正体不明の者1人が我が領海深く不法侵入し、我が軍の軍人たちによって射殺(推定)される事件が発生しました。
 事件の経緯を調査したところによると、この水域で警備を担当する軍部隊が漁労作業中の我が水産事業所の副業船から正体不明の男性1人を発見したという通報を受けて出動し、康リョン半島沖の我々側沿岸に浮遊物に乗って不法侵入した人に80メートルまで接近して身元の確認を要求しましたが、初めの1、2回、大韓民国の誰々とごまかすように言っただけで、それからは何も答えなかったといいます。
 取り締まりの命令に口をつぐんで応じないため、我が軍の兵士たちがさらに近づき、2発の空弾を撃ったことに驚いて伏せるなど、正体不明の者が逃走を図るような状況になったそうです。一部の軍人たちの陳述によると、伏せる際、何かをかぶろうとする行動を取るのも見たといいます。
 我が軍の軍人たちは艇長の判断のもと、海上警戒勤務規定が承認した行動準則に基づき、不法侵入者に向かって約10発の射撃を行い、この時の距離は40~50メートルだったそうです。
 射撃後、何の動きも音もなかったため、約10メートルまで接近して確認・捜索しましたが、正体不明の侵入者は浮遊物の上におらず、大量の血痕が確認されたそうです。我が軍の軍人たちは、不法侵入者が射殺されたと判断し、侵入者が乗っていた浮遊物は、国家非常防疫規定に基づき、海上現地で焼却したそうです。
 これまで当指導部に報告された事件の顛末に関する調査結果は以上です。
 我々は貴側軍部が何を根拠に、我々に不法侵入者の取り締まりと取り締まり過程に対する解明を求めることもなく、一方的な憶測で「蛮行」、「応分の代償」などの不敬で対決色の強い表現を使っているのか、遺憾の意を表せざるを得ません。
 我が指導部は、起きてはならないことが発生したとし、このような不祥事が再発しないように海上警戒監視と勤務を強化すると共に、取り締まりの過程で些細なミスや大きな誤解を招くことがないように、今後、海上での取り締まりの全過程を収録する体系を立てるよう指示しました。
 我々は、北南間の関係に明らかに芳しくない影響を及ぼす出来事が我が水域で発生したことに対し、申し訳なく思っています。我が指導部はこのような残念な事件により、最近わずかながら積み上げてきた北南間の信頼と尊重の関係が崩れないよう、緊張して覚醒し、必要な安全対策を講じることを繰り返し強調しました。
 国務委員長金正恩同志は、ただでさえ悪性ウイルス病魔の脅威に苦しんでいる南の同胞たちを助けるどころか、我が水域で思いもよらない不始末が発生し、文在寅大統領と南の同胞たちに大きな失望感を与えたことについて、非常に申し訳なく思っていることを伝えるよう、指示しました。
 今回起きた事件に対するそちらの正確なご理解をお願いします。
 朝鮮労働党中央委員会統一戦線部
       2020年9月25日

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/963657.html?_fr=mt1
韓国語原文入力:2020-09-25 22:51


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37868.html
「The Hankyoreh 」 2020-09-26 09:18
■北朝鮮、越北や遺体の損壊、上部指示による銃撃など韓国側の判断をすべて否定
 北朝鮮、通知文で韓国側と食い違う主張

【写真】小延坪島で行方不明になった公務員が北朝鮮側海上で漂流していたところ北朝鮮軍の銃撃を受けて死亡したとされる中、今月25日、同公務員が銃撃されたものと推定される黄海道登山岬海岸付近で北朝鮮軍の軍艦が移動している/聯合ニュース

 北朝鮮が海洋水産部(海洋部)の漁業指導員A氏の銃撃事実が公開された翌日の25日、A氏の射殺に対して電撃的に遺憾を表明し、再発防止を約束したのは、南北関係のさらなる悪化を防ぐためと見られる。その一方で、北朝鮮は韓国軍の主張を一つひとつ反ばくし、北朝鮮軍の今回の措置がやむを得ない対応だったと主張した。しかし、北朝鮮の釈明は常識的に納得しがたい部分も多く、この機会に南北当局間の共同現場調査などを通じて、疑惑を解消する必要があるという声が高まっている。
 韓国軍は、漁業指導員A氏が北朝鮮海域まで行った背景について、越北するためと判断した。軍関係者は前日、メディアのブリーフィングで「北朝鮮側の人が行方不明者と一定の距離を離隔し、防毒マスクを着用して行方不明者の漂流経緯を確認しながら“越北陳述”を聞いたものとみられる」と述べた。しかし、北朝鮮は同日の通知文で「80メートルまで接近して身元の確認を要求したが、初めの1、2回大韓民国の誰々だとごまかすように言っただけで、それからは何も答えなかった」とし、A氏が越北する意思を示なかったと反論した。
 北朝鮮は、死亡したA氏の遺体を損壊したという韓国軍の主張も否定した。韓国軍は「防毒マスクと防護服を着用した北朝鮮軍が遺体に接近して油を注いで燃やした情況が把握された」とし、「延坪部隊の監視装備にも遺体を燃やす明かりがとらえられた」と明らかにした。しかし北朝鮮はA氏に銃撃を加えた後「約10メートルまで接近して捜索したが、侵入者は浮遊物の上になく、大量の血痕が確認された」とし、海上現地で焼却したのは「侵入者が乗っていた浮遊物」だったと釈明した。
 このように積極的に反論したのは、越北の意思を明らかにした民間人を銃撃で射殺しただけではなく、遺体まで損壊したことを認めた場合、道徳性に致命的な打撃を受けるという判断によるものとみられる。しかし、A氏が着ていた救命胴衣は海に簡単に沈まない。このため、A氏が銃撃で浮遊物から落ちたとしても、海に沈んだため発見できなかったという北朝鮮の説明は納得し難い。
 銃撃命令を下した責任者が誰かについても、南北の説明は食い違っている。韓国軍は北朝鮮軍が「上部の指示」で銃撃したものとみられると説明した。国会国防委員会委員らは前日、国防部の非公開報告を受けた後、「北朝鮮海軍司令官が銃撃指示をしたと韓国軍は見ている」と伝えた。北朝鮮の取締艇が、A氏を6時間も海上で抑留したのも、上部の指示を待つ時間が必要だったためと見られる。
 これに対し、北朝鮮は取り締まり艇の指揮責任者である「艇長の判断のもと、海上警戒勤務規定が承認した行動準則に従い、約10発の銃弾」を撃ったと主張した。しかし、いくら韓国と体制が異なる北朝鮮だとしても、何の軍事的脅威にもならない非武装の民間人に向かって、初級幹部にすぎない「艇長」が勝手に射殺命令を下すという説明は現実性に欠けている。射殺命令の責任が上層部まで及ばないように“トカゲのしっぽ切り”に出たのではないかという疑念を抱かせる。
 北朝鮮は、A氏が北朝鮮の取り締まり艇に見つかってから6時間にわたり何をしており、何をきっかけに銃撃を加えたのかについて、十分な説明をしていない。北朝鮮軍は取り締まり命令に応じず空砲弾を2発撃って逃走しそうな状況になり、うつぶせの姿勢で何かをかぶろうとする行動も見せたと、あいまいに説明した。A氏が北朝鮮軍の取り締まりに応じず反抗したという趣旨の説明だ。北朝鮮軍がA氏に銃撃を加えたことがやむを得ない対応だったことを強調する発言とみられる。しかし、北朝鮮軍の艇長が非武装の民間人A氏に銃撃を加えることを決心した具体的な契機と経緯など。核心の事案については触れなかった。
パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/963690.html
韓国語原文入力:2020-09-26 02:31


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/26/2020092680007.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/26/2020092680007_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/26/2020092680007_3.html
「朝鮮日報日本語版」 2020/09/26 08:30
■遺体が消えた? 浮遊物を40分間燃やした? つじつまが合わない北の説明
 北が送った通知文の内容は…韓国軍の発表と大きな食い違い

 韓国大統領府(青瓦台)が25日公開した北朝鮮からの通知文には、公務員A氏の射殺と遺体損壊についての説明が記載されているが、その内容は韓国軍の主張と様々な点で食い違っている。韓国軍は「北朝鮮がA氏を射殺し、遺体を燃やす際に非人道的、非倫理的な状況があった」と指摘した。しかし通知文によると、北朝鮮は「境界地域における決められた手続きに従っただけで、大きな過ちはしていない」という趣旨の主張を行った。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は通知文の中で「非常に申し訳なく思う」との意向を伝えた。あたかも国際社会から非難を受けるような行動はなかったかのように通知文を作成したのだ。韓国軍からは「北朝鮮特有の二重プレー」との批判が出ている。
 北朝鮮からの通知文と韓国軍の分析は、A氏に対する北朝鮮の虐待・射殺をめぐる詳細な内容について決定的に食い違っている。韓国軍は「北朝鮮の船舶は、6時間以上にわたりA氏が使っていた浮遊物をロープにつないで引きずり回し、最初の発見からかなり時間が過ぎてから射撃を加えた」と推測している。これに対して北朝鮮はこれら一連の過程を省略し、「A氏は西海で北方限界線(NLL)を越えてきたため、通常の警告射撃を行った」という趣旨の説明を行った。北朝鮮は「取締りのための命令に引き続き応じなかったため、さらに接近して2発の空弾(空砲)を撃つと、正体不明の対象が逃走するかのような状況になった」「これに対して10発以上の銃弾を違法侵入者に向けて発砲した。この時の距離は40-50メートルだった」と主張した。
 北朝鮮は詳細な説明をしていないが、「NLL越線に対応するための一般的な対応だった」と主張しているようだ。6時間にわたりロープでA氏を船舶近くで引きずり回した状態で、「海上で取り調べ」を行ったことについては全く説明せず、自分たちの行為が「自衛権的対応だった」と一方的に主張しているのだ。韓国軍は諜報を通じ、A氏が数時間にわたりコロナ感染者とみなされ、さらには射殺という極端な措置が取られたと考えているが、これが事実であれば非常に異例のことだ。ある韓国軍関係者は「北朝鮮がそのような行動を取るとは考えることさえできなかった」と語るほどだ。
 A氏の遺体損壊についても南北の主張は明らかに食い違っている。韓国軍は「北側は22日午後10時ごろ、射殺されたA氏の遺体に油をかけて火をつけ、その火は40分間観測された」と明らかにした。これに対して北朝鮮は「射撃後に捜索したが、侵入者(A氏)は浮遊物にはおらず、大量の血痕が確認された」「違法侵入者は射殺されたものと判断し、侵入者が乗っていた浮遊物は国家防疫非常対策に従って海上の現地で焼却した」と主張した。遺体ではなく浮遊物を燃やしたというのだ。
 韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「24時間以上を経て海上で浮遊物を捕らえ、漂流していた人間が警備艇の前で逃走を企てたので警戒勤務規定に従って射殺したという内容や、またライフジャケットを着用していたのに銃撃を受けた人間は海中に沈み、浮遊物だけが残ったというのは常識的に考えて納得できない」「浮遊物につかまり気力が尽きていた人間が、北朝鮮軍にとって脅威になるとは考えられない。北朝鮮の主張は韓国国民の殺人を正当化し、これを隠ぺいするための詭弁(きべん)に過ぎない」と指摘した。ある韓国軍関係者は「常識的に考えて、チューブ1つを燃やすのに40分もかかるとは考えられない」と疑問を呈した。
 これらの点から考えると、北朝鮮が通知文を通じて表明した「謝罪」が本心かどうかも疑わしくなる。青瓦台(韓国大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長は、北からの通知文に韓国国民への謝罪と遺憾の表明、再発防止に関する内容があったと説明したが、北朝鮮はこれらの内容を現時点では公表していない。金正恩氏は「謝罪」という言葉ではなく「申し訳なく思う」という言葉を使った。徐室長は「北朝鮮は迅速に対応した」と強調しているが、北朝鮮は22日の事件発生から2日以上にわたり沈黙を続け、前日に韓国政府が強い糾弾に乗り出すと、この日になって通知文を送ってきた。
 京畿大学の南柱洪(ナム・ジュホン)教授は「金正恩氏の謝罪は、これまで長く続いてきた北朝鮮式二重プレーの繰り返しだ」「最高統治者が介入した蛮行であることを明確にした1976年のポプラ事件当時も、自分たちが不利と考えれば遺憾だけを表明してあいまいにやり過ごすか、あるいは『下の人間たちがやったこと』として言い逃れをしてきた」と指摘した。
          梁昇植(ヤン・スンシク)記者


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37866.html
「The Hankyoreh 」 2020-09-26 00:15
■野党「文大統領は3日間の状況を分、秒単位で説明せよ」攻勢

【写真】国民の力のキム・ジョンイン非常対策委員長が25日、ソウル汝矣島の国会で開かれた非常対策委員・外交安保特別委員会委員の緊急懇談会で、韓国国民が北朝鮮軍の銃撃を受け殺害された事件についての立場を表明している/聯合ニュース

 野党「国民の力」のキム・ジョンイン非常対策委員長は25日、北朝鮮が海洋水産部所属の漁業指導員に銃撃を加えて殺害し、遺体を毀損した事件について、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日からの3日間で何があったのか、分、秒単位で説明せよ」と述べた。
 キム委員長はこの日、国民の力所属の広域自治体の首長との朝食会の席で、「事件発生後3日が過ぎてからようやく事件を公開し、立場を発表しているので、何か国民に隠していることがあるように見える」とし、このように述べた。そして「大統領は報告を受けても救出指示を下さず、2人の子どもを持つ家長が殺害されて燃やされるのを、軍は6時間も見ているだけだったようだ」とし「国民がこれほど無残に殺されたにもかかわらず、国民の命と安全を守る憲法上の責務を持つ大統領は終戦宣言、協力、平和ばかりを言っている」と批判した。
 キム委員長は今回の事件について、2008年に金剛山で発生したパク・ワンジャさん銃撃事件とは性格が異なると指摘した。「パク・ワンジャさん事件は政府が手を打つ方法がなかったが、今回は助けるのに十分な時間的余裕があった」とし「偶発的発砲ではなく、上部の指示によって行われた計画的殺人だった」と激しく非難した。
 キム委員長はこの日、国会で「9・19南北軍事合意を廃棄し、(北朝鮮を)国連安保理に回付せよ」とする対国民立場文を発表した。キム委員長は立場文の中で、事件を3日経ってから公開した理由、▽大統領が今回の事態を最初に認知した時間、▽大統領府が10時間も経ってから大統領に報告した理由、▽大統領が救出を指示しなかった理由、などについて、真相究明を求めた。加えて「大統領が自ら金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長に謝罪と責任者処罰を求めるべき」とし「国民の力は、非正常な国家安保状況を正常に戻すために、あらゆる努力を傾ける」と述べた。この日、国民の力の会議場の壁には「大統領はどこにいるのですか」と記されていた。
イ・ジュビン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/963645.html
韓国語原文入力:2020-09-25 11:45


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925004500882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 21:24
韓国情報機関 正恩氏の謝罪を直接大統領府に伝達か
【ソウル聯合ニュース】韓国公務員射殺事件に対する北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の謝罪が収められた北朝鮮側の通知文を韓国情報機関・国家情報院(国情院)の朴智元(パク・チウォン)院長が直接青瓦台(大統領府)に伝達していたことが分かった。韓国の政府関係者が25日、明らかにした。

【写真】国会情報委員会に出席する朴氏=25日、ソウル(聯合ニュース)

 北朝鮮からの通知文が韓国側に伝達される過程で、国情院と北朝鮮の朝鮮労働党統一戦線部のホットラインが稼働したという。
 同関係者は、朴氏がこの日午前に青瓦台を訪れ、文大統領に直接報告した可能性が高いと説明した。
 また朴氏はこの日午後、青瓦台で開かれた関係閣僚会議に出席した。会議には徐旭(ソ・ウク)国防部長官や李仁栄(イ・イニョン)統一部長官などが出席し、事件について、韓国政府が把握した内容と、北朝鮮側の通知文に示された内容に違いがあることについて、分析を進めている。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925004400882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 19:33
■正恩氏の謝罪は「破局避ける狙い」=韓国統一相
【ソウル聯合ニュース】韓国の李仁栄(イ・イニョン)統一部長官は25日、北朝鮮に近い海域で韓国公務員の男性を北朝鮮軍が射殺した事件を巡り、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が謝罪したことについて「非常に異例」との認識を示した。また、「申し訳ないという表現を2回も使って北の立場を発表した例はなかったと承知している」と述べた。国会外交統一委員会で答弁した。

【写真】国会外交統一委員会に出席した李氏(左)=25日、ソウル(聯合ニュース)

 李氏は北朝鮮側がこのような対応を取った理由に関しては、「この状況が(南北関係の)破局に向かわないようにするための対応ではないかと判断する」との見解を示した。
 北朝鮮が遺体ではなく、浮遊物を燃やしたと説明していることについては、「(政府の発表と)違いが生じる部分はそれぞれ確認する過程が必要」とし、「関係閣僚会議で議論する」と付け加えた。
 韓国軍当局は北朝鮮側が男性を射殺後、油をまいて燃やしたとみられると説明していた。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925004100882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 18:02
■韓国人射殺 金正恩氏に報告されず幹部が指示=韓国情報機関
【ソウル聯合ニュース】韓国公務員の男性を北朝鮮軍が射殺した事件について、韓国情報機関・国家情報院(国情院)の朴智元(パク・ジウォン)院長は25日の国会情報委員会で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)に報告して指示を受けたものではないと判断すると明らかにした。同委員会は非公開で開かれ、複数の委員会関係者が伝えた。

【写真】国会情報委員会に出席する朴氏=25日、ソウル(聯合ニュース)

 関係者らによると、朴氏は「現地の司令官ら幹部の指示で動いたのではないかと判断する」と報告。「SI(傍受などによる特別取り扱い情報)にもそのようなこと(金委員長の指示)はなかった」と説明した。
 また、男性の遺体に関しては、「遺体が漂流している可能性がある」として、「北に遺体の捜索を求め、原因究明に協力するよう求める。わが政府でも遺体がこちら(韓国側の海域)に来る可能性があるため、積極的に捜索する」との方針を示した。
 男性が北朝鮮入りする意思を表明したかどうかについては、「SIで本人が越北したという表現があり、国防部がそう報告した」とし、25日に北朝鮮が送ってきた通知文に関連内容がないとして、同日午後の国家安全保障会議(NSC)で分析を進める考えを示した。


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580109.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580109_2.html
「朝鮮日報日本語版」2020/09/25 17:00
■家族にも知らされない死…射殺された公務員の兄「メディアの記事を見て初めて知った」
 海洋水産部公務員、北で撃たれる
 兄「行方不明のニュースを聞いて探したが、韓国軍は私に何も言わなかった」

 「弟が北朝鮮軍に射殺されたというのに、まだ国防部(省に相当。以下同じ)からは何の連絡もありません。これが話になりますか」。
 今月21日の昼、西海の最北端に位置する小延坪島の沖で行方不明になり、北朝鮮軍に射殺された公務員イさん(47)。イさんの兄は、24日の時点でも韓国政府や韓国軍当局から弟が射殺された事実を公式に通知されていない、と語った。イさんの兄は24日、本紙の電話取材で「弟が射殺されたことを、メディアの記事を見て初めて知った」とし「22日に海洋水産部から、弟が行方不明だというので、今朝まで小延坪島の現場捜索に私も参加していたが、射殺の事実について一言もなかった。韓国軍は私をもてあそんだのではないか」と激高した様子だった。さらに「弟が漂流していたとき、韓国軍はでたらめな場所を捜索していた」とし「北朝鮮が銃を撃って殺すと、自ら北に渡ったという話を持ち出した」「韓国の地からさほど離れていないところで、弟は殺され、遺体も損なわれた」「韓国政府が国民の生命を守るべき責任を尽くさず、北朝鮮の蛮行に遭ったのに、北に渡ったと言って追い立てるのは名誉毀損(きそん)」と批判した。
 弟が自ら北に渡ったという点についても、可能性はないと断言した。「公務員証が船にそのままあった」とし「韓国軍は一体何を根拠に弟が北に渡ったと言うのか、細かく明らかにすべき」と主張した。一部で持ち上がっている「過度の債務による越北」の可能性については「子どもたちにお金もかかっていくし、家賃もかかる。誰でもそうではないか」とし「そんなことは、北に渡ったと主張するほどの事由には全くなり得ない」と反論した。
 イさんの両親など、ほかの家族も「北に渡ったという韓国軍当局の発表は話にもならない」と語った。西海漁業管理団側は「イさんの両親は『北に渡った』という話に怒り、当惑する反応を示した」と伝えた。
 イさんが勤めていた全羅南道木浦の西海漁業管理団の職員らも、信じられないという表情だ。管理団の同僚Aさんは「イさんは平素、自分の受け持った仕事を黙々と遂行する、頼もしい同僚だった」とし「北に渡るなんてとんでもない」と語った。西海漁業管理団のパク・チョンギュン状況室長は「文字通り誠実な公務員だった」とし「越北という話に、職員らも大きく動揺している」と語った。
 ただし、一部の同僚職員は「イさんは職員から数百万ウォン(100万ウォン=約9万円)ずつ借りて、遂にはその金が2000万ウォン(約180万円)以上に膨れ上がった」と証言したといわれている。また、別の同僚は「最近裁判所から給与の仮差し押さえの通知を受け、イさんは精神的な負担に直面していた」と語ったと伝えられている。パク状況室長は「給与仮差し押さえがあったかどうかは私的な問題なので確認はできない」と語った。
 イさんは海洋水産部傘下の西海漁業管理団に所属する8級公務員だ。2012年に技能職9級、船舶航海員として西海漁業管理団に入り、漁業指導船で違法操業の取り締まり、指導、船舶の安全運航管理などの業務を担当した。取り締まり要員が足りず、航海はもちろん防刃服まで着用して現場での取り締まり業務も行った。イさんは木浦の管理団宿舎で職員2-3人と共に暮らしていた。
 全羅南道莞島で生まれ、1993年に莞島水産高校を卒業したイさんは、公務員任用前に遠洋漁船で数年にわたり航海の経歴を積んだ。海洋水産部は、西海を含め南海と東海にそれぞれ漁業管理団を置いている。韓国の海域の31%を占める西海が担当の西海漁業管理団は、漁業指導船13隻を保有している。
 イさんは今月14日、499トン型漁業指導船「ムグンファ10号」の1等航海士に人事発令を受けた。ムグンファ10号は乗組員15人を乗せて、16日に木浦の国家漁業指導船専用埠頭(ふとう)から出港し、10日間の日程で延坪島一帯におけるカニ漁船への指導業務に乗り出した。イさんは出港時、ムグンファ号に搭乗できず、陸路で移動した後、延坪島付近で小舟を使ってムグンファ号に合流したといわれている。
          チョ・ホンボク記者 , アン・ジョンヒョン記者


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580022.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580022_2.html
「朝鮮日報日本語版」 2020/09/25 10:22
■北が韓国人を銃殺して焼いても…文大統領は33時間沈黙
 韓国軍、国家公務員射殺されるまでの状況知りながら6時間も措置取らず青瓦台に報告

 韓国国防部は、西海(黄海)の北方限界線(NLL)に近い小延坪島沖で行方不明になった海洋水産部職員A氏が22日に北朝鮮によって射殺され、遺体が焼かれたと24日に発表した。軍はこのような状況を各種情報資産によりリアルタイムで把握していたが、これといった措置を取らなかった。青瓦台もその深刻性について報告を受けていたが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「終戦宣言国連演説」は23日未明(韓国時間)そのまま行われた。文大統領は同日午前、軍首脳部に会って、「平和の時期は一直線ではない」と、北朝鮮との平和を強調までした。韓国人が北朝鮮によって射殺され、遺体が焼却されたという事実を知っていた状況で起こったことだ。国民がA氏の射殺・遺体毀損の事実を知ったのは、文大統領が関連報告を受けてから26時間30分後のことだった。
 韓国軍関係者は24日、「22日午後3時30分、北朝鮮水上事業所の船舶が黄海南道登山岬近くの海上でA氏を最初に発見した時の状況を入手した」と述べた。軍は当時、北朝鮮がA氏を発見した正確な場所がどこか分からなかったが、1時間後にさまざまな状況上、北朝鮮軍が発見した人物がA氏であることを特定した。北朝鮮はその後、A氏を射殺し、夜10時に遺体を焼いた。6時間30分もの間、各種情報資産を通じてA氏の行動や北朝鮮の動きを把握していたが、その間に軍が取った措置はなかった。軍は「韓国領内ではなかったので、すぐに対処できなかった」と説明した。
 青瓦台は軍から、今回の件について、時間帯ごとに報告を受けていた。文大統領に対しては22日午後6時36分、A氏の「失踪(しっそう)」に関する最初の書面報告があった。大統領が積極的に乗り出した場合、A氏は3時間後に射殺されていなかったかもしれないという声もある。北朝鮮によるA氏射殺・遺体毀損行為は大統領に翌日(23日)午前8時30分に報告された。しかし、この事実が国民に伝えられたのは26時間30分後の24日午前11時だった。国防部は「後手」となった見解文で、「北朝鮮の蛮行を糾弾し、これに対する北朝鮮の弁明と責任者の処罰を強く要求する。韓国人を対象とする蛮行に伴うあらゆる責任は北朝鮮にあることを厳重に警告する」と述べた。

 軍関係者やその周辺からは、後手に回っている政府に釈然としないという声が上がっている。韓東大学のパク・ウォンゴン教授は「大統領は終戦宣言について話してしまった状況なので、かなり困っているだろう。北朝鮮との公式ラインは途絶えているというが、(韓国の)国家情報院・(北朝鮮の)統一戦線部ラインを通じてでも何とか努力をしなければならない」と語った。
          梁昇植(ヤン・スンシク)記者


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580102.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580102_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580102_3.html
「朝鮮日報日本語版」 2020/09/25 11:16
■「文大統領の行動、秒単位で説明せよ」 韓国10-20代激怒
 北朝鮮が韓国人銃殺、市民逆上

 二児の父だった韓国海洋水産部傘下の公務員A氏(47)が西海(黄海)の北方限界線(NLL)に近い延坪島沖の船上から行方不明になった後、北朝鮮軍によって海上で無残に殺害されたというニュースに、韓国国民は激高した。特に若者層が今回の事件で見せた関心と怒りは大きい。退勤時間帯だった24日午後6時から7時にかけて、ポータルサイト「ネイバー」の10代と20代が最も多く読んだ記事ランキングで1-2位を占めたのを含め、ランキングの半分以上がA氏関連記事だった。
 大学生たちも北朝鮮に怒りを見せた。高麗大学のコミュニティー・サイト「koreapas(コパス)」は「偶発的に哨兵が慌てて撃ち殺したわけでもないのに、報告すべきことは全部報告しておきながら6時間もそのままにして銃殺…どれだけ韓国をバカにしているのか」という書き込みがあった。ネイバーは「二度とこんな目に遭いたくなかったら、絶対に報復しなければならない」という趣旨のコメントが相次いでいる。
 政府に対する問題提起も殺到している。A氏が北朝鮮船舶によって発見された22日午後3時ごろから、射殺されるまでの6時間もの間、政府は何をしていたのかというものだ。コミュニティー・サイト「fmkorea(エフエムコリア)」では「6時間もの間(北朝鮮に)連絡する手段がなかったって?」という書き込みが半日で照会数2万7000回を記録、コメントが約100件寄せられた。青瓦台によると、北朝鮮の船が海でA氏を発見したという報告を文在寅(ムン・ジェイン)大統領が受けたのは同日午後6時30分ごろだったという。しかし、ネットユーザーたちは「一般人でもなく、公務員が消えたのに、大統領が報告を1回も受けられないということがあるだろうか」「文大統領は6時間の行動を秒単位で説明せよ」などと投稿した。
 「文大統領は24日、政府行事に出席してアカペラ公演を鑑賞していた」という記事には、「新型コロナウイルス感染症による初の死者が出た時も(映画『パラサイト 半地下の家族』米アカデミー賞受賞を祝って、同映画に出てくるインスタントラーメンによる)チャパグリ・パーティーをしていたが、相変わらずだね」というコメントが書き込まれた。「こうやって大韓民国の国民を平気で殺せる国と終戦宣言を計画していたこと自体が問題だ」というコメントもあった。文大統領は23日朝、A氏殺害について聞きながら、24日午後になってやっと「(北朝鮮は)容認できない」と発表したことについても、「時間差の激怒」「様子を見てから激怒」などと皮肉られた。
 A氏が自ら越北しよう(北朝鮮に行こう)としていた可能性を挙げた軍や警察の発表にも、「水を入れて薄めるな(はぐらかすな)」という非難があふれた。「越北したにしても足を踏み外したにしても、海で漂流している非武装の民間人を射殺して遺体を焼いた北朝鮮の行為そのもの」は容認できないという主張だ。特に、軍や警察が「救命胴衣」や「2000万ウォン(約180万円)台の借金」が越北の状況を示していると明らかにしたことに対して非難の言葉が相次いだ。「ローンを返さないで船で救命チョッキ(救命胴衣)を着ていたら潜在的越北者になるから、着るのはやめよう」というコメントもあった。 「越北チョッキ」という表現も登場した。「明日の朝、(与党に近いジャーナリスト)金於俊(キム・オジュン)のラジオ番組に越北説を展開する匿名情報提供者として出演するだろう」というコメントもあった。政府が当初、「火葬」という表現を使っていたことも、「『被害呼訴人』『証拠保全』『不詳の発射体』などの表現が思い出される」「明成皇后(閔妃〈ミンビ〉)も火葬してもらったのか」などの批判が出た。
 これに対して、大統領の強硬支持層は北朝鮮や政府をかばった。いつも大統領のツイートやチョ国(チョ・グク)前法務部長官のリツイートをしているツイッター・ユーザー(ID eXw ****)は今回の事件について、「防疫の観点による行為だ。北朝鮮は新型コロナウイルス対応脆弱(ぜいじゃく)国だ。感染が拡大すれば数百人、数千人が死ぬだろう。それを防ぐための手段ではないだろうか」と書いた。
 親文在寅傾向が強いポータルサイト「ダウム」では、「自ら越北しようとして北朝鮮軍に殺されたのがなぜ(韓国)政府の責任なのか」と書き込み、「推薦」ボタンが1000回以上押された。コミュニティー・サイト「PPOMPPU(ポムプ)」には、「もともと越北すれば射殺するのが正しい」というタイトルの投稿も寄せられた。この投稿者は「越北者射殺は悪い措置ではない」「当然だ」と書いている。
 しかし、これらの主張は激しい反発も呼んでいる。ソウル大学のコミュニティー・サイト「SNULife(スヌ・ライフ)」のユーザーは、「越北しようとした韓国人は北朝鮮が銃殺しても何の問題もないのだろうか? 政府があまりにも非常識なので、自分の判断力すら鈍ってしまった気がする」と投稿した。会社員のコミュニティー・サイト「blind(ブラインド)」のユーザーは、「越北の意図があろうとなかろうと韓国国民だ。(問題の)核心は自国民が射殺されたこと」と書いた。文政権の友軍として認識されている市民団体「参与連帯」も「北朝鮮軍が非武装の民間人を射殺し、遺体を毀損(きそん)したのは、どんな理由があれ正当化できない非人道的行為だ」と批判する声明を出した。
          ウォン・ウシク記者 , キム・ヨンジュン記者


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/24/2020092480304.html
「チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版」 2020/09/24 20:32
■「射殺までは予想できず」 銃殺・火刑をリアルタイムでただ見ていた韓国政府
 韓国軍は24日、北朝鮮軍による韓国人男性の射殺・火刑(火あぶり)事件について、22日午後3時30分から大まかな状況を認識していたものの、特段の措置を取らなかったことを明らかにした。この時点から同日午後10時までの約6時間の間に射殺・焼却が行われ、状況は軍首脳部だけでなく青瓦台(韓国大統領府)にまでリアルタイムで伝わっていた。しかし韓国政府はその間、軍の通信網はもちろん国際商船共通網を通じた対応も取らなかった。
 軍の関係者は24日、北朝鮮の蛮行について「そこまでするとは予想できなかった」として「わが国民を数時間後に射殺すると予想していれば、韓国軍はじっとしていなかっただろう」と話した。「北朝鮮が新型コロナの状況に鑑みて国境で射殺命令を下したことを情報当局は分かっていたと思うが、このようなことを予想できなかったのか」との質問に、この関係者は「そのときは、そのような判断はできなかった」と述べた。
 韓国軍は今回の状況をリアルタイムで認識していたが、正確な情報判断には時間がかかったと明らかにした。最初は22日午後3時30分、漂流していた男性に北朝鮮が接近したことを把握したが、正確な場所は分からず、後になって位置を特定することができたという説明だ。このため韓国軍が現実的に軍事的措置を取ることはできなかったというわけだ。
 しかし、今回の状況が軍首脳部だけでなく青瓦台にまで報告されたにもかかわらず、電文の送信や通信網を通じた措置がなかったことは納得し難い、という話が出ている。韓国軍は、射殺・火あぶりの状況が確認された22日午後10時ごろに、長官をはじめ青瓦台危機管理センターにも状況が伝えられたと説明した。しかし、いかなる措置も取られなかった。韓国軍が北朝鮮に公式に措置を取ったのは、全てが終わった23日午後4時35分だった。国連軍司令部を通じて、今回の事件に関する事実確認通報を要請しただけだった。
 このため、国民が銃殺され火あぶりにされたにもかかわらず、青瓦台と軍の対応は安易すぎるとの批判が飛び出した。ある軍の関係者は「状況を認識したときから、北朝鮮の返答がなくても通信ラインを通じた送還要請や抗議を続けるべきだった」として「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の23日未明の国連総会での『終戦宣言』演説や、その日予定されていた軍首脳部の三精剣(准将に昇進する際に授与される刀剣)授与行事などが、事件への消極的な対応に影響を及ぼした可能性がある」と指摘した。軍はこれについて「わが領土で発生した事案ではないため、即時対応が難しい側面があった」と説明した。
          ヤン・スンシク記者
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「正恩氏 韓国に「申し訳ない」=北の最高指導者として異例の謝罪」

2020年09月25日 | 北部朝鮮
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925003300882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 16:52
■正恩氏 韓国に「申し訳ない」=北の最高指導者として異例の謝罪
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は25日、北朝鮮に近い海域で漁業指導船から行方不明となっていた韓国公務員の男性を北朝鮮軍が射殺した事件について、朝鮮労働党統一戦線部名義の通知文を送り、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南の同胞(韓国国民)を大きく失望させたことに対し、非常に申し訳なく思う」と表明した。北朝鮮の最高指導者が韓国に対し、公に謝罪するのは極めて異例だ。
 南北の分断後、北朝鮮の最高指導者が韓国に直接謝罪した例はほとんどない。1972年5月、当時の金日成(キム・イルソン)主席が訪朝した李厚洛(イ・フラク)中央情報部長に対し、68年に北朝鮮特殊部隊がソウルに侵入した青瓦台(大統領府)襲撃未遂事件について「非常に申し訳ない事件」と謝罪。金正日(キム・ジョンイル)総書記も同事件に関し、2002年5月に訪朝した朴槿恵(パク・クネ)韓国未来連合代表に「申し訳ない気持ち」と言及していた。
 ただ、いずれも韓国側関係者との面会中に出た発言で、今回のように公式の通知文で謝罪したものではなかった。
 北朝鮮はこれまで謝罪の声明を発表したことはあるが、遺憾を表明する水準にとどめていた。2008年に北朝鮮の景勝地・金剛山で北朝鮮兵士が韓国人観光客を射殺した事件が起きた際は名勝地総合開発指導局が談話を出し、「遺憾に思う」としながらも、「すべての責任は全的に南側にある」と表明。2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」撃沈事件を巡っては訪朝した米国のカーター元大統領に対し、遺憾を表明しながらも謝罪はしなかった。
 これまで遺憾表明は北朝鮮の実務者や朝鮮中央通信の論評などを通じて発表していた。このため、金委員長が韓国に対して公に謝罪した背景に関心が集まる。金委員長が過去の最高指導者に比べ、問題を認めて謝罪することをちゅうちょしない点も要因とみられる。
 韓国の李仁栄(イ・イニョン)統一部長官は25日の国会外交統一委員会で、金委員長が謝罪したことについて「非常に異例」として、「申し訳ないという表現を2回も使って北の立場を発表した例はなかった」と答弁した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925002700882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 15:45
■韓国人射殺で金正恩氏が謝罪 「失望させ非常に申し訳ない」
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は25日、北朝鮮に近い海域で漁業指導船から行方不明となっていた韓国公務員の男性を北朝鮮軍が射殺した事件について、正式に謝罪した。
 韓国青瓦台(大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長によると、金委員長は党統一戦線部の名前で韓国に同日送った通知文で、「われわれの海域で予想外の恥ずべきことが起き、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南の同胞(韓国国民)を大きく失望させたことに対し、非常に申し訳なく思う」と表明した。
 韓国政府は前日の24日、この男性が北朝鮮軍に射殺され、遺体が焼かれたと発表していた。今回の事件が南北関係に与える影響などを念頭に置き、北朝鮮は比較的迅速に謝罪を表明したとみられる。
 通知文には、金委員長の謝罪とともに北朝鮮指導部の立場も記されていた。北朝鮮側は「わが指導部は、こうした遺憾な事件によって近ごろ積み上げてきた北南(南北)間の信頼と尊重の関係が崩れることのないよう、より緊張し、必要な安全対策を講じる」とした。
 徐氏は、文大統領と金委員長が先ごろ親書を交わしたことも明らかにした。両首脳の親書には、新型コロナウイルス感染拡大による困難と現在直面している難関を乗り越え、南北関係が復元されることへの期待が記されたという。南北首脳が親書を交換した時点について、徐氏は「1カ月以内」と述べた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270630?servcode=100&sectcode=110
「中央日報日本語版」 2020.09.25 16:12
■【社説】民間人を殺害した北朝鮮の蛮行を糾弾する
 北朝鮮が21日、延坪島(ヨンピョンド)沖で長時間漂流して力尽きていた大韓民国海洋水産部の公務員イさんに銃撃を加えて殺害し、遺体に油をかけて毀損した。「天人共怒」の蛮行だ。北朝鮮は最近、コロナ防疫を理由に「国境地帯1キロ以内に接近する外部の者は射殺する」という、文明国家では想像もできない反倫理的な守則を決めたという。しかしいかなる名分であれ、非武装の民間人を射殺して遺体を燃やした行為は許されない。戦時にも民間人の射殺を禁止するジュネーブ条約を正面から違反した国際的な重犯罪だ。またイさんが射殺された場所は9・19南北軍事合意書で一切の敵対行為を禁止した緩衝海域だ。北朝鮮は南北軍事合意も破ったのだ。
 韓国軍は、冷たい秋の海で40時間ほど漂流したイさんを北朝鮮水上事業所の船舶が発見し、越北の経緯を追及した後、海上に長時間放置した過程を把握していた。当時、北朝鮮側にイさんの送還を要求しながら迅速に対応していれば、Aさんが6時間後に射殺されて遺体を燃やされるという最悪の事態を防げたかもしれない。しかし軍は「我々の領海でない」として眺めていた。軍の存在理由である国民の生命保護をしなかったのだ。さらに「北がそこまでするとは予想できなかった」という弁解に加え、「9・19合意に銃を撃ってはいけないという規定はない」と北朝鮮をかばう態度を見せ、あきれるしかない状況だ。
 イさんは子ども2人がいる平凡な家庭の家長だ。ところが軍はイさんが北側に渡ろうとして殺害されたと発表し、疑惑を増幅させている。イさんの業務(漁業指導)は船から転落する事故もあり、漂流して北朝鮮水域に入った可能性もあるからだ。たとえイさんが越北を図ったというのが事実だとしても、北朝鮮側がなぜ射殺したのかも疑問だ。7月に韓国で性犯罪を犯して北側に戻った脱北者は、北朝鮮に無事に入ったほか赦免まで受けたという。政府が南北関係の悪化を憂慮して明確な証拠もなくイさんを「越北」と決めつけたのではという疑惑が提起される理由だ。
 今回の事件が公開された時点も深刻な問題だ。軍は21-22日に発生したイさんの行方不明・死亡事件について閉口してたが、メディアが国会発で報道を始めると24日午前になって公開し、隠蔽・縮小疑惑を自ら招いた。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の対応も疑惑だらけだ。青瓦台はイさんが殺害された直後の21日午後10時30分ごろ関連機密情報を入手し、3時間後に国家安全保障会議(NSC)を開いた。それだけ事案を重く受け止めていたという証拠だ。にもかかわらず文大統領はその直後に画像で進行された第75回国連総会の基調演説で南北終戦宣言を提案した。
 青瓦台は「演説は15日に録画された内容であり、情報の信憑性が確認されなかったため、演説をそのまま送りだした」という。非常状況だったにもかかわらず、北朝鮮に融和的な内容が入った演説を修正なく送りだした点は、「終戦」イベントに執着して国民の生命は後まわしにしたのではという疑問を抱かせる。青瓦台は今回の事件が文大統領にいつどのように報告されたのか、また、終戦宣言演説がそのまま出た理由について明らかにする必要がある。与党も野党の常任委開催要求に応じて国会レベルで透明に真相調査をし、責任者の問責と再発防止対策の樹立に全力を傾けなければいけない。北朝鮮側が責任を取って謝罪するのは言うまでもない。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925002500882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 15:36
■北朝鮮 韓国人男性の遺体焼却を事実上否定
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮に近い海域で行方不明となっていた韓国公務員の男性を北朝鮮軍が射殺した事件について、北朝鮮は25日、韓国青瓦台(大統領府)に通知文を送り、男性を射殺したことは認めたが、遺体を燃やしたことは事実上、否定した。

【写真】通知文の内容を伝える青瓦台の徐薫(ソ・フン)国家安保室長=25日、ソウル(聯合ニュース)

 韓国の軍当局は北朝鮮側が男性を射殺後、油をまいて燃やしたとみられると説明していた。
 北朝鮮は通知文で、「われわれの軍人が艇長の決心の下、約10発の銃弾を違法侵入者に向けて射撃した」とし、「この際の距離は40~50メートルだったという」と伝えた。
 また、「射撃後、いかなる動きも音もなく、約10メートルまで接近して確認、捜索したが、正体不明の侵入者は浮遊物の上にいなかった」と説明。大量の血痕を確認したとした。
 その上で、「われわれの軍人は違法侵入者が射殺されたと判断し、侵入者が乗っていた浮遊物は国家非常防疫規定により、海上で焼却したという」と明らかにした。


https://japanese.joins.com/JArticle/270627?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.25 15:21
■<北朝鮮通知文全文>「起きてはいけないことが発生、安全対策講じる…非常に申し訳なく思う」
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は25日、韓国海洋水産部公務員のイさん(47)射殺・遺体き損に関連し「文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南側同胞に大きな失望感を与えたことに対して非常に申し訳なく思う」と伝えた。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長はこの日、通知文を公開した。

◆次は通知文の全文。
 『青瓦台宛
 貴側が報道した通り、22日夕方、康リョン郡金洞里(カンリョングン・クムドンニ)沿岸水域で正体不明人員1人がこちら側の領海深く不法侵入し、わが軍人によって射殺(推定)される事件発生した。
 事件経緯を調査したところによると、こちら側の該当水域警備担当軍部隊が漁労作業中の水産事業所副業船から正体不明の男1人を発見したという申告を受けて出動し、康リョン半島前のこちら側の沿岸に浮遊物に乗って不法侵入した者に80メートルまで接近して身分確認を要求したが、最初は1~2回大韓民国の誰それだとごまかしてずっと返事をしなかったとのことです。
 こちら側の軍人の取締命令に口を閉じて応じないため、さらに接近して2発空砲を撃つと、すぐに驚いてうつ伏せになり、正体不明対象が逃走するような状況になったとのことです。
 一部軍人の陳述によると、うつ伏せになって何か体にかぶろうとする行動したようだとも話しています。
 わが軍人は艇長の決心の下で海上警戒勤務規定が承認した行動準則により、10余発の銃弾で不法侵入者に対して射撃し、この時の距離は40~50メートルだったとのことです。
 射撃後は何の動きも音もなく、10余メートル接近して確認の捜索をしたが、正体不明侵入者は浮遊物の上におらず多量の血痕が確認されたとのことです。
 わが軍人は不法侵入者が射殺されたと判断し、侵入者が乗っていた浮遊物は国家非常防疫規定により海上現地で焼却したとのことです。現在までわが指導部に報告された事件転末に対する調査結果は以上です。
 われわれは貴側軍部が何の証拠を基にわれわれに不法侵入者取締と取締過程の説明に対する要求もなく、一方的な憶測で蛮行、応分の対価のような失礼かつ対決的色彩の強い語彙選んで使うのか、大きな残念を表さざるを得ない。
 わが指導部は起きてはいけないことが発生したと評し、このような不祥事が再発しないように海上警戒監視勤務を強化し、取締過程のささいな失敗や大きい誤解を呼びかねないようなことがないよう、海上での取締の取り扱い全過程を収録する体系を整えるよう指示しました。
 われわれは南北の間の関係に面白くない作用がある事件がこちらの水域で発生したことに対して貴側に申し訳なく思う気持ちを伝えます。
 わが指導部はこのような残念な事件により、最近少なくはあるが積み重ねてきた南北間の信頼と尊重の関係が崩れないように、さらに緊張して覚醒し、必要な安全対策を講じることに対して繰り返し強調しました。
 国務委員長金正恩同志は、そうでなくても悪性ウイルスの病魔の脅威に処した南側の同胞に助けの手どころかわれわれの水域でかんばしくないことが思いがけなく発生して、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南側同胞に大きな失望感を与えたことに対して非常に申し訳なく思う気持ちを伝えるよう話しました。
 起きた事件に対する貴側の正確な理解を望む。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925002400882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 14:39
■正恩氏「文大統領と韓国国民を失望させ申し訳ない」 射殺事件で通知文
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は25日、北朝鮮に近い海域で漁業指導船から行方不明となっていた韓国公務員の男性を北朝鮮軍が射殺した事件について、「われわれの海域で予想外の恥ずべきことが起きた」としながら、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南の同胞(韓国国民)を大きく失望させたことに対し、非常に申し訳なく思う」と表明した。金委員長が党統一戦線部の名前で韓国に送った通知文の内容を、韓国青瓦台(大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が発表した


https://japanese.joins.com/JArticle/270624?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.25 14:31
■金正恩氏「かんばしくないこと…文大統領・南側同胞に失望感与えて申し訳ない」
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が西海(ソヘ、黄海)で起きた韓国公務員射殺事件に対して公式に謝罪を伝えたと青瓦台(チョンワデ、大統領府)が25日、明らかにした。
 徐薫(ソ・フン)国家安保室長はこの日の記者会見を通じて、北朝鮮が該当事件に関連する通知文を送ってきたという事実を公開した。
 北側は通知文で「南北の間の関係に面白くない作用がある事件がわれわれの水域で発生したことに対して貴側に申し訳なく思う気持ちを伝える」とし、正恩氏の言葉もあわせて伝えた。
 正恩氏は「そうでなくても悪性ウイルスの病魔の脅威に処した南側の同胞に助けの手どころかわれわれの水域でかんばしくないことが思いがけなく発生して文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南側同胞に大きな失望感を与えたことに対して非常に申し訳なく思う」と話した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270621?servcode=500&sectcode=500
「中央日報日本語版」 2020.09.25 14:15
■北朝鮮、「海上蛮行」に対して3日間沈黙…新型コロナ防疫だけ強調
 韓国海洋水産部所属漁業指導船に勤務していたが、今月22日夜、西海(ソヘ、黄海)北方限界(NLL)北側の海上を漂流していた公務員イさん(47)に銃撃を加え、遺体に火を付けた北朝鮮が事件発生から3日が経過しても沈黙を維持している。
 25日午前10時現在、北朝鮮労働新聞など官営メディアはもちろん、対外宣伝メディアも関連事件については一切言及がない。その代わり、水害と台風被害を受けた咸鏡道(ハムギョンド)復旧事業と新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の防疫に関連した内容を扱うのみだった。これは韓国内メディアはもちろん、多くの外信が北朝鮮の蛮行を批判調で扱う雰囲気とは全く違う。
 政府当局者は「北朝鮮は2008年7月、観光客パク・ワンジャさんが金剛山(クムガンサン)で北朝鮮軍に射殺された翌日、直ちに遺憾を表明した」とし「金正日(キム・ジョンイル)総書記(2011年死亡)が玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)現代グループ会長に会った席で再発防止を約束したこととも違いがある」と話した。北朝鮮の反倫理的行為に対する国際社会の非難にもかかわらず、北朝鮮は一切対応をしないでいると説明だ。当時北朝鮮は金剛山観光を担当する名勝地総合開発指導局報道官名義で遺憾を表した。
 当時真相調査に参加した前職当局者は「パク・ワンジャさん事件は多少偶発的に発生した情況があった」とし「今回は『上部』の指示によって発生した点で、北朝鮮による意図的行為とみられるだけに、北朝鮮が公開的な遺憾表明に出る可能性は低い」と話した。
 金剛山観光の場合、北朝鮮が外貨を稼ぐ「ドル箱」だった点で銃撃事件として観光が中断される場合、北朝鮮に直接的な被害につながるおそれがあるという懸念も作用した可能性がある。また、現代峨山(ヒョンデアサン)職員が現地に常駐していて直ちに事件把握が可能で、現場が維持されていた点でも北朝鮮がうやむやにするには難しかった状況だ。
 しかし今回の事件の場合、北朝鮮が新型コロナという「言い訳」をすることができるうえに、すでに韓国を敵と規定してすべての「取引」から手を引いた状況なので北朝鮮の立場では失うものがない。韓国政府が出て国際社会の対北制裁などを試みることも可能かもしれないが、これさえも北朝鮮が証拠(遺体)を海上で遺棄したため、北朝鮮がねつ造だと反発する場合、中国やロシアの参加を引き出すには限界があるという指摘だ。対応策を探している韓国政府の悩みが深まっているのもこのためだ。
 国民大学の全賢俊(チョン・ヒョンジュン)兼任教授は「北朝鮮はスモーキングガン(明白な証拠)が発見された韓国哨戒艦『天安』爆沈事件についても自分たちの所業ではないと否定している」とし「国際社会の非難が始まった状況で、言い逃れをするか最初から対応しない可能性が高い」と話した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270615?servcode=400&sectcode=400
「中央日報日本語版」 2020.09.25 11:42
■襲撃された韓国公務員の実兄「軍警戒の失敗で死に至らしめては越北に追い込むのか」
 
【写真】北朝鮮軍に射殺された公務員イさんが行方不明になった当時、漁業指導船の船尾にあった履き物。海洋水産部は「脱いだ履き物が置かれていて、誤って転落したとは考えにくい」と伝えた。[写真 仁川海警]

 「してくれそうに話しても一度も守ってくれたことがない。約束ばかりして待ってほしいと言った」(弟) 
 「分かったから待ってみろ」(兄)
 行方不明になった後、北朝鮮側によって殺害された海洋水産部漁業地図公務員のイさん(47)が実兄とやりとりした最後の携帯メールの内容だ。だが、永遠に守ることのできない約束になった。
 イさんの長兄Aさん(55)など遺族は国防部の初期対応の失敗がこのような結果をもたらしたとして強く抗議した。Aさんは24日、中央日報とのインタビューで「監視システムの誤作動、警戒勤務の失敗のせいで弟が死亡した」として「越北に追い込むのは死者と遺族に対する名誉き損」と強調した。
 彼はこの事件の核心は国防部が弟の行方不明時間の予測に失敗したとした。国防部と海洋警察から受けたという資料を公開して「国防部が行方不明時間を21日午前11時55分と推定したが、実際の行方不明はこの日午前2~3時ごろだったとみている」と主張した。続いて「最初の行方不明推定時間と国防部が把握した時間が少なくとも7~8時間の差が生じるのは国防部が報告時間を行方不明時間に認知しているため」とし「潮流が24時間の中で6時間置きに4回変わるが、このように差が生じてしまえば(救助および捜索で)とんでもない結果が出るほかはない」と話した。
 Aさんは「当日午前2~3時、大延坪島(デヨンピョンド)境界警戒所で弟を発見できなかったのが最も大きい問題」として「その時、弟が北に流れることを防ぐべきだった」と話した。イさんの越北の可能性は極力に否認した。彼は「気力が尽きて北朝鮮に到着した弟が越北の意向を明らかにしたというのは有り得ないことだ。弟はきつい性格ではない」として「十分に救うことができたのに国家の誤りで国民が死にあった」と声を高めた。
 Aさんは「政府の発表で遺族が苦しんでいる」として「病気を病んでいる未亡人である母がおられるが、衝撃を受けるかと思って便りも知らせられずにいる」と話した。
 Aさんによると、2012年海水部に入社した弟は5男2女の中で4番目で、本来遠洋漁船船長として働いた。普段からしばしば連絡を取ったが、越北の兆しは全くなかったといった。離婚の有無、個人の債務関係などに対しては「重要な本質でない」としてコメントを控えた。
 24日、全南木浦市(チョンナム・モクポシ)海水部西海(ソヘ)漁業管理団出入口は堅く閉じられていた。管理団職員のBさんは「21日に行方不明になった同僚を探していた状況で越北という政府の発表が出てきて管理団内部の雰囲気がとても混乱している」として「国家公務員は採用から検証を通じて欠格事由のない人を選び、イさんも検証を通過したのではないか」と話した。続いて「イさんは平凡な40代の家長であり、秋のワタリガニの季節を迎えて越境船舶を取り締まっていた同僚」として「政府が事実確認をどのように経たのか問い直したい」と話した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925001300882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.25 11:14
■韓国人男性の射殺 誰が命令?=北朝鮮海軍司令部に報告か
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮に近い黄海上で行方不明になっていた韓国公務員の男性が北朝鮮側により射殺された後、遺体を燃やされた事件で、韓国国防部が「北の海軍司令部まで報告が上がったとみているが、誰が射殺を決めて命令したかは分からない」という趣旨の報告をしていたことが分かった。韓国国会国防委員会に所属する複数の議員が25日、国防部が前日に同委員会に非公開で報告した内容を伝えた。

行方不明になった男性が乗っていた海洋水産部の漁業指導船(仁川海洋警察署提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
 国防委員会の閔洪チョル(ミン・ホンチョル)委員長(与党「共に民主党」)はMBCラジオのインタビューで、「北の高速短艇が来て射撃したと(国防部から)報告を受けた」と述べた。国防部は「海軍の指揮系統でないだろうか」と報告したという。ただ、北朝鮮海軍の最高責任者である金明植(キム・ミョンシク)海軍司令官(大将)の名前は出なかった。
 閔氏は北朝鮮海軍司令部の上層部まで報告された可能性を排除するのは難しいという意味かと問われると、「排除できないということだ」と答えた。
 匿名を条件に聯合ニュースの電話取材に応じた国防委員は、「国防長官はとにかく事実だけを話そうと努めているように見えた」と伝えた。また、「常識的に考えて、一人の人間の生死がかかった問題を海軍で決定しただろうか。少なくとも平壌まで(報告が)上がっただろう」と述べた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270612?servcode=400&sectcode=400
「中央日報日本語版」 2020.09.25 11:03
■<失踪韓国公務員銃撃>射殺位置まで38キロ、30余時間水泳…ライフジャケット着て可能? 急流で不可能?
 北朝鮮軍の銃撃で亡くなった韓国公務員イさん(47)は最初の失踪地点から銃殺された位置まで約38キロメートルを移動したと推定される。30余時間かけながらだ。
 意図的な越北か、あるいは足を踏み外したことによる遭難か、疑問が大きくなるばかりだ。韓国軍当局は24日、イさんがライフジャケットを着用して浮遊物(サッカーボール形の位置表示型「ブイ」と推定)を利用した点から推測して、自主的に越北した可能性が高いとみている。軍関係者はこの日記者会見で「非常に遠い距離だが、ライフジャケットを着用して泳いでいった可能性があり、浮遊物を利用してもいる」とし「〔西海(ソヘ、黄海)漁業指導管理団で〕長く勤務していたため海流をよく知っているものと推定するが確認は難しい」と話した。
 しかしイさんの兄は「北朝鮮側に到着した時、気力が尽きた状態だったが、北朝鮮まで泳いで行ったということか。失踪後、海上漂流時間が30時間以上になると推定されるが、これは自発的な越北ではないだろう」と反論した。
 実際、海洋警察署が小延坪島(ソピョンド)付近の海上からイさん行方不明の届出を受け付けたのは21日午後12時51分ごろだ。韓国軍が監視装備で北朝鮮黄海南道登山串(ファンヘナムド・トゥンサンゴッ)付近の海上で遺体を焼く炎を観測したのは22日午後10時11分ごろだ。
 これに対し、ある延坪島住民は「その日未明の時間帯潮流は北東に向かっていた」とし「潮流だけに乗ってライフジャケットを着た状態で浮漂を持っていたら(北朝鮮まで)泳いで行くことができたかもしれない」と話した。だが、21日午前早く目が覚めたというある住民は「その日は風が強く吹いていた。そこは水の流れが非常に強い場所」としながら「ブイを抱いていたとしても北朝鮮まで行くのは難しいと思う」と話した。
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「韓国軍、北朝鮮に抑留された6時間措置せず、事件の顛末も12時間後に公開」

2020年09月25日 | 北部朝鮮
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37861.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-25 09:13
■韓国軍、北朝鮮に抑留された6時間措置せず、事件の顛末も12時間後に公開
 韓国軍当局の対応と残された疑問点 
 
 軍「北朝鮮との通信線が遮断され、連絡手段なく 
 韓国側の情報資産が明らかになることも恐れた」

【写真】ソ・ウク国防部長官が今月24日午後、ソウル汝矣島の国会で開かれた国防委員会全体会議に出席し、延坪島近くで行方不明になった公務員に対する北朝鮮の銃撃事件と関連し、議員らの質疑に答えている/聯合ニュース

 国防部と大統領府が24日、西海(黄海)で行方不明になった公務員に対する銃撃事件について、相次いでブリーフィングを行ったが、依然として疑問が残る。

◆位置の特定から攻撃までの“6時間”、軍は何をしたか
 韓国軍は21日午前、海洋水産部(海洋部)所属の漁業指導員A氏が行方不明になったという報告を受けてから、約28時間後の22日午後3時30分頃、A氏が北朝鮮海上にいるという状況を把握した。しかし、A氏が殺害された夜9時40分までの6時間、北朝鮮との接触を試みなかった。軍関係者は「(事件が)北朝鮮側海域で発生し、最初は位置が分からなかった」とし、「北朝鮮がまさかそのような蛮行を犯すとは思わなかった」と述べた。また、「韓国側の情報資産が明らかになるのを恐れた側面もあった」と釈明した。
 軍が情報をリアルタイムで捉えたとしても、確認されていない段階で北朝鮮側に連絡を取ることができず、軍情報の入手経緯が明らかになることへの懸念もあったという説明だ。今年6月、北朝鮮が開城(ケソン)南北共同連絡事務所を爆破した後、南北連絡所を通じた連絡が途絶え、軍通信線も通じない状況で、適切な連絡手段がなかったという点も挙げた。多くの情報の総合的な分析に時間がかかったとも話した。しかし、すでにA氏の身元が特定された状況で、北朝鮮と接触を試みなかったことから、軍の対応が適切だったのかについては疑問が残る。政府関係者は「特殊戦司令部を派遣してでも救助すべきだという意見もあるが、その場合、全面戦争に飛び火する恐れがあり、あり得ないこと」だと釈明した。
 23日午前8時30分に銃撃の事実の報告を受けた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「正確な事実を確認し、北朝鮮にも確認するように」と指示した。しかし、軍当局が国連軍司令部軍事停戦委員会チャンネルを通じて事実関係の確認通知文を発送したのは同日午後4時35分だった。軍関係者は北朝鮮に通知文を送るのに時間がかかった理由について、「文書を作成し、関係機関同士のコミュニケーションにも時間がかかった」と述べた。また何よりも「南北通信線が遮断され、米国側を通して国連軍司令部の協力を求めるのにも時間がかかった」と付け加えた。

◆発表が遅れた理由は
 A氏が北朝鮮軍に銃撃を受けてから遺体が燃やされたという事実が、一部マスコミに公開されたのは23日夜10時50分ごろだ。同日午後1時ごろ、国防部はA氏の行方不明事件について、基本的な事実関係を公開すると共に、「まだ行方不明者は発見されていない」と述べた。さらに「軍の情報によると、9月22日午後、行方不明者が北朝鮮海域で発見された情況が確認され、精密分析を行っている」と説明した。A氏が北朝鮮海域で発見されたことについて、経緯の説明を求める記者団の要求が相次いだが、軍はA死が生存しているか、それとも死亡したかはわからないと答えた。すでに軍がA氏の遺体が焼却されたという情況をつかんでから半日が経った状況だった。敏感な事案だけに情報の信頼性を高めるべきだったと軍は説明しているが、「安否確認もできない」と述べた理由の説明にはならない。
キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/963591.html
韓国語原文入力:2020-09-25 02:17


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37860.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-25 08:16
■行方不明後、北朝鮮軍に銃撃受けた公務員はどんな人か
 14日、ムグンファ10号の一等航海士に発令 
 4カ月前に離婚、同僚に2千万ウォンの借金 
 遺族「激しい潮流で泳いで越北するのは不可能」

【写真】西海漁業管理団の職員らが2018年10月、全羅南道加居島付近の海上で不法操業する中国漁船を取り締まっている=西海漁業管理団提供//ハンギョレ新聞社

 西海(黄海)最北端の小延坪島(ソヨンピョンド)沖で行方不明になり、北朝鮮軍に銃撃され遺体が燃やされたと発表された漁業指導船ムグンファ10号の乗組員A氏(47、8級)は、2012年に海洋水産部所属の西海漁業管理団に入社し、8年間にわたり漁業指導船で勤務してきた。
 全羅南道莞島(ワンド)出身で、居住地は慶尚南道梁山(ヤンサン)だが、普段は西海漁業管理団のある木浦(モッポ)宿舎で過ごしてきた。今月14日、一等航海士に発令されたA氏は、17日に500トン級のムグンファ10号(16人乗船)に搭乗し、延坪島(ヨンピョンド)一帯で漁場管理業務を行ってから、25日に木浦に復帰する計画だった。
 A氏は同僚職員らに数百万ウォンずつお金を借りており、合わせて約2千万ウォン(約180万円)の借金があったという。一部の債権者はA氏を相手取って裁判所に給与仮差押を申立てたという話もある。仁川海洋警察もA氏が「普段から借金などで苦しんでいた」と明らかにした。A氏は4カ月前に離婚したという。
 海洋警察は、船内でA氏の携帯電話は見つかっておらず、手帳と財布は確認したが、遺書など特異な点はなかったと説明した。船内の監視カメラ(CCTV)2台はいずれも故障しており、行方不明直前の行動は確認できない状態だ。海洋水産部は船尾右側にA氏のスリッパが揃えられていたことから、足を踏み外した可能性は低いとみている。軍当局も、A氏が越北を試みたものと見ている。
 しかし、A氏の兄だと主張するフェイスブック利用者は「身分証と公務員証が船舶にそのまま残っているのに、越北したという根拠がどこから出たのか疑問だ。この海域は潮流が激しく、1日4回潮の流れが変わるのに、泳いで(北朝鮮へ)行ったというのはあり得ない」という書き込みを残した。
キム・ヨンヒ、イ・ジョンハ、チン・ミョンソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/area/honam/963543.html
韓国語原文入力:2020-09-25 02:17


http://japan.hani.co.kr/arti/international/37863.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-25 10:28
■「北朝鮮、新型コロナ遮断に執着し銃殺指針をむやみに適用」BBCなど外信も集中報道
 海外メディア、北朝鮮の「漁業指導船員射殺」を緊急報道 
 悪化した南北関係、さらに悪化すると展望

【写真】北朝鮮の南北共同連絡事務所爆破の衝撃で損壊したまま放置された開城工団支援センター=坡州/聯合ニュース

 北朝鮮が韓国の海洋水産部所属の漁業指導船員を射殺し遺体を毀損した事件を、外信も素早く報道し敏感に反応した。
 英国のBBCは24日(現地時間)午前に報じたオンライン記事で、韓国国防部が船員射殺を「蛮行」だと糾弾したと伝えた。同放送は国防部の発表を引用し「北朝鮮兵士が漁業指導船員に銃撃を加えた後、遺体を毀損した」と伝えた後、北朝鮮は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫のために、国境を越える人々を銃殺する方針を施行しているものとみられると言及した。ソウル駐在のローラ・ビッカー特派員は「北朝鮮はCOVID-19から自国を守るためにできる限りの全ての措置を行なっているようだ」と説明した。
 また同放送は、北朝鮮が10月10日の労働党創建75周年に合わせて大規模な閲兵式を準備しているものと観測されるとし、「この行事でCOVID-19が拡散する危険があり、この危険性に対する執着で銃殺方針をむやみに適用しているようだ」という北朝鮮ニュース専門機関「コリア・リスク・グループ」のチャド・オキャロル最高経営者の発言を引用して報じた。
 AP通信も漁業指導船員の射殺に関する韓国国防部の発表内容を詳しく伝えた後、「北朝鮮はCOVID-19感染者が一人もいないと主張するが、多くの専門家はこれを信じておらず、COVID-19が北朝鮮に致命的な衝撃を及ぼす可能性があるとみている」と伝えた。
 同通信はまた「西海(黄海)海上の国境が不明なため、2010年の天安艦沈没事件など流血衝突がたびたび発生した」とし「今回の事件はすでに大きく悪化した南北関係をさらに悪化させるものとみられる」と見通した。さらに「韓国内の保守陣営はこの船員が越北を試みたようだという韓国政府の説明は根拠がないと主張する一方、政府が反北朝鮮感情を遮断しようとしていると批判した」と伝えた。
 ロイター通信は「韓国の公務員が射殺された正確な理由は不明だが、北朝鮮軍は政府のCOVID-19防止指示に従って行動したものとみられる」という韓国国防部の発表を伝えた後、北朝鮮がCOVID-19の流入を防止するために軍に「射殺命令」を下したという在韓米軍関係者の過去の発言を紹介した。
 米国のCNNもこのニュースを詳しく伝え、「6月に南北の通信網が断たれた後、両国の間で緊張が高まっている」と指摘した。同放送は、2008年の韓国の金剛山(クムガンサン)観光客殺害事件、天安艦沈没事件などの過去の事例を取り上げ、最近の緊張関係は、韓国政府の仲裁努力にもかかわらず、朝米交渉が特に成果を出せなかったことから始まったと説明した。
シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/963537.html
韓国語原文入力:2020-09-25 00:25


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37853.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-25 09:23
■国防部「行方不明の漁業指導員を銃撃後、遺体燃やした北朝鮮に厳重警告」
 延坪島行方不明者銃撃に関する発表で強く糾弾

【写真】アン・ヨンホ合同参謀作戦本部長が今月24日午前、国防部で西海最北端の小延坪島で行方不明になった公務員に関する立場文を発表している/聯合ニュース

 西海(黄海)延坪島(ヨンピョンド)付近で行方不明になった海洋水産部の漁業指導員が、北朝鮮側から銃撃を受けて死亡し、火葬されていたことが確認された。
 国防部は24日、海洋水産部所属の西海漁業指導管理団海洋水産書記のAさん(47)の行方について「様々な情報を精密分析した結果、北朝鮮が北方海域で発見された韓国国民に銃撃を加え、遺体を燃やす蛮行を犯したことが確認された」と発表した。国防部は、海洋警察庁から延坪島付近の海上漁業指導船で漁業指導業務を行っていたAさんが21日午後1時ごろ、小延坪島(ソヨンピョンド)南方1.2マイルの海上で行方不明になったという報告を受けたと明らかにした。
 当局は、Aさんが北朝鮮へ越境する目的で漂流していたものと把握している。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外部流入を遮断するための北朝鮮当局の国境地域防疫指針に従い、北朝鮮警戒兵がAさんに銃撃を加えたと見ている。
 国防部は「韓国軍は北朝鮮のこうした蛮行を強く糾弾し、本件に対する北朝鮮の釈明と責任者の処罰を強く求める」とし、「韓国国民に対して犯した蛮行に伴うすべての責任は北朝鮮側にあることを厳重に警告する」と付け加えた。
 被害者の同僚らは、被害者が21日の昼休み中に姿を消し、船内と付近の海上を捜索したが、船内に靴だけが残されていたため、当局に捜索願を出していた。
キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/963457.html
韓国語原文入力:2020-09-24 11:40


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925000200882?section=news
「聯合ニュース」2020.09.25 09:13
■北朝鮮メディア沈黙 越境の韓国人射殺に=防疫強化は強調
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が北朝鮮側の海上で韓国公務員の男性を銃殺し、遺体を燃やした事件について、北朝鮮メディアは25日午前7時現在まで一切言及していない。前日に韓国青瓦台(大統領府)は北朝鮮を強く非難し、責任者の処罰を要求している。
 
【写真】死亡した韓国人男性は韓国海洋水産部管轄の漁業指導管理団に所属する指導員だった。行方不明になる前に男性が乗っていた漁業指導船(仁川海洋警察署提供)=(聯合ニュース)

 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞には、新型コロナウイルスの流入防止を訴える記事ばかりが目に付く。「防疫障壁」を一層堅固にすべきだと呼びかけている。ある記事は「河川に対する防疫学的な監視をさらに強化し、水に流れてきたり流域に堆積したりした物体、汚物などを徹底して防疫学的に処理するよう強い関心を向けている」「河川などに監視所が増強され、幹部らによる監視力が補強された」などと伝えた。
 南北間では2008年7月、北朝鮮の観光名所の金剛山を訪れた韓国人観光客が北朝鮮兵に射殺される事件が起きている。この事件発生翌日に北朝鮮の名勝地総合開発指導局報道官は談話を出し、「南朝鮮(韓国)観光客がわが軍人の銃に撃たれて死亡する事故が発生した」として遺憾の意を示した。また、金剛山地域の軍部隊報道官は翌月に特別談話を通じて「戦闘勤務中だった軍人は夜が明けきらない早朝、視界に制限があり、侵入対象がどこから現れたか、男性なのか女性なのかも識別できない状況だった」と強調した。
 当時、北朝鮮は事件の責任を韓国側に転嫁しながらも繰り返し「事故」を主張し、事態の速やかな収拾を望んでいることをうかがわせた。
 一方、今回の事件は状況が異なる。韓国海洋水産部の漁業指導船に乗っていた指導員の男性は21日に失踪し、翌日に北朝鮮側の海上を漂流しているところを北朝鮮軍に発見され、その数時間後に北朝鮮海軍系統の上部の指示で射殺され、遺体を燃やされた。
 北朝鮮の対応としてはこのまま沈黙を守るか、または熟考の上で立場表明をすることが考えられるが、韓国政府が北朝鮮を強く非難して責任を追求する姿勢を示していることを踏まえると、どのような方法であれ立場表明する可能性のほうが高そうだ。だが、非武装の民間人に銃撃を加えたという点から国際社会からの人権軽視のそしりは免れないとみられる。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200925000900882?section=news
「聯合ニュース」2020.09.25 09:53
■韓国首相「北の蛮行を強く糾弾する」 海上での射殺に
【ソウル聯合ニュース】韓国の丁世均(チョン・セギュン)首相は25日、北朝鮮に近い黄海上で作業中だった漁業指導船から行方不明になった韓国公務員の男性が北朝鮮軍の銃撃により殺害された事件について、「武装もしていないわが国民に対する蛮行を強く糾弾する」と述べた。

【写真】中央災難(災害)安全対策本部の会合で発言する丁首相=25日、ソウル(聯合ニュース)

 丁氏は中央災難(災害)安全対策本部の会合の冒頭、「衝撃的な事件」としながら「北の当局の責任ある返答と措置を促す」と強調した。
 故人の冥福を祈り、遺族にお悔やみを申し上げると述べた後、「国民の生命と安全を守ること以上に大切な価値はない」とした。


https://japanese.joins.com/JArticle/270601?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.25 09:11
■<失踪韓国公務員銃撃>「射殺は最高権力、平壌の指示…韓国と付き合わないというメッセージ」
 北朝鮮が韓国の民間人イ氏(47)を射殺するという衝撃的蛮行にためらいがなかったことを巡り、24日、韓国に対するメッセージという見方が出ている。
 北朝鮮軍は22日午後にイ氏を発見後、ガスマスクなどを着用し、イ氏との距離を維持したまま「海上尋問」を行った。その後イ氏を射殺し、ガスマスクと防護服を着用した人員が遺体に接近してガソリンをまいて海上で焼いた。当時イ氏は海上で疲労困憊した状態で北朝鮮の取り締まり艇に発見された。したがって逃走の懸念はなく、北朝鮮軍に危害を加える状況でもなかった。それにも関わらず、北朝鮮軍はイ氏を陸地に入れず、距離を維持したまま海上で尋問した後、射殺後に現場で遺体を焼いた。
 北朝鮮が新型コロナ防疫を名分に韓国国民を自国の海岸に入れずに海上で「処理」するという蛮行を犯したものと推測できる。
 しかし、防疫のために民間人を射殺したとすれば、これは21世紀の国際社会では決して許されない犯罪行為だ。それよりも、北朝鮮が民間人を射殺するという極限の方法で韓国に向けて相手にする気はないというメッセージを出したという解釈が出ている。匿名希望の元当局者は「北朝鮮は6月に韓国を『敵』と定めた」とし「南に対し、絶縁の意志を示すために韓国国民を射殺して『もう一度見せてやるが、韓国と付き合うことはない』というメッセージを伝えようとした」と解釈した。
 国防部は24日夜、国会国防委員会の報告で、発見から6時間後の射殺について「(上層部)に報告を続けて指示を受けるのにかかった時間」と説明したという。韓起鎬(ハン・ギホ)国民の力国防委員会幹事は「硬直した社会のため、最高権力である平壌(ピョンヤン)まで(報告が)行ったと思う」と語った。射殺に続いて夜間に遺体を焼いた行為も新型コロナ遮断というよりも、韓国に向けて見せしめと同時に脅威を示しているという指摘だ。


https://japanese.joins.com/JArticle/270604?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.25 09:20
■韓国首相「北の蛮行、強力に糾弾…責任ある措置を促す」
 丁世均(チョン・セギュン)首相は25日、西海(ソヘ、黄海)の北端、小延坪(ソヨンピョン)島の海上で行方不明になっていた公務員が北朝鮮側の銃撃で殺害された事件について「武装もしていない韓国国民への蛮行を強く糾弾する」と述べた。
 丁首相はこの日、政府ソウル庁舎で主宰した中央災難安全対策本部会議の冒頭発言で「衝撃的な事件が発生した」と述べ、「北朝鮮当局の責任ある回答と措置を要求する」と強調した。
 続けて「故人の冥福をお祈りし、遺族に心からお見舞い申し上げる」とし「国民の命と安全を守るよりも大切な価値はない」と述べた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270599?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.25 08:56
■<失踪韓国公務員銃撃>「むごい死が文大統領の平和念願に打撃」北朝鮮の蛮行に驚いた外信

【写真】文在寅大統領と金正恩北朝鮮国務委員長が昨年9月、オープンカーに乗って平壌順安空港で百花園招待所までカーパレードをしている。最近、文大統領を狙った北朝鮮の韓国への誹謗が強まり、南北首脳の間にどのような内部事情があったのか注目が集まっている。[中央フォト]

 海外の主要メディアは、北朝鮮軍が22日、韓国の武装していない民間人を海上で銃殺・焼却した事件について主要ニュースとして報じた。
 韓国国防部は24日、西海(ソヘ)最北端の小延坪(ソヨンピョン)島で失踪した西海漁業管理団所属公務員に北朝鮮が銃撃を加え、遺体を焼く蛮行を犯したと公式発表した。
 AP通信、CNN、BBCのなど主要外信は同日、国防部の発表と韓国メディアの報道を引用し、事件の経緯などを詳細に伝えた。
 今回の事件が南北関係と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対北平和政策に否定的な影響を与えるという指摘も出ている。英フィナンシャル・タイムズ紙は「北朝鮮が強行した韓国国民のむごい(gruesome)死はソウルと平壌(ピョンヤン)間の緊張を高め、文在寅大統領の平和への熱望に打撃を与えた」と報じた。
 続けて「今回の事件は、2008年に金剛山(クムガンサン)で観光客のパク・ワンジャさんが銃撃で殺害された事件に続き、北朝鮮軍が韓国の民間人を銃殺した2番目の事件」とも報じた。
 AP通信は「米国と北朝鮮の間の核交渉が膠着状態に陥った中、南北間の交流と協力のプログラムが事実上中断した状況で、今回の事件は南北の厳しい関係を悪化させる」という見方を示した。
 CNNは「南北間の緊張が高まったのは、6月に北朝鮮が開城(ケソン)共同連絡事務所を爆破してから」とし、「これまで南北、米朝間協議があったが、すべての面で意味のある結果は得られず、北朝鮮は韓国に徐々に攻撃的な態度を見せている」と報じた。
 BBCは「北朝鮮は新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)を防ぐために銃殺政策を施行しているものとみられる」とし「北朝鮮はコロナウイルスの流入を防ぐために、1月に中国との国境を閉鎖し、北朝鮮官営メディアは7月、北朝鮮が緊急事態を最高レベルに上げたと報道した」と伝えた。
 英ガーディアン紙は「2008年に金剛山の観光地訪問中に北朝鮮軍の銃撃を受けた事件以来初めて」とし、2010年11月に発生した延坪島砲撃事件と天安(チョナン)艦事件にも言及した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270598?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.25 08:29
■<失踪韓国公務員銃撃>韓国軍、北の蛮行5時間見守るだけ…なぜ対応しなかったのか
 韓国軍は、北朝鮮が海洋水産部の公務員イさん(47)を射殺し遺体を毀損してから一日半が過ぎた24日午前に公式説明をした。説明の内容は▼情報を総合分析するのに時間がかかり、速やかに発表できなかった▼北朝鮮海域であり対応に限界があった▼北朝鮮がここまでするとは思わなかった--というのが骨子だ。
 しかし軍の対応は釈然としない点が少なくない。イさんが行方不明であることが伝えられたのは21日午前11時30分、北朝鮮軍がイさんを射殺したのは22日午後9時40分だった。軍は状況を随時把握するのが不可能だったというが、22日午後3時30分に誰かが北朝鮮水産事業所の船舶と接触する状況を把握し、午後4時40分にはその人がイさんと特定した。
 それから射殺されるまで5時間ほどあった。しかし軍は北朝鮮に連絡を取ろうという努力もしなかった。事件が北方限界線(NLL)付近で生じただけに海軍の艦艇を送って武力示威をすることも可能だった。
 これに関し軍関係者は「北朝鮮海域で発生した」とし「(射殺)当時は位置は把握できず、位置を正確に推定したのは午後10時11分ごろ」と説明した。また「北がまさかそのような蛮行をするとは思わなかった」とも語った。
 しかしロバート・エイブラムス韓米連合司令官はすでに10日の学術行事で「中国との国境から1-2キロ離れたところに北朝鮮の特殊戦部隊が配置されていて(無断で国境を越える人を)銃で射殺しろという命令を受けている」と公開した。新型コロナの流入を防ぐための措置という趣旨だった。これについて軍関係者は「国境側で(射殺の)状況があったと評価する」としながらも「こうした措置が我々の(南北間)国境にも適用されるかどうかは知ることができなかった」と述べた。
 軍のメディア対応も問題だった。軍と青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の説明によると、23日午前8時30分にイさんが射殺されたという報告が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に伝えられた。対面報告を受けた文大統領は「事実関係を把握し、そのまま国民に知らせてほしい」と指示した。
 ところが国防部は23日昼に、しかも「行方不明事件」と記者団に公示した。「捜索で発見できなかったが、22日午後に行方不明者が北の海域で発見された状況を把握し、精密分析中」という内容だった。
 イさんが射殺され遺体が燃やされたという内容は、23日夜のメディアの報道で伝えられた。当時も軍は事実関係を確認せず、「明日午前に関連報道について説明する」と述べた。
 大統領の指示を受けてから一日以上も経過してから説明が行われたことについて、青瓦台関係者は「国連軍司令部を通じて事実確認を踏もうとしたのが23日午後4時30分であり、北と接触しない状態で明らかにするのは無理があった」と説明した。
 イさんを射殺して遺体を毀損したのが事実かどうか北朝鮮側にまず尋ねなければならず、韓国の民間人が北朝鮮軍に殺害されたという事実を国民に知らせるのは後回しにしたということだ。これは「北朝鮮が否認すれば知らせないのか」という反問にもつながる。
 国防部報道官室は24日晩にも記者団に「北の海域で起きている状況を随時確認して対応することはできないという点を理解してほしい」という内容の文字メッセージを発送した。しかしこのように弁解に追われる軍の態度は、「国家は国外にいる国民も保護する義務を負う」という憲法(第2条2項)の精神に反するという批判を免れないという指摘が出ている。


https://japanese.joins.com/JArticle/270597?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.25 08:26
■国民が犠牲になったのに…韓国政府「9・19軍事合意の違反ではない」
 北朝鮮の民間人射殺および遺体き損に対して政府はいっせいに糾弾の声をあげた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「衝撃的」「容認できない」などと表現し、「反倫理的な行為を強く糾弾する」(ヨ・サンギ統一部報道官)、「北朝鮮の釈明と責任者処罰を強く促す」(合同参謀本部)などの立場が相次ぎ出た。
 だが、相応措置など具体的な対応には誰も言及しなかった。かつて似たような場合、政府は独自制裁を通した報復を選んだ。2008年パク・ワンジャ氏が北朝鮮軍の銃撃によって死亡した時は金剛山(クムガンサン)観光を中断し、2010年天安(チョナン)艦爆沈の時は5・24措置を通じて南北間すべての交易を禁止した。
 国際連携も対応の一軸だった。韓米が協力して天安艦爆沈事件を国連安全保障理事会討議案件に回付し、行為者を名指すことはできなかったが「攻撃」と「糾弾」という表現を含む議長声明が採択された。米オバマ行政府は天安艦爆沈の背後に金英哲(キム・ヨンチョル)当時北朝鮮偵察総局長を名指して金融制裁の対象に含まれた行政命令を発動した。
 だが、キム・インチョル外交部報道官は24日、定例記者会見で北朝鮮が海洋水産部公務員イ氏(47)を射殺したことを受け、独自制裁を推進するかという質問に「関係部署間協議が行われている」とだけ答えた。国際的に連帯して糾弾声明を出す計画があるかとの質問にも“主要国と緊密に疎通している」という原則的な回答で一貫した。
 これを受け、南北関係の改善のために制裁緩和の必要性を主張してきた政府が最初から大きな意志がなかったのではないかという指摘も出る。すでに存在する制裁に対しても懐疑的な立場を見せてきたのが事実であるためだ。最初から公開的に「5・24措置の実効性が相当部分失われた」(5月ヨ・サンギ統一部報道官)と宣言した。
 2017年北朝鮮の強い挑発局面で韓日米は独自制裁連携を通じて対北朝鮮圧迫を強化したが、今回は3角安保構図が作動する兆しも見えない。文大統領は24日、菅義偉首相と初めて電話会談を行ったが、今回の事件に関連した言及はなかった。外交部が公開した康京和(カン・ギョンファ)外交部長官のこの日の活動はインドネシア・エクアドル外交長官との電話会談が全部。マイク・ポンペオ米国務長官、茂木敏充外相とのホットラインは稼動しなかったという意味だ。
 実際、実質的にこれといった対応手段もない。2015年北朝鮮の木箱地雷挑発の際、政府は北朝鮮に対する拡声器を設置して心理戦に出たところ、北朝鮮は交渉テーブルに出た。だが、2018年4・27板門店(パンムンジョム)宣言により政府はすべての北朝鮮向けの拡声器をすでに撤去した。南北関係改善だけを重視して自らの手足を縛ったという指摘が出る理由だ。
 実際、政府は国民が犠牲になったのに北朝鮮が軍事的緊張緩和を骨子とする9・19軍事合意を違反したわけではないという態度を見せた。24日、軍関係者は「9・19合意では(越境した)人に対する発射については言及されていない。(NLL周辺)緩衝地域で射撃ができないのは砲撃であり、消火器射撃は規定に定められていない」と話した。ソ・ジュソク青瓦台国家安保室第1次長も「9・19合意違反ではないと考える。9・19合意は海上緩衝区域で海上訓練射撃を中断することにしたもの」と話した。
 ただし、徐旭(ソ・ウク)国防部長官はこの日午後、国会国防委員会に出席して「(合意文の)条項に正確に登場するわけではないが、合意精神に反すると考える」と述べた。


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/24/2020092480304.html
「チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版」 2020/09/24 20:32
■「射殺までは予想できず」 銃殺・火刑をリアルタイムでただ見ていた韓国政府
 韓国軍は24日、北朝鮮軍による韓国人男性の射殺・火刑(火あぶり)事件について、22日午後3時30分から大まかな状況を認識していたものの、特段の措置を取らなかったことを明らかにした。この時点から同日午後10時までの約6時間の間に射殺・焼却が行われ、状況は軍首脳部だけでなく青瓦台(韓国大統領府)にまでリアルタイムで伝わっていた。しかし韓国政府はその間、軍の通信網はもちろん国際商船共通網を通じた対応も取らなかった。
 軍の関係者は24日、北朝鮮の蛮行について「そこまでするとは予想できなかった」として「わが国民を数時間後に射殺すると予想していれば、韓国軍はじっとしていなかっただろう」と話した。「北朝鮮が新型コロナの状況に鑑みて国境で射殺命令を下したことを情報当局は分かっていたと思うが、このようなことを予想できなかったのか」との質問に、この関係者は「そのときは、そのような判断はできなかった」と述べた。
 韓国軍は今回の状況をリアルタイムで認識していたが、正確な情報判断には時間がかかったと明らかにした。最初は22日午後3時30分、漂流していた男性に北朝鮮が接近したことを把握したが、正確な場所は分からず、後になって位置を特定することができたという説明だ。このため韓国軍が現実的に軍事的措置を取ることはできなかったというわけだ。
 しかし、今回の状況が軍首脳部だけでなく青瓦台にまで報告されたにもかかわらず、電文の送信や通信網を通じた措置がなかったことは納得し難い、という話が出ている。韓国軍は、射殺・火あぶりの状況が確認された22日午後10時ごろに、長官をはじめ青瓦台危機管理センターにも状況が伝えられたと説明した。しかし、いかなる措置も取られなかった。韓国軍が北朝鮮に公式に措置を取ったのは、全てが終わった23日午後4時35分だった。国連軍司令部を通じて、今回の事件に関する事実確認通報を要請しただけだった。
 このため、国民が銃殺され火あぶりにされたにもかかわらず、青瓦台と軍の対応は安易すぎるとの批判が飛び出した。ある軍の関係者は「状況を認識したときから、北朝鮮の返答がなくても通信ラインを通じた送還要請や抗議を続けるべきだった」として「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の23日未明の国連総会での『終戦宣言』演説や、その日予定されていた軍首脳部の三精剣(准将に昇進する際に授与される刀剣)授与行事などが、事件への消極的な対応に影響を及ぼした可能性がある」と指摘した。軍はこれについて「わが領土で発生した事案ではないため、即時対応が難しい側面があった」と説明した。
          ヤン・スンシク記者


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924005600882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 20:25
■韓国国会委 北朝鮮糾弾決議を採択=不明男性の射殺で
【ソウル聯合ニュース】韓国の国会国防委員会は24日、北朝鮮が黄海上で韓国人を射殺して遺体を燃やし、遺棄した行為を糾弾する決議案を全会一致で採択した。

【写真】国会国防委員会では徐旭(ソ・ウク)国防部長官が北朝鮮軍による韓国人射殺事件について答弁した=24日、ソウル(聯合ニュース)

 決議案は「国会は政府が国連をはじめとする国際社会と緊密に協力して北の反人倫的な蛮行が北東アジアの平和に対する重大な威嚇という認識を共有し、北が軍事的挑発行為を中止・放棄するよう外交努力を並行して行うことを要求する」と発表した。
 また、北朝鮮の行為について、「韓国に対する重大な武力挑発行為であり、朝鮮半島の安定と北東アジアの平和を威嚇する極めて深刻かつ重大な行為」と規定した。
 その上で、「このような挑発行為は北の政権の安定はおろか、国際社会の懸念と怒りを触発する」とし、「すべての責任は北の政権にある」と警告した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924005500882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 19:39
■北に射殺された韓国人 当局が船内を調査=自発的な越境の可能性も
【仁川聯合ニュース】韓国北西部の小延坪島付近で行方不明になり、北朝鮮側の海上で北朝鮮軍に射殺された公務員の40代男性が、遺書などを残しておらず、北朝鮮側に渡ろうとしていた痕跡なども見つかっていないことが分かった。

【写真】男性が乗っていた漁業指導船=24日、仁川(聯合ニュース)

 仁川洋警察署は24日午後に開いた会見で、男性が乗っていた海洋水産部の漁業指導船の調査結果を発表した。
 男性は海洋水産部管下の漁業指導管理団に所属する指導員で、同船に乗船中、21日から行方不明になった。同船は現在、小延坪島に近い海上に停泊している。
 海洋警察によると、男性が使用していた漁業指導船内の1人部屋からは、男性の携帯電話が発見されず、遺書などもなかったという。
 携帯電話は、海洋警察が21日午後1時19分ごろ、基地局を通じて確認したところ、電源が入っていない状態だった。
 海洋警察は船内で男性の手帳、財布、衣類などを確保。携帯電話の通話履歴や金融口座なども確認している。  
 また船内には2台の防犯カメラが設置されていたが、故障して18日から作動しておらず、男性の当日の様子などについては把握できなかった。
 同僚などによると、男性は清掃を率先して行うなど勤勉で、北朝鮮に関心を持っている様子はなかったという。
 ただ海洋警察は、男性の靴が船内に残っていた点や、男性が借金に苦しんでいた点、潮の流れに通じていた点などから、自発的に北朝鮮に向かった可能性を排除せず、調査を続ける方針を明らかにした。
 指導船は今月16日に全羅南道の木浦を出港。男性は17日に延坪島の海上で同船に乗り、21日に小延坪島の南側2.2キロの海上で行方不明になった。
 男性は別の指導船で3年間勤務していたが、14日に辞令により同船に異動となった。
 男性は21日午前0時から操舵室で当直勤務をし、午前1時35分ごろ、同僚に別の仕事をすると告げて操舵室を出たことが分かった。
 軍と情報当局は男性が、北朝鮮に渡ろうとして海上を漂流し、22日に北朝鮮側の海上で、北朝鮮軍に射殺されたと明らかにした。
 国防部は24日、「韓国軍はさまざまな情報を分析し、北が北側海域で発見された韓国国民に対し銃撃を加え、遺体を焼くという蛮行を犯したことを確認した」と発表した。
 北朝鮮は救命胴衣を身につけ浮遊物をつかんでいた男性に近づき、北朝鮮側に入った経緯を聞いた後、射殺したとされる。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924005400882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 19:38
■北朝鮮が射殺した男性の遺体 海域に遺棄=韓国国防相
【ソウル聯合ニュース】韓国公務員の40代男性が北朝鮮で射殺され、遺体が燃やされた事件で、韓国の徐旭(ソ・ウク)国防部長官は24日の国会国防委員会で遺体について、「現在確認できない」とした上で、「その海域にあるとみられる」と答弁した。

【写真】国会国防委員会に出席した徐氏=24日、ソウル(聯合ニュース)

 北朝鮮側が遺体を海に遺棄したかに関しては「そうだ」と述べた。
 遺体が海域にあるとの情報の信ぴょう性については「諜報のレベル」と明らかにした。
 また、遺体が燃やされた際、炎の明るさが約40分間確認されたと述べた。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924005300882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 18:17
■韓国国防相「監視装備・海上兵力の強化検討」 北の男性射殺で
【ソウル聯合ニュース】韓国の徐旭(ソ・ウク)国防部長官は24日、北朝鮮に近い海域で行方不明になっていた韓国公務員の40代男性を北朝鮮軍が銃殺し、遺体を燃やす事件が発生したことと関連し、黄海の北西島しょ周辺で監視装備や海上兵力の強化を検討すると述べた。

【写真】国会国防委員会で答弁する徐氏=24日、ソウル(聯合ニュース)

 同日開かれた国会国防委員会の全体会議で与党議員の質問に対してこのように答弁した。
 徐氏は、レーダー装備など現在の海上探索能力について、「テストの結果、われわれが持つ監視装備の能力では、(人を捕捉するのは)限界がある」と説明した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924005100882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 18:03
■韓国大統領府 北朝鮮による射殺「軍事合意違反ではない」
【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)関係者は24日、北朝鮮軍が海上で韓国人男性を射殺し遺体を燃やしたことについて、2018年の南北軍事合意は海上の緩衝地帯における海上軍事演習、重火器の射撃などを中止するものであり、合意違反には当たらないとの立場を示した。

【図】男性が乗っていた船と、男性が射殺された位置を示した図。船から38キロ離れた、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)の北側で射殺されたとみられる=(聯合ニュース)

 同関係者はその一方で「全体的に南北間の敵対行為や軍事的信頼を構築していく上で障害になるのは明らかだと考える」と述べた。 
 軍関係者はこの日、匿名を前提に行った会見で、今回の事件が軍事合意違反に当たるかについて、「(合意には)境界線を超えてきた人に対して射撃をするなという内容がない」と説明した。
 一方、軍当局は合意違反ではないとした直後に、「綿密に検討する」と訂正した。
 軍関係者はこの日、匿名を前提に行った会見で、今回の事件が軍事合意違反に当たるかについて、「(合意には)境界線を超えてきた人に対して射撃をするなという内容がない」と説明した。
 また今回の事件が、合意に盛り込まれた「緩衝地帯での敵対行為の禁止」違反に該当するかについても、「軍事合意には小火器が含まれておらず、砲撃だけが該当する」とし、「射撃は規定されていない」と述べ、青瓦台と同様に合意違反に該当しないとの立場を示した。ただ、会見に同席した別の軍関係者は「合意違反であるかどうかは綿密に検討してみなければならない」とし、軍当局の公式の立場を直ちに訂正した。
 2018年の南北軍事合意は地上、海上、空中にそれぞれ緩衝地帯を設定し敵対行為を禁じている。
 北朝鮮軍が男性を射殺したのは、南北軍事合意で緩衝地帯に定められた区域内だったとみられている。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924005200882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 17:55
■北朝鮮の韓国人銃殺に「容認できない衝撃的事件」=文大統領
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮に近い海域で行方不明となっていた韓国公務員の40代男性を北朝鮮軍が銃殺し、遺体を燃やした事件で、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日、「衝撃的な事件で非常に残念だ」として、「いかなる理由でも容認できない」と述べた。
 青瓦台(大統領府)の姜珉碩(カン・ミンソク)報道官が記者会見で伝えた。
 文大統領は「北の当局は責任のある答弁をし、措置を取らなければならない」と要求。軍に対しては警戒態勢をさらに強化し、国民の生命と安全を保護するために万全の態勢を取るよう指示した。
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「韓国統一部、「北朝鮮の韓国国民殺害、正当化できない反人道的行為」」

2020年09月24日 | 北部朝鮮
https://japanese.joins.com/JArticle/270589?servcode=200&sectcode=230
「中央日報日本語版」 2020.09.24 17:05
■韓国統一部、「北朝鮮の韓国国民殺害、正当化できない反人道的行為」
 21日、西海(ソヘ)で勤務中に行方不明になった韓国海洋水産部所属の漁業指導船員を北朝鮮軍が射殺して遺体を焼いた事件について、韓国統一部は24日、「いかなる理由でも正当化できない反人道的行為」と糾弾した。
 呂尚基(ヨ・サンギ)統一部報道官はこの日、「9月21日、延坪(ヨンピョン)島付近の海上で行方不明になった韓国の漁業指導員が北朝鮮軍によって殺害されたことについて深い哀悼の意を表する」と述べた。
 呂報道官は「北朝鮮軍が武装していない韓国国民に銃撃を加え、遺体を焼いた行為はいかなる理由でも正当化できない反人道的行為であり、強く糾弾する」とし「北朝鮮軍のこのような行為は、南北間の和解と平和のための我々の一貫性のある忍耐と努力に水を差すものであり、韓半島(朝鮮半島)の平和のための我が国民の熱望に正面から反するもので、厳重に抗議する」と強調した。
 また「統一部は北朝鮮が今回の事件が誰によって強行されたのか明らかにし、再発防止などあらゆる措置を取ることを強く要求する」と付け加えた。
 統一部当局者は「北朝鮮が6月に南北関係を断絶し、南北のをつなぐすべての通信手段を断ってしまった」とし「統一部レベルで北朝鮮に直接立場を伝達する手段がないため声明で代替した」と説明した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270587?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.24 16:18
■韓国大統領府「北朝鮮、韓国国民を銃撃殺害・遺体損壊…強力に糾弾」
 青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)は24日、西海(ソヘ、黄海)北側小延坪島(ソヨンピョンド)近くの海上で公務員が行方不明となり北朝鮮から攻撃された事件と関連し、「強力に糾弾する。北朝鮮は今回の事件に対するすべての責任を負い、その真相を明白に明らかにする一方、責任者を厳重処罰しなければならない」との立場を明らかにした。
 国家安全保障会議(NSC)の徐柱錫(ソ・ジュソク)事務処長はこの日NSC常任委員会会議直後の会見を通じ、「北朝鮮軍が何の武装もしておらず抵抗する意志もない韓国国民を銃撃で殺害し遺体を損壊したことはいかなる理由でも正当化することはできない」としてこのように話した。
 徐処長は「北朝鮮はすべての責任を負って真相を明白に明らかにする一方、謝罪し再発防止に向けた明確な措置を取らなければならない」と繰り返し糾弾した。
 徐処長は「韓国政府は西海5島をはじめとする境界地帯の警戒態勢を強化し、安全に向け必要なあらゆる措置を取るだろう。わが国民の生命と安全を脅かすことに断固対応することを明らかにする」と話した。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924003100882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 15:49
■韓国人男性を銃撃後に焼却 「蛮行」と北朝鮮批判=韓国与党代表
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が海上で韓国人男性を射殺し、遺体を燃やした問題で、韓国与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表は24日、「非武装の民間人に意図的な銃撃を加え、遺体を燃やした行為はいかなる理由でも容認できない蛮行」として、「強い遺憾」を表明した。

【写真】国会で国防部の朴宰民(パク・ジェミン)次官(右)から報告を受ける李氏=24日、ソウル(聯合ニュース)

 同党によると、李氏は「今回の事件は南北の首脳が合意した『板門店宣言』と『平壌共同宣言』の精神に反し、南北関係の発展と朝鮮半島の恒久的な平和定着を期待する国民の期待を裏切る行為」と批判。「わが党は北のこうした蛮行を強く糾弾し、反人倫的な行為に対する謝罪と責任者の処罰を強く求める」と述べた。
 韓国軍に対しては、「北に接する境界(地域)で国民が脅かされることがないよう強力な対策を立てることを望む」と述べた。


https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200924002400882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.24 14:49
■北朝鮮軍 韓国人男性を銃撃後に焼却=上層部の指示で
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が韓国北西部の小延坪島付近で漁業指導船乗船中に行方不明となっていた韓国公務員の40代男性を北朝鮮側の海上で射殺し、油ををかけて遺体を燃やしたことが24日、分かった。新型コロナウイルスの防疫措置の一環とみられるが、非武装の民間人を残忍に射殺したことから、南北関係に少なくない影響を与えそうだ。

【写真】行方不明になった男性が乗っていた漁業指導船(海洋水産部・西海漁業指導管理団提供)=(聯合ニュース)

 韓国軍当局によると、男性はライフジャケットを着用し、浮遊物に乗って気力を失った状態で22日午後3時半ごろ、北朝鮮南西部・黄海南道にある水産事業所の船舶によって発見された。北朝鮮側の船員が防毒マスクや防護服姿で一定の距離を維持しながら、男性から訪朝の経緯などを尋ねたとみられるという。その後、同日午後9時40分ごろ、取締艇に乗った北朝鮮軍が男性に銃撃を加えた。軍関係者によると、銃撃前に上層部の指示があったとみられるという。
 同日午後10時10分ごろ、北朝鮮側の海上で油をかけて遺体を燃やし、延坪島からも炎の明るさが確認されたという。
 軍当局は船に靴を残していたことなどから、男性が自らの意思で北朝鮮入りを試みたと判断している。
 だが、男性が北朝鮮側で発見されたことを確認したにもかかわらず、射殺されるまでの5~6時間の間、北朝鮮側と連絡を取るなどのいかなる措置も行わなかったことは不適切との指摘が出ている。軍関係者は「そこ(射殺)までするとは思わなかった」と述べた。また、韓国側の情報資産が明らかになることも懸念したと伝えた。
 軍当局は23日午後、国連軍司令部を通じて北朝鮮側に通知文を送り、行方不明者がいることを伝えて回答を求めたが、これまで返信はないという。


https://japanese.joins.com/JArticle/270580?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.24 14:34
■<失踪韓国公務員銃撃>「北朝鮮、漂流経緯を質問後に銃撃…その場でガソリンをまいて焼いた」
 北朝鮮が軍の指揮系統により、海上で40代の韓国人公務員A氏を襲撃し、その場でガソリンをまいて焼いたという情況が明らかになった。
 韓国軍の関係者が「(北朝鮮関係者が)射撃後に防護服とガスマスク着用した状態で遺体に接近し、ガソリンをまいて焼いた」とし、最低限の葬儀を行ってから火葬したわけではないと24日、明らかにした。
 A氏を発見した北朝鮮は船で接近してガスマスクを着用した状態で一定の距離を取り、A氏の漂流経緯を確認して越北に関する陳述を聴取したものとみられる。また、軍関係者は「22日午後9時40分頃、銃撃が起きたとみられる」とし「何発撃ったかは推定も困難」と述べた。
 続けて、軍の監視装置で観測された炎で、遺体が焼かれたことを確認したと発表した。軍関係者は「22日午後10時11分頃、延坪(ヨンピョン)島の軍監視装置が炎を観測したが、北朝鮮軍が遺体に接近して燃やした情況とみられる」とし「遺体の残骸が海上に残っているかはNLL(北方限界線)以北のため確認できない」と付け加えた。
 韓国軍はまた、銃撃について北朝鮮に事実関係の確認を求めたが、回答がなかったと述べた。また、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)防疫措置により境界の内側に入れば無条件に射撃するものと判断されると明らかにした。
 韓国政府は21日、西海(ソヘ)NLL近くの海上で漁業指導船に乗船中、行方不明になったA氏が北朝鮮軍の銃撃を受けて死亡したことが確認されたと23日、明らかにした。
 韓国軍がA氏の自主的に北朝鮮に渡った可能性が高いと判断した中、同僚の公務員はその可能性は低いと口をそろえた。野党も政府の発表に疑問を提起している。A氏は、2人の子供を持つ平凡な40代の家長で、日ごろから特に変わった点はなかったという。


https://japanese.joins.com/JArticle/270579?servcode=200&sectcode=230
「中央日報日本語版」 2020.09.24 14:25
■韓国統一部「延坪島で行方不明の公務員について北側から連絡ない」
 小延坪島(ソヨンピョンド)付近の海上で韓国の漁業指導公務員が北朝鮮側の銃撃を受け、遺体を燃やされたとみられる事件に関連し、韓国統一部は24日、「北側からの連絡はない」と明らかにした。
 統一部の当局者はこの日、延坪島(ヨンピョンド)行方不明者事件に関連し、記者から「北側から連絡が入ったり、我々から連絡を図ったりしたのか」という質問を受けると、このように答えた。
 この当局者は「我々というのは統一部を意味するものと理解するが、統一部はこの件に関連して北側と連絡を取る手段が現在ない状態」と答えた。また「現在、北側から(この件に関して)連絡を受けたものはない」と話した。
 北朝鮮は6月、脱北民団体の対北朝鮮ビラ散布を問題にしながら南北間のすべての通信連絡線を遮断し、南北共同連絡事務所を爆破したことで、統一部レベルで北側と連絡を取るチャンネルがすべて断たれているという説明だ。
 北側の銃撃で死亡した行方不明者の遺体の送還問題については「この件とは別に業務処理手続き上で話す」という前提で「民間人の遺体送還の場合、統一部が板門店(パンムンジョム)通路を通じて引き渡しを受けた」と説明した。
 国防部は24日、延坪島付近の海上で21日に行方不明になった漁業指導公務員A(47)が自ら越北を図った後、北側の銃撃で死亡したと判断される、と明らかにした。また、北側がAの陳述を聞いた後、上部の指示で海上で銃撃し、その場で遺体を燃やしたと推定されると伝えた。
 これに先立ち軍は21日、小延坪島南側の海上で海洋水産部所属の漁業指導船に乗っていた公務員が行方不明になったという通報が海洋警察に入り、捜索に着手した。


https://japanese.joins.com/JArticle/270576?servcode=200&sectcode=220
「中央日報日本語版」 2020.09.24 13:49
■韓国国防部「北、上部の指示で韓国国民を銃撃…海上で遺体燃やす」
 西海(ソヘ、黄海)最北端の小延坪島(ソヨンピョンド)漁業指導船で行方不明になった公務員は、北朝鮮軍警備艇の上部の指示で銃撃を受けたと、韓国国防部は把握した。韓国国防部は自ら北朝鮮に渡ろうとしたこの公務員を北側が射殺した後、遺体に油をかけて海上で燃やしたことを裏付ける証拠も確保した。
 軍関係者は24日、記者らにこのように明らかにし、「正確な射殺時間は22日午後9時40分ごろ」と伝えた。「射撃と遺体を燃やしたことはいつ認知したのか」という質問には「22日10時11分以降に分かった。状況を認知した後、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)と国会にすぐに報告した」と答えた。
 軍によると、21日午前11時30分、小延坪島の北側2.2キロの海域で、昼休み時間を控えて海洋水産部西海漁業指導管理団所属の職員A(47)の姿が見えないことを同乗していた船員らが認知した。当日午後13時ごろ、Aが行方不明であることを通知した後、一帯で精密捜索が行われた。
 翌日の22日午前10時、延坪部隊の録画装備で確認したが、特異事項はなかった。22日午後3時30分ごろ、登山串(トゥンサンゴッ)一帯の海上の北朝鮮船舶で力尽きたような行方不明者を最初に発見したという情報を入手した。軍関係者は「北側が警備艇の上部の指示で行方不明者に射撃をしたとみられるが、誰であるかは特定できない」とし「北は新型コロナ措置で無条件に射撃をすると判断される」と説明した。続いて「22日午後10時11分ごろ延坪島(ヨンピョンド)軍監視装備が光を観測したが、北の軍が遺体に接近して燃やしたものとみられる」と明らかにした。
 「指揮系統による射殺だが、火葬も指針だったのか」と尋ねると、「火葬という用語はない」とし「油をかけた後に海上で燃やして遺棄した」と答えた。「海上に遺体は残っているのか」という質問には「北方限界線(NLL)北側の海上であり、かなり遠い距離なので分からない」と話した。
 関係者は「行方不明者はライフジャケットを着用していて、履き物は捨て、小型浮遊物を利用した点などを把握した」とし「越北の意思を表明した点も識別し、自主的に越北を図った可能性も高いと判断する」と説明した。
 越北の過程については「長期間の勤務で海流をよく知り、浮遊物に乗ったり泳いだりした可能性もある」とし「個人の特性が表れるため勤務期間は明らかにできない」と話した。「遺族は越北の可能性を否認している」「漂流後に越北の意思を明らかにしたのか」などの質問には「軍は自主的な越北と見ている」と改めて強調した。続いて「わが軍は23日午後4時35分ごろ、国連軍司令部との協議のもと、対北電話通知文を発送して行方不明を通知したが、今まで返答はない」と伝えた。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37853.html
2020-09-24 13:59
■国防部「行方不明の漁業指導員を銃撃後、遺体燃やした北朝鮮に厳重警告」
 延坪島行方不明者銃撃に関する発表で強く糾弾

【写真】アン・ヨンホ合同参謀作戦本部長が今月24日午前、国防部で西海最北端の小延坪島で行方不明になった公務員に関する立場文を発表している/聯合ニュース

 西海(黄海)延坪島(ヨンピョンド)付近で行方不明になった海洋水産部の漁業指導員が、北朝鮮側から銃撃を受けて死亡し、火葬されていたことが確認された。
 国防部は24日、海洋水産部所属の西海漁業指導管理団海洋水産書記Aさん(47)の行方について「様々な情報を精密分析した結果、北朝鮮が北方海域で発見された韓国国民に銃撃を加え、遺体を燃やす蛮行を犯したことが確認された」と発表した。国防部は、海洋警察庁から延坪島付近の海上漁業指導船で漁業指導業務を行っていたAさんが21日午後1時ごろ、小延坪島(ソヨンピョンド)南方1.2マイルの海上で行方不明になったという報告を受けたと明らかにした。
 当局は、Aさんが北朝鮮へ越境する目的で漂流していたものと把握している。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外部流入を遮断するための北朝鮮当局の国境地域防疫指針に従い、北朝鮮警戒兵がAさんに銃撃を加えたと見ている。
 国防部は「韓国軍は北朝鮮のこうした蛮行を強く糾弾し、本件に対する北朝鮮の釈明と責任者の処罰を強く求める」とし、「韓国国民に対して犯した蛮行に伴うすべての責任は北朝鮮側にあることを厳重に警告する」と付け加えた。
 被害者の同僚らは、被害者が21日の昼休み中に姿を消し、船内と付近の海上を捜索したが、船内に靴だけが残されていたため、当局に捜索願を出していた。
キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/963457.html
韓国語原文入力:2020-09-24 11:40


https://japanese.joins.com/JArticle/270571?servcode=500&sectcode=510
「中央日報日本語版」 2020.09.24 11:31
■韓国国防部「北の蛮行を強く糾弾…釈明と責任者処罰を要求」
 延坪島(ヨンピョンド)で韓国の国民が銃撃を受けた死亡した事件を受け、韓国国防部が北朝鮮を強く糾弾し、釈明と責任者の処罰を要求した。
 韓国国防部は24日、立場を表明し、21日午後1時ごろ小延坪島南側の海上で海洋水産部所属の漁業指導船の船員1人が行方不明になったという報告を海洋警察庁から受けたと明らかにした。
 国防部は「行方不明になった海洋水産部の漁業指導公務員Aさんは当時、漁業指導業務を実行中だったが、北が北側海域で発見された韓国国民に銃撃を加え、遺体を燃やす蛮行を犯したことを確認した」と伝えた。
 続いて「わが軍は北のこうした蛮行を強く糾弾し、これに関する北の釈明と責任者の処罰を強く求める」とし「我々の国民を対象にした蛮行によるすべての責任は北側にあることを厳重に警告する」と述べた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270543?servcode=200&sectcode=220
「中央日報日本語版」 2020.09.24 07:20
■「延坪島で行方不明の40代公務員、北の銃撃で死亡…遺体は火葬」
 海洋水産部所属漁業指導船船員一人行方不明
 今月21日、西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)付近の海上で漁業指導船に乗っていたが行方不明となっていた40代男性公務員が北朝鮮軍の銃撃を受けて死亡していたことが分かった。その後、北側はこの公務員の遺体を収容して火葬までしていたと伝えられた。
 李明博(イ・ミョンバク)政権だった2008年7月、金剛山(クムガンサン)で起きた故パク・ワンジャさん襲撃事件以降、12年ぶりに民間人死亡事件が発生したことが最終的に確認される場合、今後南北関係に波乱が予想される。執権4年目に入った文在寅(ムン・ジェイン)政府が南北関係改善のために水面下の努力を続けている渦中に、その努力に冷水を浴びせるような事態が起きたといえる。
 23日、韓国国防部によると、これに先立つ21日午後12時51分ごろ、小延坪島(ヨンピョンド)から南に約1.9キロメートル離れた海上で、海洋水産部漁業指導船に乗船していた公務員Aさん〔47・木浦(モクポ)西海漁業指導管理団所属〕がいなくなったとの届出が海洋警察に入った。
 この日午前11時30分ごろ、Aさんの姿が見えないため同船者が探したが、船内からはAさんの靴だけが見つかった。届出を受けて海洋警察や海軍艦艇はもちろん、海洋水産部の船舶や航空機など計20余りが出動して行方不明となった海域を捜索したがAさんを見つけることができなかった。
 しかしこの日、韓国軍と情報当局はAさんの死亡を確認したと伝えられた。軍のある消息筋は「さまざまな諜報を総合した結果、Aさんが北側海岸に接近するのを発見した北朝鮮警戒兵が銃撃を加えて死亡したとみられる。その後、遺体を収容して火葬したことが把握された」と話した。
 北側が火葬したことに関連しては「新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)防疫のための措置だと思われる」とした。
 韓国軍は国防部記者団に今回の行方不明事故について知らせるに先立ち、この日午前、閔洪チョル(ミン・ホンチョル)国防委員長などに関連事実を報告したことが伝えられた。与党国防委関係者は「合同参謀本部が事件の経緯を説明し、Aさんが越北した可能性と潮流に流された可能性をめぐり調査中だと説明した」と話した。
 軍当局によると、当時靴が残されているなど不自然な情況があり、Aさんが単に行方不明になったのか、わざと越北したのか確定できない状況だ。
 統一部も「関係当局の確認および分析作業が進行中なので、状況を見守って必要な措置を検討していく」とだけ話すにとどまった。
 Aさんが北朝鮮軍に攻撃されて死亡したことが最終的に確認される場合、南北関係にも大きな衝撃が広がることが予想される。故パク・ワンジャさん襲撃事件当時は北朝鮮は「警戒兵が偶発的に銃撃を加えた」と説明した。そのため北側が今回も上部の指示ではなく偶発事故の可能性を主張する可能性もある。ある関係者は「現在まで北側高官が介入した情況は確認されていない」と伝えた。
 北朝鮮は先月末、新型コロナの流入を防ぐために中国との国境1キロ以内に接近する者には理由を問わず発砲して射殺するよう指示を与えたと、中華圏インターネットメディア「多維」が先月28日に報道したが、同じような措置が南北境界隣接地にも下された可能性がある。
 一方、国防部は24日、今回の事件について記者会見を開く予定だ。
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「韓国政府 福島原発汚染水の海洋放出検討に懸念表明=IAEA総会」

2020年09月23日 | 
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200922003600882?section=news
「聯合ニュース」 2020.09.22 18:12
■韓国政府 福島原発汚染水の海洋放出検討に懸念表明=IAEA総会
【ソウル聯合ニュース】韓国政府はオーストリア・ウィーンで開催されている国際原子力機関(IAEA)総会で、日本政府が東京電力福島第1原発から出る放射性物質を含んだ処理水の処分方法として海洋放出を有力に検討していることに懸念を表明した。

【写真】鄭炳善第1次官(科学技術情報通信部提供)=(聯合ニュース)

 韓国科学技術情報通信部によると、同部の鄭炳善(チョン・ビョンソン)第1次官は22日、映像配信の形で行われた首席代表の演説で、日本が検討している海洋放出による環境面での安全性に対し、韓国を含む国際社会の懸念と不安が募っていると指摘。海洋放出は全地球的な海洋環境に影響を与えかねないため、中長期的な環境への害などを十分に検討すべきであり、これに向けIAEAなど国際社会との協力が必要だと訴えた。
 特に、日本は原発汚染水の処分方法を決定するにあたり、国際社会がその安全性を十分に理解し、受け入れられるよう、韓国を含む国際社会と透明に意思疎通を図る義務があるとし、この過程でIAEAが積極的かつ中枢的な役割を果たすことを提案した。
 鄭氏はこのほか、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和体制の定着に向けた韓国政府の努力を紹介し、IAEAと加盟国、国際社会に積極的な後押しを求めた。


https://japanese.joins.com/JArticle/270539?servcode=A00&sectcode=A10
「中央日報日本語版」 2020.09.23 17:02
■韓日が国際原子力機関で福島原発汚染水めぐり論争
 韓国政府が22日の国際原子力機関(IAEA)総会で福島第1原子力発電所の汚染水海洋放出について懸念を示したことに対し日本側が反論した。
 朝日新聞は23日、韓国が演説で汚染水の処分法を決める前に国際社会に明瞭に説明する義務があると述べたのに対し、日本は国際法に従い、関連情報を適切な方法で国際社会と共有していると反論したと報道した。
 これに先立ち科学技術情報通信部の鄭炳善(チョン・ビョンソン)第1次官は22日に映像で行われた首席代表基調演説で、最近日本政府が福島原発汚染水処分案として海洋放出を有力に検討しているとした上で、これによる環境的安全性に対し韓国を含む国際社会の懸念と不安感が大きくなっていると指摘した。
 特に日本政府が汚染水処分案をまとめる際に国連海洋法協約など国際法により国際社会がその安全性を十分に理解して受け入れられるよう、処分案決定に先立ち韓国を含めた国際社会と透明に明瞭に説明する義務があるとし、この過程でIAEAが積極的で中枢的な役割をすることを提案した。
 日本政府は韓国の指摘に対し、「福島第1原発の廃炉作業はIAEAにも評価されており、今後もIAEAに完全に協力していく。日本は情報共有の努力を惜しまない」と説明した。これに対し韓国側は再度「約束が具体的な行動に移されることを希望する」と話したという。
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「光州5・18抗争の怒りを引き起こしたのは、太極旗で覆われた2人の遺体だった」

2020年09月22日 | 韓国で
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/37827.html
「The Hankyoreh 」  2020-09-22 11:29
■「光州5・18抗争の怒りを引き起こしたのは、太極旗で覆われた2人の遺体だった」
 『彼らの5・18』の著者ノ・ヨンギ教授 
 談話会で本の執筆動機を説明 
 「明らかにされていない発砲命令権者 
 軍の資料は大半が捏造され、分析に時間がかかる」

【写真】ノ・ヨンギ朝鮮大学教授が今月18日、全南大学校5・18研究所で開かれた「5・18集談会」に出席し、「なぜ軍は国民に銃を撃ったのか」をテーマに話している=キム・ヨンヒ記者//ハンギョレ新聞社

 「韓国現代史においては、死の意味が思いがけない波紋を引き起こす場合があります。1980年5月21日未明、太極旗で覆われ、旧全羅南道庁に運ばれた2人の遺体もそうでした」
 今月21日、朝鮮大学のノ・ヨンギ教授(53)は「済州4・3事件(学生の犠牲者たち)や4・19革命(キム・ジュヨル)、6月抗争(パク・ジョンチョル)を見ると、いずれも死に対する抵抗だった。5・18光州民主化運動も同じだ。5月20日、光州駅前で起きた戒厳軍の最初の集団発砲の際に犠牲になった人々が光州市民の怒りを引き起こし、旧全南道庁に10万人が集まった」と語った。
 2005年から2007年まで国防部の過去事真相究明委員会の調査官として活動したノ教授は、当時目にした膨大な軍記録などをもとに、今年5月『彼らの5・18:政治軍人たちはいかに動いたか』(青い歴史)を出版した。18日、全南大学5・18研究所の月例集談会の発表者を務めたノ教授は、「大学1年生だった1987年5月、光州の南東聖堂で開かれた5・18写真展を見て、衝撃を受けた」と話し、「軍資料を中心に、軍人たちがなぜ国民に暴行を加え、発砲したのかを追跡した」と、本の執筆動機を説明した。
『彼らの5・18:政治軍人たちはいかに動いたか』(青い歴史)//ハンギョレ新聞社

 ノ教授は、5月17日に非常戒厳が全国に拡大した後、5月20日夜に光州駅前で戒厳軍の集団発砲によりホ・ボン氏、キム・ジェファ氏の2人が犠牲になり、思いもよらない方向に状況が変わったと分析した。5・18民主化運動で初の民間人死亡者は殴打によって死亡したキム・ギョンチョル氏だったが、光州市民たちは、5月21日未明に太極旗に覆われて手押し車に乗せられ錦南路(クムナムロ)に現れたホ氏らの遺体を目にしてから「もはや軍を恐れないようになった」と説明した。結局、状況を統制できなくなった軍が錦南路に集まった市民に向かって集団発砲し、市民軍が武装蜂起で対抗した。
 ノ教授は「ただ、舎北事態(1980年4月、韓国最大の民営炭鉱の東原炭座舎北営業所で御用労組と賃金の小幅引き上げに抗議し、坑夫らが起こした労働争議)や6月抗争と違い、光州だけが発砲命令権者や文書が明らかになっていない」とし、「軍資料はこれからも発掘されるだろうが、捏造されたものが多く、分析に多くの時間が必要だろう」と述べた。

キム・ヨンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/area/honam/963055.html
韓国語原文入力:2020-09-22 02:32
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