三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

「「否定的な歴史を直視すべき」…「朝鮮人大虐殺を認めない」政府に指摘した日本メディア」

2023年08月31日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「中央日報日本語版」2023.08.31 13:37 
■「否定的な歴史を直視すべき」…「朝鮮人大虐殺を認めない」政府に指摘した日本メディア
 東京新聞が31日、1923年の関東大震災当時にあった朝鮮人虐殺を認めない自国の政府に向けて「事実そのものを疑問視したり否定したりする言説が広がっており、歴史の風化や歪曲が懸念される」と指摘した。
 松野博一官房長官は30日の記者会見で、関東大震災当時の朝鮮人虐殺に対する政府の立場を問われると、「政府として調査した限り、事実関係を把握する記録は見当たらない」と答えた。
 これに対し同紙は「朝鮮人虐殺への論評を避ける構え」とし「事実そのものを疑問視したり否定したりする言説が広がっており、歴史の風化や歪曲が懸念される」と指摘した。松野官房長官が「反省」「教訓」という言葉に言及しなかったということだ。
 同紙は、松野官房長官の今回の発言が5月に谷公一国家公安委員長が国会で見せた姿勢と大きく異ならないと指摘した。当時、谷委員長は関東大震災当時の朝鮮人虐殺について「記録が見当たらない。さらなる調査は考えていない」と述べた。また、中央防災会議が2009年に「虐殺という表現が妥当」という内容を入れた報告書を作成したとも、同紙は伝えた。
 関東大震災当時の朝鮮人虐殺は日本の教科書にも掲載されているが、日本政府は虐殺の事実に背を向けるような態度を見せた。
 100年が経過した関東大震災は日本の首都圏がある関東地方で1923年9月1日に発生した。地震で約10万人が死亡し、約200万人が家を失った。当時、日本政府は戒厳令を宣言し、日本社会では「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「放火した」などとデマや流言が広まった。これを受け、約6000人と推定される朝鮮人と約800人の中国人が殺害された。


「The Hankyoreh」 2023-08-31 10:30
■「関東大震災朝鮮人虐殺、責任どころか調査もせず…人間として恥ずべきこと」
 宮川泰彦「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」実行委員長 
 関東大震災100年…49年間、毎年東京で追悼式

【写真】宮川泰彦「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」実行委員長=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 「朝鮮人虐殺にまともに向き合わないことは、人間として恥ずべきことです。二度と(あのようなことを)繰り返さないために語り続けていきます。それが今を生きる私たちの責務です」。
 韓日両政府の無関心のなかでも、日本の市民たちは50年近くにわたり毎年、関東大震災時に虐殺された朝鮮人のための追悼式を行っている。「日朝協会」などの日本の市民団体で構成された「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」がその主人公だ。関東大震災100年を迎える今年も、9月1日に東京都墨田区の横網町公園で追悼式が予定されている。宮川泰彦実行委員長(82)に16日、東京の自宅で会った。
 「追悼のはじまりは、大震災から40年たった1963年です。朝鮮人虐殺の事実をきちんと調査して記録に残さなければならないという運動が、関東の各地でありました。日朝協会なども調査班を作り、約10年間、遺族や目撃者に会って資料探しに取り組みました」。証言や資料が集まるにつれ、日本政府の隠ぺいによって曖昧だった当時の惨状が明確になった。取り組んだ人たちは、恐ろしい歴史を記憶して何の罪もなく殺された朝鮮人を追悼しようということで意見が一致した。
 1973年に大震災50年を迎え、大々的な募金を通じて追悼碑を作った。「今の雰囲気からは信じられませんが、追悼碑を作る際、東京都議会の自民党・公明党・社会党・共産党など各党の幹事長が代表委員として参加しました」。朝鮮人虐殺追悼碑は東京都に寄贈され、都立横網町公園に建てられることになった。その過程で市民団体は、追悼碑の内容について、東京都とやむを得ない妥協もすることになった。追悼碑の最初の行には「一九二三年九月発生した関東大震災の混乱のなかで、あやまった策動と流言飛語のため六千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われました」と書かれている。当初、市民団体が推進した碑文には「官憲によるあやまった策動と流言飛語」と表現され日本政府の責任を明確にしたが、最終的には「主語」が省かれることになった。
 「東京都は追悼碑の碑文の内容に関与しました。東京都の小池百合子知事が碑文の一部の内容を問題にして、2017年から7年にわたり追悼文を送らないでいるのはとんでもないことです」。宮川さんは語気を強めた。「表向きは個々の行事に追悼文を送らないと言っていますが、朝鮮人虐殺という歴史的事実を認めたくないのです。過去の日本の恥ずべき歴史と向き合いたくないのでしょう」。

【写真】2020年9月1日、東京都墨田区の横網町公園で開かれた「関東大震災97年朝鮮人犠牲者追悼式」で、参加者が追悼碑に献花している/聯合ニュース

 宮川さんは、小池知事の追悼文の送付拒否は「朝鮮人虐殺」を歪曲する極右勢力の歴史認識と結びついているとみている。日本の極右団体は、関東大震災時の朝鮮人被害者の数は誇張されており、虐殺も当時朝鮮人が起こした暴動に対する正当防衛だったと主張する。朝鮮人追悼碑の撤去も要求している。「そよ風」という名称の極右団体は、小池知事が追悼文送付を拒否した2017年から、朝鮮人虐殺追悼式が開かれる公園の近くで「朝鮮人6000人の虐殺は嘘」などと叫び、事実上の妨害集会を行っている。「きわめて危険な状況のようです。極右団体が騒ぎを起こして、朝鮮人追悼式も開けないようにしようとしているのではないかと心配しています」。ただし、小池知事の追悼文送付の拒否と極右団体の妨害集会がメディアを通じて知られると、追悼式に参加する市民の数は以前より大幅に増えたという。
 宮川さんは、日本政府が今からでも朝鮮人虐殺に対する真相究明に乗りだし、あの日の惨状が「国家の責任」であるという点を明確にしなければならないと述べた。弁護士でもある宮川さんは、2003年に日本弁護士連合会が当時の小泉純一郎首相に送った勧告書を強調した。日本弁護士連合会は朝鮮人虐殺について、「国は(中略)その責任を認めて謝罪せよ」としたうえで、「国は、朝鮮人、中国人虐殺の全貌と真相を調査し、その原因をあきらかにせよ」と求めた。日本政府は20年たっても回答していない。
 「植民地支配による差別と偏見や『3・1独立運動』などで抵抗する朝鮮人に対する支配者の恐怖感などが重なり、悲劇が起きたのだと思います。朝鮮人虐殺は隠そうとしても隠すことはできない事実です。100年が過ぎても、あの日の真実を伝える追悼式は続くでしょう」。
東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-29 13:08


「The Hankyoreh」 2023-08-30 16:21
■関東大震災朝鮮人虐殺100年「日本、朝鮮人の遺骨掘り起しトラック3台分移送」
 [現場]関東大震災朝鮮人虐殺100年 
 6644人殺害後、組織的に隠蔽 
 軍人と警官は処罰せず、自警団は特別赦免

【写真】「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」は1982年9月、荒川付近で遺骨の発掘作業を始めたが遺骨は発見できなかった。1923年11月に警察が遺骨を移して隠ぺいしたという新聞記事が翌年1983年に発見された=裴昭氏提供//ハンギョレ新聞社

 「あそこがかつて四ツ木橋があった場所です。関東大地震当時、あのあたりで軍と自警団が朝鮮人を無惨にも虐殺しました。河川敷に100人ほど埋められたそうです。残念なことに、名前も分からず、遺骨も見つけられませんでした」。
 8月11日午前11時、世界で最も高い電波塔である「スカイツリー」をひと目で見渡せる東京墨田区の荒川河川敷。社団法人「ほうせんか」の西崎雅夫理事(63)は、写真資料を片手に持ち、100年前にそこで起きた惨劇を話し始めた。気温が35度まで上がり立っているのもつらい天気だったが、西崎理事は大粒の汗を流しながら、あたかも昨日起きたことのように、その日のことを説明した。

◆目撃者「日本刀で斬り竹槍で刺して…妊婦も殺しました」
 1923年9月1日午前11時58分、マグニチュード7.9の大地震が首都圏である関東地方を襲い、東京・神奈川・埼玉・千葉などを廃墟に変えた。地震が起きた時間が昼食時だったため、火を使っていた家が多く、火災による被害が激しかった。東京の場合は約44%、横浜は80%に達する地域が消失した。破壊された家屋だけで約29万3000棟、死亡・行方不明者は10万5000人を超え、まさに阿鼻叫喚だった。
 当時の社会不安の雰囲気と相まって「朝鮮人が暴動を起こした」「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが広がり、収拾がつかなくなった。日本政府が2日に戒厳令を宣言するために「朝鮮人暴動説」を流布したということが、在日コリアンの歴史学者、姜徳相(カン・ドクサン、1931~2021)さんらが明らかにしたこの虐殺劇の本質だ。その過程で、軍・警察・自警団が、朝鮮人、中国人、社会主義者の日本人たちを無差別に虐殺した。

【写真】社団法人「ほうせんか」の西崎雅夫理事が11日、東京墨田区にある荒川河川敷で写真資料を片手に持ち、100年前の1923年9月1日の関東大地震当時の朝鮮人虐殺について話をしている。後ろに見える鉄橋は京成電鉄の押上線=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 西崎さんが虐殺場所として説明した四ツ木橋は、長さ247.3メートル、幅3メートルの木製の橋で、1969年に撤去された。京成電鉄押上線の鉄橋と木根川橋の間にある。
 その日、この地域の在郷軍人会や青年団などで構成された「自警団」は、橋の入り口に検問所を作り、朝鮮人を探しだした。当時、荒川では大規模な放水路の工事が行われており、安い賃金で雇える朝鮮人労働者が大勢仕事をしていた。
 「確か(1923年9月)3日の昼のことでした。四ツ木橋の下の方で朝鮮人を数人ごとに縛り、自警団が殺したんです。じつに残忍な方法で、日本刀で切りつけ竹槍で刺し、鉄棒で殴るなどして殺したんです。お腹の大きい妊婦もいましたが、そのまま刺して殺しました。おそらく30人ほど殺していました」(目撃者の青木氏証言)
 自警団だけでなく、日本軍も虐殺に加担した。「22~23人の朝鮮人を機関銃で殺したのが、四ツ木橋の下流の土手でした。あっという間に全員殺したのです。女性も2~3人いました。ひどすぎました。裸にしてもてあそんでいました」(目撃者の大川氏証言)
 日本の良心的な市民が1982年に結成した「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」が、自ら現地に足を運んで作成した資料集(『風よ鳳仙花の歌をはこべ』という書名で出版)には、目撃者と生存者の証言が多数載っている。
 「追悼する会」は、その日の真実を糾明して無念の死を慰めるため、遺骨の発掘に乗りだした。1982年9月、証言に基づき荒川付近で発掘を試みたが、遺骨は見つからなかった。

◆「警察、朝鮮人虐殺を組織的に隠蔽」
 翌年の1983年に発見した過去の新聞記事から理由が分かった。当時、警察と軍隊は、朝鮮人だけでなく日本人の労働活動家も殺害した。後にその事実を知ることになった遺族が、遺骨の返還を要求した。警察は、四ツ木橋近くに朝鮮人たちと一緒に埋葬され区別が難しいと言ったが、労組団体と遺族はあきらめなかった。大規模な虐殺が発覚することを恐れた警察は、事前に遺骨を取り出した。その事実が新聞に報道されたのだ。
 「1923年11月12日と14日に起きたことです。2回目の移送でトラック3台分の量の遺骨が移送されたそうです。遺骨がどこへ行ったのかは不明です。こうして組織的な隠蔽がなされたため、誰がどれくらい犠牲になったのか分からないのです」。西崎さんは「日本政府が真相を糾明して責任を負わなければならない」と強調した。
 朝鮮人虐殺は、東京など関東地方全域でなされた。虐殺を逃れて多くの辛酸(しんさん)と苦難の末に埼玉に逃亡した朝鮮人を待っていたのは、現地の自警団だった。「埼玉では朝鮮人が223~240人ほど犠牲になったと推定されています。他の地域では、警察と軍隊による虐殺があわせて行われましたが、こちらでは自警団が中心でした」。
 22日、埼玉県染谷にある常泉寺で会った日朝協会埼玉県連合会の関原正裕会長(70)は、「この地域の朝鮮人犠牲者は、東京など他地域から逃げてきた人が多いようです」と述べた。関原会長は「関東では、どこに行っても朝鮮人が生き残ることはできない雰囲気だった。逃げる場所がないと思うと、恐ろしさで途方に暮れただろう」と語った。

◆墓碑の正面に「朝鮮人姜大興墓」
 常泉寺にはきわめて特異な墓がある。関東大地震当時、自警団によって殺害された朝鮮人の姜大興(カン・デフン)さんの墓碑だ。正面に大きな文字で「朝鮮人姜大興墓」と記されている。「虐殺の犠牲者のうち、自らの民族と個人の名前が彫られているケースはほとんどありません。過ちを繰り返さないという染谷の人たちの考えが反映されたのでしょう」。

【写真】埼玉県染谷にある常泉寺には、1923年9月4日早朝に自警団に殺害された朝鮮人虐殺被害者の姜大興さんの墓がある。上の石の正面に「朝鮮人姜大興墓」と記されている=埼玉/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 姜さんは1923年9月4日、24歳で命を絶たれた。埼玉県警は東京から埼玉県に避難した朝鮮人数百人を受け入れていた。これらの人々を群馬県に移送する計画だった。姜さんはそのなかの1人だったと推定される。
 理由は不明だが姜さんは単独で離脱し、4日早朝、片柳村で自警団に出くわした。「4キロメートルの距離を必死に逃げたそうです。足が水路にはまり、追いかけてきた自警団に捕まり、刃と槍で刺されました」。
 関原会長は、姜さんが逃げたと推定される道を案内した。「死の恐怖」のなかで逃げ、最後は自警団に殺された場所には「さいたま市コミュニティセンター」の建物がぽつんと立っている。
 関原会長は、姜さんをはじめとする朝鮮人が虐殺されたのは、日本政府の責任が大きいと強調した。9月3日午前、内務省警保局は「朝鮮人ハ各地ニ放火シ、不逞ノ目的ヲ遂行セントシ(中略)厳密ナル取リ締マリヲ加エラレタシ」という文書を各地方に送った。

◆デマ「朝鮮人暴動」が公式文書に
 地方自治体も動いていた。埼玉県はこれより早い2日夜、内務部長名義で県下の郡町村役所に「不逞鮮人暴動に関する件」と題する公文書を送った。「在郷軍人分会消防隊青年団等と一致協力して、其の警戒に任じ、一朝有事の場合には、速かに適当の方策を講ずる様」と記されていた。
 「不逞鮮人は、朝鮮の独立を求めるテロリスト集団の意味として用いられた言葉です。自警団を組織して村を守れと戦闘命令を下したのと同じことです」。関原さんは「何より『朝鮮人暴動』が公式文書を通じて伝えられ、自警団はデマを事実と認識した」としたうえで、「虐殺が急速に広がった理由」だと強調した。

【写真】22日、日朝協会埼玉県連合会の関原正裕会長(70)が、1923年9月4日早朝に自警団に殺害された24歳の朝鮮人の姜大興さんについて話をしている=埼玉/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 東京の南に位置する神奈川県も、虐殺が大規模に発生した場所だ。神奈川県横浜市の東神奈川駅からゆっくり30分ほど歩くと、国土交通省の「横浜港湾空港技術調査事務所」の建物がみえてくる。
 大地震当時、その近所には浅野造船所があった。技術調査事務所の建物がある場所は、浅野造船所の埋立工事を行った朝鮮人労働者たちの集団宿舎である「飯場」があった所だ。
 21日に会った「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」の山本すみ子代表(84)は、飯場があった場所を手で示し、「そこにいた朝鮮人労働者50人あまりが虐殺された」と述べた。
 過去の新聞記事を検索して見つけた内容だ。誰がいつ殺したのかは明確ではない。「集団虐殺が可能だったのは、人々がそこに朝鮮人がいたという事実を知っていたためだと思います。最もよく知っていたのは警察です。朝鮮人は、それ以前から危険人物とされ、常に監視されていました」
 山本さんは「その日の真実」を知るために2013年に実行委員会を作り、地域の図書館を飛び回って新聞記事・日記・公文書などを調べ始めた。それらを集めて2014年、『横浜における関東大震災時朝鮮人虐殺』と題する報告書を発表した。

◆「記録がない」とする日本政府
 いったいなぜ、こうした無差別的な虐殺が起きたのだろうか。関東大地震での朝鮮人虐殺問題を生涯にわたり研究した姜徳相さんは著書『関東大震災・虐殺の記憶』で次の結論を下した。この集団虐殺は、大規模災害による民衆の怒りが場合によっては皇室や治安当局に向かわないかと心配した官憲首脳部の術策▽植民地統治下の朝鮮に対する敵対政策と蔓延した差別▽3・1独立運動などから朝鮮民衆に対して感じていた恐怖心などが重なり発生した民族犯罪だったということだ。
 関東大地震から100年が経過したが、日本政府は一度も正式な真相究明を行わなかった。そのため、正確な犠牲者数や虐殺の原因などは正確に解明されずにいる。
 当時の朝鮮人が直接調査した結果が、ある程度は当時の状況を類推できる基礎資料になっている。日本在住の朝鮮人団体が1923年10月までに調査した「在日本関東地方罹災朝鮮同胞慰問班」の報告書がそれだ。この内容は、大韓民国臨時政府の機関紙である独立新聞の1923年12月5月付にも掲載された。

【写真】21日、「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」の山本すみ子代表(84)が朝鮮人労働者達が集団虐殺されたところを指し示している=神奈川/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 調査結果によると、神奈川県が3999人で犠牲者が最も多く、東京都1781人、埼玉県488人、千葉県329人、群馬県34人、栃木県8人、茨城県5人など合計6644人だ。独立新聞はこれを6661人として報じた。
 日本政府の公式統計と差が大きい。司法省(現法務省)は、朝鮮人犠牲者を合計230人と集計した。関東大地震における朝鮮人虐殺を研究した立教大学の山田昭次名誉教授は著書『関東大震災時の朝鮮人虐殺―その国家責任と民衆責任』で、司法省の発表の問題点として「朝鮮人虐殺の数を隠そうとしたことだけではない。軍隊と警察の虐殺を除いている」と批判した。山田教授は「独立新聞に掲載された統計も(調査の限界などで)不正確な部分がある」と指摘した。
 最新の資料は、内閣府の中央防災会議が2008年に出した分析報告書だ。この文書で日本政府は「人為的な殺傷行為」が起き、「殺傷事件による犠牲者の正確な数は掴めないが、震災による死者数の1~数パーセント」にあたるとして、「殺傷の対象となったのは、朝鮮人が最も多かった」と明らかにした。これを根拠に犠牲者数を数千人と推算している。
 100年も経過したが、日本政府は「関連記録はない」とする無責任な態度をとり、適切な実情調査と謝罪を避けている。加害者への処罰もほとんど行われなかった。軍と警察は最初から処罰を受けなかったし、自警団は捕まって捜査と裁判を受けることになるが、ほとんどで執行猶予の判決が下されれた。それさえも、後に特別赦免となった。
 山本すみ子代表は「在日朝鮮人の集団居住地である京都の『ウトロ地区』で、(2021年8月)20代の日本人青年が憎悪と偏見によって防火という重犯罪を犯した」として、「100年前になぜそのようなことが起きたのか、真実を明らかにすることで、繰り返しを避けることができる。これは、日本のためにも必要なこと」だと強調した。
東京・神奈川・埼玉/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-29 22:17


「The Hankyoreh」 2023-08-30 07:39
■[社説]関東大震災朝鮮人虐殺100年、日本政府による真相究明こそ真の韓日和解

【写真】日本の市民団体などが参加した「9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」が昨年9月1日、東京の横網町公園で、関東大震災99年朝鮮人犠牲者追悼式典を行った=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 100年前の9月1日、日本の首都圏である関東地方で大地震が発生した。その後の阿鼻叫喚の中で朝鮮人を標的とした大虐殺が起きた。日本の警察が介入して「朝鮮人が暴動を起こした」などのデマをまき散らし、労働者として働いていた朝鮮人たちが逃げ場のない漠然とした恐怖の中で残酷に殺害されたのだ。自警団をはじめとして、日本軍と警察も虐殺に加担したという。植民地時代の日本の反人倫犯罪だ。
 消え去りそうになっていた歴史を発掘し、追悼に努めてきたのは日本の市民たちだった。1960年代から朝鮮人虐殺の事実をきちんと調査して記録として残さなければならないという運動が起き、日本の市民団体が約10年間にわたって真相究明に取り組み、遺族と目撃者に会って証言と資料を集めた。1973年の大震災50周年には追悼碑を建て、毎年その前に集まって追悼式を行った。災害による民衆の怒りが皇室と当局に向けられることを避けるため、日本の警察と地方政府が「朝鮮人が放火した」などのうわさをまき散らすとともに、戒厳令を宣言したことが学者たちの研究によって明らかになり、虐殺に責任があることが確認された。植民地支配による差別と偏見、「3・1独立運動」などで抵抗する朝鮮人に対する支配者の恐怖も原因だったという。
 韓日両政府はこの歴史を前にして、無関心と無責任で一貫している。市民の真相究明要求に対して安倍晋三政権は2017年、「記録がない」といって逃れた。小池百合子東京都知事が7年も朝鮮人被害者に対する追悼文を送ることを拒否しているのは、日本社会の右傾化を象徴する嘆かわしい出来事だ。日本の極右団体は、朝鮮人犠牲者の数は水増しされており、虐殺も当時の朝鮮人が起こした暴動に対する正当防衛だったと主張し、追悼碑の撤去を要求するという破廉恥な態度を示している。韓国政府もこの問題に無関心なのは同じだ。
 それでも、日本政府が真相究明に取り組むとともに、国の責任を認めるべきだという要求は絶えない。日本政府は今からでも歴史の真実を明らかにし、謝罪する勇気を示さなければならない。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と岸田文雄首相は韓日関係改善の成果を誇示している。両国政府が共同で関東大震災での朝鮮人虐殺を調査すれば、韓日和解の意味ある一歩となるだろう。これは「反日」の問題ではない。韓日にとって共に歴史をきちんと認識し、二度とこのような非人道的過ちが起きないように誓う、勇気ある決断となるはずだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-29 18:01
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「ソウル北部地裁も強制徴用「供託不受理」の異議申し立てを棄却」

2023年08月30日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「中央日報日本語版」 2023.08.30 09:08
■ソウル北部地裁も強制徴用「供託不受理」の異議申し立てを棄却
 韓国裁判所が政府の日帝強制徴用判決金の「第3者弁済」の供託不受理異議申し立てを再び棄却した。これに先立って、第3者弁済供託不受理に対する異議申し立ては全州(チョンジュ)地方裁判所、光州(クァンジュ)地方裁判所、水原(スウォン)地裁安山(アンサン)支院でも相次いで棄却された。
 29日法曹界によると、ソウル北部地方裁判所民事第2単独のクォン・ヒョクジェ判事は、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団(以下、財団)が出した供託不受理の決定に対する異議申し立てを前日棄却した。
 クォン判事は「この事件の判決金は三菱重工業株式会社の被害者に対する不法行為を原因とした損害賠償請求権(慰謝料請求権)」とし「その性格および機能を考えれば、不法行為による損害賠償債権は法定債権の中でも債権者保護の必要性が最も大きい領域とみられる」と説明した。
 「加害企業が不法行為の事実自体を否認し、被害者に対する損害賠償債務を認めていない」とし「申立人(財団)が第3者弁済を通じてこの事件の判決金を弁済した後、加害企業に求償権を行使しなければ加害企業に免罪符を与える結果が発生し、債権者としては精神的損害に対する債権の満足を得ることは難しい」と指摘した。
 同時に「債権者の第3者弁済に関する反対の意思が明白なので、申立人の第3者弁済が許されない」とし「債権者が適法な弁済者ではない申立人の弁済提供に関して受け取りを拒否するとしても申立人は債権者を相手に第3者弁済の供託をすることはできない」と判断した。
 財団は7月、ソウル北部地方裁判所に強制徴用被害者である故チョ・チャンヒさん遺族のための賠償金3697万4343ウォン(約408万7000円)の供託を申し立てたが不受理決定を受けた。
 当時、担当供託官は民法第469条第1項を根拠に「第3者弁済に対する債権者の明白な反対の意思表示があった」としてこのように決めた。当該条項は、債務の性質または当事者の意思表示により第三者の弁済を許さない際は、弁済できないように定めている。
 これを受け、財団は供託官の形式的審査権の範囲を外れた決定だとして異議を申し立てた。


「The Hankyoreh」 2023-08-28 07:51
■[独自]韓国裁判所の5つに4つが「政府の強制動員『第三者弁済供託』棄却」
 法曹界「異例の事件」…結局、最高裁で判断する可能性

【写真】新任の最高裁長官候補であるソウル高裁のイ・ギュニョン部長判事が23日、キム・ミョンス最高裁長官に会うために訪れたソウル瑞草区の最高裁の前で、記者の問いに答えている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は日帝強占期の強制動員被害者とその遺族に対する賠償金を裁判所に供託するというやり方で、強制徴用問題の「第三者弁済」解決策の決着を早期につけようとしたものの、裁判所の相次ぐ棄却決定によるブレーキがかかっている。
 供託とは、債務者が債権者ではなく裁判所に金を預けることで借金の返済を果たす制度。政府は抗告などの法的手続きを継続するとの立場を取っているため、韓国政府が日本企業に代わって被害者に賠償金を支給できるかの最終判断は、最高裁で下されるとみられる。
 27日のハンギョレの取材を総合すると、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団(財団)が裁判所の供託官による賠償金供託不受理決定を不服として裁判所に異議を申し立てた事件は計9件(5裁判所)。5カ所の裁判所のうち4カ所(7件)は裁判を経て政府の異議申し立てをすでに棄却しており、現在は平沢(ピョンテク)支部(2件)1カ所だけが結論を下していない。
 24日に政府の異議申し立てを棄却した水原(スウォン)地裁安山(アンサン)支部民事21単独のシン・ソンウク判事は決定文で、「加害企業が違法行為事実そのものを否認し、被害者に対する損害賠償債務を認めていない状況において、申請人(財団)が第三者弁済を通じてこの事件の判決金を返済した後に加害企業に求償権を行使しなければ、加害企業に免罪符を与える結果が発生する」と述べている。
 8月14日から相次いで下されている裁判所の異議申し立て棄却決定に対し、財団は抗告状を提出している。抗告審(二審)でも異議申し立てが棄却されれば、財団は再抗告を通じて最高裁の判断を仰ぐことができる。
 法曹界ではこの事件について、結局は最高裁の判断を受けることになると予想している。債権者である被害者が日本の加害企業の直接賠償を望んでおり、このような状況に対する法規定も曖昧だからだ。
 日本の明治民法をもとに制定された韓国民法の第469条2項は、「利害関係のない第三者は『債務者』の意思に反して債務を弁済することはできない」と規定しているが、強制動員の被害者は「債権者」であるため、この規定の直接の対象とはならない。現行の日本民法では「前三項の規定(第三者も弁済できる、など)は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない」という規定がある。
 これまで裁判所は、民法第469条第1項「当事者の意思表示によって第三者の弁済が認められない時には、第三者弁済はできない」という規定を根拠として、供託を拒否してきた。だが、契約による債権ではなく今回の事件のような「違法行為による法定債権」にも第1項が適用されるかについては議論されたことがないため、法曹界でも意見が分かれている。最高裁の関係者はハンギョレに「何しろ異例の事件であるため、第三者弁済供託に関する法理が最終的にどのように適用されるかはまだよく分からない」と語った。
 今回の事件は、尹錫悦大統領が指名した新任の最高裁長官の任期中に判断が下される可能性が高い。尹大統領は22日、裁判所内の代表的な「知日派」、「日本通」とされるソウル高裁のイ・ギュニョン部長判事(61)を次の最高裁長官に指名している。イ部長判事は保守色が強いとされ、尹大統領との親交も深いという。
チョン・ヘミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-27 09:34


「中央日報日本語版」 2023.08.22 08:09
■韓国全州・光州に続いて水原地裁も「徴用賠償金の供託不受理」異議申し立てを棄却

【写真】強制徴用労働者像

 全州(チョンジュ)・光州(クァンジュ)地裁に続いて水原(スウォン)地裁も政府の日帝強制徴用判決金の「第3者弁済」の供託不受理異議申し立てを棄却した。
 水原地裁民事第44単独のオ・デフン判事は21日、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団が出した2件の供託不受理の決定に対する異議申し立てを全て棄却した。
 裁判所は「この事件、判決金債権のような法定債権にも民法第469条第1項但し書きが適用され、当事者の一方表示で第3者弁済を許容しないこともあり得る」とし、「この事件被供託者が反対の意思を明確に表現し、申立人の主張は理由ない」と判示した。
 また「供託官は供託申請の手続き的要件だけでなく、当該供託が有効かという実体的要件に関しても供託書と添付書面だけで審査することができる」とし「供託官が申立人の供託書および添付書面に現れた事実(被供託者の反対意思)をもとにこの事件を不受理を決定したのは供託官の形式的審査権の範囲外とはみられない」と判断した。
 これに先立って、財団は政府の「第3者弁済」解決法の拒否立場を貫く原告2人側の住所地管轄裁判所である水原地裁に徴用賠償金供託を申請したが、水原地裁供託官が「被供託者の明白な反対の意思表示が確認される」という趣旨でこれを受理しないと異議を申し立てた。被供託者は被害者故チョン・チャンヒさんの配偶者と故パク・ヘオクさんの子供など2人だ。
 財団側は異議申し立てを通じて「申立人が債権者である被供託者に弁済するにあたって民法第469条第1項但し書きが適用されないにもかかわらず、供託官がこれを適用して不受理決定したのは違法だ」とし「供託官が形式的審査権に違反した」と主張したが、裁判所はこれを受け入れなかった。
 これに先立って、全州地裁と光州地裁も政府の日帝強制徴用判決金の「第3者弁済」供託不受理の異議申し立てを相次いで棄却した。
 政府は3月、日本企業が払わなければならない賠償金を財団が募金した資金で代わりに支給する「第3者弁済」方式を発表し、最高裁確定判決を受けた15人に11人が受け入れた。
 ヤン・クムドクさん、イ・チュンシクさんの生存被害者2人と故チョン・チャンヒさん、故パク・ヘオクさん2人の遺族など4人がこの方式を拒否すると、政府は彼らの賠償金を裁判所に供託するカードを切ったが、裁判所はこれを受け入れず異議申し立ても棄却している。


「聯合ニュース」  2023.08.21 19:51 
■徴用賠償金供託巡る異議申し立て また棄却=韓国地裁
 斎藤寿美子
【水原聯合ニュース】韓国の水原地裁は21日、徴用訴訟問題を巡る韓国政府の解決策を受け入れていない原告遺族に対する判決金(賠償金)供託を不受理としたことに対する政府傘下財団の異議申し立て2件をいずれも棄却した。

【写真】7月、ソウルの外交部庁舎前で政府の解決策に抗議する市民団体=(聯合ニュース)

 政府は、2018年に大法院(最高裁)で勝訴が確定した徴用被害者とその遺族の計15人に対する賠償金と遅延利息を日本の被告企業の代わりに韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が支給するという徴用訴訟の解決策を進めている。政府の説得に応じず解決策を拒む原告の賠償金と遅延利息については裁判所に供託しようとしているが、不受理やそれに対する異議申し立ての棄却が続く。
 今回棄却されたのは被害者の故チョン・チャンヒさんの配偶者と故朴海玉(パク・ヘオク)さんの子どもに対する供託。
 同財団は供託を受理しなかった裁判所の供託官の決定について「供託官が形式的な審査権に違反している」と主張。水原地裁は「当事者の意思表示により第三者弁済を許容できないこともある」と定めた民法の条項は法定債権にも適用されるとして、「被供託者が反対の意思を明確に表明しているため申請人の主張には理由がない」と申し立てを退けた。
 これに先立ち全州地裁と光州地裁も供託の不受理に対する政府の異議申し立てを棄却している。


「The Hankyoreh」 2023-08-16 10:22
■韓国司法、強制動員被害の判決金「政府の無理やり供託」にブレーキ
 「強制動員で第三者弁済はできない」…供託金不受理に対する異議申し立て

【写真】2019年10月30日、日帝強制動員被害者のイ・チュンシクさん(前列左端)とヤン・グムドクさん(前列左から2人目)が、ソウル瑞草区の民主社会のための弁護士会の大会議室で行われた日帝強制動員問題の解決のための記者会見で発言している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 日帝強制動員の被害者に対する判決金(判決で決まった賠償金、訴訟費用など)を「第三者弁済」方式で執行するために裁判所に供託しようとした政府に対し、司法がブレーキをかけた。行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団(支援財団)は強制動員の被害者に渡す判決金の裁判所への供託が拒否されたことに対して異議を申し立てたが、司法はこれを棄却する決定を15日に初めて下したのだ。政府は日本の戦犯企業ではなく韓国政府が用意した判決金を、供託制度を利用して執行することで強制動員判決金問題を終結させようとしたが、その計画に支障が生じたのだ。
 全州(チョンジュ)地方裁判所民事12単独(カン・ドングク判事)は15日、強制動員被害者の故パク・ヘオクさんの2人の子どもについての供託不受理決定に関する支援財団の異議申し立てを棄却したと発表した。先に全州地裁の供託官が「被害者が第三者弁済を拒否している」との理由で支援財団による供託を不受理としたことに対し、支援財団が異議を申し立てていたが、これも棄却されたのだ。
 裁判所は「この事件で債務者(日本企業)が賠償すべき損害は精神的苦痛による慰謝料であり、債務者に制裁を課すと同時に債権者(遺族)を保護する必要性が著しく大きい事案」だとし、「本事件は民法第469条第1項の但し書きに則り、第三者弁済が許されない場合に当たる。供託書を見れば、債権者が第三者弁済に関する反対意思を積極的に示しているということが簡単に分かる」と説明した。
 外交部と支援財団は政府による強制動員解決策の発表当時から供託による第三者弁済の意思を明らかにしてきただけに、この日の全州地裁の決定も不服として抗告するものとみられる。ただし、供託を用いた政府の第三者弁済は法的に認められないとした今回の司法決定は、他の裁判所で進められている事件にも影響を及ぼす可能性が高い。支援財団が抗告または再抗告して最高裁まで行ったとしても、同じ結論が下されれば、法的に第三者弁済を実行する方法は事実上ない。
 強制動員被害者の代理人を務めるキム・ジョンヒ弁護士は「無理強いのようなやり方で被害者に弁済の受け取りを強要した政府の一方通行式の第三者弁済にブレーキがかかった」とし、「外交部と支援財団には賠償金を支給する法的資格がないということを裁判所が宣言したかたち」だと語った。
 ハンギョレが裁判所や強制動員被害者と遺族の代理人などに確認したところ、支援財団は今回の全州地裁の事件を含め、11人の強制動員被害者に対する供託申請を不受理とした供託官による処分に異議を申し立てており、光州(クァンジュ)地裁、水原(スウォン)地裁など7つの裁判所で判断を待っている。
 支援財団は大手法律事務所の世宗(セジョン)とパルンを選任するなど、供託手続きに力を注いできた。最初に供託不受理決定が下された光州地裁のヤン・グムドクさん(92)の事件では、元最高裁判事のミン・イリョン弁護士(世宗)、元部長判事のイ・ウォン弁護士(世宗)、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の法律代理人を務めたカン・フン弁護士ら9人が事件を担当している。被害者が望んでいない供託を受け入れさせるために政府が行っているこのような司法手続きは事実上国の税金でまかなわれ、費用もかなりの額にならざるを得ない。支援財団のシム・ギュソン理事長は「現在までのところは支援財団の予算で(訴訟に)対応している」としながらも「詳しい執行計画をいま公開するのは難しい」と語った。
チャン・イェジ、パク・イムグン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-16 06:00


「聯合ニュース」 2023.08.15 14:37
■徴用賠償金の供託不受理 財団の異議申し立てを棄却=韓国地裁
【全州聯合ニュース】韓国の全州地裁は15日、韓日間の徴用訴訟問題を巡る韓国政府の解決策を受け入れていない原告、故朴海玉(パク・ヘオク)さんの家族2人に対する判決金(賠償金)供託が不受理になったことを受け、韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が行った異議申し立てを棄却したと伝えた。財団は賠償金を被告の日本企業に代わって弁済しており、政府の説得に応じず解決策を拒む原告の賠償金と遅延利息を裁判所に供託しようとしている。

【写真】徴用訴訟問題を巡る韓国政府の解決策に反対する会見を開く被害者側の関係者(資料写真)=(聯合ニュース)

 全州地裁は「債務弁済に関して当事者が拒否の意思を示せば第三者が弁済できない」と定めた民法第469条を根拠に挙げ、「債権者が明示的に反対しているにもかかわらず利害関係のない第三者の弁済を認めることは、損害賠償制度の趣旨と機能を没却させる恐れがある」と強調した。
 これにより、日本企業の賠償支払いを財団が肩代わりするという韓国政府の解決策は空振りに終わる可能性が高まった。
 政府は別の原告についても供託を申請し、不受理とされた光州地裁、水原地裁で異議申し立ての手続きを進めているという。
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韓国政府、鉄道労組ストに「鉄道警察の代替投入」推進…「経験なし、安全に問題」批判

2023年08月29日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2023-08-28 10:00
■韓国政府、鉄道労組ストに「鉄道警察の代替投入」推進…「経験なし、安全に問題」批判

【写真】光州松汀駅に入線する水西発高速鉄道(SRT)/聯合ニュース

 韓国で鉄道の民営化に反対して9月に行われる予定の全国鉄道労働組合(鉄道労組)の全面ストライキに対して、政府が機関士の代替要員として「鉄道特別司法警察官(特司警)」を教育中であることが確認された。列車運行の専門人材ではない特司警を短期の教育のみで投入した場合安全に問題が生じる、政府が鉄道労働者の争議権を侵害している、との批判の声があがっている。
 共に民主党のチャン・チョルミン議員室が27日にハンギョレに公開した「非常時の鉄道輸送力確保のための外部(特別司法警察など)代替機関士教育計画(案)」(7月に韓国鉄道公社=KORAILが立案)によると、KORAILは「SRT運行路線拡大のメディア発表により、鉄道労組にストライキの気運が広がっているため、非常時に備えて運行人員の事前確保が必要」であることなどを理由として、代替機関士教育を推し進めていることが明らかになった。KORAILは7月10日に国土交通部所属の鉄道特司警15人に対する機関士実務修習教育を開始し、9月中に課程を終えて現場に投入する方針だ。
 鉄道労組は28~30日の3日間にわたり、組合員に対して争議行為の賛否を投票で問う。賛成多数となれば、これらの特司警が代替機関士として投入されことになる。KORAILは9月4日~11月3日の8週間にわたって、さらに15人の鉄道特司警を教育することを予定している。また国家鉄道公団、交通安全公団などの関連機関の15人の職員に対する代替機関士教育も進める計画だ。
 これは鉄道の安全問題と直結しうる。教育対象の鉄道特司警は鉄道車両の運転免許を保有しているが、実際の運転業務の経験はない。鉄道労組は「運行線路を知っていなければ何も知らないに等しい。事実上のペーパードライバーだが、彼らに短時間で実務を修習させて現場に投入するというのは、政府の安全不感症」だと述べた。2016年の鉄道労組ストでは、専門性のない軍の人材が投入されたことで盆唐(プンダン)線の往十里(ワンシムニ)行き列車が1時間以上止まり、乗客が閉じ込められる事故が発生している。
 このようなやり方の代替人材投入は、労組の争議権を無力化する違法行為である可能性も高い。2016年の鉄道労組ストで朴槿恵(パク・クネ)政権は軍からの代替人材を投入した。これについてソウル中央地裁は2017年、代替人材投入の根拠として国土交通部などが提示した災害安全法、鉄道産業法に関して「争議行為が必須維持業務を順守した状態で行われた以上、国家インフラシステムのまひなどの社会災害や非常事態に当たると考えることはできない。軍人材の投入を決定した正当な法的根拠とはなりえない」と判決を下している。
 チャン・チョルミン議員は「国土部傘下の鉄道司法警察官をスト代替人材として投入するための教育訓練は不適切だ」とし、「鉄道労組の正当な争議権が国の公権力によって違法に侵害されることはあってはならない」と述べた。鉄道労組も「ストに備えるとの目的で『警察力』を動員するというのは、憲法的権利である争議権を侵害する非常に危険な発想」だと語った。
 KORAILは「鉄道司法警察隊所属の人材は鉄道車両免許所持者を対象に7月から運転実務を修習中であり、修習後に韓国交通安全公団で鉄道車両(運転)認証を予定している。その後は所属の教育後に業務に投入される」と説明している。

キム・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-28 05:00
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慰安婦被害者法制定から30年 「たたえる日」迎え記念式典=韓国

2023年08月28日 | 日本軍隊性奴隷
「聯合ニュース」 2023.08.14 15:32
■慰安婦被害者法制定から30年 「たたえる日」迎え記念式典=韓国 
【ソウル聯合ニュース】韓国女性家族部は14日、「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」を迎え、ソウル・白凡金九記念館で記念式典を開催した。

【写真】記念式典で国旗に敬礼する出席者=14日、ソウル(聯合ニュース)

 「たたえる日」は2017年に国の記念日に指定され、今年で6年目を迎えた。8月14日は、1991年に韓国人被害者の故金学順(キム・ハクスン)さんが初めて自身の被害を公の場で証言し、慰安婦問題を国際社会に知らせるきっかけをつくった日だ。
 式典には旧日本軍の慰安婦被害者、国会議員、市民団体や学界の専門家、市民が参加した。
 「共に変える未来、変化に向かって」をテーマに行われた今年の式典では、「日帝下(日本の植民地支配下)での日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援と記念事業などに関する法律」(慰安婦被害者法)の制定から30年を迎え、自由と人権が実現される新たな時代の到来を願うメッセージが伝えられた。
 この日は政府主催の記念式典のほか、地方自治体や市民団体による展示や公演、行事も行われた。


「The Hankyoreh」 2023-08-14 06:27
■[フォト]水曜デモ30年…金学順さん、その勇気を記憶に留めます

【写真】2023年8月9日、ソウル鍾路区の駐韓日本大使館近隣で開かれた第11回世界日本軍「慰安婦」メモリアルデーの世界連帯集会で、英国のタムシン・グリーブスさんが日本政府の謝罪と賠償などを求めるプラカードを持っている=リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

 世界日本軍「慰安婦」メモリアルデーは、故金学順(キム・ハクスン、1922~1997年)さんが1991年8月14日に記者会見を開き、日本軍「慰安婦」被害生存者の中で初めて被害事実を公開証言した日を記念するために制定された日だ。
 韓国政府は2017年12月、この日を国家記念日に指定し、毎年メモリアルデーを記念する行事を開いており、今年で6回目を迎えた。
 第1608回を迎えた日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモも8月9日、世界日本軍「慰安婦」メモリアルデーを控えて世界連帯集会として開かれた。

リュ・ウジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-12 14:58
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「<福島汚染水放出>太平洋沿岸国・メディアの反応」

2023年08月27日 | 
「韓国経済新聞/中央日報日本語版」 2023.08.26 09:32
■<福島汚染水放出>太平洋沿岸国・メディアの反応(1)
 日本が24日、福島第1原発汚染水の海上放出を始めたことに対し、太平洋沿岸国はどんな反応を見せているのだろうか。該当国の主要メディアと政府の対応などを調べた結果、各国の状況によって用語の使用などで異なる立場を見せていることが分かった。
 朝日新聞は25日、放出に対する太平洋沿岸国の反応を大きく3つに分類した。日本政府の放出方針に対して支持や了解の立場を明らかにした米国・オーストラリア・フィリピンなどは「O」、政府レベルで抗議して日本産水産物輸入禁止を拡大した中国・香港、反対の立場を明らかにした北朝鮮は「X」にそれぞれ分類した。また、基準が守られるかなど綿密に点検するとした韓国と内部で隔たりがあると明らかにした太平洋島国はその中間の「△」で表示した。
 興味深いのは各国が福島第1原発から放出された汚染水に対する表現でもそれぞれ差がある点だ。日本政府と東京電力は「処理水(treated water)」という表現を使用している。原子炉の冷却などに使用されて放射性物質が含まれた汚染水(contaminated water)を多核種除去設備(ALPS)を利用して放射性物質を一次除去した後、その処理水を海水で薄めて放出するという事実を浮き彫りにするための用語選択と推定される。
 日本メディアはこの用語をそのまま使用せず適切に加工した。共同通信の英語版の場合、記事本文には「処理した放射性水(teated radioactive water)とし、見出しには「福島水(Fukushima water)」とそれぞれ表記した。これに対して進歩性向の朝日新聞と保守性向の読売新聞はともに「処理水」という用語を使用し、公営放送のNHKは「処理した水」という用語を共に使った。
 世界の通信社と主要メディアも用語選択に悩んだようだ。AP通信は技術的な処理過程を反映して「処理して薄めた放射性廃水(treated and diluted radioactive waste water)」と表現した。ロイター通信はこうした技術的な表現を盛り込まず簡単に「福島水(Fukushima water)」と表記したのが目についた。米ニューヨークタイムズ(NYT)とCNN放送は「処理した放射性廃水(treated radioactive wastewater)」という表現を使用し、「処理」と「放射線」に同時に傍点を打った。英BBC放送も「処理した放射性水(treated radioactive water)」と書いた。
 漁師が日本の東側まで行って操業をする台湾も似ていた。台湾の英語メディアのフォーカス台湾は記事本文には「処理した放射性水(treated radioactive water)」を使用し、見出しには「核廃水(nuclear wastewater)」と表現した。一方、台湾の最大中国語メディアの聯合報インターネット版は「核汚水」という表現を使用し、対照的だった。
 用語の使用とは別に、太平洋沿岸国のメディアはほとんど今回の放出措置に慎重な姿を見せた。オーストラリアとニュージーランドのメディアは放出関連記事を探すのが難しいほどだった。ただ、クック諸島の主要メディア、クックアイランドニュースは25日の主要記事で「クック諸島のブラウン首相は福島の放出を支持する」という記事を載せた。クック諸島はラファエル・グロッシ国際原子力機関(IAEA)事務局長が7月に日本と韓国に続いて訪問した国という点で関心を引く。
 最も強く反発した国は断然、中国だった。中国外務省は22日、駐中日本大使を呼んで抗議したのに続き、放出が始まった24日には日本が原産地のすべての水産物の輸入通関を一時停止した。香港も2011年の東日本大震災と福島原発事故以降、5県の水産物輸入を停止したが、これを10県に拡大した。


「The Hankyoreh」 2023-08-25 08:05
■[特派員コラム]日本の汚染水放出に対する韓国・中国の大きな違い

【写真】日本が福島原発汚染水の海洋放出を始めた24日午後、仁川市中区の仁川総合魚市場で、中国中央テレビ(CCTV)が福島原発汚染水の海洋放出の開始と関連した取材を行っている/聯合ニュース

 「韓国政府は日本が福島原発汚染水を海に捨てることに本当に賛成なのか?」
 ある中国人の友人が聞いてきた。「そのようだ」と答えると、すかさず「なぜなのか」という質問が返ってきた。一言では答えられなかった。韓米、韓日関係などに対する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の最近の政策などについて説明したが、友人はなかなか納得できない様子だった。たとえ複雑な政治・外交的事情があるとしても、国民の健康に直結する汚染水の放出問題を、日本と最も近い国である韓国が賛成するのは理解に苦しむということだった。
 中国人に韓国の政治・社会問題について説明するのは容易ではないが、福島原発汚染水問題は特に難しいテーマだ。韓国政府が主張する科学的な根拠の他に、米国との関係を最優先視して日本との関係改善を進め、中国封鎖の第一線に立とうとする尹錫悦政権の複雑な外交的立場についても説明しなければならないためだ。細かく説明したからといって、それがすぐに理解につながるわけでもないが。
 何より中国の友人の理解を妨げる原因は、この問題に対する韓中政府の態度には気が遠くなるほどの違いがあるからだ。日本が22日、福島原発汚染水を近日中に海に放出することを決定したことを受け、これまで一貫して反対の立場を取ってきた中国政府は駐中日本大使を呼び出し、強く抗議した。中国外務省報道官は記者会見で「人類の福祉より自国の利益を重視した利己的な決定」だとし、「海洋環境と食品安全、公衆保健を守るためのすべての措置を取る」と述べた。日本産の海産物に対する輸入障壁をさらに高めることを含め、より多くの措置を取るという内容だった。香港も同日、「24日から日本の10県からの海産物の輸入を中止する」と発表した。
 一方、韓国政府の態度は日本と最も近い国で、三面が海に囲まれており、水産業が主要産業の一つである国家の政府の反応とは思えないものだった。政府は同日の記者会見で、「放出計画上の科学・技術的問題はないと判断した」という曖昧な表現で、事実上日本政府の汚染水放出に賛成した。その一方で、「(汚染水の放出を)賛成したり、支持するわけではない」と付け加えた。汚染水の放出に事実上賛成しながらも、賛成するとは直接言わないということだ。反対世論を意識した卑怯な態度と言わざるを得ない。

【写真】チョ・スンファン海洋水産部長官がノ・ドンジン水協中央会長などと24日、ソウル鷺梁津水産市場を現場視察し、商人たちを励ますとともに、アワビを購入し試食している/聯合ニュース
【写真】2023年8月24日、北京の卸売水産市場で、卸売業者が客を待っている。中国は8月24日、日本政府が福島原発の廃水を「利己的」に放出したとの理由で、日本の海産物の輸入を禁止した=北京/AFP・聯合ニュース
【写真】19日、香港駐在日本総領事館前で、福島原発核汚染水の海洋放出に反対するデモの途中、あるデモ参加者が国際原子力機関のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長の写真が貼られたプラカードを拳で叩いている=香港/AP・聯合ニュース

 不幸中の幸いは、多くの国民と野党が日本の汚染水の放出に強く反対していることだ。全国で187万人の市民が汚染水の放出に反対する署名に参加した。中国の友人には「韓国国民まで汚染水の放出に賛成しているわけではない。200万人近い人々が反対署名を行った」と伝えた。汚染水の放出は世論よりも科学的根拠を掘り下げて考えるべき問題だという主張には同意するが、韓国政府は科学的根拠をきちんと検証する姿も見せなかった。
 中国政治と韓国政治のうち、どっちがマシだろうか。一考の価値もないと思っていた質問だが、尹錫悦政権が発足してからはたびたび頭をよぎる。世論に逆行する行動をかなり取っているという点で、両国政府が共通するのも最近よくあることだ。それでも中国より韓国がマシなのは、今すぐ世論に逆行する政府を止めることはできなくても、今後これを正す可能性は高いという点であろう。
チェ・ヒョンジュン|北京特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力: 2023-08-25 02:36


「The Hankyoreh」 2023-08-25 08:32
■太極旗を掲げた水産市場「汚染水抗議、せめてこういうかたちで」=韓国
 日本による汚染水放出初日の鷺梁津水産市場 
 「国産です、国産」叫んでも客なし

【写真】福島第一原発の汚染水が海に放出された24日午後、ソウル銅雀区の鷺梁津水産市場の店主が「日本に抗議する」として店に太極旗を掲げている=カン・シンボム教育研修生//ハンギョレ新聞社

 「韓国産なので大丈夫です。いきがいいですよ」・
 24日午前、ソウル銅雀区(トンジャック)の鷺梁津(ノリャンジン)水産市場で30年間にわたって商売を営んできたYさん(54)は、「客引き」の後、気落ちしているように見えた。福島第一原発に保管中の汚染水の海への放出が行われた24日午前、鷺梁津水産市場は水産業界の憂うつな雰囲気を代弁するかのように静かだった。

◆「30年間でこんな打撃は初…売り上げは40%に」
 1994年から活魚を売ってきたYさんは、「汚染水放出問題」が注目されるようになってからの売り上げ減少は「30年の商売歴の中で初めて」だと話した。YさんはIMF(国際通貨基金)危機の際にも「これほどお客さんがいないことはなかった。このところの景気低迷などの不況に汚染水問題まで重なったことで、昨年に比べ売り上げは40%ほどに落ちた」と話した。
 Yさんは「国内産」であることを訴え続けたものの、呼びかけもむなしく1~2人の客が店の周りをうろつくだけだった。Yさんは「夏休みシーズンが終わって今ちょうど売らなければいけない時期なのに、人がいなくて心配。店の借り賃、水道代を払うと残るお金がない」と話した。Yさんの公共料金の領収書には水産市場の1カ月分の賃貸料として167万ウォン(約18万3000円)が記されていた。

【写真】24日午後、ソウル銅雀区の鷺梁津水産市場で、市民が海産物を買うために見て回っている。水産市場では全店で原産地記載を必須としている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 「原産地をきちんと表記しなければ過料を科します」。汚染水放出問題に備え、この日午後1時20分ごろ鷺梁津水産市場内の放送が鳴った。商人たちも市場を回っている数少ない客に「国産です、国産」と訴え続けた。
 客がいないので座ってスマートフォンを見てばかりいたり、その場で居眠りをしたりしている商人も目についた。「国内産ニベ」「中国産スズキ」など、日本でとれたものでないことを強調するかのように、大きな文字で原産地を表記している店もあった。
 日本の海で獲れて入ってくる鯛の販売業者たちの苦悩は特に深い。匿名希望のある商人は「鯛は日本から輸入した在庫なので、おそらく売れないだろう」と話した。別の商人は「日本産の活魚はあえて入れてもいないのに(汚染水放出を)心配するお客さんが多い」と話した。

◆福島第一原発の汚染水が海に放出された24日午後、ソウル銅雀区の鷺梁津水産市場の店主が「日本に抗議する」として店に太極旗を掲げている=カン・シンボム教育研修生//ハンギョレ新聞社

 また別の商人は、昨年8月から「日本に抗議する」という意味を込めて水槽の上に太極旗を掲げている。Lさん(55)は、「日本で汚染水を放出するのに、我々にどんな力があるというのか。せめてこういうかたちででも、ささやかな抗議の意思を示したかった」と語った。Lさんは汚染水放出問題のせいで「魚そのものが売れない。2階でやっていた会社員の会食も取り消しになった」と話した。

◆「最後に食べに来たとお客さんに言われた」
 29年の商売歴のあるYさん(50)は、「お客さんが原産地を見ながら『日本産だね』と反応することが多くなっており、国産をくれと言ってくる。買おうとしない人もいる。商人たちはただ(汚染水放出)問題が収まることばかりを待っている」と話した。
 活魚の販売低迷に伴って、水産市場内で営業する飲食店も打撃を受けている。昼休みなのに客がいるのは1、2席だけ、あるいは全くいない店もあった。食堂を営む50代のAさんは「昨日はお客さんが多かった。『もう最後だから食べに来た』と言っていた。今日放出したばかりで当分は影響はないだろうから、少し見守るつもり」だと話した。
 汚染水の放出で、活魚の購入をためらう人も増えている。水産市場をよく訪れていたというキム・ハウンさん(25)は、「今のところは日本産は食べないと思うが、1年後には国産の活魚も避けると思う」と述べた。イム・ヒョンソクさん(24)も「放射能は目に見えないから、そのような恐怖は大きい。国産であってもこれからは食べないつもり」だと語った。

【写真】24日午後、ソウル銅雀区の鷺梁津水産市場で、市民が海産物を選んでいる=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

クァク・チンサン記者、パク・シウン、カン・シンボム教育研修生 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-24 14:53


「The Hankyoreh」 2023-08-25 08:37
■中国、日本の水産物すべて輸入禁止…10地域→全域

【写真】24日、香港で日本の福島原発事故による汚染水の放出を批判するデモが行われている/ロイター・聯合ニュース

 中国政府は、日本が福島第一原発事故の汚染水の海洋放出を開始すると、すべての日本産水産物の輸入を中止した。
 中国の税関当局である海関総署は24日午後、「日本の福島原発の核汚染水放出が食品の安全にもたらす放射能汚染の危険を防止し、中国の消費者の健康を守り、輸入食品の安全を守るために、今日を期して日本が原産地である水産物の輸入を全面中断する」と発表した。中国は、日本の福島県を含む10地域の水産物輸入を禁止してきたが、汚染水の放出が始まると輸入禁止対象を日本全域に拡大した。
 これに先立ち、この日中国外交部は、日本が福島原発事故汚染水の放出を始めた直後に日本を「糾弾する」との談話を発表した。中国外交部は「日本政府は国際社会の強い問題提起と反対を無視して一方的に汚染水の放出を強行した」とし「中国はこれに断固たる反対と強い糾弾の意を表わす」と明らかにした。また「中国はすでに日本に厳正な交渉を提出(外交チャンネルで抗議)し、日本にこの誤った行為を中止するよう要求した」と述べた。
 香港当局もこの日から福島県と東京都を含む日本10地域で生産される水産物の輸入禁止を開始した。香港は、2011年の福島原発事故直後から福島と近隣4地域の農産物輸入を禁止してきた。
 日本の農林水産省の統計によると、2022年の農林水産物・食品輸出全体のうち中国本土の割合は20.8%であり、香港(15.6%)が後に続いている。韓国は5%だった。
北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-24 18:21


「中央日報日本語版」 2023.08.24 16:12
■韓国野党「放出防げなかった政府、日本から賠償受けるべき」…特別安全措置法を推進
 日本の福島汚染水放出を控えた24日、韓国最大野党・共に民主党が「放射能被害と政府の無責任から国民を守るための特別安全措置法を推進する」と明らかにした。
 民主党の朴光温(パク・グァンオン)院内代表はこの日、国会で開かれた政策調整会議で「政府は被害対策を用意するのにも消極的であるため、最悪の状況を考慮して先制的に立法を急ぐ」とし、このように述べた。
 続いて「汚染水露出のおそれがある水産物の輸入を禁止できるよう法的根拠を用意する」とし「現在、農水産加工品は加工品を作った国だけが表示され、原産地は表示されないため『農水産物原産地表示』も強化する」と明らかにした。
 続いて▼放射能被害を漁業災害に含めて漁業人の被害を最小化する案▼被害支援対象を漁業人から刺し身店経営者・水産物加工流通業者にまで拡大する案を提示した。
 朴院内代表は「最初に日本が予想した海洋投棄期間は7年半だったが、こっそりと30年に延ばした」とし「日本も海洋投棄がいつ終わるか分かっていない。政府は今からでも韓日両国間で汚染水放出を重大議題にして日本と協議していくことを要求する」と強調した。
 金民錫(キム・ミンソク)政策委議長は「汚染水放出中断努力と共に福島放射能汚染水被害を支援する関連法律を早期に通過させ、国民の被害を最小化する」とし「放出を防げなかった政府は求償権でも請求し、日本から賠償を受け取るべきだ」と主張した。
 一方、東京電力はこの日の記者会見で「午後1時ごろから福島第1原発内の放射能汚染水を海洋放出する」と予告した。日本メディアによると、東京電力は放出を控え、海水で薄めた汚染水約1200トンを大型水槽に入れてトリチウム濃度を測定した。その結果、放射性物質のトリチウムの濃度は1リットルあたり1500ベクレル(Bq)未満で、基準値を満たしたことが確認された。
 汚染水は原発から約1キロ沖まで海底トンネルを通して放出される。放出後、日本政府は海上監視をし、25日午後に関連結果を公表する予定だ。


「The Hankyoreh」 2023-08-24 07:26
■汚染水糾弾ろうそく集会に乗り出した韓国の最大野党…週末には光化門一帯で総決起集会
 イ・ジェミョン代表「核汚染水の海洋放出は第2の太平洋戦争」との発言も

【写真】共に民主党のイ・ジェミョン代表が22日午後、国会ロタンダホールの階段で行われた福島原発汚染水海洋放出糾弾大会で発言している=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 福島第一原発汚染水の海洋放出を翌日に控えた23日、韓国の最大野党「共に民主党」は国会でろうそく集会を行い、今後街頭デモと総決起集会を予告するなど、総力対応に乗り出した。
 民主党のイ・ジェミョン代表は同日午前、国会で開かれた最高委員会議で「過去の帝国主義侵略戦争で周辺国の生存権を脅かした日本が、核汚染水の海洋放出で大韓民国と太平洋沿岸国に再び取り返しのつかない災いをもたらそうとしている」とし、「核汚染水の放出は第2の太平洋戦争として記録されるだろう」と批判した。同党のパク・グァンオン院内代表は「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は国民に向けた記者会見を通じて、国民に(汚染水の放出に関する)明確な立場と計画を報告すべきだ」と述べた。
 民主党は汚染水放出が決まった22日から26日まで放出反対を促す「100時間緊急行動」を行う。23日午後には、現役議員らと補佐陣、党役員、首都圏の市区議員、権利党員など約1000人が国会本庁前の階段に集まり、「汚染水海洋投棄阻止ろうそく集会」を開いた。24日にはソウル龍山(ヨンサン)大統領室前で、「日本の汚染水放出はロンドン条約(廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約)違反」であることを訴える記者会見を開き、25日には尹錫悦政権の汚染水放出への対応を糾弾し、ソウル光化門(クァンファムン)から龍山の大統領室まで街頭行進する方針だ。週末の26日には光化門一帯で市民団体などと連帯して汚染水放出反対総決起大会を開く予定だ。野党「正義党」も23日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)の駐韓日本大使館前で汚染水放出糾弾記者会見を行い、リレー1人デモを行った。
 与党「国民の力」は、野党が国民の不安を助長していると批判した。同党のユン・ジェオク院内代表はこの日国会で開かれた政府与党緊急会議で、「民主党が(汚染水)放出を口実に扇動と政治攻勢を繰り広げるのは昨日今日に始まったことではないが、再び反日と恐怖マーケティングで国民を不安にさせ政争を助長している」と述べた。同党の「我が海を守る検証TF」委員長のソン・イルジョン議員も、「第2の牛海綿状脳症(BSE)問題を期待してろうそくを掲げると主張しているが、嘘は真実に勝てない」とし、「嘘と怪談のろうそくは真実と科学の松明によって溶けてしまうだろう」と述べた。
 イ・ジェミョン代表の「第2太平洋戦争」発言については、民主党内でも「宣伝の側面でも少し行き過ぎたところがある。国民の命と直結している問題であるだけに、もう少し緻密に追求して批判してほしい」(ある重鎮議員)という批判が出た。
カン・ジェグ、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-24 02:45


「The Hankyoreh」 2023-08-24 07:14
■韓国与党政治家「尹大統領は卑怯…汚染水に関し世論気にして次官に発表させるのか」
 与党「国民の力」のユ・スンミン前議員は23日、前日に国務調整室のパク・クヨン第1次長が日本の福島第一原発の汚染水放出に関する後続措置を発表したことについて「国民の健康、海の安全に関する問題は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が自ら発表すべきだった。卑怯(ひきょう)だ」と述べた。
 ユ前議員は23日、CBSラジオの番組で「日本の首相の前では尹錫悦大統領が自ら(汚染水の放出に)賛成しておきながら、国民の前では民意が良くないから大統領、首相、長官ら、このような人々はみな逃げてしまい、一介の次官が出てきてこのように発表するのか」と述べつつ、上のように語った。パク第1次長は前日のブリーフィングで「日本の放出計画に科学的、技術的問題はないと判断した」と語った。
 ユ前議員は「尹大統領は7月12日にリトアニアでのNATO首脳会議で韓日首脳会談を行った。その際、岸田文雄首相の前で「計画通り放出を履行するならば」と表現したことは、事実上放出に賛成して帰ってきたもの」だとし、「大韓民国の大統領が日本の首相の前で放出に賛成したため、そのままゲームオーバーとなったと私は考えた」と語った。
 尹大統領は岸田首相との首脳会談で、「原子力安全分野の代表的な傘下国際機関である国際原子力機関(IAEA)の発表内容を尊重する」としながらも、「計画通り放出の全過程が履行されるかどうかについての情報をリアルタイムで韓国と共有するとともに、放出の点検過程に韓国の専門家も参加させてほしい」と述べた。
 またユ前議員は、「『(日本との関係において)我々が得るものは何か』という根本的な問いを提起すべき時がすでに来ている」とし、「強制徴用問題も譲歩し、福島第一原発の汚染水も賛成し、そのようにして我々が得るものは何か」と述べた。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-23 10:55
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「慰安婦支援団体前理事長の控訴審 再び懲役5年求刑=9月20日判決」

2023年08月26日 | 日本軍隊性奴隷
「聯合ニュース」 2023.08.23 21:30
■慰安婦支援団体前理事長の控訴審 再び懲役5年求刑=9月20日判決
 張智彦
【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦被害者を支援する韓国の市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」への寄付金を私的に流用したとして業務上横領罪などの罪に問われた同団体前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)国会議員(無所属)の控訴審公判が23日、ソウル高裁で開かれた。一審では1500万ウォン(約162万円)の罰金刑が言い渡されたが、検察は懲役5年の実刑を求刑し、結審した。判決は来月20日に言い渡される。
 検察は多数から集めた寄付金を好き勝手に使用したことが法の趣旨に合うのか、重い認知症を患った高齢者から金を受け取ることが適法なのか冷静に判断して明確に違法だという判断を示してほしいとして一審と同じ懲役5年を求刑した。
 尹被告は2011年から20年にかけ、正義連の前身の韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の法人口座と個人口座で保管していた資金1億37万ウォンを任意に使用した罪(業務上横領罪)で、20年9月に在宅起訴された。
 ほかに重度の認知症だった慰安婦被害者の吉元玉(キル・ウォノク)さんが17年に正義連から受け取った女性人権賞の賞金1億ウォンのうち、5000万ウォンを正義連に寄付させたとして準詐欺罪などに問われている。
 今年2月、一審は尹被告の横領罪のうち約1700万ウォンに対してのみ有罪と認定して罰金1500万ウォンを言い渡し、それ以外の罪については全て無罪とした。その後、判決を不服として被告と検察の双方が控訴した。


「中央日報日本語版」 2023.08.24 10:43
■韓国検察、尹美香議員に控訴審で懲役刑を求刑…「30年間、私的な利益を得たことはない」嗚咽
 正義記憶連帯の理事長として活動当時、後援金を私的に流用した疑いなどで裁判にかけられた無所属の尹美香(ユン・ミヒャン、58)議員に検察が控訴審で懲役刑を求刑した。
検察は23日、ソウル高裁刑事第1-3部の審理で開かれた尹議員の結審公判で、「原審を破棄し、原審の求刑と同じ判決を言い渡してほしい」と裁判所に要請した。 1審の時と同じ懲役5年を求刑したのだ。
 1審が慰安婦被害者の吉元玉(キル・ウォノク)さんの心身障害を認めなかった部分について「被告人は被害者と長期海外キャンプに行くなど健康状態をよく知ることができる位置にあり、少なくとも認知症の事実については知っていたと自認した」とし「被告人は被害者と家族に心からの謝罪と反省をせず、これは超高齢患者に対する準詐欺犯罪で厳正な判断が必要だ」と促した。
 補助金管理法違反の疑いに対しても「原審は無罪を言い渡したが、この事件の博物館登録は補助金の申請に対する本質的な要素を欺瞞した」とし「資格未達であるにもかかわらず、資格を備えたように(補助金を)申請したのは欺瞞行為」と話した。
 特に、控訴審で裁判所が現場を訪れたりもした「憩いの場」に関連しても、尹議員が不動産を時価より高い価格で購入したのは業務上背任に該当するとも話した。
 検察は「被告人たちは背任行為で4億ウォン(約4400万円)の物件を7億5000万ウォンで購入して転売差益を残した」として「寄付金を執行して憩いの場として使えない不動産を適正な価格なのか調べずに高く購入して損害が発生したので、厳重な法的判断が必要だ」と明らかにした。
 最後に「被告人が運営する団体は重要な活動を行ってきただけに、資金募集の運用と執行においてわが社会の応援と期待にふさわしい姿を見せるべきだった」とし、「そのような観点から、各疑惑に対して被告人の行為が普遍化できるか冷徹に判断してほしい」と話した。
これを受け、尹議員は最後の供述で「慰安婦被害者たちは30年前に挺身隊活動家に会って苦しい経験を世の中に公開し、堂々と人権回復運動の主体になった。その中心に吉元玉さん、金福童(キム・ボクドン)さんがいらっしゃった」として「しかし3年前、 李容洙(イ・ヨンス)さんの記者会見以降起きた一連の事態とメディアの報道で被害者の主体的な人権回復運動は私に引きずられて非主体的で受動的なものに貶められ、攻撃の中で大きな傷を負うことになった」と反論した。
 また「30年間私的な利益を得ようとせず、国会議員になったのも被害者らとの約束を守り、政策と制度を通じて人権を成し遂げるためだった」とし「市民運動家から国会議員になる過程で私と私の同僚、家族が払った代価はとても大きくて深い」と嗚咽した。
 また、「もちろん、活動の過程で問題があったという点を認め、この3年間裁判を通じて問題と誤りがあったことを骨身にしみるように確認することができた」として「8カ月後に市民に戻れば、残りの生涯の間、被害者たちとした約束を守れるように温かい判決を要請する」と話した。
 尹議員は2015~2019年管轄官庁に登録せずに団体口座で41億ウォンの寄付金品を募集し、1億7000万ウォンの寄付金品を個人口座に募集した疑い(寄付金品法違反)で起訴された。
 個人口座で募金した資金約1億ウォンを私的に使った容疑(業務上横領)、文化観光部とソウル市の補助金3億ウォンを虚偽事実で受け取った疑い(補助金法違反)などもある。
 重症認知症と診断された吉元玉さんの心身障害を利用し、女性人権賞賞金1億ウォンのうち5000万ウォンを財団に寄付させた疑い(準詐欺)、慰安婦被害者の京畿道安城市(キョンギド・アンソンシ)の憩いの場を相場より高価で購入した疑い(業務上背任)も持たれている。
 1審裁判部は今年2月、このような公訴事実のうち法人口座に保管していた資金1700万ウォンを私的に使用したとし、一部業務上横領の疑いだけを認めて罰金1500万ウォンを言い渡した。
 当時、1審裁判所は「韓国挺身隊問題対策協議会の法人口座に保管していた資金計約1700万ウォンを任意に横領した」とし、一部業務上横領の疑いだけが認められると判断した。
この他の容疑に対しては検察が提出した資料だけでは立証が難しいなどの趣旨で判断した。 尹議員と検察はいずれもこの判断に不服した。
1審で罰金刑を受け、尹議員は議員職を維持することになった。 現役国会議員は公職選挙法違反ではない一般刑事事件の場合、禁錮以上の刑を受けなければ議員職を失わない。


「中央日報日本語版」 2023.01.07 09:44
■韓国検察、尹美香議員に懲役5年求刑…「元慰安婦のためのお金、小遣いのように流用」

6日にソウル西部地裁の審理で行われた結審公判で、正義記憶連帯(正義連)後援支援金を私的に流用した容疑などで起訴された無所属の尹美香(ユン・ミヒャン)議員(58、元正義連理事長)に対し、検察が懲役5年を求刑した。 共に起訴された正義連理事であり元韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)常任理事のキム被告(48)には懲役3年を求刑した。
検察は尹美香被告について「長期間にわたり犯罪行為の種類が多いだけでなく罪質も重く、団体最高責任者であり実務責任者として犯行を主導したにもかかわらず反省する姿を見せていない」と主張した。 続いて「長い歳月の間、苦痛を受けたおばあさんたちのために市民が少しずつ募金した資金を自分の小遣いのように使用し、挺対協の資金をあたかも個人事業家のように使う過程で横領の犯行をした」と叱責した。
 尹被告は最終弁論で「2年間の裁判で行政と会計上の未熟があったことを痛感した」とし「その責任があるのならば、すべて代表の私にあると考える」と述べながら頭を下げた。
 その一方で「検察が主張するように私益を追求する意図を持って挺対協で仕事をしたのではない」とし「私と私の同僚がまた旧日本軍慰安婦被害者とした約束を守って、平和活動を活発にできるよう賢い判決を下してほしい」と訴えた。
 尹被告とキム被告は管轄官庁に登録することなく2015-19年に団体の口座で計41億ウォンの寄付を受け、慰安婦被害者・金福童(キム・ボクドン)さんの葬儀費や海外展示性暴行被害者支援などの名目で1億7000万ウォン(約1780万円)の寄付金を個人の口座で募金した疑い(寄付金品法違反)で2020年9月に在宅起訴された。
 また2011年-20年に個人の口座で募金した慰安婦被害者の葬儀費など1億ウォンを私的な用途に使った業務上横領容疑と、2013年-20年に政府とソウル市から補助金3億ウォンを不当に受領した補助金法違反容疑もある。
 さらに重度認知症と診断された吉元玉(キル・ウォンオク)さんの心身障害を利用して女性人権賞の賞金1億ウォンのうち5000万ウォンを正義記憶財団に寄付させた疑い(準詐欺)、慰安婦被害者施設を相場より高値で取得した容疑(業務上背任)もある。
 尹被告とキム被告に対する判決は2月7日午後2時に言い渡される。
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「100歳在日光復軍と大阪療養施設「サンボラム」」

2023年08月25日 | 個人史・地域史・世界史
「中央日報日本語版」 2023.08.22 13:25
■【グローバルアイ】100歳在日光復軍と大阪療養施設「サンボラム」

【写真】大阪にある在日同胞高齢支援施設「サンボラム」。入所者のために食事にキムチを出したりアリランを歌ったりする。[写真 サンボラム]

 老兵の手は暖かかった。韓国でまたお会いしたいという言葉で一気に若返ったように見えた。16歳という若さで光復軍に合流したオ・ソンギュ愛国志士は一生のほとんどを日本で過ごし、百歳を迎えて韓国行きを選んだ。「余生を韓国で過ごしたい」と父親の願い。白髪だらけの息子はこれを聞いてどのような気持ちだっただろうか。
 今月11日、東京練馬区のある賃貸住宅。オさんの息子は頭を下げたまま韓国から父親を迎えに来た報勲部長官の会話に耳を傾けていた。韓国語ができない彼が会話の内容を理解していたかどうかは分からないが、正座をしたまま約30分間、微動だにしなかった。彼もやはり家長であり、家庭の日々の生活のこともあって父親の世話をすることは難しかったという。これからは韓国に行かないと会えない父親。子息としてつらいことだったかもしれないが、彼は「父が願んだことですから」と言いながら、なんとかして複雑な感情を隠そうとしていた。

 「奇跡のようなことが起きたんです!なんということでしょう、車椅子に座っていたおじいさんがすっくと立ち上がったんです!」受話器向こう側で興奮した声が聞こえた。大阪にある在日同胞高齢者のための支援施設「サンボラム」の高敬一(コ・ギョンイル)代表の言葉だ。車椅子がなければ挙動が難しい在日同胞第一世の入居者の一人がチャング(太鼓の一種)の伴奏に出てくる韓国民謡を聞いて立ち上がったということだ。高代表は「これが民族の血なのかと思った」と話した。

 高代表がいわゆる「在日」と呼ばれる同胞高齢者のために療養施設を作ったのは1990年代。日本政府が、韓国でいう療養保険制度を導入したが、貧困の在日高齢者が行くところはなかった。日帝強占期時にさまざまな理由を抱いて日本に渡ってきて、差別や貧困の苦しみを乗り越えて生きてきた第一世の孤独死が高さんを突き動かした。最後の瞬間くらい生きてきた甲斐があったと思ってもらいたいという一心で、その意味を韓国語に込めて「サンボラム」という施設名にした。
 ここに入所している在日高齢者は45人。このうち半数が第一世代で超高齢だ。「本当に変です。皆さん、日本語は忘れても韓国語は忘れないで、日本の食事が喉を通らなくても食べられなくてもキムチは召し上がります」。アリランを歌って、キムチを漬けるここの運営は厳しい状態だ。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の余波で利用者の状態が良くないためだ。
 日本の超高速高齢化を話しながらも、日本社会の中の非主流で日帝強占期の時に連れて来られるようにしてやってきながら、韓国語とキムチで最後を迎えたいと思う在日高齢者の言葉の中にあるものを、私たちはすぐに気づくことができない。駐日韓国大使館によると、日本に住んでいる在外国民は約48万人。このうち100歳以上の超高齢者は今年基準で42人だ。彼らがどのような最後を送れるようにするのか、また彼らの願いは何かに、今は耳を傾けるべきではないだろうか。

 キム・ヒョンイェ/東京特派員
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「原子力従事者30万人疫学調査「放射線に安全基準値なし」…国際共同研究の結果」

2023年08月24日 | 
「The Hankyoreh」 2023-08-21 09:39
■原子力従事者30万人疫学調査「放射線に安全基準値なし」…国際共同研究の結果
 最大規模の国際共同研究調査の結果 
 「許容基準値以下の被ばくもがんによる死亡リスク高める」

【写真】福島第一原子力発電所にある汚染水貯蔵タンク。日本は原発事故で発生した貯蔵中の汚染水133万トンを30年かけて海に放出する計画だ/聯合ニュース

 放射線作業従事者に認められている年間放射線被ばく量の半分にも満たなくても、被ばくによってがん発症による死亡リスクは高まりうる。このような国際共同研究の結果が発表された。この研究結果は、少量の放射線被ばくも発がんリスクがあるという内容を含んでいるため、安全な「放射線被ばくの基準値」をめぐって波紋が広がるとみられる。
 国際がん研究機関(IARC)、米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)、フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)などの研究者で構成された国際共同研究チームは先日、米国・フランス・英国の原子力産業従事者に対する調査の結果を「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(The BMJ)」に発表した。研究チームが今回行った疫学調査は、1944年以降の70年あまりの間に原子力産業に従事した米国・英国・フランスの労働者30万9932人のうち死亡者10万3553人の死亡原因を追跡したもので、これまでに行われた放射能の健康への影響を見る疫学調査の中で最大規模。
 研究の結果、累積放射線被ばく量が0~20ミリグレイ(mGy・グレイは単位質量あたりに吸収された放射線のエネルギー)の人の固形がんによる死亡の「過剰相対リスク」は、1グレイ当たり1.30だった。これは累積吸収線量が20ミリグレイ以下の低線量被ばくでも、血液を除いた臓器に発生する固形がんによる死亡リスクを1グレイ当たり130%高めることを意味する。
 20ミリグレイは、一般人が年平均3ミリシーベルト(mSv)被ばくする自然放射線を7年ほど蓄積すれば満たしてしまう量だ。レントゲンやCTを撮影する際に被ばくする医療用放射線も加えると、期間はさらに短くなる。また、これは放射線作業従事者に認められている年間被ばく量の50ミリシーベルトよりも低い。グレイ(Gy)は物質が吸収した放射線のエネルギーを表す吸収線量の単位であり、シーベルト(Sv)は放射線の種類によって異なる人体への影響を考慮した有効線量の単位であるため、基本的に大きさは同じとみなされる。
 この研究で特に注目されるのは、ごくわずかな累積線量であってもがん発生リスクを高めるということだ。研究者たちはこの論文で「累積線量と10年後の固形がんによる死亡率との関係は『線形モデル』で合理的に説明される。累積線量を0~200ミリグレイの範囲に制限しても、線形モデルで説明できる」と述べた。線形モデルとは、放射線被ばく量とがん発生との関係を、原点(0)を通る直線で表したモデル。放射線は被ばく量がいくら少なくても有害であり、有害度は累積する線量に応じて直線的に高まり続けるとみるものだ。

【図】論文に示された低線量放射線の累積吸収線量(Cumulative dose)と固形がんによる死亡率の相対リスク(Relative rate)の関係。出典:「フランス、英国および米国労働者の電離放射線低線量被ばく後のがん死亡率(INWORKS):コホート研究」//ハンギョレ新聞社

 原発産業界と原子力学界は、低線量の放射線へのばく露は人体に影響がないと主張している。関係する労働者と一般人を放射線から保護するために政府が最小限の安全装置として設定した線量限度を絶対的な安全基準値とみなし、その基準線さえ超えなければ問題にはならないと考えているのだ。
 問題は、原発産業界が固く信じている線量限度は、主に第2次世界大戦中に日本に落とされた原子爆弾の生存者を対象とした研究にもとづいて設定されているということだ。これらの生存者の放射線被ばくはほとんどが原爆の爆発から1秒以内のものであり、低線量で長期間にわたって被ばくする原発労働者や一般人の状況とは異なる。
 研究チームはこの論文で「人々はしばしば、低線量被ばくは日本の原爆の生存者が経験した高線量被ばくに比べて発がんリスクは低いと考える。しかし私たちの研究は、低い線量の放射線にさらされる労働者たちの中からは、単位被ばく量当たりの固形がん発症リスクが低下する証拠を発見できなかった」と述べた。低線量が累積しても発がんリスクはあるということだ。
 原子力安全委員を務めた東国大学医学部のキム・イクチュン教授は「原子力界が『これくらいまでは安全だ』と言っていた低線量でもがん発生リスクの上昇が確認されたのは、『基準値以下なら安全だ』という話には根拠がないことを立証したもの」だと語った。またキム教授は「健康への影響を扱う疫学調査というものは調査対象が大きいほど正確な結果が出るが、今回研究した母集団の規模が大きいため、統計学的に被ばく量の小さい差がよく表れている」と付け加えた。
 ソウル大学医学部のペク・トミョン名誉教授(元ソウル大学保健大学院長)は、「放射線のリスクの影響が線形で説明できるということは、放射線量が少しでも多ければ影響も高まるという因果関係であるということ」、「福島第一原発の汚染水の放出による環境放射線の問題について、『低線量は大丈夫だ』と言ってはならないというもう一つの根拠になりうる研究」だと語った。
キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-20 18:22


「The Hankyoreh」 2023-08-19 07:21
■「汚染水放出反対」韓国市民188万人の意思、大統領室に手渡し
 大統領室前で市民団体と野党4党が記者会見 
 「韓国政府が早期放出を要請」との朝日新聞の報道に 
 政府「そのような要請はしていない」

【写真】18日、ソウル龍山区の大統領室前で、キム・ソンファン共に民主党議員(左)ら出席者たちが、チョン・ヒギョン大統領秘書室政務第1秘書官(右)に福島原発汚染水の海洋投棄に反対する188万人の署名結果を渡している/聯合ニュース

<msreadoutspan class="msreadout-line-highlight"> 韓国の<msreadoutspan class="msreadout-word-highlight">市民</msreadoutspan>団体と野党が、福島原発汚染水の海洋投棄に反対する188万人の国民署</msreadoutspan>名を大統領室に伝えた。
 「日本放射能汚染水海洋投棄阻止共同行動」(以下共同行動)と共に民主党、正義党、基本所得党、進歩党の野党4党は18日午前、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室前で「200万国民署名伝達記者会見」を開いた。
 共同行動は福島原発汚染水の海洋投棄に反対▽国際海洋法裁判所への提訴▽汚染水の日本国内保管などを韓国と日本政府に要求し、今年5月から全国で署名運動を始めており、同日まで計187万8185人の署名を集めた。
 「福島核汚染水投棄反対釜山運動本部訪日代表団」のイ・ウォンギュ実務チーム長は、「保守的だという釜山(プサン)で、1カ月で11万1678人の署名が集まった」とし、「この署名用紙が本当の世論であり、厳しい国民の声に背を向けず、重く受け止めてほしい」と述べた。彼らは記者会見後、汎国民署名運動の署名用紙をチョン・ヒギョン大統領室政務第1秘書官に手渡した。
 この日開かれた記者会見では、原発汚染水を放流するのであれば韓国の総選挙に影響を及ぼさないよう早期に実施するよう韓国政府が日本側に要請したという内容の朝日新聞の報道が俎上に上がった。朝日新聞が16日付で「日韓関係の改善、加速の考え強調 尹大統領」という見出しの記事で、「韓国はすでに来春に控える総選挙に向け『政治の季節』に突入しつつある」とし、「尹政権と与党内では、当面懸案である東京電力福島第一原発の処理水放出が避けられないのであれば、むしろ(韓国の)総選挙に悪影響が少ない早期実施を求める声が出ている」と報じたことが取り上げられたのだ。
 正義党のカン・ウンミ議員(正義党 福島汚染水無断投棄阻止TF団長)は「朝日新聞の報道が事実ならば、国内政治に日本政府の干渉を要請すること」だとし、「政府は日本の反環境的な海洋犯罪の共犯を通り越して主犯と言える」と批判した。

【写真】18日、ソウル龍山区の大統領室前で開かれた「日本放射能汚染水海洋投棄反対署名用紙伝達野党4党-市民社会共同記者会見」で、出席者たちがスローガンを叫んでいる/聯合ニュース

 共に民主党のキム・ソンファン議員(共に民主党 福島汚染水海洋投棄阻止対策委員会戦略企画本部長)は「政府は日本政府の立場を代弁するのではなく、大韓民国国民の生命と安全を守る本分を取り戻してほしい」とし、「大統領が韓国国民の意思を代弁できないならば、私たちが最後まで福島原発の汚染水の海洋投棄を積極的に防ぐという意志を明らかにする」と述べた。
 一方、政府は「韓国政府が日本側に早期放出を要請した事実は全くない」とし、17日に続き同日も朝日新聞の報道に反論した。パク・クヨン国務調整室国務第1次長は同日、政府ソウル庁舎で行った日本の原発汚染水関連の定例会見(毎日実施)で、「汚染水の放出に対する韓国政府のすべての判断は国民の健康と安全に焦点が当てられており、一切の政治的考慮を排除し、徹底した科学的検討に基づいている」とし、「今日のブリーフィング以降(政府が日本側に早期放出を要請したという)このような内容の報道や主張は控えてほしい」と述べた。
ナム・ジョンヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-18 17:13


「聯合ニュース」 2023.08.17 11:46
■韓国地裁が汚染水放出禁止請求を却下 原告の市民団体は控訴の意向
【釜山聯合ニュース】韓国南部・釜山の市民団体が東京電力を相手取り、福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出禁止を求めた訴訟で、釜山地裁は17日、原告の請求を却下する判決を言い渡した。

【写真】釜山で市民団体が開いた福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出に反対する集会(資料写真)=(聯合ニュース)

 原告側は訴訟の根拠としてロンドン議定書などを提示したが、同地裁は「原告側の請求はこの裁判所の裁判規範になり得ない条約に起因したもので、訴えの利益がなく不適法と判断する」とした。原告側はロンドン議定書により海洋投棄が禁じられている八つの物質を取り上げ、汚染水を「放射性廃棄物またはその他の放射性物質」と規定して海洋放出は認められないと主張していた。
 原告側は請求の根拠として民法第217条も提示した。だが、同地裁は「法の規定と大法院(最高裁)の判例の解釈態度などに照らすと、この裁判所に民法第217条による国際裁判の管轄権が認められるとは見なしがたく、この部分の請求も不適法と判断する」と説明した。
 同訴訟は釜山の市民団体が2021年4月に起こし、これまでに7回の弁論が行われた。
 原告側の弁護士は「地裁は東電の論理をそのまま受け入れた」として控訴する意向を示した。「ロンドン議定書をこの事件の判断規範と見なせるかどうかを引き続き問う」としている。


「聯合ニュース」 2023.08.17 10:48
■市民団体の汚染水放出禁止請求を却下 韓国・釜山地裁
【釜山聯合ニュース】韓国南部・釜山の市民団体が東京電力を相手取り、福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出禁止を求めた訴訟で、釜山地裁は17日、原告の請求を却下する判決を言い渡した。

【写真】釜山で市民団体が開いた福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出に反対する集会(資料写真)=(聯合ニュース)

 同地裁は「裁判規範になり得ない条約に起因したもので、訴えの利益がなく不適法と判断する」とした。また「法の規定と大法院(最高裁)の判例の解釈態度などに照らすと、この裁判所に民法第217条による国際裁判の管轄権が認められるとは見なしがたい」と説明した。


「The Hankyoreh」 2023-08-15 09:26
■[フォト]汚染水放出迫る中…「陸上保管せよ」韓国で集会

【写真】12日、ソウル鍾路区のプレスセンター前で行われた「日本による放射能汚染水海洋投棄阻止第7回全国行動」で、参加者たちが日本による放射能汚染水の海洋投棄に反対するプラカードを掲げている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 光復節78周年を前に、日本による放射能汚染水の海洋投棄に反対する集会が行われた。
 日本放射能汚染水海洋投棄阻止全国行動は12日午後、ソウル世宗大路(セジョンデロ)の韓国プレスセンター前で「安全な海を守る私たちの声」をテーマに、福島第一原発汚染水の海洋投棄に反対する「日本による放射能汚染水海洋投棄阻止第7回全国行動」集会を行った。
 共同行動は「18日に行われる韓米日首脳会談で汚染水の海洋投棄に関する議論が行われ、日本政府は8月末に汚染水放出を開始するだろう」とみて、「汚染水の海洋放出を事実上容認している韓国政府と与党、そして海洋放出ばかりに固執する日本政府に対する強い糾弾の声が必要だ」と述べた。
 参加者たちは「福島第一原発の汚染水は海洋投棄せず、陸上に長期保管すること」を日本政府に求めた。

【写真】12日、ソウル鍾路区のプレスセンター前で「日本による放射能汚染水海洋投棄阻止第7回全国行動」が行われている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社
【写真】12日、ソウル鍾路区のプレスセンター前で「日本による放射能汚染水海洋投棄阻止第7回全国行動」が行われている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社
【写真】参加者たちが布で作った亀を掲げて歩いている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社
【写真】参加者が放射能汚染水の海洋投棄に反対するスローガンを掲げている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社
【写真】参加者たちが放射能汚染水海洋投棄決死反対を叫んでいる=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社
【写真】参加者たちが日本による放射能汚染水の海洋投棄に反対するプラカードを掲げている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社
カン・チャングァン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-12 21:02


「The Hankyoreh」 2023-08-13 19:21
■世宗大王銅像に「汚染水反対」の横断幕、民主労総組合員ら逮捕

【写真】民主労総の組合員たちが12日、ソウル市鍾路区光化門広場の世宗大王銅像で、日本の放射性汚染水海洋投機阻止パフォーマンスをしている=民主労総提供//ハンギョレ新聞社 

 12日午後1時頃、ソウル市鍾路区光化門広場の世宗大王銅像で、日本による放射性汚染水の海洋投機に反対する横断幕を掲げた民主労総組合員4人が警察に連行された。
 警察はこの日、キム・ウンヒョン副委員長など民主労総組合員4人を集会および示威に関する法律違反などの容疑で現行犯逮捕したと明らかにした。連行された4人のうち2人は世宗大王銅像の上に上がり「No 日本核汚染水。海を守ろう」と書かれた横断幕を持ち旗を振り、2人は銅像に上がろうとして阻止された。民主労総は放射性汚染水の海洋投機に反対し一週間の全国巡回日程を終え、この日昼12時30分に光化門世宗文化会館階段で解団式を行い、解団式の直後にこのようなパフォーマンスを行った。
キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-12 21:52


「The Hankyoreh」 2023-08-10 07:59
■日本の漁業者ら、岸田首相の「汚染水放出めぐり信頼深まっている」との発言に不快感
 福島漁業協同組合会長「何を捉えてそう言っているのか分からない」

【写真】「これ以上海を汚すな!市民会議」など日本の市民団体が6月、福島県で汚染水の海洋放出に反対する集会を行っている=ソーシャルメディアよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 福島県の漁業者たちが、原発汚染水の海洋放出を控えて岸田文雄首相が「漁業関係者との信頼関係が深まっている」と発言したことについて、強い不快感を示した。
 福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は8日、岸田首相の発言について「何を捉えてそういっているのか分からない」と述べた。岸田首相は7日、福島第一原発の放射性物質汚染水の海洋放出が今月末に始まるという日本メディアの報道を受け、「経済産業相などが現地と対話を重ねている。漁業者の方々との間における信頼関係は少しずつ深まっていると認識をしている」と述べた。野崎会長は「相手方(岸田首相)の感想だが、そういわれてしまうと身もふたもない。どこを捉えて理解が進んでいると言っているのか分からない」と批判した。
 同日、野崎会長は渡辺博道復興相と会い、改めて汚染水放出に対する反対の立場を示した。野崎会長は「『関係者の理解なしにいかなる処分も行わない』という約束があることなどから反対だ。子々孫々、漁業が存続するよう慎重な判断をお願いしたい」と語った。これに対し、渡辺復興相は「福島の復興のためには処理水(汚染水)の処分は先送りできない重要な課題だ。漁業者の生業がしっかり成り立っていくようにしていくことも大事だと思っている」と答えた。
 毎日新聞は9日付で、出席者から「数十年間続く放出の安全性をどう守るのか」などの意見が出たと報じた。
 放出に強く反対する中国政府も、国際会議の場で日本に圧力をかけた。時事通信の報道によると、8日、オーストリアのウィーンで開かれた核拡散防止条約(NPT)の再検討会議に向けた準備委員会で、中国代表は「放出計画の強行の中止」を求めた。中国代表は汚染水放出が国際安全基準に合致するという国際原子力機関(IAEA)の報告書について、「権限が限られており、汚染水データの信頼性と正確性が確認できていない」と主張した。
 日本政府は福島原発汚染水(約133万トン)の放射性物質の濃度を法的基準値以下に下げた後、30~40年かけて海に放出する予定だ。多核種除去設備(ALPS)で除去されないトリチウムは基準値の40分の1以下に濃度を希釈して海に流す。今月末の放出開始が有力視されている。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-10 02:04
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海南島近現代史研究会 第14回総会・第26回定例研究会

2023年08月23日 | 海南島近現代史研究会
■海南島近現代史研究会 第14回総会・第26回定例研究会■

 19世紀中期以後、日本は、アイヌモシリ、奄美、琉球、台湾、カラフト島南半部、朝鮮、中国東北部・モンゴル東南部、「南洋群島」、海南島を領土化し、アジア太平洋の各地で侵略戦争を続けました。
 日本政府は、その国家犯罪の歴史を明らかにしようとせず、侵略犯罪を謝罪しようとせず、責任者を処罰しようとせず、犯罪の重大さに相当する賠償をしようとしていません。
 2020年2月8日に開催しようとしていた海南島近現代史研究会第25回定例研究会の主題は「侵略戦争⇔抗日戦争、植民地支配⇔抗日反日闘争」であり、  2022年8月21日に開催しようとしていた海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会の主題は「民衆の歴史研究・歴史認識・事実の伝達」でした。
 その3年半後に開催する海南島近現代史研究会第14回・第26回定例研究会の主題は、「日本が侵略した地域の民衆の記憶、侵略国家の民衆の主体変革」とします。

 と き:2023年8月26日 午後0時30分開場、午後1時10分開会
 ところ:国労大阪会館 1階ホール 大阪市北区錦町2
     JR大阪環状線天満駅北口を右に出て、桜ノ宮駅方向へ200メートル
 参加費・資料代:500円(会員は無料です)

主題:日本が侵略した地域の民衆の記憶、侵略国家の民衆の主体変革
■主題報告  わたしたちがはじめて海南島の澄邁県橋頭鎮沙土を訪問したのは、2008年10月12日でした。その後わたしたちは10数度沙土を訪ね、日本軍の沙土虐殺の証言を聞かせてもらってきました。橋頭鎮人民政府が2005年8月15に沙土の聖眼村の入り口に建建した「史証碑」には、1941年8月4日に沙土で1119人が殺され、さらにその後200人あまりが殺されたと刻まれています。      佐藤正人                                       
 ■主題報告  中国東北部に残る万人坑の問いかけるもの              小林節子
 ■討論  日本の国家犯罪の事実を認識する民衆の方法について話し合いたいと思います。
 ■報告  海南島近現代史研究会の21回目(紀州鉱山の真実を明らかにする会として34回目)の海南島「現地調査」について

     海南島近現代史研究会  http://hainanshi.org/



 2020年夏に新型冠状病毒肺炎の感染者が急増してきたので、秋(2020年9月5日)に開催を予定していた 海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会を2021年2月13日に延期しました。2021年にはいってから、新型冠状病毒肺炎の流行がいちだんと強まってきたので、8月21日に再延期しました。
 2021年7月下旬に強行開始された「東京オリンピック」の悪影響もあって、新型冠状病毒肺炎の伝染がさらに拡大しため、8月21日に予定していた海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会を、2022年2月19日に再々延期しましたが、新型冠状病毒肺炎の伝染が治まっていかないので、2022年8月21日に再々々延期しました。
 2022年6月ころから新型冠状病毒肺炎の伝染が急速に広がってきたので、2022年8月21日に開催を予定していた海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会を残念ながら2023年2月にさらに延期せざるをえなくなってしまいました。
 2023年に入ってから新型冠状病毒肺炎の流行がさらに激しくなくなってきたので、2月に開催を予定していた海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会を8月に延期しました。
 2020年2月8日に開催しようといた海南島近現代史研究会第25回定例研究会の主題は、「侵略戦争⇔抗日戦争、植民地支配⇔抗日反日闘争」でした。
 2022年8月21日に開催しようとしていた海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会の主題は「民衆の歴史研究・歴史認識・事実の伝達」でした。

 2020年2月8日から3年半、海南島近現代史研究会は総会・定例研究会を開催できませんでした。
 この3年半のパレスチナ、ウクライナ……民衆の日々の生活とたたかいを思いつつ、2023年8月26日に開催する海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会の主題を、「日本が侵略した地域の民衆の記憶、侵略国家の民衆の主体変革」としたいと思います。
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「日本との「軍事協力強化」なぜ必要? 理由も世論の説得もなし」

2023年08月22日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2023-08-22 00:27
■日本との「軍事協力強化」なぜ必要? 理由も世論の説得もなし
 「事実上の軍事同盟」化で3カ国の協力の強度を引き上げた韓米日首脳会談によって韓日関係が重大な転換を迎えつつある中、韓国国内では憂慮と反発を示す世論が拡大している。今年70周年を迎えた韓米同盟とは異なって同盟関係ではない韓国と日本が、事実上の同盟国として軍事協力を強化しなければならない理由を、政府がまったく説明していないからだ。
 18日(現地時間)の韓米日首脳会談後に発表されたキャンプデービッドの精神(共同声明)、同原則、「3者協議に対する公約」は、域内の脅威に対する3カ国の共同対応が骨子だ。3カ国のうちの1国が攻撃を受けた際に、残りの2カ国は共同で対応・協議を行うという内容で、事実上の軍事同盟の道を開いた。大統領室は「(同盟関係は)同盟のパートナーに問題が発生すれば軍とすべての資産を動員し、駆けつけて助けなければならないが、今回制度化される韓米日協力体には当てはまらない。『これは我が国にとって脅威ではない』と考えれば(共同対応に)当たらなくてもよい」と述べ、3カ国の軍事協力は「同盟」関係とは異なるとしている。だが、地政学的関係が密接な韓日の関係において、一方の国にとっての域内政治・経済・サイバー・軍事的脅威はもう一方の国の危機や利益と直結せざるを得ないため、このような説明は説得力に欠ける。
 今回の韓米日協力体の制度化の過程は、3月に行われた日本企業の賠償義務なき日帝強占期の強制動員被害者に対する「第三者弁済」賠償案の発表の過程とそっくりだ。3月は被害者が反発し、国内世論も「屈辱的」だとして懸念する声がほとんどだったが、尹大統領は決定を押し通した。その後、シャトル外交が復活するなど、韓日政府の関係は軌道に乗ったが、福島第一原発の汚染水の放出、独島領有権問題のように国民的懸念が大きく対立の根の深い事案は、日本の意図通りに進んでいる。
 尹大統領は18日の共同記者会見で、韓米日首脳会談開催の足がかりとなった第三者弁済案に韓国の世論が否定的であることについて米国の記者に問われ、「1965年度の韓日協定、その後の政府の措置、2012年に最高裁で下された判決との隔たりを調整しうる供託案を実行した」とし、「反対世論もあるが、韓国国民には何よりも、未来志向的な観点から韓日関係の改善と韓米日の協力が韓国の安保と経済発展にとって非常に重要だ、という認識のコンセンサスがある」と自評した。第三者弁済案の発表後も批判世論は相変わらずだが、国民を説得する努力もせずに、「韓日関係は改善すべきだ」との考えを前面に押し出した恣意的な解釈を示したのだ。
 共に民主党のクォン・チルスン首席報道担当は19日に発表した論評で「日本を引き入れて『安保共同体』を作らなければならないほど朝鮮半島の危機が緊迫しているなら、事前に国民に詳しく説明し、同意を求めるのが順序」だとし、「日本との準軍事同盟が大韓民国の国益にどのように役立つのか明確に説明せよ」と述べた。これについて大統領室のチョ・テヨン国家安保室長は、聯合ニュースTVとのインタビューで「国民に対する説得と誠意ある努力は続けられるだろう」と語った。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-08-20 19:25
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