https://japanese.joins.com/JArticle/268544?servcode=200§code=220
「中央日報日本語版」 2020.07.28 08:13
■北朝鮮から4キロ…「泳いで越北」推定の排水路は横×縦2メートル、成人でも容易に通過
27日午後に訪れた仁川江華邑(インチョン・カンファウプ)の亭子「燕尾亭(ヨンミジョン)」周辺では軍が民間人の出入りを統制して調査を行っていた。越北した脱北者キム氏(24)のカバンが見つかったところが仁川の有形文化財である燕尾亭近所だったためだ。キム氏が排水路を通り抜けて泳いで越北したというのが韓国軍当局の推定だ。
燕尾亭の排水路は幅2メートル、高さ2メートル程度で、成人でも十分に通り抜けられる大きさだった。境界隣接地域である江華北部の海岸鉄柵の下の排水路は本来なら鉄格子や扉などで塞がれていなければならない。キム氏がどのように排水路を通じて越北したのか調査が必要な理由だ。
燕尾亭の排水路を通過すれば漢江(ハンガン)河口に出ることができ、北朝鮮までは直線距離にして4キロメートルほどだ。一気に泳いで行くのは無理な場合がある。これについてキム氏が近隣の無人島を経由したかもしれないとの推定も出ている。北朝鮮はキム氏が19日に越北したと明らかにし、警察が確認したキム氏の最後の足跡は18日午前2時20分ごろだ。タクシーに乗って燕尾亭の近くで降りた。
キム氏が農漁村公社が管理する近隣の排水管門を通ったかもしれないとの仮設も提起されている。公社によると、該当の排水管門の水門は19日午前8時に開放された。当時大雨が降ったためだ。公社関係者は「水門を開けば高さ15~20センチの空間ができる」と説明した。狭いが、キム氏がこの空間を通じて泳いで川に出て行った可能性も排除することはできない。排水管門から北朝鮮までは直線距離で3キロほどになる。
江華邑で食堂を営む住民は「警備が徹底している江華島からどのように越北できたのか理解することはできない」と話した。他の住民は「助力者がいたのかどうかも調べなければならない」とした。
https://japanese.joins.com/JArticle/268539?servcode=200§code=220
「中央日報日本語版」 2020.07.28 07:08
■韓国軍は排水路の警戒突破され、警察は越北2日後に令状申請
【写真】京畿道漣川地域前方GOPの鉄柵。鉄柵に白い網が細かく設置されている。[写真 韓国陸軍]
越北した脱北民のキム氏(24)が江華島(カンファド)の海岸鉄柵の下の排水路を通じて北朝鮮へ渡っていったとみられると韓国軍当局が明らかにした。合同参謀本部のキム・ジュンラク公報室長は27日、定例記者会見で「該当人員(越北者)の越北推定位置を江華島一帯で特定した」とし「遺棄されたカバンを発見し、現在詳細に調査している」と付け加えた。軍関係者は「キム氏が海岸鉄柵の下の排水路を使って抜け出た後、北朝鮮側に向かって泳いでいったものとみられる」と説明した。
合同参謀本部や警察、江華邑事務所などによると、キム氏のカバンがみつかったのは、仁川(インチョン)の有形文化財に指定されている亭子「燕尾亭」の近くの排水路だ。カバンの中には水中メガネや服、通帳一冊と現金500万ウォン(約44万円)をドル(480万ウォン相当)に両替した領収書などが出てきた。
キム氏が該当のルートに沿って越北したのが事実なら、軍の警戒態勢を突破されたという非難を避けられない見通しだ。江華島北側の海岸鉄柵にはセンサーやカメラなど科学化警戒システムが設置されている。軍は「該当システムには死角地帯がない」と自負してきたが、鉄柵の毀損信号は感知されなかった。
キム氏が鉄柵に触れないで監視をすり抜け、排水路を使って抜け出たといっても疑問は残る。通常、鉄柵の下の排水路も鉄格子がはめ込まれて人などが通れないようになっているためだ。軍は昨年アフリカ豚熱(ASF)が広がっていたとき、感染猪の越南の憂慮に「排水路の鉄格子があるから不可能」と説明した。したがってキム氏がこの鉄格子をどのように通過したのかも調査すべき対象だ。鉄格子が毀損されたまま放置されていたとすれば、軍の警戒は失敗だったみることができる。
キム氏は何週間にもわたって越北を緻密に準備してきたが、すでに性犯罪被疑者として立件されたキム氏の位置さえまともに把握することができなかった警察の対応も俎上に載せられた。京畿(キョンギ)南部地方警察庁によると、キム氏は先月12日に性暴行容疑で告訴された。今月4日には警察がキム氏のDNA証拠を確保した。
キム氏が周辺を整理した情況もこのころから確認されている。今月初め、ダンボール3~4個分の荷物を出して捨てたというのが同じマンションの住民の証言だ。15日にはアパートを引き払い、知人であるユーチューバーのキム・ジナ氏に借りた車両(K3)も日産の中古車センターに持ち込み処分した。17日には喬桐島(キョドンド)などの下見もしている。最後の足跡は18日午前2時20分ごろ、タクシーに乗って江華で降りたことが確認されている。
だが、警察は19日午前にキム氏を探し始めた。キム・ジナ氏が19日午前1時1分ごろ、越北者キム氏を担当する金浦(キンポ)警察署所属の身辺保護官に「(キムOOが)ドルを変えたという。昨日、ドルを持って北朝鮮に行けたらいいなといいながら喬桐島に行ったそうだ」とSNSメッセージを送った。該当身辺保護官はそれから8時間後の19日午前9時ごろ、キム氏に連絡したが、電話機はすでに消えていた。
警察はそのとき初めて「逃走のおそれがある」として出国禁止(20日)、拘束令状の申請(21日、同日拘留令状発布)、位置追跡(24日)などに出た。北朝鮮が明らかにしたキム氏の越北時点(19日)が事実なら、キム氏がすでに北朝鮮に渡ってしまった状況で身柄確保の捜査を始めたといえる。
これについて野党「未来統合党」の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官は、中央日報の電話取材に対して「北朝鮮へのビラには鉄壁警戒の鋭い矛先を光らせていたのに、性暴行容疑で警察の調査を受けていた脱北民にはあきれたことに『水泳越北』を許した」と批判した。国民の党の安哲秀(アン・チョルス)代表も「北朝鮮の主張が事実なら、警戒もいい加減、治安もいい加減、防疫もいい加減」とし「文在寅(ムン・ジェイン)政権の安保点数は一言で0点」と批判した。
https://japanese.joins.com/JArticle/268549?servcode=500§code=510
「中央日報日本語版」 2020.07.28 08:39
■「越北脱北民、北朝鮮の体制宣伝動員後、処罰される可能性も」
【写真】仁川江華郡江華邑(インチョン・カンファグン・カンファウプ)のある排水路。脱北民のキム氏が越北ルートに使ったと推定される地点の一つだ。中央フォト
米国の北朝鮮専門家は27日(現地時間)、20代の脱北民が再び北に戻ったことに関連して「この脱北民は北朝鮮で体制宣伝に動員された後、処罰されるだろう」と予想した。
自由アジア放送(RFA)によると、民主主義防衛基金(FDD)のデービッド・マクスウェル上級研究員は「該当の脱北民が北朝鮮内の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)拡大に関連し、韓国に責任を転嫁する口実を提供するか体制宣伝のために動員される可能性がある」と予想した。
マクスウェル氏は「再入北(再び北朝鮮に戻ること)をした脱北民はたいてい体制宣伝のために動員された後、北朝鮮当局によって処罰を受ける場合がある」とし「韓国での経験を伝える危険があり、家族および北朝鮮住民と接触できない可能性もある」と話した。
米国カリフォルニア州立大サンディエゴ分校の韓半島(朝鮮半島)専門家であるスティーブン・ハガード教授は「脱北民が再び北朝鮮に戻る理由ついて正確には分からないが、市場中心の政治経済体制のような新しい社会的秩序に適応できず、再入北を決心した場合があるかもしれない」と推定した。
ハガード氏は「脱北民のほとんどは家族が北朝鮮に残っている場合が多く、家族のために戻る場合もある」とし「脱北民のうち北朝鮮の工作員がいた場合、自発的に再入北することもある」とした。
一方、脱北民のキム氏(24)は先月知人の女性に性暴行を加えた容疑で警察の調査を受けている中で最近越北した。キム氏の越北行為は今月26日、北朝鮮朝鮮中央通信の報道で初めて明らかになった。軍当局はキム氏の正確な越北ルートなどを調査している中で27日、キム氏が仁川江華島一帯の排水路を通じて北側へ渡ったと推定されると明らかにした。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200727003400882?section=news
「聯合ニュース」 2020.07.27 17:32
■北朝鮮に戻った脱北者 保護対象も警察は行動把握せず=韓国
【金浦聯合ニュース】軍事境界線を越えて韓国から北朝鮮に戻ったと推定される20代の北朝鮮脱出住民(脱北者)が、2017年に脱北して韓国入りし、今も警察による保護の対象者であったことに加え、知人女性に対し自宅で性的暴行を働いた疑いで警察の取り調べを受け、逮捕状が発付された状態だったことが27日、分かった。だが、この脱北者が北朝鮮に戻った事実を警察は把握していなかったことから、脱北者の身辺保護制度が有名無実化しているとの指摘が出ている。
【写真】軍事境界線を越えて北朝鮮に戻ったと推定される20代の脱北者が先月知人女性に対し自宅で性的暴行を働いた疑いで警察の取り調べを受け、逮捕状が発付された状態だったことが分かった。脱北者が暮らしていた住居のドアに郵便物の不在票が貼られている=27日、金浦(聯合ニュース)
脱北者は身辺の保護や韓国での定着支援を目的とした関連法により、韓国入りしてから5年間、政府による保護の対象となる。
韓国入り後、韓国定着を支援する施設「ハナ院」で約3カ月間、社会適応のための教育を受け、同じく韓国社会への定着を支援する各地域の「ハナセンター」でも3週間の教育を受ける。その後、約5年間は管轄警察署などが脱北者と連絡を取りながら、定着を支援・管理する。
今回、問題となっている20代の脱北者は17年に韓国入りし、警察による保護の対象になっていた。しかし保護を担当していた金浦警察署の担当官は行方が分からなくなる1カ月前から連絡を取っておらず、電話もしていないことが分かった。
金浦警察署の関係者は「金浦に住んでおり、われわれの署の管理対象だった」とし、「実際に北に行ったのか、北に行ったと推定される人物と同一なのか分からない」と話した。
警察庁関係者は、脱北者が性的暴行の容疑で先月21日に別の署で調べを受けた後、金浦署の担当官に電話をかけ、報告したと明かした。「今月19日に北に戻った可能性があるとの情報を入手して20日に金浦署の担当官が男に電話したが、話せなかった」と説明した。
警察による身辺保護対象が再び北に戻るケースは今回が初めてではない。統一部などによると、15~19年に北朝鮮に戻った脱北者は15年3人、16年4人、17年4人の計11人で、全員が身辺保護の対象だった。
昨年7月時点で韓国内の居住地が分からない脱北者は約890人に達した。
一部では脱北者の身辺保護を担当する警察の担当官が不足しており、効力がないとの指摘も出ている。
警察の身辺保護担当官は昨年7月時点で全国に計914人おり、1人平均34.4人を担当している。また金浦署の担当官は全国平均より約2倍多く担当している。
この脱北者が性的暴行事件を起こしたことは担当官も把握していたが、特に規定もないため捜査を受けている間に管理レベルを上げなかったという。
https://japanese.joins.com/JArticle/268535?servcode=200§code=220
「中央日報日本語版」 2020.07.27 16:45
■目を開けていながら見逃した越北…韓国軍の科学化警戒システム無用の長物?
【写真】京畿道漣川地域前方GOPの鉄柵。鉄柵に白い網が細かく設置されている。[写真 韓国陸軍]
26日に北朝鮮が国営メディアを通じて北朝鮮に戻ったと明らかにした脱北者の男性(24)は江華島(カンファド)から北朝鮮に行ったと推定されると韓国軍当局が明らかにした。
合同参謀本部のキム・ジュンラク公報室長は27日の定例会見で、「該当者の北朝鮮入りした推定位置を江華島(カンファド)一帯と特定した」と話した。キム室長はまた「該当者を特定できるバッグを発見し現在詳細な調査をしている」と付け加えた。
韓国軍関係者は「江華島北側一帯が越北ルート」とし、「男性が海岸の鉄柵の下にある排水路を抜けた後、北朝鮮側に泳いで行ったものとみられる」と説明した。韓国軍当局がこのように推定する理由は、鉄柵の下の排水路近くで男性のバッグを発見したためだ。このバッグの中には男性のものとみられる各種書類などが入っていたという。
キム室長はまた、「北朝鮮に行った時期は現在特定しているが追加調査を通じて総合的な評価をしなければならない」と話した。北朝鮮は男性が19日に北朝鮮に戻ったと明らかにしており、男性の知人によると男性は18日午前2時にメッセージを送った後、午前2時20分から連絡が途絶えた。
韓国軍当局は26日に北朝鮮メディアの報道で男性が北朝鮮に戻ったことを遅れて認識したのに続き、この日も男性の行動を追跡するのに汲々とした様子だ。
当初男性が喬桐島(キョドンド)を経て軍事境界線(MDL)を越えたという見方が優勢だった。彼が2017年8月に喬桐島から韓国入りし帰順したためだ。また、北朝鮮に戻るため知人とともに17日に喬桐島一帯を事前に訪れていたという状況もつかんでいる。だが軍当局は精密捜索の末に男性のバッグを発見してからルートをようやく把握した格好だ。
また、男性が江華島北側から北朝鮮に戻った事実が最終確認される場合、韓国軍当局の海岸警戒態勢全般の問題点が表れたことになる。
現在江華島北側の場合、海岸に二重に鉄柵が張られており、鉄柵には科学化警戒システムが設置されている。韓国軍当局は軍兵力減少に備えるため科学化警戒システムを通じ前方・海岸・川沿い警戒に各種センサーとカメラを投じている。北朝鮮の黄海道(ファンヘド)と近い江華島北側は赤外線監視システム(TOD)まで設置された状態だ。
韓国軍当局は男性が北朝鮮に戻る際に鉄柵を直接突破したのではない側にウエイトを置いている。科学化警戒システムに鉄柵が毀損されたという信号が感知されていないためだ。鉄柵の下の排水路にも格子がはめられている。
軍当局は昨年アフリカ豚コレラ(ASF)が流行した際に感染したイノシシが北朝鮮から排水路を通じて韓国に入ってきた可能性が提起されたことに対し、「格子のため不可能だ」と強調した。しかし今回男性が排水路を北朝鮮に戻る通路として使った状況が明らかになり当時の軍当局の説明は説得力を失った。
結局軍当局はこれまで「科学化警戒システムには死角地帯がないため水も漏らさぬ警戒態勢を維持できる」と自評してきたが、北朝鮮入りを試みた男性を発見できなかったのだ。
該当地域の科学化警戒システムなど軍監視装備にトラブルが起きた可能性も提起されている。5月3日に非武装地帯(DMZ)中部戦線で起きた北朝鮮軍の監視哨所(GP)銃撃でも科学化警戒システムに連動されたKR-6重機関銃が不具合のため対応射撃をできなかったことがある。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200727002800882?section=news
「聯合ニュース」 2020.07.27 16:25
■北朝鮮に戻った脱北者は江華島出発 鉄条網下の排水路通過か=韓国軍
【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部のキム・ジュンラク広報室長は27日の定例会見で、軍事境界線を越えて北側に戻ったと推定される北朝鮮脱出住民(脱北者)の男性が北朝鮮側に渡った位置を仁川・江華島付近と特定したと明らかにした。
【写真】北朝鮮に戻ったと推定される脱北者の男性(読者提供)=(聯合ニュース)
また、この男性のものと特定できるかばんが捨てられているのを発見し、詳細について調査中だと説明した。
軍当局は、現在のところ、男性が鉄条網を直接くぐり抜けたのではなく、鉄条網の下の排水路を通ったとする見方に重きを置いている。
鉄条網自体には警戒装置が設置されており、江華島の北側地域には二重の鉄条網のほか監視カメラ、赤外線監視システム(TOD)などが設置され、警戒がより厳重だ。
鉄条網の下にある排水路にも水を通す形態のスクリーンが設置されているが、地上にある鉄条網に比べて監視が行き届かない点を狙った可能性がある。
コントロールセンターで画面を通じて鉄条網を監視できることから、一部では軍の監視装備が故障していた可能性もあるとの観測も出ている。
警察によると、男性は18日未明に軍事境界線に近い仁川市江華邑に到着後、タクシーから降りたことが確認されている。
その後、この付近で名前などが書かれた所持品の入ったかばんを捨てたとみられる。
軍当局が北に戻った位置を江華島付近と特定したことから、付近の排水路から出発したものと推定される。
男性が2017年に脱北した際は漢江の河口を泳ぎ、喬桐大橋を通って韓国側に入ったとされ、今回も喬桐島から同じルートを利用したとの見方もあったが、軍当局と警察の説明を総合すると今回は別のルートを利用したとみられる。
ただ、満潮・干潮の時間などを考えると実際に排水路を通った時間は調査が必要だというのが軍当局の説明だ。
これに先立ち、韓国軍当局はこの脱北者について京畿道金浦市在住の20代男性と特定し、調べを進めている。
男性が北朝鮮に渡ったと推定される漢江の河口一帯は北朝鮮との最短距離がわずか1.3~2.5キロで、脱北者が泳いで韓国に渡る事例が発生している。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200727001800882?section=news
「聯合ニュース」 2020.07.27 14:53
■韓国から北朝鮮に戻った脱北者 5年間で11人
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官は27日の定例会見で、韓国入りした北朝鮮脱出住民(脱北者)のうち、北朝鮮に再び戻った人は過去5年間で11人だと伝えた。
北朝鮮の報道などを通じて、北朝鮮に戻ったことが確認された脱北者は2015年が3人、16年と17年にそれぞれ4人。
呂氏は「脱北者は韓国入国後、一般国民と同様に出国時に申告の義務がないため所在地を正確に把握するのは難しい」と説明した。
北朝鮮が新型コロナウイルスへの感染が疑われる脱北者が韓国から戻ったと主張していることについては「関連事項は軍や警察など関係機関とともに確認を進めている」と述べ、具体的な回答を避けた。
また、北朝鮮が新型コロナウイルスの感染拡大の責任を韓国側に転嫁しようとしているとの見方については「事実関係の確認が先だ」と指摘した上で、北に戻った人が誰なのかを特定し、その人の新型コロナウイルス感染の有無を把握する必要があると述べた。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200727001600882?section=news
「聯合ニュース」 2020.07.27 14:07
■「コロナゼロ」主張の北朝鮮が感染拡大を警戒 脱北者越境で
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が、新型コロナウイルス感染が疑われる北朝鮮脱出住民(脱北者)が南北軍事境界線を越えて南西部・開城に戻ったと発表してから、感染拡大を警戒する声を強めている。北朝鮮は1月に国境を封鎖してから新型コロナウイルスの感染者はゼロだとする主張を続けているが、今回を機に立場に変化が生じるか注目される。
【写真】住民の体温検査を行う様子(労働新聞ホームページより)=(聯合ニュース)
【写真】新型コロナウイルスへの対応を話し合う平壌市非常防疫指揮部の関係者ら(労働新聞ホームページより)=(聯合ニュース)
【写真】列車を消毒する防疫当局関係者(労働新聞ホームページより)=(聯合ニュース)
朝鮮労働党機関紙の労働新聞は27日、「党中央の指示と措置を正確に行い、防疫の危機を打開しよう」というタイトルの社説で現状の深刻さを浮き彫りにした。
同紙は「数日前に専門防疫機関で不法帰郷者に対し複数回検査を行った結果、悪性ビールス(ウイルス)感染者と疑われる結果が出た」とし、「大流行した感染症については常に疑ってかかり、1%でも安全率を高めて後追い式ではなく先回りして対策を立てなければならない」と強調した。
また、各機関に対して感染症の発生と拡大を防ぐため最大限の措置を取るよう注文。住民に対してもマスクの着用や消毒をはじめ、防疫規則と秩序を厳格に守らなければならないと呼び掛けた。
一部では北朝鮮が新型コロナウイルスの感染者発生の責任を韓国になすり付けようとする意図があるとの見方も出ているが、今のところ北朝鮮メディアは韓国の責任論には直接言及せず、内部の対策のみを詳細に報じた。
新聞が公開した写真を見ると、保健省が防疫部門従事者を派遣して列車など公共交通の消毒を行い、公共機関を訪れた住民の体温を綿密に測定している。
平壌市党委員会副委員長、中央検察所局長などの高官や住民は新聞への寄稿文や朝鮮中央放送のインタビューで、防疫マニュアルを積極的に広め、法を順守することで防疫の危機を打開すると口をそろえた。
これに先立ち、北朝鮮は26日、朝鮮中央通信などのメディアで「新型コロナウイルスに感染したと疑われる南からの逃走者が(脱北から)3年後に不法に境界線を越え、7月19日に帰郷する非常事件が発生した」と明らかにした。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は25日、党中央委員会政治局の非常拡大会議を緊急招集し、国家非常防疫体系を「最大非常体制」に引き上げた。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200727001700882?section=news
「聯合ニュース」 2020.07.27 12:11
■北朝鮮に戻った脱北者 コロナ感染者・接触者名簿になし=韓国当局
【世宗聯合ニュース】北朝鮮メディアが、新型コロナウイルス感染が疑われる韓国の北朝鮮脱出住民(脱北者)が軍事境界線を越えて北側に戻ったと報じたことについて、韓国政府の中央事故収拾本部の尹泰皓(ユン・テホ)防疫総括班長は27日の定例会見で、「疾病管理本部のシステムに感染者として登録されておらず、接触者の管理名簿にも載っていない」と説明した。政府の資料では、感染の疑いを確認できる部分がない。
また、この人物との接触が多かったと考えられる韓国国内の2人も、前日の診断で陰性が判明したという。
北朝鮮の朝鮮中央通信は26日、新型コロナウイルス感染が疑われる脱北者が北朝鮮に戻ったと報じた。
韓国軍当局と京畿道の金浦警察署によると、脱北者は金浦市在住の20代前半の男性とみられる。先月、自宅で知人に性的暴行を加えた疑いで警察から取り調べを受けていた。
https://japanese.joins.com/JArticle/268519?servcode=500§code=510
「中央日報日本語版」 2020.07.27 11:478
■韓国合同参謀本部、「北に戻った20代男性、鉄柵ではなく排水路から脱出と推定」
【写真】19日に脱北から3年ぶりに北朝鮮に戻ったと推定される男性。[フェイスブック キャプチャー]
韓国軍は27日、24歳の脱北者の男性が仁川(インチョン)の江華島(カンファド)から排水路を通じて北朝鮮入りしたと推定した。
合同参謀本部関係者はこの日の定例会見で、「軍は関係機関との共助の下、該当者が北に行ったと推定される位置を江華島一帯と特定した。現場で遺棄されたバッグが見つかっており、現在精密調査中」と話した。
続けて「通過した地点は排水路と推定している。北朝鮮に渡った時期は特定しているが、追加調査を通じて総合的な評価をしてみなければならない部分がある」と付け加えた。
男性の北朝鮮入りは前日の朝鮮中央通信の報道を通じて初めて伝えられた。同通信は金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長主宰で党中央委員会政治局非常拡大会議が開かれた事実を明らかにしながら、「開城市(ケソンシ)で悪性ウイルスに感染されたと疑われる越南逃走者(脱北者)が3年ぶりに不法に分界線を越えて去る7月19日、帰郷する非常事件が発生した」と伝えた。
北朝鮮は報道でこの脱北者の身元を明らかにしていないが、韓国軍当局が身元関連の端緒となる部分を総合して把握した結果、24歳の男性と特定された。男性は2017年に開城から泳いで川を渡って江華島を通じて韓国側にやってきたという。
男性は先月中旬に金浦市(キンポシ)の自宅で知り合いの脱北者の女性に性的暴行を加えた容疑で警察の取り調べを受けており、当時容疑を否認していたという。
https://japanese.joins.com/JArticle/268510?servcode=500§code=510
「中央日報日本語版」 2020.07.27 10:35
■越北20代、1カ月前にYouTubeで「開城工業団地閉鎖で生活苦しくなり脱北」
【写真】19日、脱北から3年で北朝鮮に戻ったと推定されるキム氏(24)。[写真 フェイスブック キャプチャー]
北朝鮮が26日、開城に越北したと明らかにした脱北者と推定されるキム氏(24)はおよそ1カ月前の6月にはYouTube(ユーチューブ)に出演して自身の脱北経緯を詳細に説明していた。
キム氏は知人である脱北民キム・ジナ氏のYouTubeチャンネル『開城アナック』(アナックは婦女子が居住する空間を上品に言う言葉)に何度も出演し、2017年6月に脱北することになった経緯などを詳細に語っていた。
先月23日に登録された映像で、キム氏は脱北の契機に関連して「開城工業団地がうまくいかなくなって(閉鎖されることになり)生活が苦しく韓国を選ぶことになった」と話した。
キム氏は「(北朝鮮で)商売をしていたが、開城工業団地(閉鎖以降)うまくいかず、金を掘ったり薬草を掘ったりしてみたがどれもうまくいかなかった」としながら「(子供のころから)両耳がよく聞こえなかったことも影響を及ぼし、辛くて希望が見えなかった」と当時の状況を振り返った。
続いて「そんな中、白馬山(ペンマサン、開城市ヘピョン里)に登り、3日間自暴自棄になった気持ちで(過ごし)、最後に金浦(キンポ)のほうを見た。初めて見るわけではないが、宵の口に明かりが輝いていることがとても気になった」とし「死ぬ前に一度行ってみようという気持ちで(脱北を)決心した」と説明した。
あわせて「開城工業団地閉鎖で開城のすべてのことがうまくいかなかった。工業団地に勤務して私たちを助けてくれたおばさんの家も状況が非常に悪くなって田舎に帰った」と語った。
また、キム氏は「(韓国で耳の治療をしてもらえて)とても感謝している」とし「故郷の母や兄弟に教えてあげたいという悲しみで病院で涙が出た」と治療当時の感想を明らかにしたりもした。
キム氏は3日後である26日に登録された映像では自身の脱北当時の状況について紹介した。キム氏が北朝鮮の主張どおり北朝鮮に戻ったとすれば脱北経路を逆にたどった可能性がある。実際、キム・ジナ氏によると、キム氏は17日に知人と一緒に喬桐大橋周辺に立ち寄ったと伝えられた。
キム氏はYouTubeで、脱北当時の状況に対して「2017年6月(白馬山から下って)38度線を移ろうと決心し、高圧線と鉄条網の下をくぐり、二回にわたって越えた」とし「地雷畑が出てきた時は、木の枝を折って一歩一歩刺しながら進んだ」と説明した。
続いて「昼間は葦畑に隠れて3時間程度を這って進んだ」とし「葦畑の汚物の中から発泡スチロールと綱を見つけ、救命帯を作らなければならないと考えた」と話した。
キム氏は「発泡スチロールで救命帯を作って準備しておいて夜になるのを待った。目で見た時は1時間ほどかかると思った」とし「しばらく泳いでみたところ工場(と見られる)大きな明かりが見えて3時間ほど泳いだが、(韓国)軍人が発見できず、死ぬかもしれないと諦めかけていた」と紹介した。
「それでもしばらく進んでみたところ(無人島の)留島(ユド)が見えた。ここを過ぎれば軍事分界線が近いと思い『助けて』と大声を出し始めた」と説明した。続いてキム氏は「韓国側がその声を聞いたのか、明かりを照らして車両が行き来するのが見えた」とし「それを見てなんとかして出てみようと考え、結局、合計7時間を持ちこたえた末に陸に上がると、すぐに軍事分界線の扉が開いて軍人と警察8人程度が出てきた」と当時の状況を描写した。
キム氏は「そのとき海から上がるなり倒れた」とし「ランニングシャツだけを着て震えていると、(韓国軍人が)布団をかけてくれて、車に乗せてどこかに連れていった」と明らかにした。