三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

「独立運動家・民団創立の立役者 元心昌の記念館が開館」

2024年03月23日 | 韓国で
「聯合ニュース」 2024.03.18 20:54
■独立運動家・民団創立の立役者 元心昌の記念館が開館
【ソウル聯合ニュース】韓国の独立運動家で在日本大韓民国民団(民団)創立を主導した元心昌(ウォン・シムチャン、1906~71年)の記念館「元心昌記念館」が、京畿道平沢市にある彭城レポーツ公園内に開館した。元心昌義士記念事業会が18日、発表した。

【写真】「元心昌記念館」の開館式が17日に開かれた(元心昌義士記念事業会提供)=(聯合ニュース)

 17日に開かれた開館式には、平沢市の鄭長善(チョン・ジャンソン)市長、独立功労者とその遺族による団体「光復会」の李鍾贊(イ・ジョンチャン)会長、独立記念館の韓詩俊(ハン・シジュン)館長、元心昌義士記念事業会のキム・ギソン会長、民団の金利中(キム・イジュン)団長、在日コリアン向け新聞「統一日報」の姜昌萬(カン・チャンマン)代表ら220人が出席した。
 元心昌は他の独立運動家と共に1933年、日本の駐中国公使だった有吉明を上海で暗殺する計画を立てたが、直前に発覚して逮捕された(六三亭事件)。日本の刑務所で13年服役し、45年の光復(植民地支配からの解放)と同時に出所すると、在日同胞の権益向上を目指して民団創立に動いた。南北統一運動にも力を注ぎ、統一日報を創刊した。
 記念館開設にあたり、統一日報は元心昌の活動にまつわる遺品265点と7233枚に及ぶ資料を寄託した。
 記念館では元心昌の生涯をたどることができる。1919年の独立運動参加、日本留学時代のアナキズム活動、「六三亭義挙」と中国での抗日闘争運動などを紹介。民団では団長を務め、50年に朝鮮戦争が勃発すると642人の在日学徒義勇軍を送り出したことも説明する。また、日本で南北統一運動に奔走した姿も伝える。


「聯合ニュース」 2024.03.16 07:00
■独立運動家・民団創立の立役者 元心昌の記念館がソウル近郊に開館へ
【ソウル聯合ニュース】韓国の独立運動家で在日本大韓民国民団(民団)創立を主導した元心昌(ウォン・シムチャン、1906~71年)の記念館が、出身地の京畿道平沢市内に設けられた。元心昌義士記念事業会によると、「元心昌記念館」はソウル南方・平沢市の彭城レポーツ公園内に17日開館する。

【写真】17日にオープンする「元心昌記念館」(記念事業会提供)=(聯合ニュース)

 元心昌は他の独立運動家と共に1933年、日本の駐中国公使だった有吉明を上海で暗殺する計画を立てたが、直前に発覚して逮捕された(六三亭事件)。日本の刑務所で13年服役し、45年の光復(植民地支配からの解放)と同時に出所すると、在日同胞の権益向上を目指して民団創立に動いた。南北統一運動にも力を注ぎ、在日コリアン向け新聞「統一日報」を創刊した。
 韓国政府は元心昌死後の77年に建国勲章「独立章」を授与している。2013年12月に国家報勲部は「今月の独立運動家」に元心昌を選定。「韓中日3カ国で敵の心臓を狙ったアナーキスト」と呼び、独立運動に大きな足跡を残したと評価した。
 記念館では元心昌の生涯をたどることができる。1919年の独立運動参加、日本留学時代のアナキズム活動、「六三亭義挙」と中国での抗日闘争運動などを紹介。民団では団長を務め、50年に朝鮮戦争が勃発すると642人の在日学徒義勇軍を送り出したことも説明する。また、日本で南北統一運動に奔走した姿も伝える。
 記念館開設にあたり、統一日報は元心昌の活動にまつわる遺品265点と7233枚に及ぶ資料を寄託した。
 元心昌の業績を取り上げてきた統一日報の李民晧(イ・ミンホ)ソウル支社長は「日本で独立運動を展開した代表的な愛国者ながら、国内ではあまり知られておらず残念だった」とし、今回の記念館開館を歓迎した。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「尹政権の弾圧で…韓国、労組組織率13.1%で7年ぶりに低下」

2024年02月03日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2024-01-24 09:03
■尹政権の弾圧で…韓国、労組組織率13.1%で7年ぶりに低下
 雇用労働部による2022年12月調査 
 25年ぶり1ポイント以上下落の13.1% 
 脆弱階層の小規模事業所労働者を直撃

【写真】民主労総の組合員が2022年5月1日午後、ソウル中区の崇礼門近辺の世宗大路で開催された2022世界メーデー大会で、プラカードを掲げてスローガンを叫んでいる/聯合ニュース

 2022年の韓国全国の労働組合組織率は13.1%で、7年ぶりに下落したことが分かった。専門家は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の発足初年から続く「労組弾圧」基調が組織率の下落に影響を及ぼしたと分析する。
 雇用労働部が23日に公開した「2022年全国労働組合組織の現況」によれば、2022年12月時点での労働組合組織率は13.1%で、前年から1.1ポイント下落。組合員数は272万人で、1年前に比べ21万人減。労働部は韓国労働研究院に依頼し、毎年12月時点で労組が届け出た組合員数などから集計している。
 労組組織率の下落は7年ぶり。2014年の10.3%から翌年は10.2%へと下落したが、その後は着実に上昇を続け、2021年には14.2%となっていた組織率は、尹錫悦政権の発足初年の2022年に大幅下落となった。労組組織率が1ポイント以上も下がったのは、1996年の13.3%から1997年に12.2%へと下がって以来25年ぶり。
 労働部は組織率下落の原因として、「正確な統計作成のために誤りを確認する過程での組合員数の減少などが大きかった」と述べた。長期間活動していなかった労組を労働委員会の議決によって解散させたり、実体のない労組を届け出の対象から除外(8万1000人)したりするなどの過程で組合員が減った、との説明だ。さらに民主労総建設プラント労組や建設産業労組など、建設部門で15万1000人あまりが減ったと説明した。ただし労働部は、431の労働組合が新たに結成され、組合員が7万2000人増えたと述べた。
 だが、着実に上昇してきていた労組組織率が異例な規模で下落したことについては、尹政権の労働弾圧基調が一定の影響を及ぼした、と多くの専門家は述べる。「働く市民研究所」のキム・ジョンジン所長は「政府の基調に敏感に反応する民間部門だけを見ても、労組組織率は11.2%から10.2%に落ちた。尹錫悦政権の親企業的な態度が民間の労組組織率に悪影響を及ぼしたと考える」と指摘した。政府の介入によって現場における労使の力の均衡が崩れる過程で、自律的な交渉や労働3権行使を通じた労働条件の向上などの労組加入の誘引力が弱まったということだ。「韓国労働社会研究所」のキム・ユソン理事長は「多くの場合、労組に加入するのは、より良い労働条件を得るため。ところが政権が変わって労組弾圧基調に転じたことで、むしろ求職あるいは会社生活で不利益を被る恐れがあると懸念して労組を離れている」と説明した。
 尹大統領は2022年8月の就任100日記者会見で、大宇造船海洋の下請け労働者のストライキを「違法行為」と規定したのに続き、11月の貨物連帯のストを基点として国土交通部による業務開始命令の発動、公正取引委員会による調査など、二大労総に対する「労組たたき」を本格化させた。中央大学のイ・ビョンフン名誉教授(社会学)は、「日雇いが集まった建設労組のような組織は、加入しただけで就職の際に不利益を被るため、組合員の離脱が起きている」と語った。
 特に脆弱階層である小規模事業所の労組が直撃を受けている。30人未満の事業所の組合員は2021年には2万5170人いたが、2022年には7734人と3分の1に減っている。
 労働部はドイツなどの例をあげて、労組組織率の下落は世界的傾向だと説明したが、これは労組組織率は低くても団体協約の適用率は圧倒的に高いという制度の違いを見過ごした主張だと指摘される。キム・ジョンジン所長は「欧州では、労組組織率は高くなくても同じ産業であれば同じ団体交渉の結果が適用される。しかし韓国では企業単位で団体交渉が影響を及ぼすので、労組組織率の下落は直ちに脆弱労働者の労働条件の低下へとつながる」と語った。
キム・へジョン、チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-01-23 21:54


「The Hankyoreh」 2024-01-24 09:12
■「民主労総の清掃労働者だけ集団解雇?」…67歳の労働者がハンスト予告
 韓国電気工事協会、下請け業者の非正規労働者に 
 64~67歳の清掃労働者は雇用継承できない

【写真】あ韓国電気工事協会の下請け業者に所属する非正規の清掃美化労働者らが昨年12月、同協会の五松社屋で清掃労働者の雇用の継承などを要求している=民主労総忠清北道地域本部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国電気工事協会の下請け業者に所属する非正規の清掃労働者たちが、復職など雇用の安定や対話などを求めてテントでの座り込みを続けている。彼らは、韓国電気工事協会が25日までに雇用安定対策を提示しなければ、無期限のハンガーストライキを行う予定だ。
 民主労総公共運輸労組の忠清北道平等支部・韓国電気工事協会支会(電気工事協会支会)は、「韓国電気工事協会五松(オソン)社屋の施設管理、清掃美化、警備業務の受託業者が、1日付で6人の清掃美化労働者を集団解雇した」とし、「元請けである韓国電気工事協会は対話に応じるべきだ。協会が雇用安定対策を提示しなければ、67歳の支会長が食を断つハンストに打って出る」と表明した。解雇労働者たちの年齢は64歳から67歳。
 電気工事協会支会に所属する労働者らは昨年11月に電気工事協会を訪ねて雇用の継承などを要求しており、先月20日からは韓国電気工事協会でテント座り込みを開始したのに続き、同27日からはロビー占拠座り込みをおこなっている。彼らは「電気工事協会は清掃労働者の雇用問題、労働条件などに関して交渉義務があるが、直接の雇用関係ではないとの理由で対話はたった一度(昨年12月27日)にとどまっており、ほとんど無視している」とし、「電気工事協会は清掃労働者の賃金や雇用などに直接の影響を及ぼす『本当の社長』なのだから、対話と問題解決に取り組め」と要求した。

【写真】韓国電気工事協会の下請け業者に所属する非正規清掃美化労働者の雇用継承を求め、スローガンやメッセ―ジが貼られている=民主労総忠清北道地域本部提供//ハンギョレ新聞社

 忠清北道市民社会団体連帯会議などの忠清北道の市民社会団体、進歩系政党などは、今月4日の記者会見で「公共運輸労組の組合員だけを雇用継承から除外したことは、労働組合への加入を理由として不利益を与えたものと考えざるを得ない。電気工事協会はすべての解雇労働者の雇用を継承し、忠清北道と清州市(チョンジュシ)は事態解決に積極的に取り組むべきだ」と述べた。
オ・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-01-23 16:09
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「民間人にスパイの濡れ衣を着せ「二重スパイ」に仕立てた逆用工作が明るみに=韓国」

2024年01月25日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2024-01-24 07:43
■民間人にスパイの濡れ衣を着せ「二重スパイ」に仕立てた逆用工作が明るみに=韓国
 真実和解委、1971年のソ・ビョンホさん国家保安法違反容疑の不法拘禁事件について真実糾明 
 在日の北朝鮮工作員を誘引するため、4カ月間工作行ったが、中止とともに拘束

【写真】ソ・ビョンホ氏らの拘束を報じた東亜日報1971年9月23日付の紙面//ハンギョレ新聞社

 1970年代初め、在日同胞の留学生出身者をスパイ容疑で令状なしに検挙した後、工作員として活用するいわゆる「逆用工作」を行い、工作の終了とともに拘束した事件の全貌が国軍防諜司令部(元保安司令部)内部の捜査記録によって明らかになった。北朝鮮に拉致されてから帰還した漁師を逆用工作の対象にしようとした内容が含まれた文書が見つかったことはあったが、今回のように特定の事件で逆用工作の実体を示すかなりの量の資料が出たのは初めて。
 真実・和解のための過去事整理委員会(真実和解委)は23日午後に開かれた全体委員会で、故ソ・ビョンホさん(1936年生まれ、2021年死亡)の遺族が申請した国家保安法違反および不法拘禁など人権侵害事件について、真実糾明の決定を下し、国家に謝罪と名誉回復のための再審措置などを勧告した。
 真実和解委は、防諜司令部の存案資料など事件と関連した新たな捜査記録を確保し、ソさんが不法拘禁された事実を確認した。これに先立ち、2017年にソさんはソウル中央地裁に再審請求をしたが、裁判所は「不法逮捕・監禁されていたと認めるには不十分」などの理由でこれを棄却した。
 真実和解委が入手したソさんの保安司令部の捜査記録で、最も目を引くのは逆用工作だ。逆用工作とは、敵国の情報要員を抱き込み、二重スパイとして活用する工作を指す。今回公開された保安司令部の逆用工作文書は、これまで軍捜査機関がどのように民間人にスパイ容疑をかけ、二重スパイとして逆利用しようとし、利用価値がなくなれば拘束したのか、その全貌を示すものとみられている。
 捜査記録によると、保安司令部は対日工作員を通じて、ソさんが日本で朝鮮奨学会の奨学金で日本の大学を卒業した後、韓国に永住帰国したという情報を入手し、1971年5月1日にソさんをスパイ容疑で検挙した。その後、在日対南工作員などの上部を誘引・検挙するためにソさんの転向を誘導し、転向書および誓約書、行動指針を自筆で作成させた。

【写真】2019年1月、ソ・ビョンホさん(左)が再審関連資料を探すために日本を訪れた際、活動家のビョン・サンチョル氏(元真実和解委調査官)と一緒に撮った写真=チェ・ジョンギュ弁護士提供//ハンギョレ新聞社

 保安司令部はソさんを工作員として活用する内容の逆用工作計画を立てたが、これによると、工作期間(1971年5~12月)の間に予想される対象者の懐柔費、職場浸透費、下宿費、被服費などを含む所要工作金を策定し、特に1971年5月8~18日の11日間、普光洞(ポグァンドン)捜査分室で捜査官6人および被疑者3人(ソさんを含む)に対する特別捜査費を申請し、1日3食を提供した。しかし1971年9月22日、逆用工作計画に問題が発生し、工作を終了することになったことを受け、ソさんを拘束送致した。
 1972年3月当時、ソウル刑事地方裁判所は公訴事実を有罪と認め、ソさんに懲役12年、資格停止12年を言い渡した。控訴が棄却された後、同年11月、最高裁で刑が確定した。
 真実和解委はソさんに対する保安司令部の内部捜査記録を踏まえ、「1971年5月1日から少なくとも保安司に連行され転向書と誓約書などを提出した同月19日までの19日間、保安司に不法拘禁されたとみられる」と判断した。また「保安司が民間人に対する捜査権がないにもかかわらず、対象者を国家保安法違反の疑いで捜査を開始し、司法決定以前に誤認判断の危険に対する何の統制装置もなく逆用工作まで行った点は、法令が定めた職務の範囲を超え職権を乱用した違法な捜査」だと判断した。
 ソさんの再審事件を担当したチェ・ジョンギュ弁護士(法務法人ウォンゴク)は「民団、朝鮮総連、日本人それぞれ3人ずつで理事会を構成した朝鮮奨学会の奨学金が朝鮮総連の工作資金に仕立てられた」とし、「ソさんを通じた逆用工作は罪のない人を捕まえてまた別のスパイに『工作』をすることであって、本物のスパイを活用した工作ではなかった」と語った。

コ・ギョンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-01-23 19:29
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米電子偵察機 朝鮮半島東西の海の上空を長時間飛行

2024年01月23日 | 韓国で
「聯合ニュース」 2024.01.22 16:36
■米電子偵察機 朝鮮半島東西の海の上空を長時間飛行
【ソウル聯合ニュース】米空軍の電子偵察機RC135V(通称リベットジョイント)が22日、韓国のソウル近郊・京畿道と北部・江原道の内陸上空を往復し、朝鮮半島東西の東海と黄海の上空も長時間飛行した。複数の民間航空機追跡サイトが航跡を捉えた。韓国軍関係筋は、米偵察機の最近の出動として「東海と黄海上空に長時間航跡を残すのは異例」と話した。
 北朝鮮は水中核兵器システム「ヘイル(津波)5ー23」の重要実験を東海で実施したと19日に発表した。
 ミサイル発射準備の動きを数百キロ先から捉えることができるRC135Vが仁川沖の黄海から首都圏南部内陸の上空まで広範囲に飛行したことから、北朝鮮の新たな挑発の兆候をつかんだのではないかとの見方も出ている。
 RC135Vは4日と17日にも朝鮮半島上空に出動したが、内陸上空の航跡しか確認されていない。
 一方、韓国軍は北朝鮮がミサイル発射だけでなく、南北軍事境界線上にある板門店と境界地域、韓国が海上の軍事境界線と位置付ける北方限界線(NLL)一帯を含む東海と黄海の海上、水中、空中で北朝鮮が局地的な挑発に踏み切る可能性に備えていrる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「北の工作員、日系ペルー人コニシを証明せよ」 ペルーにいる証人をオンラインで尋問 ソウル中央地裁

2024年01月21日 | 韓国で
「朝鮮日報日本語版」 2024/01/21 13:00
■「北の工作員、日系ペルー人コニシを証明せよ」 ペルーにいる証人をオンラインで尋問 ソウル中央地裁【独自】
 文在寅(ムン・ジェイン)政権下の2021年6月、イ・ジョンフン氏(当時4・27時代研究院研究委員)は国家保安法違反の罪で起訴された。イ氏は17年、仁川国際空港から韓国に入国した北朝鮮の工作員と4回会い、自身の活動状況や韓国政界のリベラル陣営の動向について報告し、暗号化された指令文の送受信方法に関する教育を受けたとされる。しかし、イ氏はでっち上げだと主張している。
 ソウル中央地裁での一審は2年7カ月も続いている。イ氏が会ったと検察が名指しした北朝鮮工作員が実在するかどうかをめぐり、検察とイ氏が攻防を続けている。
 検察はイ氏が接触した北朝鮮工作員が日系ペルー人に偽装した「コニシ・ミナミ・ヘリオ・マサオ」だと指摘した。コニシは20年2月に死亡したとされる。検察はある脱北民が1980年代に北朝鮮の工作員として中南米で活動していた当時、コニシと接触したという供述のほか、北朝鮮のテレビ放送に映ったコニシの顔などに基づき、コニシが北朝鮮の工作員だと確認したという。
 これに対し、イ氏は「海外同胞を名乗り訪ねてきた人物と会ったことはあるが、(自分は)その人物を公安機関の工作員だと疑った」とし、「コニシという名前は逮捕状で初めて目にしたもので、私が会った人の身体的特徴は(検察の主張と)大きく食い違う」と語った。捜査機関がコニシの身分をでっち上げ、疑惑をつくり出したという趣旨だ。
 こうした中、検察は昨年6月、ペルーに住む韓国人、現地人ら5人について、在ペルー韓国大使館で「映像証人尋問」を行うことを裁判所に申請した。5人はコニシがペルーにいた当時の通訳者、近隣住民などだという。検察の公訴事実を裏付ける証人ということになる。
 すると、イ氏は「映像尋問の場所を国家情報院の職員が派遣された大使館に制限するならば、客観性を担保できない。ペルーの裁判所や少なくとも弁護士協会の事務所といった場所で行われるべきだ」と述べて反対した。
 7カ月にわたる検討の末、裁判所は最近、米国やシンガポールなどの先例に基づき、在ペルー韓国大使館で映像尋問を行うことを決めた。7月10日に予定される映像新聞は時差(14時間)を考慮し、韓国時間で午前9時半(ペルー時間午後7時半)に始まる。ただ、韓国の裁判所がペルーにいる証人を映像尋問した前例はなく、裁判所はペルー政府に司法共助要請書を送ることを決めた。証人の中にペルー国民が含まれていることなどの理由で、ペルー政府が許可しなければ、尋問が行われない可能性もある。
 韓国の裁判所が海外にいる人物を映像尋問した初の事例は2018年1月、春川地裁束草支部が民事裁判で米国在住の証人に対し行ったものだった。刑事裁判における海外映像尋問の実施件数は22年が10件、23年が16件と増加傾向にある。

 パン・グクリョル記者
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「韓国外相候補の聴聞会、日帝強制動員「裁判取引疑惑」が最大争点に」

2024年01月08日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2024-01-08 07:09
■韓国外相候補の聴聞会、日帝強制動員「裁判取引疑惑」が最大争点に
 裁判官派遣・強制動員裁判での取引疑惑を否定 
 「記憶にない…話をしたとすればあいさつ程度」

【写真】外交部長菅候補者に指名されたチョ・テヨル元国連大使が2023年12月20日午前、聴聞会の準備事務室が設けられたソウル世宗路の大宇ビルに出勤して記者団の質問に答えている/聯合ニュース

 8日に開かれる外交部長官候補者のチョ・テヨル氏に対する国会人事聴聞会では、チョ候補者のいわゆる「裁判取引」への関与疑惑が争点の中心になるものとみられる。7日にハンギョレが調べた2020年8月21日のヤン・スンテ元最高裁長官の司法壟断裁判の記録には、チョ候補者が裁判取引疑惑について証人として出廷して述べた内容が具体的に書かれている。
 「裁判取引」疑惑は、朴槿恵(パク・クネ)政権時、ヤン・スンテ最高裁長官をトップとする司法府が、裁判官の海外派遣拡大などのために政府の意向に従い、強制動員被害者が日本の戦犯企業を相手取った損害賠償訴訟の再上告審の判決を遅延させたという疑惑だ。当時、チョ候補者は外交部第2次官(2013年2月~2016年11月)として、裁判取引疑惑の中心人物であるイム・ジョンホン裁判所事務局次長(当時)と2015年6月・2015年8月・2016年9月の3回会い、裁判について外交部の意見書提出問題を協議した。
 2020年8月21日の裁判記録によると、当時外交部第2次官だったチョ・テヨル候補者は、強制動員被害者の原告勝訴という最高裁(大法院)判決を日本企業が不服とすると、2013年8月の再上告直後から裁判を遅延させる案を模索した。チョ候補者は同月、外交部第2次官室で法律専門家の懇談会を直接開いたが、懇談会の内容をまとめた報告文書には、「最高裁判事に直接接触して説明することが難しい場合、セミナーなどの間接的なかたちで最高裁の裁判研究官に政府の立場を伝えるようにする」と書かれている。最高裁判決が早期に宣告される場合の問題点について、外交部の意見を最高裁に伝える案を模索したのだ。これについてチョ候補者は裁判で「司法府が行政府と調整するかのように映りかねず、不適切と思われる可能性はある」としながらも、「外交部としては無策で傍観することはできず、案を模索した」と述べた。
 チョ候補者は2013年12月、キム・ギチュン大統領秘書室長(当時)が強制動員問題を議論するために開いた「小人数会議」(大統領府・最高裁・外交部・法務部)の際に報告された外交部文書の作成にも関与した。この文書には「賠償判決の確定時には、韓日関係の総体的な破局が到来」「最高裁の審理の際、既存の判決に対する再検討が緊要」「全員合議体での審理および遅延を要請」などが記載されていた。被害者の側に立つ最高裁判決の問題を指摘した内容だった。チョ候補者は裁判で「私が全般的に(文書を)整えた」と証言した。
 意見書について話し合うため設定したチョ候補者とイム・ジョンホン裁判所事務局次長の2015年8月の2回目の面談を控え、外交部が作成した文書「言及必要事項」には、意見書に必ず入れなければならない要素▽意見書の内容を非公開にできるか▽補足意見の提出は可能か、などが記載された。裁判でチョ候補者は「このうちの1、2件は(イム次長に)話したようだ」と述べた。チョ候補者が人事聴聞会のための国会答弁書に「外交部の提出資料の内容について、裁判所事務局とは協議しなかった」と述べたこと反する状況だ。その会談に同席した外交部のキム・インチョル国際法律局長(当時)は「意見書の草案をイム次長に渡した」と述べたが、チョ候補者は「まったく覚えていない」と述べた。
 しかし、裁判取引疑惑については、チョ候補者は裁判で「裁判官派遣問題について話し合ったことは記憶にない」と述べた。検察が2015年6月のイム次長との面談について、チョ候補者に「(証人が)当時のイム次長に『駐オーストリア大使館への裁判官派遣を積極的に検討する』と話したことを覚えているか」と問うと、チョ候補者は「記憶にない。話をしたとすればあいさつ程度だったと思う」と述べた。
 2016年9月、イム次長はチョ候補者と3回目の会談を行い、「11月初めまでに意見書を提出してほしい」という意向を伝え、外交部はその年の11月29日、「強制動員の賠償責任が認められる場合、韓日関係が破局に突き進み、対外的な信用が傷つく」という趣旨の意見書を最高裁に提出した。チョ候補者は意見書について「私が(監督して)作成したもの」だと述べつつも「国際法的かつ外交的に含意を感じられる客観的な記述を望み、私が持っている最大限の知識と外交的センスを発揮した」と裁判で述べた。
 最高裁全員合議体は、朴槿恵政権が交代した後、2018年10月に強制動員被害者の勝訴を確定した。その間、原告である被害者4人のうち3人が亡くなった。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-01-08 02:31
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

強制動員また勝訴判決、これでも「第三者弁済案」に固執するのか

2024年01月03日 | 韓国で
2023-12-22 08:38
■[社説]強制動員また勝訴判決、これでも「第三者弁済案」に固執するのか

【写真】日帝強制動員被害者遺族と法律代理人団が21日午前、三菱重工と日本製鉄を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で勝訴した。ソウル瑞草区の最高裁法廷前で裁判後に遺族が故人の遺影を抱えている/聯合ニュース

 日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員に対する日本戦犯企業の賠償責任を認めた韓国最高裁の判決が再び出た。2018年の最高裁全員合議体の判例にともなう当然の判決だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が一方的に推し進める「第三者弁済」が司法府の判断に真っ向から反することを再確認したわけだ。60件余りに達する他の強制動員訴訟の勝訴の可能性も高まり、第三者弁済案にも赤信号が灯った。日本の戦犯企業の賠償金を肩代わりするために作った基金が償金額総額にはるかに及ばないためだ。尹大統領が司法府の判断を無視し、対策もなく第三者弁済を推し進めたのが原因だ。
 最高裁2部(主審:イ・ドンウォン最高裁判事)は、日帝強制動員被害者の遺族が日本製鉄(旧新日鐵住金)と三菱重工を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原告勝訴判決を下した原審を確定した。日帝の植民支配と強制動員の不法性を前提に日本企業の賠償責任を認めた2018年の最高裁全員合議体判決の趣旨にそのまま従ったものだ。特に今回の判決が消滅時効の起算点を最高裁の判決が下された2018年だと判断したのは、他の強制動員訴訟にも大きな影響を及ぼすものとみられる。残りの60件余りの訴訟は全て2018年以降に提訴されたものだ。三菱重工などは、キム・ヌンファン元最高裁判事が主審を務め初めて賠償責任を認めた2012年の判決を基点にし、3年の消滅時効がすでに完成したと主張したが、受け入れられなかった。最高裁判事全員が参加した全員合議体の判決が下された後になって初めて被害者が損害賠償を請求できる状態になった、という判断だ。
 韓国政府が第三者弁済のために作った日帝強制動員被害者支援財団の基金は、韓国企業のポスコなどが出した40億ウォン(約4億3700万円)に過ぎない。残った訴訟の原告は110人以上で、賠償総額は少なくとも150億ウォン(約16億4千万円)を越えるものと推算される。政府は第三者弁済案を発表した当時、企業などの参加により民間基金を作る方針を掲げたが、日本の経済協力資金の恩恵を受けたポスコの他にはいまだ参加した企業がない。財団の基金を増やさなければ、第三者弁済さえできなくなる荒唐無稽なことが起きかねない。日本に「大きく」譲歩したものの、見返りとして何も得られなかった状況で、韓国企業だけに負担を負わせ続けるのか。政府が賠償金の受領を拒否した被害者に「強制供託」までしようとして、裁判所にブレーキをかけられたこともあった。尹政権は法理的にすでに破綻しただけでなく、実現可能性も低くなった第三者弁済にこれ以上固執してはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力: 2023-12-22 02:42
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光復会「常軌を逸した将兵の精神教育、国防相の親日売国的な認識が原因

2024年01月02日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2024-01-01 22:36
■光復会「常軌を逸した将兵の精神教育、国防相の親日売国的な認識が原因」

【写真】安全社会市民連帯のメンバーたちが12月29日午後、ソウル龍山区の戦争記念館前で記者会見を開き、韓国国防部が将兵精神教育教材に独島を領土紛争中の地域と記述したことを糾弾し、シン・ウォンシク国防部長官の罷免および大統領謝罪を要求している/聯合ニュース

 光復会(イ・ジョンチャン会長)が1日、独島(トクト)を領土紛争地域と記述した韓国国防部の「精神戦力教育基本教材」(基本教材)について、「常軌を逸した精神戦力教材がシン・ウォンシク国防部長官の逸脱的な言動と歴史意識、大韓民国と軍のアイデンティティに対する歪んだ認識の反映ではないか」と批判した。
 光復会は同日、「精神教育教材の回収騒ぎをめぐる光復会の警告」という題名の声明を発表し、「シン長官は国民の前で親日売国的な歴史認識から抜け出す決意を明らかにしてから、長官職を遂行すべき」だとして、このように主張した。これに先立ち、国防部は先月出した「精神戦力教育基本教材」で、独島を「領土紛争中」と記述したが、波紋が大きくなったことを受け、全量回収の決定を下した。
 光復会は「自分の領土がどこなにかも知らない国防長官が精神教育を行い、将兵を再武装するとは失笑を禁じえない」とし、「シン長官の過去の発言を振り返ると、親日的であることが明確に分かる」と述べた。光復会は、シン長官が過去、「李完用(イ・ワニョン)は売国奴だが、どうしようもなかった側面もあったのが事実」、「日本の植民地支配が韓国の近代化に貢献した」、「大韓帝国が存続したからといって、日帝(の植民支配)より幸せだったと確信できるのか」と述べたことに触れ、「今回の騒ぎは偶然起きたミスではなく、長官の立場からすると『独島は日本に渡しても良い』という認識と歴史観から出た当然の結果だ」と主張した。光復会は精神戦力教材をめぐる物議の原因が「長官の偏った歴史認識と専門性に欠けた偏向的な軍関係者だけの『密室執筆』」にあると付け加えた。
 光復会は「軍精神教育教材を作り直す前に、正しい軍のアイデンティティに対するシン長官の立場を明らかにすべき」とし、「シン長官の誤った認識が続く限り、将兵の精神武装はできない」と述べた。

【写真】韓国国防部の「精神教育基本教材」//ハンギョレ新聞社

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-01-01 20:54
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国のウンデッド・ニーとパレスチナのガザ

2023年12月31日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2023-12-22 08:53
[寄稿]米国のウンデッド・ニーとパレスチナのガザ
 キム・ソミン 自由寄稿家

【写真】16日、駐韓イスラエル大使館そばで「パレスチナに連帯する人々」主催で行われた「パレスチナ連帯集中行動の日」の集会。国内外の500人あまりが「イスラエルの人種虐殺糾弾」とのスローガンを叫びながら明洞の街を行進した=「パレスチナに連帯する人々」提供//ハンギョレ新聞社

 その日はクリスマスの4日後だった。1890年、米国先住民の首長「ビッグフット」と、それに従う200人あまりの人々がウンデッド・ニーで米軍に虐殺された。雪原に放置された遺体は曲がった姿勢で凍りついてしまった。この先住民たちは「亡霊の踊り」を踊ったせいで連行された。「来春には偉大な精霊がやって来るだろう。死んだインディアンはみなよみがえり、若者のように壮健になるだろう」。米国政府はこの踊りを禁止するとともに、何人も残っていなかった首長たちの名を「騒ぎの主動者」リストに載せた。「ビッグフット」もその一人だった。「亡霊の踊り」は先住民たちの唯一の希望だった。
 1866年、シャイアン族の一部が追われていた故郷の地に戻った。「生きようが死のうがここにいる」。戦士のメブリコが中心だった。米軍はメブリコと残った人々を殺した。帰郷した先住民の一部はアーカンソー南部へと向かって再びその地をたったが、米軍は彼らも殺した。コマンチの首長のトサウィはシェリダン将軍のもとへおもむき、自らを指差して「良いインディアン」と言った。シェリダン将軍は「私が見てきた良いインディアンはみな死んだ」と答えたが、この言葉は後に「良いインディアンは死んだインディアンだけだ」に変化して流行した。クリストファー・コロンブスが米大陸を「発見」した後、欧州からの移民たちは、この地を治めることは神の意思であり、「明白な運命」だと言った。その大義名分の下、米国先住民の90%は疫病と虐殺で消え去った。そのようにして先住民を追い出し、「入植者植民地」は完成した(『私をウンデッド・ニーに埋めてくれ』ディー・ブラウン著、キル出版社。日本語版は『我が魂を聖地に埋めよ』鈴木主税訳、草思社)
 「民なき土地に土地なき民を」。この文言はパレスチナへのユダヤ人定着を支持した英国の政治家たちがまず用い、以後、シオニストたちのキャッチフレーズとなった。その土地はすでに中東の人口密集地域だったにもかかわらず、だ。1948年、イスラエルは75万人のパレスチナ人を故郷から追い出した。以降、違法な占領地からパレスチナ人の村を消し去り、入植地を拡大してきた。1967年と1980年、国連はイスラエルに違法占領地から撤退することを要求する決議を相次いであげた。イスラエルとパレスチナの紛争に関する国連決議だけでも200件を超える。イスラエルと米国はこれをすべて無視してきた(『パレスチナ現代史』ホン・ミジョン、マフディ・アブドゥル・ハーディ著、ソギョン文化社)。先月に続き今月13日、国連総会は「ガザ地区即時休戦」を再び決議し、米国はまたしても反対した。

【写真】16日、駐韓イスラエル大使館そばで「パレスチナに連帯する人々」主催で行われた「パレスチナ連帯集中行動の日」の集会。国内外の500人あまりが「イスラエルの人種虐殺糾弾」とのスローガンを叫びながら明洞の街を行進した=「パレスチナに連帯する人々」提供//ハンギョレ新聞社

 2カ月前、イスラエルは攻撃を開始しつつ、ガザの民間人に南に避難しろと言った。ガザ地区南部の最大の都市ハンユニスの人口はもともと40万人だが、難民が殺到して120万人に膨れあがった。ガザの人口230万人のうち190万人が難民となった。イスラエルは南部に爆弾を浴びせている。彼らはどこに行けばよいのか。2カ月間で1万9千人あまりのパレスチナ人が殺された。この数字に行方不明者は含まれていない。死者の70%は女性と子どもだ。5万人の負傷者を治療する病院はない。上下水道は破壊された。100万人が飢えている。感染症がまん延している。そのような中、イスラエルは違法占領地である東エルサレムで入植地を拡大する計画を承認した。非政府組織「ピース・ナウ」が明らかにした(ハンギョレの報道より)。
 今月4日、ホワイトハウス国家安保会議のジョン・カービー戦略広報調整官は、イスラエルがガザでおこなっている軍事作戦を擁護しつつ、「(イスラエルと同じ立場だったら)我々もそのように行動しただろう」と述べた。米国はすでに米国先住民に「そのように」し、「成功」してきた。
 厳しい寒さとなった今月16日、身を切るような寒風に頬を赤らめた500人あまりの人々が光化門に集った。「パレスチナに連帯する人々」がおこなった集会だ。「アジアの友人たち」のチャ・ミギョン代表は、ガザ住民の「イマヌエル」から届いた手紙を読みあげた。「この手紙が韓国で朗読される瞬間、私は生きているでしょうか。この文章を書くことが何の役に立つのでしょうか」。光化門(クァンファムン)を出発したデモ隊は、明洞(ミョンドン)の繁華街に足を踏み入れた。クリスマスの飾りの間を、パレスチナ人の子どもの遺体を象徴する白い布で包まれた人形を抱いて行進した。私は驚いた。誰も通行を、商売を妨害していると言ってデモ隊を非難したりはしなかった。ある中年男性はデモ隊に向かって拍手した。「フリー、フリー、パレスチナ」。今は19世紀ではなく21世紀、ガザは一人で「亡霊の踊り」を踊ることはないだろう。

 【写真】16日、駐韓イスラエル大使館そばで「パレスチナに連帯する人々」主催で行われた「パレスチナ連帯集中行動の日」の集会。国内外の500人あまりが「イスラエルの人種虐殺糾弾」とのスローガンを叫びながら明洞の街を行進した=「パレスチナに連帯する人々」提供//ハンギョレ新聞社

キム・ソミン 自由寄稿家 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1121349.html
韓国語原文入力:2023-12-21 16:28
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[2023韓国10大ニュース]民生差し置いた理念論争、「安全ピン」外れた南北関係

2023年12月31日 | 韓国で
「The Hankyoreh」 2023-12-30 07:22
■[2023韓国10大ニュース]民生差し置いた理念論争、「安全ピン」外れた南北関係

【写真】ソウル龍山区の国防部庁舎前にある洪範図将軍の胸像/聯合ニュース

1.洪範図将軍の胸像撤去推進、「歴史クーデター」の物議
 今年燃え上がった陸軍士官学校内の洪範図(ホン・ボムド)将軍の胸像撤去論争は、理念を前面に掲げた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が起こした「平地風波」だっ<msreadoutspan class="msreadout-line-highlight">た。そのままにしておけば何の問題もないことを、わざと事を<msreadoutspan class="msreadout-word-highlight">起こし</msreadoutspan>て騒ぎ立てたの</msreadoutspan>だ。
 昨年10月、国会国防委員会の国防部の国政監査で、当時シン・ウォンシク議員(国民の力)が洪範図将軍の胸像撤去を初めて主張した。しばらく静かだったこの問題は8月以後、突如として尹錫悦政権の中心課題のようになった。尹大統領は8月15日の光復節記念演説でだしぬけに「共産全体主義を盲従し操作・扇動で世論を歪曲し、社会をかく乱する反国家勢力がいまだに横行している」と主張した。10日後の8月25日、陸軍士官学校は校内に設置された独立戦争の英雄・洪範図、金佐鎮(キム・ジャジン)、池青天(チ・チョンチョン)、李範ソク(イ・ボムソク)将軍と新興武官学校設立者の李会榮(イ・フェヨン)氏の胸像を撤去し、外部に移すと明らかにした。
 洪将軍の胸像撤去論議が加熱した8月28日、尹大統領は与党「国民の力」の国会議員研さん会を訪れ、「最も重要なのは理念だ。時代遅れの理念ではなく、国をきちんと導いていけるような哲学がまさに理念だ」と強調した。尹錫悦政権が歴史戦争と理念政治を宣言すると、国防部は「ソ連の共産党員だった洪将軍の胸像を、北朝鮮の共産主義に対抗する将校を育成する陸軍士官学校に置くことはできない」と主張した。光復会などと野党は「洪範図将軍の胸像撤去は独立運動をけなし、国軍の歴史的正統性を否定する反憲法的な措置だ」と反発したが、国防部は耳を貸さなかった。胸像問題は、海軍の潜水艦「洪範図」の艦名変更、国防部前の洪範図将軍の胸像撤去、陸軍士官学校の名誉卒業証書問題へと膨らんだ。
 10月、ソウル江西(カンソ)区長補欠選挙で国民の力が敗北した後、尹大統領が民生(国民の暮らし)問題を強調しはじめ、国防部の動きも静まった。シン・ウォンシク国防部長官は先月、「(洪将軍の胸像移転は)年内には難しいと予想している。国民を説得する過程も思ったより時間がかかり、国家報勲部で準備しなければならない事項もある」と述べた。洪将軍の胸像撤去論争が、尹錫悦政権の理念偏向の象徴のように人々の脳裏に深く刻まれた後に出た話だ。
クォン・ヒョクチョル記者
7月19日午前、慶尚北道醴泉郡のオチョン橋付近で海兵隊の将兵1人が捜索作業中に急流に流され行方不明になった。消防当局がヘリコプターとボートを動員して将兵を捜索している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

2.海兵隊上等兵殉職捜査、政府・大統領室の外圧疑惑
 7月19日、慶尚北道醴泉(イェチョン)の乃城川(ネソンチョン)で、海兵隊のC上等兵が豪雨による行方不明者の捜索をしていたところ急流に流され死亡した。当時C上等兵には救命胴衣が支給されていなかった。海兵隊捜査団長だったパク・チョンフン大佐は、安全対策なしに行方不明者の捜索作戦を行ったことには当時イム・ソングン海兵隊第1師団長の「無理な指示」があったとみて、イム師団長の容疑を含ませた。イ・ジョンソプ国防部長官(当時)もこのような内容が書かれた調査報告書を7月30日に決裁した。その後「イム師団長などを容疑者から除外せよ」という趣旨の外圧が入り始めた。捜査団は外圧を感じながらも、8月2日に事件を警察に移牒した。すると国防部は、直ちに事件記録を回収し、パク大佐を集団抗命の首謀者の疑いで立件した。このような外圧の背景には尹錫悦大統領がいるという疑惑も出ている。
チョン・ファンボン記者
7月18日、教員が自ら命を絶ったソウル市瑞草区のある小学校の入り口に故人を追悼するメッセージと花が置かれている=ユン・ウンシ先任記者//ハンギョレ新聞社

3.「教権」の墜落、崖っぷちの「学生人権条例」
 7月18日、ソウル瑞草区(ソチョグ)のある小学校の教員が自ら命を絶った。保護者のパワハラが原因だという疑惑が持ちあがった。教員たちは、学校現場で保護者の悪性クレームに苦しめられた自分たちの経験を投影し対策作りを訴えた。7月22日からソウルの光化門(クァンファムン)や国会前で開かれた土曜集会に毎回数万人の教員が集まった。教員たちは故人の四十九日となる日の9月4日を「公教育ストップの日」に指定し、集団で年次休暇・病気休暇を出してデモに乗り出す闘争も行った。教員たちの要求により、教員の正当な生活指導を守り学校長の責務などを明示した「教権保護4法」が9月に国会で可決された。一方、教権(教員の権威、権限、教える権利)が損なわれた背景として「学生人権条例」(生徒の尊厳や自由を保障するために制定された各自治体あるいは市・道教育庁の条例)が指摘され、各地方議会で学生人権条例廃止の動きが起きたりもした。
パク・コウン記者
8月3日午後、全羅北道扶安郡のセマングム世界スカウトジャンボリーのデルタ区域で暑さに疲れたスカウト隊員たちが休憩を取っている/聯合ニュース

4.準備不足で難航したセマングムジャンボリー
 8月1日、全羅北道扶安(プアン)のセマングム干拓地で開幕した「2023世界スカウトジャンボリー」が、猛暑と準備不足により行事初日から難航したうえに、台風6号(カーヌン)の接近で開幕から1週間たった8日に事実上早期閉幕した。約150カ国から4万人を越える人員が参加した大規模な国際行事だったが、準備状態は文字通り「不足だらけ」だった。大雨でキャンプ場が水浸しになり、虫刺され事故が相次いだなか、日陰のない干拓地のキャンプ場では熱中症患者が続出。トイレやシャワー室などの劣悪な衛生状態はSNSを通じて全世界に広がった。準備不足を叱責する世論が広がると、女性家族部など中央政府と管轄自治体である全羅北道の間で責任のなすりつけが起こり、行事が進められたセマングム干拓地のSOC(社会資本)事業費が大幅に削減された。
パク・イムグン記者

【写真】12月14日、キムパプ(海苔巻き)の価格(3000ウォン~5000ウォン)が表示されたソウル中区のあるキムパプ専門店の前を市民が通りがかっている/聯合ニュース

5.高物価・高金利にうめく庶民
 今年1年間、庶民は高物価・高金利のために厳しい時間を送った。消費者物価の上昇率は昨年7月に6.3%(前年比)まで高騰し、今年に入って少しずつ下がる傾向をみせた。だが依然として3%台の高い水準を示している。韓国銀行は来年末または2025年上半期になれば物価上昇率が2.0%に下がるとみている。物価高の苦痛は続いているということだ。このような中、各国の中央銀行が物価高を抑えるために政策金利を急速に引き上げ、各家計では借金の元利金返済の負担も同時に増えている。今年下半期、4大銀行の住宅担保融資の変動金利の上段は年7%を突破し、信用融資金利の上段も6%台後半まで跳ね上がった。統計庁の家計金融福祉調査によれば、昨年1年間で各世帯が支払った貸付利子は平均247万ウォン(約27万円)。今年の年間利子はこれよりさらに増える可能性がある。
チョン・スルギ記者

【写真】12月18日、北朝鮮が発射した固体燃料の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18型」/聯合ニュース

6.南北、「9・19合意」以前の緊張関係へ
 2018年の南北首脳会談で結ばれ、軍事的衝突を防ぐ「平和安全弁」の役割を果たしてきた9・19南北軍事合意が全面的に無効化された。北朝鮮は今年だけで「火星15型」(2月18日)、「火星17型」(3月16日)、「火星18型」(4月13日、7月12日、12月18日)の5回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を試験発射した。特に、北朝鮮は3回にわたって火星18型を発射し、固体燃料基盤のICBMを事実上戦力化したという評価を受けた。11月21日には、北朝鮮が初の軍事偵察衛星を打ち上げた。韓国はこれに対応して、軍事境界線一帯に戦闘機・偵察機などの飛行禁止区域を設定した9・19軍事合意の一部条項を効力停止し、北朝鮮は直ちにこの合意の全面無効化を宣言した。南北は9・19軍事合意以前の緊張関係に戻った。
シン・ヒョンチョル記者

【写真】10月11日、ソウル江西区長補欠選挙に出馬した共に民主党のチン・ギョフン候補が当選確実となり、麻谷洞の事務所で配偶者のパク・ウンジ氏と共に親指を立てるポーズを取っている/聯合ニュース

7.江西区長補欠選挙で惨敗の与党
 与党「国民の力」は10月11日のソウル江西区長補欠選挙で17.15ポイント差で惨敗し、荒波に包まれた。イン・ヨハン氏を委員長とした「革新委員会」は、党指導部・重鎮・親尹錫悦派の議員らの来年4月の総選挙不出馬、または当選の厳しい地域への出馬を要求したが、当事者たちは即答しなかった。革新委が「手ぶら」で解散した直後、「元祖尹核関(尹大統領の核心関係者)」と呼ばれるチャン・ジェウォン議員が総選挙不出馬を宣言し、局面が急変した。勇退論を拒否してきたキム・ギヒョン前代表は、尹錫悦大統領の不出馬の要求すらも拒否し代表職を辞任した。国民の力は非常対策委員会体制で総選挙を行うことにし、ハン・ドンフン前法務部長官を非常対策委員長に投入した。イ・ジュンソク元代表の辞任、キム・ギヒョン代表の当選、ハン・ドンフン非常対策委員長の救援登板まで、すべてが「尹大統領の意向」どおり着々と進んだ。
ソン・ヒョンス記者

【写真】9月27日、共に民主党のイ・ジェミョン代表が、裁判所の拘束令状棄却決定後、ソウル拘置所を出て発言している/聯合ニュース

8.民主党のイシューをすべてさらった「イ・ジェミョン代表リスク」
 2023年の最初から最後まで、野党「共に民主党」の唯一のキーワードは「イ・ジェミョン」だった。1月10日の「城南FC後援金疑惑」呼び出し調査→2月27日の1回目の逮捕同意案否決→9月21日の2回目の逮捕同意案可決に至るまで、イ・ジェミョン代表に向けられた捜査は民主党のすべてのイシューを飲み込む勢いだったた。イ代表は「民主主義守護」を掲げて行った24日間のハンガーストライキと裁判所の拘束令状棄却(9月27日)、ソウル江西区長補欠選挙の勝利(10月11日)で、再跳躍の足場を固めたようにみえた。しかしその後、刷新と対話に消極的な姿を見せ、イ・ナギョン元首相が年明けの新党結成を示唆し、再び試験台に立つことになった。党内の非主流の一部とイ・ナギョン元首相は、イ・ジェミョン代表の退陣を前提にした非常対策委員会の構成を要求している。
オム・ジウォン記者
【写真】9月14日、検察の職員らが「キム・マンベ-シン・ハンニム録音記録」を報道した独立系メディア「ニュース打破」の家宅捜索のためにソウル中区の事務所に向かっている=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

9.尹錫悦政権「全方位メディア掌握」本格化
 今年一年、マスコミ業界は言論弾圧論で常に騒がしかった。尹錫悦大統領は5月、検察起訴を口実にハン・サンヒョク放送通信委員長を免職したのに続き、8月にチョン・ヨンジュ放送通信審議委員長を解任した。2人とも文在寅(ムン・ジェイン)政権で任命された人物だ。放通委の人員構成を変えた政府はこれを踏み台に、テレビ受信料分離徴収や、韓国放送(KBS)・文化放送(MBC)の取締役会および経営陣の交替、YTNの民営化など、公共放送の根幹を揺るがす政策を推進した。放送通信審議委員会は、独立系メディア「ニュース打破」の「キム・マンベ録音記録」報道を口実に政権に不利な報道に「フェイクニュース」のレッテルを貼り、「政治審議」との論争を招いた。MBC・京郷新聞などの報道機関と所属記者に対する検察の強引な家宅捜索も問題になった。野党とメディア団体はこれに対抗し、公共放送の支配構造改善を主な内容とする放送3法の国会本会議処理を通したが、これすらも尹大統領の拒否権行使によって結局廃棄となった。
チェ・ソンジン記者
8月24日午前、ソウル市の冠岳山の麓で開かれた「公園女性殺害事件被害者追悼および女性暴力放置国家糾弾緊急行動」に市民たち集まり、故人を追悼している=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

10.殺害・性的暴行…絶えない「女性対象犯罪」
 今年5月、ソウル市の衿川区始興洞(クムチョング・シフンドン)で30代の男性が元交際相手を殺害した。別れの通知を受けて暴力を振るい、警察に通報されたため「報復殺害」をしたという。警察は女性が通報したにもかかわらず保護措置を取らなかった。2カ月後、仁川市の論ヒョン洞(ノンヒョンドン)で30代の男性が元交際相手をストーキングして殺害した。裁判所が下した接近禁止命令は効果を果たさなかった。8月、ソウル市の新林洞(シンリムドン)で出勤途中の女性が性的暴行を受けた後に殺された。見ず知らずの犯人であるチェ・ユンジョン(身元公開)は、単に「強姦したかった」と述べた。また、11月には慶尚南道晋州市(チンジュシ)のコンビニの女性スタッフが20代男性から突然暴行を受けた。「ショートヘア=フェミニスト」であり「フェミニストは殴られて当然だ」と語った。今年も女性を対象にした暴力事件が絶えなかった。法の死角地帯の中、女性たちは今日も「たまたま生き残ったにすぎない」と実感している。

オ・セジン記者
(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
韓国語原文入力:2023-12-26 09:57
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする