ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

要確認!

2009-10-09 04:39:15 | 音楽あれこれ


上の写真はレコード会社が新譜をリリースする際、メディアに配布するいわゆる「リリース原稿」の一部分。メディアは配布された資料をもとに広告原稿を作ったり宣伝をするわけです。そうした性質上、このリリース原稿が一般の方々の目に触れることはまずありません。

で、写真で注目していただきたいのは真ん中あたり。「BLAKIREV」とありますよね。この段階で「うへぇ」と感じる方はそこそこのクラシック通です。

実はこれは作曲家の名前なんですが、本当のことを言うとこんな作曲家はいません。もしそれらしき作曲家がいるとすれば「BALAKIREV」でなければならんのです。

「BALAKIREV」は19世紀ロシアの作曲家で、通称ロシア五人組と呼ばれる作曲家のひとり。カタカナ表記すれば「バラキレフ」となります。でも、上の表記をカナ書きするなら「ブラキレフ」となってしまいます。誰ですか! ブラキレフって!…ってなことになるわけですよ。

そんな細かい間違いをいちいち指摘するなと思われるでしょう。ごもっともです。でもね、先にも書きましたが、これは商品を売るための立派なリリース原稿なわけです。ところが、自分とこの商品の内容が堂々と間違って表記されている。そんなこと常識的にはありえないじゃないですか。そもそも「売ろうとしている商品に対する愛が足りないぞ!」ぬぁんて、ワシはついつい思ってしまうんですけど。

ちょっとした間違いといえばそれまでですが、やっぱりねちゃんと最終確認すべきなんですよ。このリリース原稿を作成した担当者はツメが甘いなと思われても仕方ありません。もしバラキレフのことを知らないメディアの人が見たらどうなると思います? それこそ「このアルバムにはブラキレフという作曲家の作品が収録されています!」なんて書かれちゃうんですよ。

で、興味を持ったファンが「一体どんな曲なんだろうな…」と思いすぐに商品を購入します。ところが収録されていたのはバラキレフの作品。まあ普通なら詐欺ですわな。そうなるとクレームはメディアよりもむしろ当のレコード会社に殺到することになります。下手をすればその商品を回収する事態にもなりかねません。

まあ、実際にここまで騒ぎが発展することはないでしょう。ただ、フロントとなる担当者はそれくらいの事態になることを予想して、そうならないために責任をもってもらいたいのです。ちょっとした見落としが大問題に発展するのはよくあることなんですから。

ついでにフォローしておきますが、このリリース原稿の別の場所にはちゃんとカナ書きで「バラキレフ」と記されています。なぁ~んだこの担当者バラキレフを知ってるじゃないですか。だったら余計に欧文表記にも注意を向けろよとなるわけなんですけどね。
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