ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

「ミョ~」の誤用

2010-02-10 04:31:18 | 脳みその日常
言葉の意味は時代とともに変化します。それは仕方ありません。でも、中にはおかしな意味で定着している言葉もあります。

近年気になる言葉のひとつが「妙な」という言い方です。これは本来は「言葉では表現できないほど素晴らしい」という意味なのですが、どうも近年は「変な」「風変わりな」「奇矯な」といった意味で用いられていますね。これは、おかしい。

英語でこれを訳すと、本来の意味なら superb とか splendid となるのでしょうが、こんにちの使い方だと strange とか eccentric の意味になってしまいます。

なぜこのように変わってしまったのでしょうか。原因のひとつはテレビの影響があるんじゃないかと思うんです。

1980年代初頭に漫才ブームがありました。当時、売れっ子芸人たちが毎日ブラウン管に登場していたのですが、この時、よく「ミョ~に」「ミョ~な」という言い方をしていました。それはまさしく「変な」「奇矯な」という意味で使っていたのです。

この、明らかな誤用はなぜ起こったのでしょうか。

ここからはあくまで想像です。「奇妙な」と「奇矯な」って似てるじゃないですか。つまり、この2つの言葉の意味を取り違えて使ってしまった可能性があるのです。それに加えて、芸人の声がまた素っ頓狂なハイ・ヴォイスだったこともあり、これが視聴者の耳に残り、間違った意味が定着してしまったのかもしれません。

もちろん、意味が変わってしまった理由はほかにもあるでしょう。でも、いずれにせよ、「妙」は「変な」という意味ではありません。よく、ドラマの中で探偵が使うセリフに「妙だな」というのがありますが、これも誤用です。おそらく「変だな」という言い回しとゴッチャになったのでしょう。だって、探偵はある状況を訝しく思っているのに「素晴らしいね」と言うんですよ?

やっぱりおかしいでしょ?
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