ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

安っぽいプレゼントよりも…

2007-12-23 18:41:53 | 脳みその日常
今までこのブログで取り上げてきたように、世の中はクリスマス用のイルミネーションで溢れている。みんな、ピカピカ光るモノが好きなんだねえ。多くの人は前々から「日本は仏教国なのにクリスマスなんぞで浮かれるのは間違っとる!」と繰り返し指摘してきた。

まったく正論だと思うけれど、大多数の人はどこ吹く風とばかりに「右から左へ受け流して」いる。もっとも、ワシだってここにイルミネーションを載せて面白がっているんだから、ある意味で同罪。「オマエこそ浮かれている」じゃないかと言われても返す言葉がない。

まあ、あれだ。ピカピカが好きな人は宗教思想なんてどうでもいいのだ。ただ、キレイなデコレーションに魅惑されているだけなんだよ…きっと。自分を含め、日本人の宗教観なんて概ね希薄、いや軽薄なんだもんな。

そういえば、この時期「クリスマス・コンサート」なるものに呼ばれることが多い。お付き合いで行くこともある。本音を言えばとても憂鬱だ。そもそもこの類いの企画で面白いなと思ったためしがないから。

いや、正確に言えば「面白い」と思うことはある。ただ、その面白さは表面的なものにすぎない。ステージ上で音楽家たちがクリスマス・ムードを出すために、無理矢理サンタクロースの赤白帽子を被ってみたり、日本人の間ではロクに根付いていないクリスマス・ソングのメドレーを演奏する。

まあ、それも子供向けの企画だったりすることが多いからやむを得ないことなのかなと思ったりもする。確かにそうした内容で喜んでいる子供がいないわけじゃない。

でも、そこにいる子供たちをよくよく観察してみると、あることに気づく。彼らがじっと耳をそばだてる音楽は必ずしもクリスマス関係の作品とは限らないということ。彼らが興味を示すのは技巧的な演奏や、いわゆる「聴かせる」演奏なのだ。そうした演奏の時、会場内の空気は一変する。

つまり、音楽をよく知らない子供でも良質のモノには即座に反応するという証拠。何も安易な企画でなくたって、立派な演奏を聴かせるほうが、音楽の素晴らしさは子供たちにちゃんと伝わるのだ。大人が変に気をきかせて「クリスマスっぽい」雰囲気を考え、大して上手でもない演奏で聴かせることのほうが折角のプレゼントを台無しにしている気がする。

まあ、これもイルミネーションに対する意識と同じく、大人の軽薄な価値観を子供に押し付けているひとつの表れなのかもしれない。いろいろ考えさせられるよ、ホントに。
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