湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

NさんのBig Issue販売練習(研修)大事な一歩を踏み出した/両親の風邪引き騒動

2009-08-05 14:38:28 | 引きこもり
日曜日、父は咳き込み声が変わり、「医者に出かける」という困った本人の行動があったが、体力が落ちているので歩行器を使い更に姿勢補助してようやく歩行できる状態、もう少し足が萎えれば、階段を降ろすのが毛布の担架になりそうな状態だった。医師の往診は予約制で、休日往診に対応していなかった。そんなこともあって、対策に家庭用風邪薬を使うことを考えてたのだが、風邪薬の影響を判断しかね、訪問看護のOさんの事務所に日曜日から連絡を入れていた。

しかし休日。留守電の応答なく、月曜日朝投薬。その1時間後から一日中ほとんど眠り続けて、失禁。途中目覚めては、昼夜関係なく部屋の徘徊と不可解な言動が始まってしまった。午前1時20分、階段半ばで父を発見。格闘になる。とにかく座らせ向きを変え、時間かけてベッドに誘導。この騒ぎのときも母は眠りこけていた。母に風邪が感染し、同様に咳き込んで、昼間から家事・介護の気力が無くなっていたからだ。

月曜日、練習依頼先、寿町のNPO法人「さなぎ達」さんの方から連絡が入り、「『翌日』の4日12時に」との応答あり。「翌日!」さて、手書き掲示板方式でメモ交換しているものの、この連絡は私がメモを書きに出かけられる夕方に、行き違いが起こりそうだった。この間、毎日メモを見るようにと指示していたので、見る時間の行き違いが問題だった。やむなくIさんに仲介依頼、伝言代筆をお願いした。Iさん、感謝。おかげで、この連絡は無事通ったのだった。

「あすなろ会」のTさんは、この連絡を見て彼も彼で驚いた。当事者Nさんの読後サインが無かったからだった。Nさんとは、ふだんから一緒に行動している仲ではなく、Nさんの宿泊地点はわかっているが、そこにNさんがいる確証は無かったのだった。この件は、翌日3人が出会ったとき、Nさん本人も、Tさんの帰ったあとメモを読んで、さがしているTさんと合流するため、急いで宿泊地点に戻ったという経過があったと知った。メモ確認の約束は守られていた。

父は「仕事に行く。車はまだか。」と明け方いいだしたり、「**子(妻)がベランダに閉じ込められている」と言い出し、深夜、床が腐っているベランダに出ようとし阻止した。月曜日昼間のデイサービスのときの問題行動の報告が無かったので、家で飲ませている風邪薬の副作用が考えられた。

父は今朝もデイサービス出発時、騒動を起こしていた。失禁してしまう自分にじれていた。出発点のベッド上、階段介助者の手を振り払ったり、ずり落ちが起きた。一番危険なベッドから降りて立つ場面で、目の前にあった「うちわ」を移動中、急に手にした。「うちわ」を持てば利き手が塞がる。慌てて取り上げたら、倒れながら怒り出した。椅子でキャッチしたものの、倒れそうになったことよりも、うちわを取り上げたことに怒りが噴出したのだった。乱暴な歩行器操作、身体の遠くに歩行器を投げ出すために、足を引きずってつま先が防水シートにひっかかり、横転しそうになり、この時、歩行器は投げ飛ばされて、私に安全確保を任せて、ヘルパーさんが慌てて拾うシーンも。父は私に抱えられた屈辱を歩行器にぶつけて、階段に。

それからは最悪。「下りは、悪い方の足から。上りは、順調な方の足から。」これが階段昇降行動を安定させる基本。介助ヘルパーさんが「右、左。その調子」と指示を繰返すので、「ええ、指示に従えばいいんでしょう!」と怒鳴り、最終段の横のふすまに父がつかまろうとして私が阻止。結果、また暴れ始め、羽交い絞めにして椅子に座らせた。風邪薬が機嫌おも左右させていた。

駆け抜けるように、しんどい二日間が過ぎた。

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以下は、Nさんの練習(研修)レポートである。私にとって「交通事故入院からの2年目の退院(再出発)が決まったとき」のメモに匹敵する、大事なメモになる。



面白いものだ。ひとの頑張りは伝染する。Tさん、Nさんの頑張りは、横浜駅ジョイナス口販売のKさんに伝染した。とてもいい経験をさせてもらった。(「さなぎ達」の櫻井さん、ありがとうございました。)あと1回、後日またご厄介になります。

定刻ぴたりに茅ヶ崎駅改札口集合。現地着も約束の12時ぴたり。櫻井さんのガイドを受け、横浜駅ジョイナス口へ。ここの販売員のKさんはベテラン。地下鉄へのエレベータの横に、一見ひっそりとBig Issueを並べている。そこに前置きもなく4人が押しかけたものだから大緊張。

IDカード(身分証明カードは知っていたが、『直接』登録制とは私は知らなかった。)とゼッケンをつけて、冊子を片手に路上に立つのだが、今回はIDカードなし。販売姿勢や注意点を櫻井さんとKさんから説明を受け、いよいよNさん、路上へ。

夏日に照らされたNさんが、冊子片手にBig Issue を振りかざした瞬間を携帯で撮ろうと思い、携帯を向けたとき、妙な感動が押し寄せてきた。このひとは、2年間路上生活してきた。空き缶集め以外の仕事に、ことごとく門前払いされてきた方だった。容姿障がいを持っているためだった。そのNさんが通行人に「販売」という絆(きずな)を取り結ぼうとして一歩を踏み出したのだった。

スナップはこの意志の深みを写しはしない。シャッターを切ることが出来なかった。そのNさんの販売の姿を経験者Tさんは、見守るだけ。自分の許可が下りない販売を延々3時間、私の隣で見つめていたのだ。

今回の販売は練習。ひとり劇的な初めてのお客さんがあったものの、これは指導したKさんの収入。私達の今回の交通費・昼食代は、Big Issue の佐野代表が上京される20日の前に、Tさんが自分の品定めのために、代表を訪ねて大阪に行く予定にして準備していたその費用だった。後に代表は6日から企画に参加のために上京されていることが、東京事務所担当者との電話でわかったため、大阪行きは中止となった。そのときの費用をこの2回の練習(研修)に当てることにしたのだった。もとはと言えば、この資金、私の定額給付金なのである。

今までアル中だからとか、バックナンバー販売の商売の口上しか語らなかったKさんが、販売定着までの苦労話をしてくれた。Nさんは飄々と冊子をかざし続けた。販売終了後、遅い握り飯を食べながらわかったことだが、Tさん、Nさんとも前日夜の配給の握り飯1個のまま、朝を食べずに参加していることがわかった。それならと、寿町のさなぎ食堂に帰りに立ち寄り、300円定食を3人で食べてきた。

後から飛びこんだNさんの話はTさんとは別口である。自助組織「あすなろ会」への冊子卸が決まったなら、ふたりで湘南販売が始まる。もし「あすなろ会」が駄目なときは、Nさんを「さなぎ達」さんのところで販売させていただくことを、櫻井さんにお願いしてきた。

Tさん、Nさんと6日過ぎに東京事務所にお邪魔する。彼らの決断を支えなくてはと思う。昨日の練習(研修)は、交通費支給ではあるが、いわば「ただ働き」である。昼食代とて約束していたわけではない。それを平然と販売をやってのけた彼らに、私は拍手を送る。

生活の自立をかけて、ふたりは踏み出した。私には路上か否かではなく、社会的な困難を抱えた青年の決起として、これを支えていく。

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夜間傾聴:
(8/3~8/4)
     ******君(仮名)
     多摩センター君(仮名)
(8/4~8/5)
     ******君(仮名)
     中延君(仮名・傾聴にあらず)

p.s.だらしない話だが、昨日のNさんの練習を見守っていただけなのに、手足がつって芍薬甘草湯を飲んでいる。若さの差だなと、えいと突っ張っては、またこむら返りを起こしている。しょうもない。

(校正2回目済み)
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