ブルックスブラザーズ展

2018-11-11 00:00:41 | 美術館・博物館・工芸品
新宿の文化学園服飾博物館で開催中の『ブルックスブラザーズ展-アメリカンスタイルの200年、革新に2世紀-』へ足を伸ばす。

ブルックスブラザーズは米国の紳士用品店である。俗なコトバで言うと「スーツ屋」。開業はニューヨーク、マンハッタンに1818年4月7日に小さな店を開いた。つまり今年は開業200年のわけだ。ブラザーズということで、ヘンリー・サンズ・ブルックスと3人の弟が創業した。いわば家族経営。失敗したら一家破綻の典型的チャレンジャーだった。

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日本では、まだ洋服を着る前の時代である。呉服店の老舗(三越、松坂屋、大丸)はこれより古くから営業していた。

ヘンリーが亡くなる1933年までは、クラフツマンシップにこだわり、堅実な商売をしていたようだ。ただ、同社にとって転機になったのが1849年のカリフォルニアのゴールドラッシュだった。

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私の調べでは、ゴールドラッシュで1849年には9万人が押しかけたということで、大量のスーツの需要が発生。これに対してブルックスブラザーズは既製服の大量生産というビジネスモデルに変革。日本で言えば、青山とかアオキとかコナカとか、そういうことになって大儲けになる。

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日本のスーツ企業で言えば、儲けた金で店舗を増やし、ルノアールの絵画を買って、結婚式場まで作ったりするが、ブルックスはデザインや機能の開発など製品にこだわった。特に米国大統領を顧客に持つことがきた。まずリンカーン、そしてリンカーン以降の米国大統領でブルックスを着なかったのは3名だけであったはずだ。

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オバマ、トランプの両氏もブルックスだし、あのスコット・フィッツジェラルドも着用していた。

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実は、サッカー日本代表チーム(いわゆるサムライブルー)の選手が移動の時に着ていたスーツがブルックスブラザーズである。あまり似合いの選手はいなかったような気もする。