花飾りも帯もない氷山よ/楽屋(演劇)

2014-09-22 00:00:36 | 映画・演劇・Video
hanakazari恐い映画をDVDばかりで観ているのもなんなので、麻布演劇市に行く。ちょうど演劇市200回公演。演劇集団「いたわさ」。

演目は、『花飾りも帯もない氷山よ』と『楽屋』の二本立て。ともに劇作は清水邦夫氏で40年ほど前に初演が立っている。清水氏の作風が、世界に対するプロテストから人間の内面に向かってきた時期の作と言うことらしい。それと、『楽屋』は、日本でもっとも数多く公演された演劇ということ。

まず、『花飾り・・・』。難しいし、恐い。ちょっと酔っ払った40男が迷い込んだ不思議なシチュエーションで、10年前になくしてしまった赤い染みのついたセーターを見つける。同時に見つけたのは男の過去にかかわる人たち。亡霊なのか、あるいは彼の記憶の中に生き続ける幻想なのか。あるいは彼自身が亡霊なのか、あるいはこの劇そのものが、観ている私の脳の中に潜む幻想なのか。

そして、『楽屋』。チェーホフ劇の裏話みたいな劇。楽屋の隅の方に漂う、嫌なにおいのする気体をとりあげた筋立てなのだが、あまり好きになれない。ちょっと道徳観が自分と違うような・・