ちょっと、おさまりの悪い本である。『江戸時代』という書名というのが、大胆な感じで、一冊で江戸時代を書こうというわけだ。
著者は、江戸時代の政治経済史が専門ということだが、江戸時代というのが戦国時代の次であって明治時代の前である、という大きく異なる二つの時代の中に主に平和主義の3世紀があったのだが、現在感覚でいえば、平和と交換に徳川独裁の封建制を受け入れていた時代ということになる。
本書は昭和33年に書かれたものだが、まえがきで、「江戸の文化が肯定的に評価されているが、実際には封建制の社会であって、単に復古主義で江戸時代を美化するのはNOだ!」というような決意を述べられている。
要するに平和と封建制の交換はいけない、といっているわけだ。
それで、江戸時代を時系列的に、「覇権への道」「大名と牢人」「儒学と武士道」「村と町の生活」「元禄時代」「米将軍とその時代」「田沼時代」「寛政の改革と江戸文化」「天保の改革とその前後」の9章にわけている。
そして、その中で、徳川吉宗のこと。享保の改革。彼についてかなりのページをとっている。実際に徳川が長く続いた中興の祖である。徳川本家といっても実際には紀伊徳川家チームがワンセットで交代したようなものだ。
で、彼の政策の基本の一つが、増税。そして、殖産政策。実用的な西洋科学技術の導入。そして長く続いた低物価の対策として通貨政策に手を付ける。悪貨の増札によって、金づまりを解消する。デフレのストップに成功。
まったくアベノミクスと同じだ。
その後、享保の改革の効果は徐々に薄まっていき、長男家重に家督を譲り、時代は田沼意次に移っていくわけだ。
著者は、江戸時代の政治経済史が専門ということだが、江戸時代というのが戦国時代の次であって明治時代の前である、という大きく異なる二つの時代の中に主に平和主義の3世紀があったのだが、現在感覚でいえば、平和と交換に徳川独裁の封建制を受け入れていた時代ということになる。
本書は昭和33年に書かれたものだが、まえがきで、「江戸の文化が肯定的に評価されているが、実際には封建制の社会であって、単に復古主義で江戸時代を美化するのはNOだ!」というような決意を述べられている。
要するに平和と封建制の交換はいけない、といっているわけだ。
それで、江戸時代を時系列的に、「覇権への道」「大名と牢人」「儒学と武士道」「村と町の生活」「元禄時代」「米将軍とその時代」「田沼時代」「寛政の改革と江戸文化」「天保の改革とその前後」の9章にわけている。
そして、その中で、徳川吉宗のこと。享保の改革。彼についてかなりのページをとっている。実際に徳川が長く続いた中興の祖である。徳川本家といっても実際には紀伊徳川家チームがワンセットで交代したようなものだ。
で、彼の政策の基本の一つが、増税。そして、殖産政策。実用的な西洋科学技術の導入。そして長く続いた低物価の対策として通貨政策に手を付ける。悪貨の増札によって、金づまりを解消する。デフレのストップに成功。
まったくアベノミクスと同じだ。
その後、享保の改革の効果は徐々に薄まっていき、長男家重に家督を譲り、時代は田沼意次に移っていくわけだ。