モエレ沼公園・こどもの心

2014-09-11 00:00:35 | 市民A
イサムは少年時代を日本で過ごしている。横浜や湘南海岸。実父である詩人野口米次郎に捨てられた母レオニーは、太平洋を渡り東京に押しかけるが、すでに父は若い女性と結婚済だった。といっても米国には身寄りもない母は日本に住むことにし、イサム少年には手に職をつけさせるために大工道具を与え、大工の修業をさせていた。まさに1本のノミがその後の運命を決めた。

ということで、決して明るい未来を描けない少年時代を過ごした彼は、後年、遊具の設計にこだわり続ける。

moere6


一言で言えば、ブランコやシーソーやジャングルジムがイサムの手にかかると一つ一つがアナザーワールドになってしまう。

moere7


本当は、ブランコに乗りたかったが、落っこって頭部に台板の直撃を受ける危険が目に見える。シーソーは一人では楽しくないし、こども3人分の体重で危険。ジャングルジムは、サイズ違いで抜けられなく危険がある。

moere8


モエレビーチ。こどもの水着を写すと逮捕の危険。

moere9


そして、海の噴水。大人は風上で濡れないようにするが、こどもは風下で、わざと濡れる。



そして、メインシンボルの「ガラスのピラミッド」。

欧州的なデザインを感じる。イサム・ノグチは彫刻の方では直線を使わないが、この公園では、山のデザインはじめ、結構、直線を使っている。

moerex


ガラスの建物の内側から外をみると、結婚写真集作成のための撮影が行われていた。数年後に別れる時に、やはりガラスのピラミッドように危うい関係だったのか・・と納得するのかもしれないが、写真を高精度で分析すると、ガラスの向こうに悪魔風の男の微笑みが見えるかもしれない。

そして、明日の筋肉痛を予感しながら、赤い自転車の旅は終わる。

とりあえず、イサム・ノグチには卒業観ができる。次なる知的欲望の連鎖だが、

なんとなく自転車を買いたくなったが・・