天空都市、高野山へ

2012-09-16 00:00:39 | たび
8月に高野山に行った。一応、真言宗の末席なので、空海が開いた天空都市を見学。来年が高野山1200年記念だそうだ。

真言宗は空海の教えが難し過ぎたため、その後、多数の派に分かれていき、おおた家は「御室派」に所属している。京都御室にある仁和寺が、その中心である。仁和寺には数年前に行ったものの高野山は初めてである。

実は、高野山に行かずして比叡山などの他の宗派の総本山に行ってはまずい(ばちが当たる)のではないだろうかという後ろめたさがあり、一度は行っておかねば、と思っていた。なんとなくメッカ巡礼みたいな話だが、砂漠を歩かなくても電車がある。

新大阪から地下鉄御堂筋線を利用し、難波で南海に乗換える。特急券と山中のバスフリー券と帰りの乗車券のセットを買う。そして、電車は特急といっても速度は遅く、やっと坂道を登りきって極楽橋というそれっぽい駅に到着。そこからケーブルカーが始まる。おそろしく急なこう配である。ケーブルカーは平行四辺形の車両であるが、実際の傾斜は少しずつ変わるので、視覚的変調をきたす。

そして、登り切ったところが高野山である。実は、8月だが地上900メートルは涼しいかと思ったが、そんなこともなく、暑い。


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で、金剛峯寺。大きな寺である。無数の部屋が金屏風に取り囲まれ、豊臣秀次が切腹させられたと言われる部屋もある。

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京都竜安寺の石庭とは、いささか趣の異なる豪快な石庭もある。


そして、高野山中をバスで移動し、奥の院に行く。

奥の院そのものは撮影禁止である。さらに奥の森の中に、まだ空海が生きていて、毎日、食べ物が供えられているとのことである。もしかしたら森の中で、次々に他の生物に輪廻転生を続け、食事を召し上がられているのかもしれない。だから小さな虫といっても山中での殺生はまずい。

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奥の院の周りには数万と言われる墓柱が並んでいて、織田信長、豊臣秀吉の墓まである。神戸の某組織の家元もここに墓地があるという情報もある。さらに有名大企業もOB社員の霊を鎮めるために記念碑を立てている。

しかし、手入れの行われていない寂びれた一区画があると思ったら、破綻した千代田生命だった。そういう無念仏がある方が墓地らしいともいえる。話題の関西系テレビメーカーの霊感ゾーンもあるが、将来、再訪する機会があれば、チェックをしてみたい。

さらに浄土真宗の開祖である親鸞の墓がある。宗派違いじゃないかと疑問を持ち、後日、知人の「なまくら」に聞いてみると、高野山は真言宗だけのものではなく、他の宗派に対しても寛容である、ということだそうだ。聖地の問題を巡って戦い続けているエルサレムのようなものだろうか。

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最後に、奥の院の観光バス駐車場の近くにあるのが「しろありの墓」。日本しろあり対策協会が、大量殺戮の被害者である「しろあり」たちを供養している。ついでに「藪蚊」の供養もしてもらえたらよかったのだが、殺生はいけないと思ってはいても、つい体にとまった蚊を見るや、条件反射的に手で叩いてしまう。

あっ、弘法さまが・・


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