椎名誠「ぼくがいま、死について思うこと」

2012-09-20 00:00:36 | 書評
新潮社の自社出版物書評誌『波』の9月号で、椎名誠氏の連載「ぼくがいま、死について思うこと」が完結した。当然ながら、いずれ書店に平積みされ、その後、縦置きされ、その後、文庫本で平積みされ、その後、縦置きになり、いずれ「椎名誠エッセイ全集」みたいになっていくのだろうか。

この連載だが、最初は椎名誠氏が死生観を語るのだろうかと思っていたのだが、当初は世界各国の葬儀のしきたりが比較されていたわけだ。風葬とか鳥葬とか・・

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その後、過去に自分が死にかけたことが何回かあるという話題になり、「運がいい」のか「それなりに簡単に死なないような準備があるから必然に近い悪運」というようなところに落ち着く。で、生と死は隣り合わせであるということになり至り、最終回は身近な葬儀の話になる。

知人に、「自分の葬儀として希望のスタイル」をアンケート調査したわけだ。

しかし、・・・

いくら友人とはいえ、突然、そんなアンケートを送られた方も、戸惑ったのではないだろうか。なにしろ、そのアンケートに答えれば、流行作家のこと、そのまま出版してしまうのではないか(事実、そうだ)。これは、くれぐれも熟考して記入しなければならないのだが、葬儀は自分で行うのではなく家族が行うのが通常だ。書いたことを家族に確認しなければいけないが、「急に何を突然言い出すの?それよりも今から遺産を貯金して頂戴!」と怒られるのが関の山だ。

で、彼の悪友である木村晋弁護士、イラストレーターの沢野ひとし氏、北上次郎(目黒考二)氏などの意見を聞いてみたようだが、実はそんなに驚くようなものはないようだ。まあ、「静かに消えていきたい」ということを、いくつかの表現方法で実行したい、ということに集約されるような気がする。

もちろん椎名誠氏もその延長で、海辺で死にたい、とか葬儀の時の音楽のカテゴリーとかこだわっている程度のようだ。

多くの日本人って、死ぬ時は仏教徒になるのですね。きっと・・


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