竜王戦のこと

2008-11-15 00:00:46 | しょうぎ
あまり将棋関係でまとまったことを書くことができなかったので、現在進行形の竜王戦を切り口に。とはいえ、3局終わって、3-0の大差。何か調理士がフグをさばいているかのような状況になっているが。

渡辺×羽生のタイトル戦は、2003年の第51期王座戦以来。17期連続で王座の座についている羽生名人は、その時のシリーズでは、かなり追い詰められていた。シリーズ全体を通して挑戦者が押していたのだが、最後は当時四冠だった羽生王座が、頭金を打って優勝賞金をゲットした。



最後の△6八金打の前に、7八にいた後手玉に対し、△6九角打、▲同玉と小学生の将棋教室のような手が入るのだが、頭金まで粘ったのは、渡辺五段(当時)の悔しさの表出だったのだろう。△6八金と打った羽生王座の指は、ブルブルと震えていたと言われ、業界では「怒りの一手」と言われているが、本当に怒りだったのかどうかは、よくわからない。

やっと賞金を獲得できた喜びではないだろうが、棋界第一人者の座が、はるかに年下の挑戦者に今後次々と崩されていくのではないかという内面的な不安から逃れることができたことが、精神的なバランスのわずかなゆらぎとなり、末梢神経の集中した指先の乱れにつながったのではないだろうか。

さらに、できることなら、この△6八金打に対して、すぐに投了せず、1八に眠る先手渡辺の飛車で、▲6八同飛と指してもらって、最後に、△6八同馬と指すのか、△6八同歩成と指すのか確認してもらいたかったところだ。もちろん、誤って、△6八同歩不成とか指してしまえば逆転だが、「悪あがき魔王」とか呼ばれることを嫌ったのだろうか。

そして、この後、渡辺明は竜王に就き、2007年には棋聖戦で佐藤棋聖に挑戦するも失敗。ところが、注意深くみていると、いずれの対戦棋士も、渡辺シリーズが終わったあと、不調の波に襲われているように思える。何か、相手の棋士が持っている潜在的な力を大脳の中からすべて引き出してしまうというような損な棋風なのかもしれない。だから対戦相手は、疲れきってしまう。したがって、現在、絶頂を極めている羽生名人の調子も、年明けからは下降局面に向かうのではないかと予測。



11月1日出題作の解答。

▲3三飛 △2四玉 ▲3五飛成 △1三玉 ▲1四歩 △1二玉 ▲2二と △同玉 ▲2三歩 △同玉 ▲3二銀不成 △1二玉 ▲1三歩成 △1一玉 ▲2一銀成 △同玉 ▲2二歩 △1一玉 ▲3一龍まで19手詰。

読みの練習みたいな問題で、11手目の3二銀不成のあたりが心細く、このあたりで終局まで読まないといけない。



今週の問題は、また嫌な入玉ふわふわ問題。攻め駒の隙間を玉が遊泳して逃走をはかるのを、やっと阻止する。

こどもの頃、積み木遊びが好きだったのだが、立派な構築物を作るのではなく、崩れそうな構築物を空中で組み替えて、別の崩れそうな構築物に組み替えるのが大好きだった。本問もそういう趣向。思えば、大人になって建築家になればよかったかもしれない。古い建物を解体せずに、そのまま空中で組み直して新しいビルの一部に使うとか。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評いただければ、正誤判断。

行列の短くなった寿司屋

2008-11-14 00:00:17 | あじ
人気ブロガー大西宏氏が、最近ランチで行く店が空いてきたの中で、外食店の入りが減少してきた実感を書かれている。



ちょっと前までは、ランチ時には並んで待たなければならなかったお店も、最近はお客さんの数が減って、すぐに入店できるようになってきました。それもラーメンとか、うどんとか、そばなど、決して価格が高いとはいえない郊外のお店です。

原材料の高騰で打撃を受け、原材料コストが下がりはじめた矢先に、景況感が悪化し、今度は消費心が冷え込み、そんな店にも影響しはじめてきていることを肌身に感じます。都心のお店はどうなんでしょうか。


都心の事情について。

「行列のできる寿司屋」と有名だった、下高井戸「旭鮨総本店」へ行く。赤坂の山王パークビルにある支店である。このビルは、携帯電話のD社が賃貸し、本社にしている。

しかし、

すぐに入店することができた。しかも、空席あり。

一見、高そうな寿司屋だが、要するに一品ずつネタを選ぶのではなく、「さざんか」とか「特上」とか「おまかせ」といったセットメニューである。だから、ある程度、ネタを入れ替えることによって、店側が原価コントロールするができる。しかもメニューは鮨だけなので、安いつまみを食いながらテーブル回転数を下げるような酔っ払いは排除できる。

もちろん、行列ができている間は、だ。



そして、たまたま、ビルの上階から降りてきた常連の部長風の男性は、「少し、つまみを切ってくれ」と、メニューに載っていない特別オーダーを通す。冷えた透明な液体を飲んでいる。なんか変だなあ。たぶん、2008年携帯電話顧客満足度で、栄えある銀メダルを獲得したことの、祝い酒なのだろうか。

寿司屋従業員のプライドとかモラールとか、ちょっと心配。

まあ、一口で言えば、不況の影響だろう。



ところで、ここから急転直下、話は変わるが、この山王パークビルのあった場所には、以前は「山王ホテル」が建っていた。戦後、米軍関係者が来日したときの宿舎であり、さらにダンスホールなどの娯楽施設があった。

さらに、さかのぼると、この山王ホテルは日本の近代史を語る上、非常に重要な事件の舞台になっていた。

 「二・二六事件」

目の前の首相官邸を襲撃した若手将校が、虎ノ門、霞ヶ関方面を武力制圧したあと、この山王ホテルを本拠地として占拠した。一方、守る政府側は、皇居をはさんで反対側の軍人会館を対策本部にしたが、そちらの建物は、今でも九段会館として使われている。



ここで、さらに急旋回して、現代のクーデター計画のこと。

前空爆長田母神俊雄氏の9ページの論文を読んでみた。田母神氏は北一輝になりうるか。

まず、感じたのは、9ページは少なすぎる。歴史を語るのに、その短さでは判定つかないということ。この内容で300万円というのは、少し奇異に感じる。肩書き代ではないのだろうか、と思えないでもない。

短くサマリーになったような論文についてコメントするのもどうかと思うのだが、彼の主張は、前の大戦を書くにあたり、「世界観」からではなく、「日本観」による解釈になっているように感じた。20世紀は、ロシア、清、オスマントルコといった前世紀の大帝国による帝国主義が衰退し、結局、民主主義に置き換わっていった世紀である、というような世界史的視点が欠けているように思える。

確かに、日本の周りにはいまだ民主的でない国ばかりで、70年前と比べてもたいして変わっていないので、世界観が見えにくいのかもしれないが、当時、日本は中国とだけではなく、世界と戦争することになった。ある意味、欧州で起きていた帝国主義の退潮の流れを理解できず、時代に逆行するように帝国主義を追求しようとしたことが大失敗につながった、とも考えられるはず。

「日本観」に基づけば、日本(帝国)の行動は正当化され、「悪いのはすべて共産主義者」と決め付けることになるのだろうが、論文の中で悪者に指定した蒋介石政府や米国政府に潜り込んだコミュニストなど、雲散霧消している。既に眠った奴を犯人に仕立て、自分は無罪だ、といっているようなものだろうか。

ところで、論文を募集したアパグループの実質的経営者は、前々首相の後援会副会長だったはずだが、今はどうなっているのだろうか。また、千葉県幕張の旧プリンスホテルを買い取った「アパリゾート東京ベイ幕張」の50階にある東京湾が一望できるホテルバー、「スカイクルーズマクハリ」の入り口の脇に立っていた用心棒氏はまだ雇用継続中なのだろうか。

首都圏壊滅を願った男

2008-11-13 00:00:09 | 市民A
兵庫県知事って・・

兵庫県の井戸知事の発言が大波紋を描いている。

「関東大震災がチャンス」=東京一極集中打破で-兵庫県知事が発言
11月11日19時26分配信 時事通信

兵庫県の井戸敏三知事は11日、和歌山市内で開かれた近畿ブロック知事会議に出席し、経済などの「東京一極集中の打破」について、「関東での大震災がチャンス」と発言した。多大な人的被害などが予想される首都圏での大規模地震を期待するかのような発言に批判が出そうだ。

この発言に対し、会議後に記者会見した橋下徹大阪府知事は「首都圏に震災被害があった場合、バックアップ機能が必要だという真意は全知事が分かっている」としながらも、「公の場で言ったのはまずかった。いつも不適切な発言ばかりやっている僕から見ても不適切な発言だった」と指摘した。

井戸知事は議論の途中、公務のため退席したが、同日夜に神戸市内で記者会見し、「『チャンス』という言葉が誤解を受けたなら、もっと適切な言葉を使うべきだった。大災害が望ましいと言っているわけでは全くない」と釈明した。

何というか、「はあ?」である。

ふだん、言い過ぎ感の強いこの人たちの意見が正論に聞こえてしまう。

「浅知恵」「ばかげている」=兵庫知事発言に反発-首都圏知事ら
11月12日19時1分配信 時事通信

 東京一極集中打破を念頭に「関東大震災が起こればチャンス」と述べた11日の井戸敏三兵庫県知事の発言に対し、首都圏の知事や政令市長らからは12日、一斉に反発する声が上がった。

石原慎太郎東京都知事は、井戸知事が旧自治省の官僚から転身したことをとらえて「役人の浅知恵」と酷評。やはり同省出身で、井戸知事の1年先輩に当たる阿部孝夫川崎市長は「ばかげた発言だ」と切り捨てた。

同日は首都圏8都県の知事と政令市長らが集まる会議が横浜市内のホテルで開かれており、知事らは会場入りの際や会議終了後にこの発言への思いを記者団に語った。石原都知事は「東京の地震を期待するなら30年先になるかもしれないんだから、現状から努力して関西の活力を取り戻したらいいのではないか」とも強調。中田宏横浜市長は「人の不幸を喜ぶみたいに聞こえてしまうところがマイナス」と批判した。

井戸知事は同日朝、神戸市内でラジオ番組に出演し、「一極集中のリスクに対して今から備えておかなければならないということを申し上げたつもり」などと釈明。しかし、兵庫県庁には夕方までに300件以上の抗議電話やメールが殺到した。阪神大震災時に小学生だったと語る女性は「同じ被災地の人間として恥ずかしい」と訴えたという。

要するに、関東人からの3倍返しだ。

1.役人出身の浅知恵であること。

2.自分で頑張れ!他人に頼るな!

3.人の不幸を喜ぶ悪魔め!

さらに、

4.地元の恥だ!

ということになる。

まあ、感情論は別として、結構、知事の椅子には自治省の天下りが座っている。こんなコースだ。

 自治省 → 副知事 → 知事 → 参議院議員

実は、私の知人に東大法学部→自治省→某県副知事というのがいた。”いた”、というのは、副知事の時に知事の受けが悪く、再び霞ヶ関に追い返され、ゴールデン・ルートを逸したそうだ。そして、自治省が目の仇にしているのが、主に都会の知事。たいてい無所属の作家とか松下政経塾とか弁護士とか別ルートからやってくる。知事の椅子がなくなると、国会議員の椅子もなくなる。だから、色々とそういう民主主義的(ポピュリズム?)手続きで当選した知事の邪魔をするわけだ。それに対する日頃の不満から、都知事が一喝したわけだ。

そして、この兵庫県知事の発言には、非常に大きな欠陥があるのだが、まだ、誰も指摘していないようだ。

次に地震があるのは、関東と決まっているわけじゃないのだ。

直下型地震の予知はきわめて難しい。次も再び神戸で地震があってもおかしくないわけだ。

その時は、兵庫県は廃止だ。お取り潰し。東京都の飛び地に編入してしまおう。

えびかずら(葡萄蔓)のこと

2008-11-12 00:00:40 | あじ
11月4日号で、日比谷公園での山梨新酒フェアのことを書いて、その中の推薦ワインとして、信玄ワイン社の『えびかずら(葡萄蔓)赤』と書いた。他社は品種の名前、例えば甲州とかデラウェアとか書いてその後に赤とか白とか表示している。アジロン・ロゼとかだ。だから、「えびかずら」という葡萄から作った赤ワインと思っていたのだが、どうも現物には、『葡萄蔓・新酒・ベリーA・赤』と表示されている。ベリーAは葡萄の品種だから、二種類混ぜたのかというと、どうもそうではないようだ。何しろ信玄ワイン社のワインは、各種すべて「葡萄蔓」となっている。どうも、この会社のワインの一般名称らしい。



では、えびかずらって、何だろう、ということになる。

最初に考えたのは、甲府市内の酒造会社であり、社名に信玄と冠するのだから、武田家の家紋ではないかと、めったに使わない大脳で考えてみる。しかし、「風林火山」という旗もあったようなとか。そして、調べてみると、家紋は、『武田菱』というそうだ。しかも、ついでに裏紋というのもあって『花菱』。推定は大はずれだ。大脳をめったに使わないから、勘が鈍ったようだ。

結局調べてみると、ややこしい言葉で、一般名詞でもあり固有名詞でもあった。一般名詞というのは、文字通り葡萄(ぶどう)の蔓(つる)という意味である。固有名詞というのは、『山ぶどう』の一種ということだそうだ。つまり、一般名詞をブランド名にしたのだが、いかにも固有名詞である「山ぶどう」から作ったワインというように誤認したりしてしまう。

例を挙げるのは難しいが、「Speedo」社の水着とか「自由民主」党とかもその一種だろうか。

ところで、固有名詞が難しいと言えば、ワインの産地の一つである「塩山(えんざん)」のことを「しおやま」「しおやま」と言っている女性二人連れがいたのだが、「はっきり読めないなら、そんなに大きな声で話さなくても・・」と思うのだが、最近の総理大臣は、もっと上手をいっているそうで、有無(うむ)を”ゆうむ”、前場(ぜんば)を”まえば”、措置(そち)を”しょち”と読んだり、踏襲(とうしゅう)を”ふしゅう”と読んだりするそうだ。

ブッシュ大統領は、イラクの場所を知らなかったり、ブラジルの大統領室でブラジル全図を見て、「ブラジルって大きいなあ」と言ったそうだが、現首相は、イラクとイランとかエジプトとエチオピア、オーストラリアとオーストリアとか区別がついているのだろうか。福岡と福島の違いはわかっているだろう。一方が、選挙区だからだ。

ポケットマネーで飲み歩くのも悪い趣味ではないが、地元の公害発生源になっている「ボタ山」の撤去にも一部をまわしたらいいのではないだろうか。単に、後片付けなのだが(もちろん退任後で結構と思う)。

一応、話を戻すと、狭い山梨に数十種類のまったく異なる新酒があるというのも、おそらく経済学的には、市場の初期形成段階の混沌ということになるのだろう。俗に言えば、これからトーナメント戦でベスト4くらいに絞られていくのではないだろうか。ワイン甲子園だ。本物の甲子園の野球では、一般人はプレイに参加できないが、ワイン甲子園は1本買って飲んでみるだけでいい。毎年、あれこれ飲みながら、国産品のレベル向上に貢献してみてはどうだろうか。

追記:字の読めない政治家の話では、ペイリン前副大統領候補は「アフリカ」を国名だと思っていたらしい。大統領の質的ハードルを引き下げたのは、子ブッシュの唯一最大の功績だったといえる。

自滅への愚策か?定額給付金

2008-11-11 00:00:57 | 市民A
景気対策と言いながら選挙対策だった定額給付金のバラマキだが、当初、首相が表明した「全世帯への給付」はその後、「所得制限付き」へと変更され、現時点でも調整はついていない。

その話の前に、そもそも、何年か前に行われていた『所得税の定額減税(たとえば20%とか)』ではなぜ駄目か、というと、いろいろ言い訳を言っているが、早い話が、あまり所得税を払っていない農民や個人事業者といった自民党支持基盤にバラまけないからだ。

いずれにしても、元手は税金なのだから、税金を払っているサラリーマンから、払っていない農民や個人事業者に政府が間に入って富の移転を行っているようなもの。この段階からしておかしい。

さらに、高額所得と言うときの所得というのは、個人事業者・医者や農民の場合、何を指すのだろう。つきつめれば、現在の所得税の不平等について、本格的に議論しなければならない。

さらに、本質的な目的が票集めに過ぎないのに、「ある所得金額」に線を引いて、それから上の人はナッシング、というようなルールにすれば、そのラインより上の人は自民党への投票率もナッシングになる。じゃあ、もう一本線を引いて、半分だけ給付とかなれば、その線から上の人も投票ナッシングになるし、細かく分類すれば、所得税率の調整と同じようになり、またも「定額減税でいいじゃないか」ということになり、「それでは農民や個人事業者の票が・・」という堂々巡りになる。

現在、浮上しているのが高額所得者自主返納方式だが、赤い羽根の募金のような話を急に言われても、「俺は税金たくさん払っているのに、余っているなら早く返せ!」と一喝だろう。「なんで払い戻すのに、自分で市役所の窓口まで行って返してもらわなければならないのか!」という怒りの声も既に聞いている。

だいたい、すぐに解散しないなら、バラマキ自体の意味もなく、無駄ガネもいいところだし、数ヶ月過ぎれば、誰から貰ったものかも忘れるだろうし、貰ったこと自体も忘れてしまう。

地方高速道路一律1000円案だって、都会住民を怒らせるだけだし、地方在住者だって、用もないのにガソリン使って走り回るのだろうか。アクアライン1000円案は嬉しいなと思っていたが、各種割引制度が既にあるため、ETCの請求書を見ると、既に1500円になっている。さらにポイント割引とかあるのだろうから、かえって混雑するだけ燃費が悪化して損さえしそうな予感もある。

だいたいが、「単発的」景気刺激策というのは、おカネの割りに無駄や矛盾が多く、効果が少ないわけだから、「総合的」経済対策でなければならないのだが、選挙対策用暫定首相の指導力では、どうにもならないのだろう。選挙で負けても勝っても、いずれにしても総裁からひきずり降ろされるのだろうから、後任のためにも奇抜な政策はやめた方がいいのではないだろうか。

小室哲哉、破滅の軌跡は

2008-11-10 00:00:09 | マーケティング
小室哲哉が、もうすぐ逮捕されるらしい、という情報を聞いたとき、「そういえば、ニセ外人、マーク・パンサーの妻、確か薫子とかいう建築会社社長令嬢が薬物で捕まっていたのだから、同病ということかな。そういえばルコピンとか薬みたいな名前だったよな」などと、方向違いの勘違いをしていた。最近、globeで話題になったのは、このニセ外人がマルチ商法の会社をやっていることとか、KEIKOの実家、ふぐ料理の「山田屋」の東京店がミシュランの栄えある二つ星店に選ばれたこととか、本業とは、およそ無関係。

そして、捕まえてみれば、詐欺罪。



著作権とはあまり関係のない人生だったので、著作権が転売されるものなどとは今まで知らなかったのが、勉強の第一。そうなると、音楽だけじゃなくて小説なんかもそういうことになっていて、例えば、仮に、村上春樹が金策に失敗したりして、村上龍が友情購入した後、「そういえば、ノルウェイの森の主人公ワタナベ君のキャラクターは暗すぎるから、ちょっと書き直してみるか」とか可能なのだろうか。そんなことできないと思うけどどうなのだろう。本の表紙の色を変えるくらいならいいのだろうけど。

既に転売して、所有権のない自分の著作権を第三者に二重販売してしまえば、いずれ短期間で発覚するのは間違いないところ。自身が運営していた会社が潰れるだけならダメージは限定的で、確か大富豪になっていたはずのジャンボ尾崎も破産している。詐欺罪が追加され、破滅した。執行猶予になるかならないかわからないが、どっちみち破滅するだろう。槙原某は作曲家として復活したが、小室は無理っぽい感じがする。

そして、彼の軌跡を眺めると、一体、なぜ破滅したのか、というところからして疑問を感じる。

報道されているのは、『著作権の二重売買』、『月額800万円の生活費(50万円のワインとか)』、『海外事業の失敗』、そして問題の作曲の方は、『同じパターンの曲ばかり書いて、飽きられた』と酷評されている。もう少し好意的な批評では、『自分で自分の音楽に飽きたもののモデルチェンジに失敗』という意見もある。

つなげると、一時(1995年あたりからか)、何を書いても大ヒットしたのに、数年で飽きられてしまい、音楽の変質と海外展開を考え東アジア進出したものの、失敗。一方、高額出費の続く派手な生活パターンはそのままだし、離婚慰謝料の支払いも必要となり、ついに詐欺を始めるに至る。と、いうことになる。

確かに、1日の生活費が1万円では、生活に余裕がなく、いい作曲ができない、ということも真実だろうが、だからと言って、1日5万円でも10万円でも100万円使っても、比例して作曲の質が向上するはずはないだろう、とは誰だってわかるはずだ。遊ぶ時間があればピアノを弾いたらって。


しかし、やはり本質的な原因は、突然、彼がヒット曲を出さなくなったことではないだろうか。それはなぜか。年代別の彼のヒットを並べてみる。

「寒い夜だから…」trf (1993年)
「恋しさとせつなさと心強さと」 篠原涼子(1994年)
「WOW WAR TONIGHT 時には起こせよムーヴメント」H Jungle With t(1995年)
「DEPARTURES」globe(1996年)
「I'm proud」華原朋美(1996年)
「CAN YOU CELEBRATE?」安室奈美恵(1997年)

1993年から1997年にいたる彼の代表作(思い出せない方は、おけ屋に行って儲けさせるか、自宅でダウンロードしてドリンク代をセーブすればいい)。順番に並べてみると、彼なりに変化していたのが、うっすらとは感じられる。初期の頃は、高音高速ビートとでもいうべき、高音を維持しながら小刻みに半音刻みで上昇と下降を繰り返すようなパターンである。

実は、この前の時代の調べ物をしていたのだが、アン・ルイス、荻野目洋子、小比類巻かほるといった中低音ビート系があって、その後、スローバラードの女王、今井美樹が活躍していた。だから、小室哲哉は極めて新鮮だったはず。

しかし、1996年あたりから、少しずつ、高速から中速に変っている。半音刻みの上下階段ではなく、もっと大きな音域で階段を作っている。批評家の言う「ワンパターン」ではなく、苦心惨憺努力したが、という感じではないだろうか。世間の音楽の好みが変化し、色々やったがついていけなかった。

さらに、篠原涼子はドラマに転進するし、安室は出産休み、朋ちゃんは壊れてしまった。さらに、追い討ちが「沖縄」。安室だけじゃなく、MAX、SPEEDが登場し、その後、ヒッキーが登場し、今や、ゆるめのテルマーになって、もはや小室が身をおく隙間はどこにもない。

だから、自分で自分の音楽に飽きた、というような好意的な推測もあるようだが、単に、時代の変化についていけなかっただけ、ではないかと思う。


一方、今回の逮捕について、合理的説明ではなく、単に、「華原朋美の怨念」という人もいる。それの方がもっともらしく聞こえるのも変だが、彼の逮捕によって、朋ちゃんの呪われた呪縛もやっと解けたのではないだろうか。現夫人KEIKOさんも、弁護士と相談の結果、失うべき財産がないことから離婚を断念したようだが、早めに「ふぐ屋の女将」の道に転進した方がいいかもしれない。

大奥、江戸城その図面

2008-11-09 00:00:56 | The 城
96931b55.jpg広尾にある東京都立中央図書館で開催中(11月3日~11月9日)の『大奥‐江戸城で働く女性たち』へ。

江戸城は、太田道灌が築いた場所とまったく同じ場所に、徳川家康が築城したことがわかっている。現在の江戸城は、東西二分割され、西側が吹上御所で、天皇家の住宅になり、東側が公園として、日中は開放されている(早朝の開門前は、騎馬隊がお馬の散歩に使っている)。道灌の築いた城(館)は、ちょうど東西の真ん中に近い場所とされる。家康は大構造物として、西丸、本丸、天守を定め、1593年に西丸、1606年に本丸、1607年に天守閣が完成する。

しかし、その後江戸は度重なる火事に町を舐められることになる。天守は明暦の大火(1657年)で三代目が焼かれ、僅か50年で、再建されることはなかった。その件については私見もあるのだが、ちょっと本題からずれる。

本丸の方は、焼けること7回。幕末においても、1859年に焼失、さらに翌年再建されるも1863年に焼失し、もはや再建されず。一方、西丸の方も再三焼失しているようだが、回数不明。幕末に本丸が焼失した1863年以降、西丸だけが再建され、1867年の大政奉還を迎える。その後、皇居として使用されるも1873年(明治6年)焼失。明治21年に再建されるも、昭和20年焼失。昭和43年に再建される。

この、江戸城、および日光東照宮の造営工事を、一人独占していた家系ある。甲良(こうら)氏という。大工というか建築業というか、正式には作事方という。初代の甲良宗廣は、1596年に作事方に任命され、以後10代甲良棟全の時、江戸幕府崩壊。末裔伝次郎氏が昭和21年に没し、甲良家本家は途絶え、江戸城図面類は日比谷図書館に寄贈された。

今回展示されているのは、主に江戸城の平面図、そしてその面積の約半分を占める大奥の構造図。まあ、俗に言えば、「ハーレム」。以前、現代でもハーレム制を維持しているUAEの宮殿を塀の外側から見たことがあるが、中央の王宮の四方に四つの小宮殿があって、中央の宮殿とは空中廊下のようなもので繋がっていたのだが、つまり、4人いる妻がすべて独立した生活空間を持っているのだが、江戸城、大奥は、巨大な共同住宅なのである。そのため、さまざまな抗争があったのだろう、と思うのだが。

ところで、この甲良家は、滋賀県甲良町出身といわれているのだが、なぜ、江戸城普請という大役に指名されたか。定説を読んだことはないので、例のごとく勝手に自説を繰り出せば、近江の国、甲良の豪族を出発として、再三再四、出仕先を繰り上げていき、ついに家康のベストアドバイザーとなった藤堂高虎に行き着くのだろうと思う。さまざまな才能をもちながら、「登場したのが10年遅すぎた」彼の一つの能力が、城造り。主に西日本にその名作類は残るのだが、和歌山城、名古屋城、江戸城と幕府の要所となる城郭では、町割りまで担当している。

たぶん、高虎が家康に口を利いたのだろう。関が原の少し前だ。一方、高虎は家康のために、石田三成寄りの諸藩の大名に対して「寝返りおすすめメール」をせっせと書いていた時期だ。スパムメールみたいなものだが、小早川某には効果があったわけだ。

勝了ボタン?

2008-11-08 00:00:42 | しょうぎ

e65c7f96.jpg将棋連盟からのDMの中に、携帯用の対戦型ネット将棋のパンフが入っていた。実は、同じ日に別のルートからも手渡しされていた。連盟が一枚かんでいるに違いない。ネット対局といえば、将棋倶楽部24にも携帯から入れたと思うし、いつも重複投資みたいなことをやっているように外野席からは見える。

わざわざ、携帯を使ってまで、将棋の対局をしたいとも思えないし、電車とかの移動体から対戦をしていても、通信環境が安定していないと、途中で切れてしまうだろう。

月額315円らしいが、ちょっと遠慮しておく。

ところで、対戦型ではなく、ゲームとして電車の中で、将棋ソフトで遊んでいる人がいる。先日も、朝の通勤時に私の目の前に立っている男性が、ゲームをしていた。満員で混雑していて、僅か50センチの距離なので、思わず目に入ってしまった、というか、ずっと同じ体勢だったので、局面まで見えてしまうのだが、男性の向い飛車に対して、ソフト側が居飛車穴熊に失敗。それなのに逆に端攻めを敢行。無茶苦茶弱いソフトである。そして、不利になってから、うんうんと長考する。「ソフトが考えています・・」という表示である。

不利になってから考えるということ自体が弱い証拠だが、どういう設定かしらないが、詰まされるまで投げないつもりのようだ。同様、以前、JALで台北に飛んだ時に、前席の背中についているテレビゲームに引っかかり、おもわずコーヒー一杯飲み損ねたことがあった。

大有利になった場合、早く、ゲームを終わりにする唯一の方法は「投了(負けました)」というボタンを押せばいいのだが、心理的にそういう気分になれない。実際には、人間と指しているのではないのだから、元より「勝ったということにして、投了ボタンを押せばいい」だけのはずだが、なかなか客観的になれないのが、人間という動物に組み込まれた欠点である(下がる持ち株を売れないのも、そのせいだ)。

一人用ゲームには、ぜひ、「勝了ボタン(勝ちました!)」を、設定してもらいたいものである。(その癖がついて、実際の人間との対局で、有利になった局面で、「勝ちました」と言ってしまうと、将棋友達が一人減ることになるだろう)

ところで、その将棋携帯を持った男性だが、たまたま同じ地下鉄駅で下車し、たまたま途中まで同じ方向に歩いて、国民の財産である、○○○○省と書かれた建物の中に吸い込まれていったのである。

もちろん、携帯画面にチラチラと視線を送りながらではある。しつこいなあ。


e65c7f96.jpg今週の問題は、実に「おおがかり」。1年半ほど前に創った作だが、「主たる筋」の周りに、まどろっこしい罠が多数存在して、「短めに」解答しがちかもしれない。

持駒なしだが、最初に、「およそ詰む」という筋を見つけてから、途中の「攻守揉み合い」を楽しんでいただければ幸甚である。



詰んだ!、と思った方は、コメント欄に最終手と手数と酷評をいただければ、正誤判断。/P>


e65c7f96.jpgさて、10月25日出題の解答。

▲2五銀打 △4三玉 ▲5三桂成 △同玉 ▲5四歩 △同玉 ▲5五歩 △同玉 ▲5六歩 △5四玉 ▲4五銀 △同玉 ▲6五龍まで13手詰。

最後、△同玉で△5三玉は▲4四銀引まで同手数。

連打の歩が登場する。創る側の論理からいうと、焦点の捨て駒連発とかは、まあ、当然過ぎて、その筋のオーソリティに任せておけばいいや、あまり見ない形にしようかな、という潜在意識があって、あるネタを作品に改造していく過程で、そういう個人的嗜好が表現されていくのだろう。

動く将棋盤は、こちら



びっくり寿司倒産で、ビックリ

2008-11-07 06:43:58 | 企業抗争
まさか、突然倒産して世間をびっくりさせようとして、この商号を選んでいたのではないだろうが、自宅(横浜)近くのロードサイドにも何軒もある「びっくり寿司」が倒産して、ビックリだ。

倒産後のお決まりのごとく、おそらく、従業員は再雇用先のあてを探し、社長は逃げ回り、貸し込んでいた地銀は大慌てで、売掛金を持っている魚屋さんや米屋さんは、怒りと嘆きにあえぎ、連鎖倒産の危険におびえる。

そういえば、以前は時々、「びっくり寿司」に行っていたが、最近は、前をクルマで通る時に、「そういえば、最近行ってないなあ、来週くらい行ってみようかな」と思うだけで、実際には行かなくなって1年以上経つような気がする。つぶれたのは私のせいじゃないかと申し訳なくなる。たぶん、何らかの原因で、顧客が減っているのだろう。東京商工リサーチの大型倒産情報を読むと、その辺の事情がうかがわれる。

(株)びっくり本舗

民事再生開始申立 [東京] 寿司・焼肉店経営 負債総額 約 50億 円

(株)びっくり本舗(世田谷区等々力7-2-7、設立昭和58年8月、資本金1000万円、東山富士男社長、従業員300名)は10月24日、東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。

負債は債権者134名に対して約50億円。

同社は昭和43年創業、58年8月法人化された寿司・焼肉店経営会社。江戸前寿司店「江戸前びっくり寿司」、回転寿司店「廻転びっくり寿司」を運営するほか、焼肉店「高麗」、「本格炭火焼やきにく村」を経営し、平成19年4月期には年商約90億9000万円をあげていた。

また、19年6月には(株)マリンポリス(岡山県、寿司店経営、元JASDAQ上場)に対するTOB(株式公開買い付け)や(株)タスコシステム(東京都、飲食店経営、JASDAQ)との業務提携(その後解消)などで業容拡大を図っていた。

しかし、新規出店やM&Aなどによる投資負担などから資金繰りは逼迫。19年8月末には1回目の資金ショートを起していた。以降、スポンサーとの交渉や不採算店舗の閉鎖などのリストラや経費削減などに取組んでいたが、新たな資金調達が困難となり、今回の申立となった。 

なお、びっくり本舗の主要事業については、TRNコーポレーション(株)(名証セントレックス)の子会社の店舗プレミアム(東京都渋谷区)との間で、裁判所の許可の下、事業譲渡契約を締結することを決定している

これを読むと、売上げが落ちた時に、業容拡大をもって乗り切ろうと寿司チェーンを拡大しようとして失敗し、そのあとリストラをはじめたが、間に合わず資金調達困難になったとされている。

帝国データバンクの分析では、さらに、客単価の下落と仕入原価の上昇という要因が付け加えられている。燃料費高騰で魚価が上がったのではなく、中国による高級魚買占めの影響だろうか。疑いたくはないが、産地表示の問題とか影響があるのだろうか。

さらに、最近は、郊外店もショッピングモールに入っていないとスタンドアローンということになる。なぜかショッピングモールには「沼津港 魚がし」というチェーンが一気に増殖中である。大衆魚や高級魚をごっちゃまぜにして顧客が勝手に皿を選ぶという『回転寿司』という業態が、もう成り立たないのかもしれない。神奈川や静岡は、新製品や新業態のモデル地区になっていることが多いそうだから、これから全国で郊外の「大衆的くるくる」は絶滅に向かい、ショッピングモールの中の「ミドルクラス限定」という店舗展開に向かうのだろうか。まさにガラパゴス列島の進化は続く。

もう一つの経営の柱だった、「焼肉チェーン」は、BSE問題が直撃されたのだろうか。あるいは、もう、日本人の口に「焼肉」は合わなくなったのだろうか。私は、「焼肉」ファンなのだが、宴会のチョイスで「焼肉」というと、一気に友達を失いそうな感じが漂うのである。もちろん、毎日、特上カルビなんかジュージューあぶって食べていれば、病院直行だろうけど。

牛角チェーンがam/pmを手放そうとしているのも、案外、焼肉の方も炭焼状態になっているのかもしれない。2011年には団塊世代が、やっと年金受給年齢に達するのだが、「年金もらって、焼肉行こう」とかキャンペーンすればいいのだろうか。

いや、2011年から、消費税アップしかないそうだ。というのも、団塊世代が年金を受給しはじめるからだ。 

オバマ氏について(ほぼ与太話)

2008-11-06 00:00:52 | 市民A
大統領選挙は選挙人獲得数は大差となったが、投票率をみるとオバマ(53%)、マケイン(47%)と極端な差ではない。ただし、昨日のエントリで触れたように、どちらの政党も基礎票が45%ずつ、とすると、浮動票10%が8:2に分かれたことになる。

まあ、結果として政党の問題なのか、候補者本人の問題かよくわからない。オバマが共和党で、民主党のクリントンと対決していたらどうだっただろう。

ところで、数日前からCNNを視ていて、気付いたのが、「オ・バ・マ」の発音。日本のアナウンサーは、・バ・マとオにアクセントをつけていることが多いが、どうも、オ・と「バ・マ」の方を、ちょっと強く発音しているように聞こえる。もっとも、かつてレーガン大統領の時も、元々はリーガンと書いていたのがいつの間に途中からレーガンに替ったのだから、発音くらい気にしないのだろうか。(ついでに、バラックという発音は、ほとんど「ブラック」と聞こえるのだが、そんなことを口に出す人はいない)

また、選挙戦の途中から、ファッションリーダーになっていたミッシェル夫人だが、オバマ氏が弁護士事務所に就職した時の同僚といわれるが、バラックの方がミッシェル・ロビンソンの部下だったそうだ。普通、部下に手をつけちゃいけないはずなのだが・・

そして、今回、彼女は、「バラックが負けてもオバマは負けない」と言っていたそうで、夫が当選しなかったら、次は、自分が出るということだったそうだ。まったくクリントン夫妻みたいだが、大統領執務室で妙なことを真似して、寝室に入れてもらえずソファーで眠ることがないようにしなければならないだろう(ブッシュも深夜にフットボールのテレビを見ながら眠ってしまっていたそうだから、よく仕事をするソファーだ)。

イスラム圏からみると、イスラム教徒のこどもはイスラム教であるから、現在、キリスト教のオバマは棄教者ということになる。犬以下。

気になることは、民主党政権で銃規制強化が予想されるとして、現在、銃の駆け込み購入が増えているそうだ。銃といえば、日本の総理大臣と肩を並べるほどの銃の達人であるチェイニー現副大統領と8親等の親戚だそうだ。8親等ということは、祖父の祖父が共通。仮に各世代、こどもが二人ずつと仮定すると、バラックの横に並ぶのは16人という計算になる。

一方、私が個人的に気になるのは、共和党副大統領候補であったサラ・ペイリン。最後にカナダ人コメディアンによるニセ・サルコジのフランス訛の英語にだまされ、次期大統領を狙っていたことが判明。サルコジ氏が英語を話せないことを知らなかったことがばれてしまった。もちろん、はじめてパスポートを取得したのが2006年で、欧州にも行っていないらしい、との噂もある。(もっとも、それが平均的なアメリカ人らしいが)

落選してしまった彼女の最大の心配は、12月に出産予定の長女B子(17歳)さんの高校生のボーイフレンドが、選挙が終わってしまってもなお、結婚する気が残っているかどうかだろう。4年後、8年後のためにも・・

米国大統領選挙鑑賞のついでに

2008-11-05 00:00:35 | 市民A
ついに米国大統領選挙の日になる。大方の予想は「オバマ大勝」ということだが、「大勝」といっても日本の衆議院選挙みたいにどちらかが2/3とか言うことにはならない。

よく言われるように、有権者の45%は民主党で、45%が共和党の基礎票ということだそうで、浮動票10%の争いということだそうだ。だから、普通の状態なら、いずれにしても僅差になる。そのために、親戚の不始末やささいな不祥事をあげつらうネガティブキャンペーンに頼ったりする。

例えば、今回の結果が55対45になったとしたら、浮動票が全部オバマに回ったか、現政権への批判ということなのだろうが、超現実主義の米国民が、やめる政権の評価をして、次の候補者を選ぶとも思えないので、やはり、巨大な経済危機に立ち向かうには、主義主張より「大統領の体力」と感じているのではないだろうか。

経済失政の原因が現ブッシュだけにあるのか、その前のクリントンにあるのか、さらにその前の、父ブッシュとかレーガンに遡るのか。グリーンスパンを黄金の椅子に座らせたのは、レーガンである。グリーンスパンは、椅子に座って二ヶ月でブラック・マンデーに襲われ、彼の政策の事実上の出発点はブラック・マンデーと考えれば、さらに誰の責任かわからなくなる。

本来は、ブッシュ政策で責められるべきは、軍事政策の方だったかもしれないが、失ったものに対し、得たものが少ないということだろうか。

ローマに喩えて、「ネロが失政をしたからといってローマが崩壊したのは、もっとずっと後だ」という言い方をして、「ブッシュがいたからといって米国が破綻することはない」という言い方もよく聞く。ネロ(在位西暦54年~68年)の時代から西ローマ帝国の崩壊(476年)までは、400年も必要だ。徳川幕府以上である。


さて、ローマ帝国との関連なら、誰も指摘していないことがある。

まず、現在進行形の大統領選挙のスケジュールだが、

 11月4日、米国民による大統領選挙で選挙人選出

 12月15日、選挙人による間接選挙で大統領候補に投票

 翌1月6日、新議会で、大統領選挙の結果を正式に発表

 1月20日、大統領就任式を行って、正式な大統領となる。

つまり、2ヶ月半も政権無責任状態が続くわけだ。麻生政権の解散先延ばしの言い訳が、米国ではシステム的に発生してしまう。こんなに重要な時期なのにだ。

ここで、思い出すのが、ジュリアス・シーザーのこと。初代ローマ皇帝になり損ねた男。彼の業績多数の中の一つが、カレンダーである。現在のグレゴリオ暦の母体となるユリウス暦を決定し、導入する。1年を365日にし、4年に1回、うるう年と定める。

最初のうるう年になる前に暗殺されてしまい、ローマ人は、最初は3年に1度のうるう年にしてしまうという大失態を演じたのは余談なのだが、現在にいたるまで、解明されていないのは、「なぜ、1月1日が、真冬になってしまったか」という、「年の初めの日の設定問題」である。

実は、当時の会計年度に合わせたらしいのだが、シーザーよりずっと古代のローマでは、会計年度は春分の日から始まっていたそうだ。ということは、いつの時世か、3月20日頃から1月1日まで2ヶ月半程度、会計年度が前倒しになったはずだ。つまり、その前の年の1年は9ヵ月半だったことになる

いつ、そういった事態になったのかはっきりしないが、どうも、あるボンクラの執政官の時に、国家存亡の国難があったと考えられているそうだ。その執政官の任期はまだ二ヶ月半残っていたのだが、次のリーダーに早く引き継ぐために、突然のように会計年度を終了して、事実上、早くクビにしてしまったそうだ。

もちろん、真相が判っているのではないので、案外、追加経済対策とかバラまいてしまって、財源がなくなって、「今年は、ここで打ち止め」とかなって、繰上げ新年度となってしまったのかもしれない。

米国も2ヶ月半、前倒ししたらどうなのだろうか。

山梨ヌーボーまつり、日比谷公園で勘違いしている人たち

2008-11-04 00:00:43 | マーケティング
数年前から、欠かさずどこかの新酒(ワイン)まつりに足を運んでいる。昨年に続き、日比谷公園で開かれた「山梨ヌーボーまつり」へ。何しろ、最近の山梨のワイナリーはレベルが上がっている。葡萄の種類も多様で、甲州、マスカット、ベリーA、巨峰といった有名品種だけでなく、アジロン、ナイヤガラ、葡萄蔓(えびかずら)といった品種で新味を競っている。今回も36社、68銘柄のワインの新酒が並んでいる。



ところが、11時の会場に遅れること10分ほどだったのだが、公園を半周するほどの長蛇の列。一体・・。

たぶん、東京に大震災が訪れると、こういう大きな公園では、配給食糧をもらう列が、このように並ぶのだろう。余震の中で、整然と行動できるかは、本当のところよくわからない。個人的には、日比谷公園ではなく芝公園の方が安全ではないかと思っているが、大きな根拠はない。そんなつまらないことを考えながら、ひまつぶしに携帯でワンセグ放送を視るが、たいして面白くもない。やっと1時間10分後に受付に到達し、700円と引き換えにワイングラス1つを入手。このグラスを持って68銘柄のワインを2センチずつ飲んでいくことになるのだが。

もちろん、全部飲んだらひっくり返ってしまうのだろうが、「あと8種類」とか頑張る声が聞こえたりする。試飲して、気に入ったワインを即売所で買うためのフェアなのに、「飲み放題」と思っている人。大きな勘違いの一だ。

さらに、救護所に酔いつぶれたオッサンが倒れていた。勘違いの二だ。

何ヶ所か回っているうちに、この大混乱の原因がわかってきた。会場の広場の中央部分に、ビニールシートを敷いて、お花見風に酒宴を開いている人たちが数十人いることがわかってきた。多くの人は、広場の外側の芝生の部分で、お弁当広げているのに、なんで広場の中で邪魔をしているのだろう。そして、山梨からきた会場設営係の人たちは、なぜ、注意しないのだろうか。その人たちのために、会場が狭くなり、混乱し、その結果、長蛇の待ち列ができているのにだ。

しかも、混雑の中で赤ワインをこぼして迷惑をかけそうになるし、自爆してワインを浴びた男性約1名も目撃した。



おそらく、山梨からきた係員の人たちは、「日比谷公園」に集まる「東京人」に、何らかの文化的コンプレックスを感じていて、注意できなかったのだろう。「東京って、こういう流儀なんだろう」とか思っていたのだろう。大間違いだ。

だいたい、東京圏に二代住んでいれば、東京のほぼ中央ともいえる日比谷公園の広場に、ビニールシートを敷き座り込んだりはしないだろう。一応、「恥」というのがある。だいたい、そういうことするのは、ある県人会の人たちだろうとは推測がつく。名産品が自動車とケチャップで、町の中央にテレビ塔が立っていて、ワインをウミャ~ウミャ~と飲んだりする。勘違いの三。


ところで、ワインの話だが、個人的には昨年の方が、若干、上出来だったのではないかと感じた(あくまでも、実際に飲んだ範囲で)。お勧め新酒ワインを列記すると、

フジッコワイナリー(株)フジクレール クラノオト ナイアガラ白(1500円)甘口

信玄ワイン(株)葡萄蔓(えびかずら)2008マスカットベリーA赤(?円)中口

麻屋葡萄酒(株)麻屋アジロン2008赤(1600円)中口、現地で自分で書いたメモには「床屋ぶどう酒」となっているが、”ASAYA”とボトルに書かれていたように思う。まったく字が書けなくなっている。

日比谷公園では、このフェアは11月3日と4日に開催。実は、11月末に解禁になるイタリアの新酒をカートンで注文しているので、財布の開口度は、ほんのちょっとだけにしておく。

パナ、三洋買収の先には、次期プリウスが

2008-11-03 00:00:25 | 企業抗争
株価が暴落が終われば、その先には、各業界内で、キャッシュリッチ会社によるM&Aがあるだろうと思っていたら、モデルケースが登場。電機メーカー内のバランスシートの差は、驚くほど大きく、キャッシュリッチな、ソニー、パナ、シャープ三社に対して、三洋、東芝、富士通、NECの四社は決算書を見てもハラハラドキドキである。(三菱、日立は中間かな)

ついに三洋もパナに吸収される。もちろん、パナのお目当ては、電池だろう。その他の現三洋のビジネスがどうなるのかは、よくわからない。

そして、電池と言えば今や、自動車。トヨタ・ホンダが先行したハイブリッドでは、ニッケル水素電池が使われている。トヨタはパナソニックとの合弁会社で開発。ホンダは三洋から購入している。気になるのは、ホンダの企業秘密がトヨタに抜けるのじゃないか、ということ。守秘義務の契約がよくわからないが、単にホンダが三洋から電池を買っているだけなのか、それ以上(企業秘密の共有について)なのか。

そして、プリウスは間もなく三代目が発表されるのだが、噂されていたプラグインハイブリッドではなく、従来のガソリンエンジン+ニッケル水素電池の組み合わせになるようだ。エンジンは1500CCから1800CCに増えるそうだが、トータル燃費はかなり伸びるようだ。

どうも、プラグイン方式を採用するためには、ニッケル水素電池ではなく、リチウム電池が向いているが、車に乗せるための振動対策などが間に合わなかったようだ。

一方、三洋はリチウム電池では一歩前に出ていて、フォルクスワーゲンはじめ、不特定のカーメーカーに電池提供をする予定だった。

つまり、今回の吸収では、「パナ+トヨタ」のリチウム電池開発を早める効果と、その製品を他社に渡さない効果があるわけだ。

いずれにしても、日立は日産、ユアサは三菱自動車、東芝は不特定メーカーというように、開発競争が激化している現状では、パナが三洋を抑えたとしても、効果は時限的と考えられる。

ということで、今回のM&Aで、最も喜んでいるのが、時々、ボーナスの一部が、現金でなく「自社製品の社内販売クーポン」になっていただろう三洋の社員なかもしれない。

もっとも、リストラによる早期割増退職金年収1年分の一部または全部が、「三洋・パナ共通の社内販売クーポン」ということになったら話はまったく別だろうか。

ONE SHOW 2008

2008-11-02 00:00:20 | 美術館・博物館・工芸品
汐留の「アド・ミュージアム」で「ONE SHOW 2008」展が開かれている(~11/15)。



アド・ミュージアムの入っている巨大ビルは、世界最大の広告会社である、電通ビルである。そして、この「ONE SHOW」とは、ニューヨークで、ONE CLUBが毎年5月に選出する世界でもっとも権威のある「広告大賞」ということ。

2008年の受賞作品が紹介されている。いくつかの部門にわかれ、それぞれ金、銀、銅のメダルや入賞作品が発表されるようだが、日本は国別では4位だそうだ。



しかし、正直、海外勢の作品というのも、感覚が違うのか、よくわからない。ヒトラーの肖像風のデザインが金メダルなのだが、何の広告なのかもわからない。インドの広告である。広告も、人と人を結ぶコミュニケーションの一形態と考えれば、そもそもAという国の会社がA国内の顧客にアピールする場合、B国の広告会社が介在するのはちょっと無理だろうが、多国籍企業が登場すると、新しい感覚が生まれるのかなと、思う。

日本勢の金メダルで、一番話題になっていたのが、ライバル(でもないか)博報堂が野生生物の保護を訴えるためのポスター。パンダやゴリラなどの希少生物の個体数をデジタル画像のドット数に置き換え、少ない種が、このままでは見えなくなる(絶滅する)と訴えている。



ユニクロの「ユニクロック」は、これも電通でない広告会社の作(メモしなかったので不明)。結局、評価といっても適当に営業的に各国にばらまいているのかな。何しろ、佳作を含めて受賞作は大量である。



そして、わずかに王者電通は、関西支店が求龍堂という従業員20名の美術書製作会社が開いた「俳句展」のポスターで金賞を受賞して面目を保ったようだ。ただし、ロゴマークは、有名な「リンゴマーク」に似ているような気もしないでもない。



ところで、この「ONE SHOW」の受賞トロフィーだが、カップではなく、「鉛筆」だそうである。デザインの原点は鉛筆ということのようだ。ある文学賞の記念品がペリカン万年筆のようなものだろう。

『戦う将棋指し2』

2008-11-01 00:00:32 | しょうぎ
a0d35d8e.jpg先週、取り上げた「戦う将棋指し」についで、続刊である「戦う将棋指し2」。これもブックオフで105円のまとめ買い。

1999年4月の別冊宝島を2000年2月に文庫化したもの。

実は、この時期、前刊のインタビューで賢人ぶりを見せていた中原誠氏が、女流棋士との不倫疑惑(というか事実)に走っていたことが、発覚した直後で、本書にも至るところにその話題が登場している。

本書でインタビューを受けているのは、羽生善治氏と時の名人佐藤康之氏、対談物として、「米永(目次は米長ではなく米永?になっている)邦雄氏と瀬戸内寂聴師」、「矢内理絵子女流三段と碓井涼子女流二段」。その他のページは、棋士のエピソード系だが、あまり間接的な話は正確じゃないだろうからここでは省略。

まず、羽生さんのインタビューだが、これがまた、いつものように、よくわからない。よく考えれば、将棋が強いというだけで、ごく普通のエリートサラリーマンと同じようなことを喋っているように思える。普通の将棋指しが、あまり普通の考え方をしていないのは、名人戦移籍騒ぎの時に感じていたのだが、単に羽生さんが一般人と同じような考え方をしていると思うのは、複数の新聞を常に読んでいるのだろうと感じる程度だ。

本当に知りたいのは、「どうやって、盤上盤外の誰も読んでいない好手を見つけ出すのか」というところなのだが、今まで、数ある羽生語録をいくら読んでも、書かれていないような気がする。

インタビューの最後で、中原事件を引き合いに出し、羽生氏自身の浮気願望について問いただすところがあるのだが、

「忙しすぎて、無理」という結論とともに、「10年、20年後はわかりませんね。」ととぼけているのだが、何気なく読み飛ばしそうになるこの部分だが、今考えると、もっと違う意味があると思う。

この2000年頃は忙しいが、10年後(2010年頃)から20年後(2020年頃)にかけて、暇になる。つまり、負け始めるだろう、と本人は、潜在意識下では思っていたわけだ。

ただし、当時の潜在意識がそう思っていたからといって、今もそう思っているとは限らないだろう。


次に、米長VS瀬戸内対談。だいたい、予想通りの展開である。ただ、中原事件について、唯一、寂聴師は理解のあるところを示していて、「あんな魅力的な娘が自分の方から誘惑してきたら、落ちますよ。男は。」ということらしい。小説家らしいクールな分析である。


時の名人、佐藤康之氏のインタビューは、かなり長いが、将棋が強いという特技の人に、将棋以外の話をいくら聞き出してもしょうがないじゃないか、と思ってしまう。この時、名人だった彼は、2005年には三冠を狙うと言っていたのだが、実際は、名人を失ったあと、棋聖を取るも、2005年時点では一冠。2006年に棋王となり二冠となるも、現在は一冠。思うようにはいかない。

そして、女流棋界を代表する矢内さんと碓井(当時)さんの対談の中に、伝説となっている「女子トイレが唯一の休憩室」という話が書かれていた。シチュエーションがよくわからなかったのだが、奨励会で男性と混じって対局している時の話だった。女流棋戦の時じゃなかったわけだ。男性ばかりなので、食事とかで休む場所がトイレしかなかった、という情けない話だった。男尊女卑もいいとこだ。韓国みたいである。

そして、対談を読んでいて、感じたのだが、この二人は仲が悪そうである。対談になっていないような気がする。碓井さんが奨励会のときに、勝っても負けても怒ったように席を立って帰っていったことや、逆に矢内さんが、逆転負けしたときに、女子トイレで腕時計を床に叩きつけていたこと、などが相互に明かされている。

碓井さんは、好きなタイプの男性として、「経済的に自立していて、ヒモみたいな男は許せないの!」と言っている。現在は男性棋士と結婚し、姓が千葉と変わっているのだが、テレビ出演料など総合的に考えた場合、夫妻のどちらが税率が高いのだろうか。ちょっと心配。


a0d35d8e.jpg0月18日出題分の解答。

▲1六玉 △2六桂 ▲2三香 △1二玉 ▲2二香成 △1三玉 ▲2五玉 △1七竜 ▲2三成桂まで9手詰。

「逆王手をかいくぐる」というヒントにも拘わらず、既に逆王手がかかっているので、▲2三香から5手詰というわけにはいかない。先手の王が▲1五まで行くと逆王手が待っている。二手目は玉方の移動合い。このあと香車でちょっと攻めた後、7手目に桂馬を取って欲張ると、△1七竜が逆王手になる。

なんとなく、難しさが伝わらないような問題である。

動く将棋盤は、こちら


a0d35d8e.jpg今週の問題には、難解な手は一つもないはず。マラソンでもクロスカントリーでもなく砂利道のジョギング型である。

しかし、もちろん手順を間違えれば詰まないし、詰みそうで詰まないような感じが漂うようになっているので、根気よく調理していただければ、と思う。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評いただければ、正誤判断。