パナ、三洋買収の先には、次期プリウスが

2008-11-03 00:00:25 | 企業抗争
株価が暴落が終われば、その先には、各業界内で、キャッシュリッチ会社によるM&Aがあるだろうと思っていたら、モデルケースが登場。電機メーカー内のバランスシートの差は、驚くほど大きく、キャッシュリッチな、ソニー、パナ、シャープ三社に対して、三洋、東芝、富士通、NECの四社は決算書を見てもハラハラドキドキである。(三菱、日立は中間かな)

ついに三洋もパナに吸収される。もちろん、パナのお目当ては、電池だろう。その他の現三洋のビジネスがどうなるのかは、よくわからない。

そして、電池と言えば今や、自動車。トヨタ・ホンダが先行したハイブリッドでは、ニッケル水素電池が使われている。トヨタはパナソニックとの合弁会社で開発。ホンダは三洋から購入している。気になるのは、ホンダの企業秘密がトヨタに抜けるのじゃないか、ということ。守秘義務の契約がよくわからないが、単にホンダが三洋から電池を買っているだけなのか、それ以上(企業秘密の共有について)なのか。

そして、プリウスは間もなく三代目が発表されるのだが、噂されていたプラグインハイブリッドではなく、従来のガソリンエンジン+ニッケル水素電池の組み合わせになるようだ。エンジンは1500CCから1800CCに増えるそうだが、トータル燃費はかなり伸びるようだ。

どうも、プラグイン方式を採用するためには、ニッケル水素電池ではなく、リチウム電池が向いているが、車に乗せるための振動対策などが間に合わなかったようだ。

一方、三洋はリチウム電池では一歩前に出ていて、フォルクスワーゲンはじめ、不特定のカーメーカーに電池提供をする予定だった。

つまり、今回の吸収では、「パナ+トヨタ」のリチウム電池開発を早める効果と、その製品を他社に渡さない効果があるわけだ。

いずれにしても、日立は日産、ユアサは三菱自動車、東芝は不特定メーカーというように、開発競争が激化している現状では、パナが三洋を抑えたとしても、効果は時限的と考えられる。

ということで、今回のM&Aで、最も喜んでいるのが、時々、ボーナスの一部が、現金でなく「自社製品の社内販売クーポン」になっていただろう三洋の社員なかもしれない。

もっとも、リストラによる早期割増退職金年収1年分の一部または全部が、「三洋・パナ共通の社内販売クーポン」ということになったら話はまったく別だろうか。