ONE SHOW 2008

2008-11-02 00:00:20 | 美術館・博物館・工芸品
汐留の「アド・ミュージアム」で「ONE SHOW 2008」展が開かれている(~11/15)。



アド・ミュージアムの入っている巨大ビルは、世界最大の広告会社である、電通ビルである。そして、この「ONE SHOW」とは、ニューヨークで、ONE CLUBが毎年5月に選出する世界でもっとも権威のある「広告大賞」ということ。

2008年の受賞作品が紹介されている。いくつかの部門にわかれ、それぞれ金、銀、銅のメダルや入賞作品が発表されるようだが、日本は国別では4位だそうだ。



しかし、正直、海外勢の作品というのも、感覚が違うのか、よくわからない。ヒトラーの肖像風のデザインが金メダルなのだが、何の広告なのかもわからない。インドの広告である。広告も、人と人を結ぶコミュニケーションの一形態と考えれば、そもそもAという国の会社がA国内の顧客にアピールする場合、B国の広告会社が介在するのはちょっと無理だろうが、多国籍企業が登場すると、新しい感覚が生まれるのかなと、思う。

日本勢の金メダルで、一番話題になっていたのが、ライバル(でもないか)博報堂が野生生物の保護を訴えるためのポスター。パンダやゴリラなどの希少生物の個体数をデジタル画像のドット数に置き換え、少ない種が、このままでは見えなくなる(絶滅する)と訴えている。



ユニクロの「ユニクロック」は、これも電通でない広告会社の作(メモしなかったので不明)。結局、評価といっても適当に営業的に各国にばらまいているのかな。何しろ、佳作を含めて受賞作は大量である。



そして、わずかに王者電通は、関西支店が求龍堂という従業員20名の美術書製作会社が開いた「俳句展」のポスターで金賞を受賞して面目を保ったようだ。ただし、ロゴマークは、有名な「リンゴマーク」に似ているような気もしないでもない。



ところで、この「ONE SHOW」の受賞トロフィーだが、カップではなく、「鉛筆」だそうである。デザインの原点は鉛筆ということのようだ。ある文学賞の記念品がペリカン万年筆のようなものだろう。