元厚労省次官宅連続襲撃事件

2008-11-23 00:00:03 | 市民A
一億総刑事になってもしょうがないが、犯人の糸口に近づいているのだろうか。点ではなく、線であるのは確かなように思えるが、古典的推理小説では、単に殺人事件の犯人が、捜査の矛先をかわすために、別方向へ誘導線を引いたりする。

1件目の事件も2件目の事件も午後6時半頃の犯行で、同一パターンであるのだが、1件目の事件のあと、2件目が警戒される可能性が高いので、一件目の犯行の方が重要だったのだろう。

犯行声明が届かないのは、「目的が政治的テロではなく、私怨だったため」か、「ネット上の声明はアシがつくため、現在郵送中」なのか、あるいは「すでに警察あるいは新聞社等へは声明が届いているものの捜査上開示していない」か、「もう一件準備中」なのか。

個人的には、「血盟団もどき」のミニ組織があるのではないか、と思う。

やや、危険な社会の匂いがするのは、

「被害者にあまり同情できない」という短絡的な人が何人かいたことで、小中学校で、昭和前期史をきちんと教えないツケが回っているのだろう。あるいは、みのもんた信奉者。

官僚天下になったのは、日本の官僚制度のどこかに問題があるからで、どうしても耐えられないなら次回選挙で民主党に投票すればいいだけの話である。それでもダメなら、また考えればいい。まあ、大多数の国民は健全だろうが、一部、変なのもいると思う。




ところで、今回の事件では、宅配便の扮装で、被害者宅のドアが開けられてしまったのだが、ある知人が、「証拠死体/パトリシア・コーンウェル」と同じじゃないか、と指摘していた。

パトリシア・コーンウェルが講談社文庫から「検屍官ケイ・スカーペッタ」という人気シリーズを出している、第二冊目である。一作目の「検屍官」に続き、女性検屍官が死体解剖をして犯人を突き止めるという、新しいミステリの分野を確立し、翻訳者相原真理子さんの生活も安定した(関係ないか)。

この「証拠死体」では、有名女流作家が自宅で殺害されるところから書き始められる。

以前から脅迫を受けていて厳重警戒していた彼女が、なぜ犯人に自宅へ侵入されたか。というのが、一つの大問題で、こちらも航空機のハイジャックとの関係とか色々紛らわしい筋がでてくる。

ここまで書かれて、今更購入して読む人はいないだろうから、結論を書くと、「犯人が宅配便に変装したため」。アメリカには受取印鑑を押す制度はないから、玄関にシャチハタが落ちていたりはしないので、捜査難航。

最後は、捜査の網を絞られた犯人が、一人暮らしのケイ・スカーペッタの自宅を急襲し、宅配便配達員に扮装してドアから侵入し、ナイフを持って室内で襲いかかるわけだ。


一方、日本の宅配便業界は、業者乱立時代の大競争時代がとりあえず終了し、大手三社になっている。世界的には、米国勢やドイツ勢も強いのだが、規格外の何でも、すぐに運ぶという日本式ビジネスに怖れをなして、深入りしていない。今回の事件のあと、配達した荷物をドアを開けて受け取ってくれないという事態が多数発生しているそうだ。

自分が事務次官である人は数少ないだろうが、模倣犯を警戒しているのだろう。実際、オートロックマンションなどでは、配達車がいるのかどうかも見えないし、カメラが設置されていない場合は、配達員(セールスドライバーとかいうらしい)の顔も確認できない。

今回の事件で、犯人は、ヤマトのユニフォームなのに「ヤマトです」とか「宅急便です」とは言わず、「宅配便です」と普通名詞で言ったらしいが、そのホコロビに気付く人は少ないだろう。

では、どうすればニセ宅配業者から身を守ることができるだろうか。ずっと考えていたのだが名案は浮かばない。まあ、担当の人の顔を覚えるのは有効だが、いつか担当換えだってあるだろう。


ところで、参考のため、ミステリの中でニセ宅配便配達員に襲われ、ナイフで追いかけられたケイ・スカーペッタはどうやって身を守ったのか。

まず、台所に逃げていって消火器を賊の顔にめがけて噴射したわけだ。一瞬ひるんだものの、まだ襲い掛かろうとする男の頭に、鉄製のフライパンを打ち落とし、鼻を砕く。

そして、寝室に逃げ込み、執念深く追いすがる犯人に、最終手段を実行する。

「ルガーの一発」である。(ルガーにはドイツ製と米国製があるが、たぶん米国製と思う。ドイツ製はナチスドイツが使っていた)

この方式を日本の家庭で応用した場合、最大の問題は、事件解決後の後始末だろうか。いろいろと・・