米国大統領選挙鑑賞のついでに

2008-11-05 00:00:35 | 市民A
ついに米国大統領選挙の日になる。大方の予想は「オバマ大勝」ということだが、「大勝」といっても日本の衆議院選挙みたいにどちらかが2/3とか言うことにはならない。

よく言われるように、有権者の45%は民主党で、45%が共和党の基礎票ということだそうで、浮動票10%の争いということだそうだ。だから、普通の状態なら、いずれにしても僅差になる。そのために、親戚の不始末やささいな不祥事をあげつらうネガティブキャンペーンに頼ったりする。

例えば、今回の結果が55対45になったとしたら、浮動票が全部オバマに回ったか、現政権への批判ということなのだろうが、超現実主義の米国民が、やめる政権の評価をして、次の候補者を選ぶとも思えないので、やはり、巨大な経済危機に立ち向かうには、主義主張より「大統領の体力」と感じているのではないだろうか。

経済失政の原因が現ブッシュだけにあるのか、その前のクリントンにあるのか、さらにその前の、父ブッシュとかレーガンに遡るのか。グリーンスパンを黄金の椅子に座らせたのは、レーガンである。グリーンスパンは、椅子に座って二ヶ月でブラック・マンデーに襲われ、彼の政策の事実上の出発点はブラック・マンデーと考えれば、さらに誰の責任かわからなくなる。

本来は、ブッシュ政策で責められるべきは、軍事政策の方だったかもしれないが、失ったものに対し、得たものが少ないということだろうか。

ローマに喩えて、「ネロが失政をしたからといってローマが崩壊したのは、もっとずっと後だ」という言い方をして、「ブッシュがいたからといって米国が破綻することはない」という言い方もよく聞く。ネロ(在位西暦54年~68年)の時代から西ローマ帝国の崩壊(476年)までは、400年も必要だ。徳川幕府以上である。


さて、ローマ帝国との関連なら、誰も指摘していないことがある。

まず、現在進行形の大統領選挙のスケジュールだが、

 11月4日、米国民による大統領選挙で選挙人選出

 12月15日、選挙人による間接選挙で大統領候補に投票

 翌1月6日、新議会で、大統領選挙の結果を正式に発表

 1月20日、大統領就任式を行って、正式な大統領となる。

つまり、2ヶ月半も政権無責任状態が続くわけだ。麻生政権の解散先延ばしの言い訳が、米国ではシステム的に発生してしまう。こんなに重要な時期なのにだ。

ここで、思い出すのが、ジュリアス・シーザーのこと。初代ローマ皇帝になり損ねた男。彼の業績多数の中の一つが、カレンダーである。現在のグレゴリオ暦の母体となるユリウス暦を決定し、導入する。1年を365日にし、4年に1回、うるう年と定める。

最初のうるう年になる前に暗殺されてしまい、ローマ人は、最初は3年に1度のうるう年にしてしまうという大失態を演じたのは余談なのだが、現在にいたるまで、解明されていないのは、「なぜ、1月1日が、真冬になってしまったか」という、「年の初めの日の設定問題」である。

実は、当時の会計年度に合わせたらしいのだが、シーザーよりずっと古代のローマでは、会計年度は春分の日から始まっていたそうだ。ということは、いつの時世か、3月20日頃から1月1日まで2ヶ月半程度、会計年度が前倒しになったはずだ。つまり、その前の年の1年は9ヵ月半だったことになる

いつ、そういった事態になったのかはっきりしないが、どうも、あるボンクラの執政官の時に、国家存亡の国難があったと考えられているそうだ。その執政官の任期はまだ二ヶ月半残っていたのだが、次のリーダーに早く引き継ぐために、突然のように会計年度を終了して、事実上、早くクビにしてしまったそうだ。

もちろん、真相が判っているのではないので、案外、追加経済対策とかバラまいてしまって、財源がなくなって、「今年は、ここで打ち止め」とかなって、繰上げ新年度となってしまったのかもしれない。

米国も2ヶ月半、前倒ししたらどうなのだろうか。