「バルトの楽園」は骨太だった

2006-07-17 00:00:20 | 映画・演劇・Video
ea3db0c1.gif映画「バルトの楽園」が公開された。第一次大戦ドイツ青島守備兵の日本での捕虜物語となれば、見ないわけにはいかない。しかし、この映画はカール・ユーハイム話ではない。徳島の坂東収容所でベートーベンの第九交響曲を演奏する話だ。実は、弊ブログ12月14日号「第九にふさわしくない場所」に紹介した実話を映画化したものだ。ユーハイムを追っているうちに、この映画が松平健主演で着々と撮影されていることは知っていた。彼がどんな役にはまるのか、今ひとつわからなかったのだが・・

まず、この映画、仕上げが荒っぽい。決して外国の映画賞を受賞するような美しさや緻密さはない。ただし、きわめて骨太。ぐいぐい押してくる。あらかじめ、ハンカチを胸ポケットに入れておく必要がある。さらにコンタクトは流出の危険あり。筋立てそのものは書かないが、松平健は坂東収容所の所長としてドイツ人の人権を守ろうとして陸軍の中で奮闘する。要するに映画の前半は彼のワンマンショーなのである。はっきりいって、暴れん坊将軍。そしてドイツ語をしゃべるので日本語の字幕が出る。会津出身者の陸軍内での葛藤もテーマの一つ。

ea3db0c1.gifそして途中からプロテスト映画に変わる。戦争が生んだ数々の悲劇が徐々に明らかになっていく。マツケンさんの露出時間も減っていく。戦局は終戦に近づき、収容所の周辺では日本人との交流も進み、ついに捕虜の製作した工芸品やお菓子の展示即売会まで開かれる。そして、ついに終戦。マツケンさんが登場し、元捕虜たちに、「これからは平等な人間」宣言をする。

帰国前に(元)捕虜たちが、日本最初の第九を演奏し、フィナーレとともに映画は終了し、一部の観客はコンサートホールのように拍手を続けるのだが、アンコールはない。

あえて言えばこの映画は最後の第九が謳いあげる「人類の希望」という大テーマの前には「浅い」。戦争と人間と国家の対立といったレベルまでである。だから最後が第九なのだろう。

さて、この映画が後半になり「低俗」から「骨太」に立ち直るのは、実は少女や少年たちの活躍が大きい。演じるのは、大後寿々花さん(1993年生)、タモト清嵐(そらん)くん(1991年生)など。特に大後さんは、「北の零年」「SAYURI」と明治から昭和までの近代史の中の動乱の少女を演じ続けている。期待しよう。


ところで、この映画の中で登場するカルル・バウム青年は青島ではパン職人だった。その他民間人も何名か捕虜になったのだが、これは明らかに国際条約違反と考えられる。なぜ、問題にならなかったかと言えば、ドイツが負けたからだろうし、その後は歴史の中に埋没したのだろう。映画ではその事情はわからなかった。バウム青年が実在人物だとすると、捕虜解放の一年前1917年に創立した神戸屋に就職したのかもしれない。

そのように、一部のドイツ人は日本に残り、欧州文化=ドイツ文化というように日本の中に親独気分を高めていったわけだ。一方、ドイツに帰国した人達は、祖国の惨状の中で、徐々にファシズムに傾いてゆく。ドイツ青島捕虜の処遇は、二つの国がいずれ、近づいていく遠因でもあったのだ。第九はその後、芸大から学徒出征があるたびに壮行演奏されることとなる。

そして、映画のスポンサーの一つはユーハイム社だった。4ヶ所ほどにバウム・クーヘンが登場するが、それは、ちょっと・・。カール・ユーハイムが収容されていたのは坂東収容所ではなく広島収容所。坂東と同様に広島でも展示即売会が開かれる。カール・ユーハイムは展示会のため、バウム・クーヘンを焼いてみるのである。

さらに、その時の広島の展示会場は、今も名前を変えて現存している。「原爆ドーム」である。広島が原爆投下地に選択された理由の一つは、米国人の捕虜収容所がなかったから、と言われているのだ。ea3db0c1.gif

藤堂高虎家訓200箇条(15)

2006-07-16 00:00:40 | 藤堂高虎家訓200箇条

藤堂高虎家訓200箇条に取り組んで、4ヶ月強になる。一つ一つは、つまらないものを多いが、なんとなく本人の気持ちに近づいてきたような気もする。やや難しい思考法をとる時もある。第146条で「けはれ」の概念が登場する。話は服装のことで室内着と外出着のことだが「ハレとケ」というのは柳田國男が提示した概念がはじまり、とされるのがWikipediaでも紹介されているぐらいなのだが、この当時でもそういうことばが使われていたということは、柳田國男の概念がどこからきたものなのかを再調査する必要があるのかもしれない。

第141条 假初にも人に物毎のかふばり不可成可慎

かりそめにも他人に対して強情を張ってはならない。慎むべきだ。

藤堂高虎流はその後の日本の基本になっているのだが、サッカー界に強力フォワードが育たない理由でもあり、領土外交、ミサイル外交で遅れをとってしまった。第二次大戦の時も、一部強情を張った関東軍を押えるすべもなかったわけだ。やはり専守防衛も限界があるのだろう。


第142条 人と申合する事を出しぬくへからす自然出しぬきても不苦事ハ一戦の砌か取籠者か追かけ者之時ハゆるしも可有其外ハ可慎

人と申し合わせていることを出し抜いてはならない。出し抜いてもいいのは、戦いのときか、取り囲まれた者か、追いかける者の場合は許される。その他の場合は慎むべきだ。

契約遵守の精神だ。ただし不可抗力(フォースマジュール)は除くということか。戦いの時は出し抜いてもいいし、四面楚歌の場合も約束を破るのは構わないということなのだろう。さらに追いかける者も出し抜きOKということだ。実際、関が原の戦いの時は、多くの武将に対して、徳川方に寝返るように手紙作戦を展開している。


第143条 我先祖の功を言女房の理発刀脇指の切の威言又ハ何にても安く求め貴く放したるいげん言へからす聞にくき物也身の自慢より発る事なるへし

先祖の功績を言ったり、女房の賢いことや刀剣類の切れ味がいいことや、または安く買い求め、高く売ったということを言ってはいけない。聞きにくいものである。自分の自慢話に発することだ。

この家訓が自分の子孫に伝わるとするなら、先祖の功とは自分のことになる。まあ常識的に言って、「親の功績」「妻の自慢」「自分の財産の自慢」を言えば言うほど低俗に墜ちるだろう。せいぜい「飼い犬の自慢」くらいにしておくべきだ。


第144条 千石より上の侍ハ自身の働稀なるへし内の者に情をかけ能者あまた持ハ用に可立第一主人江の御奉公成へし

千石以上の侍は、自分の働きは稀であるから、家来に情をかけよいものをたくさん雇うのは役に立つ。それが第一主人への奉公というものである。

要するに、殿様からすれば、家臣に対して、「もっと家来を雇って、私のために奉仕しなさい」ということだ。秘書給与を負担するのは、あくまでも家臣であって、殿様ではない。


第145条 小身成人ハ可成程諸芸を習ひ何の道にても御用に可立と覚悟尤の事自身のはたらき可為眼前

小身である者は、なるべく芸を習って、どんな道でも役に立つと覚悟するのがもっともなことである。自分の働きがすぐできる。

「小男の宴会一発芸」みたいな話だ。実はちょっと妙な感じは、この高虎、大男でありながら細心。さらに多事にわたって器用であったことだ。


第146条 我内にてハ如何様の衣類も不苦出仕抔の時ハ能物を可着世話にけはれを知らぬ侍ハ必出仕に恥をかくと言

自分の家の中ではどんな衣類を着てもいい。出仕する時はいいものを着るべし。世の中の「ケ」と「ハレ」を知らない侍は出仕する時、必ず恥をかく、という。

まず、ユニクロで表を歩くなということだろうが、原文の中に「けはれを知らぬ」という書き方で、「ケ」と「ハレ」という概念が登場する。二十数年前、柳田國男による、日本人の「ケ」と「ハレ」の思想を知り、たいそう感動したのだが、高虎の時代からの概念だったわけだ。藤堂高虎、侮れず。

とりあえず、入院用パジャマとか用意が必要か・・・


第147条 人の脱て置きたる衣類むさと不可見ぷしつけたるへし

他人が脱いで置いた衣類を無造作に見るべきではない。ぶしつけなことだ。

女性を口説くには三段論法というのがあって、「食事に誘う、お酒に誘う、ホテルに誘う」というのが一般法則だが、さらに「バスルームで脱いだ衣類は一枚ずつきちんとたたむ」という技が必要だったわけだ。


第148条 物やぷりすべからす必思ひ当る事度々に及ふ可慎

物を破ってはいけない。必ず、思い当たることが度々に及ぶ。慎むべきだ。

「物を破ってはいけない」、というのは書き物、手紙のことだろう。思い当たること度々ということは、当時は怪情報とかが渦巻いていて、電話やメイルもないのだから本人が書いたのかどうかも怪しい。何通かためておいて、「前回と同じ筆跡か」「論理に矛盾はないか」とか色々と後で分析しなければならなかったのだろう。

ところが、城造りの名人であった高虎だが、造った城の図面は一枚も残されていない。後世、色々困ったことがおきている。


第149条 侍の不断可嗜ハ武芸多しといへ共第一兵法たるへし不断大小脇に絶る事なしいらぬ様にても日に幾度も可入ハ刀脇指たるへし然る上ハ能稽古尤の事又曰兵法不知とても用に立もの有と言無理成へきか用人の兵法達したる時ハ一入たるへし昼夜心にかけ嗜へし

侍がふだん嗜むべきことは武芸が多いといっても、第一に兵法であるべきである。ふだん大小を脇に忘れず、不要なようでも一日に何度も入用なのは刀、脇差である。その上、よく稽古するのがもっともなことだ。また、兵法なんか知らなくても用に立つものがあるというが、それは無理であろう。兵法に熟達したときには一入(ひとしお)役に立つ。昼夜心にかけ嗜むべきだ。

これは、デイトレーダーや個人投資家向けの言葉だろう。株の論理は色々あって1冊4,000円位の本を買うと、それぞれ各種手法が紹介されている。もっとも、そんな多くの手法なんか知らなくても構わないという向きもあるのだが、毎日、板情報を見ないわけにはいかない。もっと成功してカリスマトレーダーとしてテレビに紹介された時には、テクニックを色々知っていると、ひとしお便利である。


第150条 群衆にてせり合時脇指苦労に成事あり左様の時ハ前へ廻し竪に可指又右の脇に刀のことくも可指かせに不成となり

多数が入り乱れて競り合う時に、脇差が邪魔になることがある。そういう時には前に回してたてに指すべきだ。また、右の脇に刀のように指してもよい。じゃまにならなくなる。

時々、このような戦闘法についての家訓が混じるのだが、高虎の領地は伊賀上野。忍者の本場であり、忍法の基本は、こういう格闘術の伝承であるのだが、高虎はこういった戦闘法については、伊賀入封の時に知ったのか、あるいは自らの若年時代の実戦技術として知ったのかどちらなのだろうか。


ついに200箇条のうち150箇条まで進む。

つづく


文学作品とは別の話なのだが

2006-07-15 00:01:28 | 書評
第135回芥川賞・直木賞の選考会が13日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に伊藤たかみさん(35) の「八月の路上に捨てる」、直木賞に三浦しをんさん(29)の「まほろ駅前多田便利軒」と、森絵都さん(38)の「風に舞いあがるビニールシート」が決まった。

伊藤さんは、昨年2月に第132回直木賞を受賞した作家・角田光代さん(39)の夫。今回の受賞決定によって、初の芥川賞&直木賞作家の夫婦が誕生することになる。

また、三浦さんは87年の第97回の山田詠美さん(受賞時28歳)以来19年ぶりに、20代での直木賞受賞で、歴代でも4番目の若さ。

芥川賞の伊藤さんと角田さんは早稲田大学の卒業生。これまで角田さんの意向もあり、結婚の事実は親しい出版関係者をのぞいては伏せられてきた。(2006年7月13日20時58分 読売新聞)



芥川賞・直木賞が決まって各種報道されているが、おおむねこの読売のような内容が多い。

笑ってしまうのが、19年ぶりに引っ張り出された山田詠美。「当時28歳」と書かれれば、誰だって計算してしまう。なんてことだ・・

そして、角田光代と伊藤たかみが夫妻であった話が「秘密扱い」というのも笑ってしまう。昨年、NHKで自宅の特集していたのに・・さらに対談で石田衣良が粉をまいていたのに・・・

それで、誰しもすぐに疑うのは、「伊藤たかみ著」と書いてあっても、本当は角田光代が書いていて、税金対策で夫の名義にしているのではないか?ということなのだが、よくわからない。将来(あるいはすぐにでも)離婚してしまったら、伊藤たかみ著作の著作権を注目すればいい。「半分は私が書いた・・」とかだと財産分与の時もめそうだ。

さて、伊藤たかみは過去2回芥川賞の候補になって3度目に受賞している。一方、角田光代の記録を見ていて驚く。まず平成4年から、5年にかけて3回も芥川賞の候補になっている。しかも平成14年には直木賞の候補になり落選。とうとう平成16年下期になって直木賞を受賞している。12年間もかかってやっと受賞している。色々、表を見ていると山田詠美だってそうなのだ。昭和60年下期から3期続いて芥川賞で落選したあと62年上期に直木賞を受賞している。

ところで、夫婦で受賞ということで、「池田満寿夫(故人)と富岡多恵子」はどうだったかと思うと、池田満寿夫は一発芸で芥川賞を受賞。一方、富岡多恵子は芥川賞の候補に二回なっている。さらに言えば、同居していても籍を入れていなかった。追加すれば、富岡多恵子の後の同居人、佐藤陽子も籍は入っていない。本妻が離婚に同意しなかったからだ。

作家の著作権という話で言えば、先日、帰宅電車の中で、席に座った。眠りそうだったのだが、KOと思われる中学か高校生かの3人が私の前に立って、その場にいない同級生の話をしていた。その同級生は遠藤君というらしいのだが、遠藤周作の孫らしい。親は普通の会社員らしい。生徒たちの話では、働くなくても印税が入るからうらやましい。というものだった。さらに驚いたのはこの3人でどうやって遠藤君のおすそわけに預かるかを相談していたのだが、ちょっとアブナイ話もあった。

少年法改正とか共謀罪新設ということになれば、電車の中で、うっかり仲間と相談でもすると懲役刑が待っているということを忘れてはならない。  


ロリン・マゼール(Lorin Maazel)「運命」DVD盤

2006-07-15 00:00:07 | 音楽(クラシック音楽他)
502a8d15.jpgクラシックのDVD盤は、あまりポピュラーではない。あまり多くは作られていない。しかし、国営放送局には大量の素材が残っているのだから、受信料未払いで倒産する前には是非、公開してほしいものと思うが、そういう話は全く聞かない。何枚か廉価版を買い貯めている中から、もっとも有名なベートーベンの5番を聴いてみた。

なんとなく、大病院で大腸の内視鏡検査をする前で、色々と心配が多く、まあ「運命」でも聴いてみるか、ということだ。こういう時に「レクイエム」を聞こうという気にはならない。

いつものように、DVDをセットしスタートボタンを押してからソファーに座ると、犬が膝に乗り、即座に眠り始める。まるで猫だ。そしてマゼールが登場するのだが、どうも変だ。なにしろステージにピアノがある。巨体のピアニストが登場する。運命にピアノが必要だったかなあ?と思ってしまう。そして指揮は始まるのだが、例の「ジャジャジャジャーン」じゃないのだ。指揮者のアレンジかと一瞬思うが、あきらかにピアノ協奏曲。どうも一緒にカップリングされた別の協奏曲が先のようだ。

そしてリモコンは手の届かないところにあり、犬は膝の上から動かない。ということで、「運命」がはじまったのはピアノ協奏曲4番が終わってからだ。

そして、このもっとも有名な交響曲は、一つのパターンがフルトヴェングラーということになっていて、1947年5月25日にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とベルリンでの公演が有名である。モノラルではあるが、例のLP盤では最大音量のところでバリっと音が割れるところがある。CD盤ではバリっではなくベコっとちょっと音が変わる。

マゼールはバイエルン放送交響楽団と1995年ボンのベートーベンホールの録音である。何か楽団員の方に「ベートーベンスタイル」が予め固定観念化され、指揮棒を振り回してやっとマゼール風になっているところがある。画質は良好である。

さて、DVDの面白さは指揮者の表情につきるのだろうと思う。特に運命は、高音大音量で鳴らす部分と、低い音で誰か(たぶん神)と打ち合わせるような部分が交互に繰り返す。その低く流れる部分でマゼールは、その場にいない神に、交響曲の今後の運命を相談する。そして嵐のような運命と指揮者(あるいはベートーベン)とは対峙することになる。そして、ホールには金管楽器や打楽器で稲妻が表現される。

はっきりいって、ピアノ協奏曲は不要だった。マゼールは熱演だった。そして、これからクラシックDVDをもっともっと購入してしまいそうでちょっと怖い。まあ、すべて私が病院から生還したら、の話である。====>生還してしまった。

神の手と神の目と

2006-07-14 00:00:52 | 市民A
63097429.jpg5月末の半日人間ドックに付帯した便潜血検査で「陽性」反応が出た。2本のうち1本だが、再検査した方がいいと言われる。もちろん、検査とはそのようにネガティブサイドから問題をつぶさなければならないわけだから、「鼻血や歯茎の出血でも反応します」と言われたところでしかたない。再検査を選択する。それに、鼻血も出なければ歯茎の出血もない。

実は3ヶ月前に、父親の大腸の一部を、手術直後に見たばかりなので、かなり気が滅入ってしまう。検査といっても下剤を飲んで何度もトイレに駆け込んで大腸を空っぽにして、下からファイバースコープを入れるのだから、検査中は人間を廃業した気持ちにでもなっていなければならない。そして、検査機関から送られてきた病院リストの中から、近くにある新しく巨大な昭和大横浜北部病院を予約しておいた。お世話になったことはないが人気の病院らしく、7月中旬の検査となった。

そして、朝日新聞夕刊に連載中の「神の手」と呼ばれる名医シリーズに、6月30日、その病院と工藤先生という医師が紹介されていた。日本有数の「神の手」だそうである。しかも「神の目」でもあるそうだ。突出したポリーブだけでなく、凹んでいるポリーブまで見つけ出す技術が売りだそうである。そして、彼の指揮する”消化器センター”は内科と外科の混合チームだそうだ。

記事を読むと、新潟大学から秋田赤十字病院へ移った時に有名になり、病院の看板塔になったものの内外に波風を立たせたそうだ。ありがち。そして2000年に昭和大が病院を新設した時に、目玉としてスカウトしたらしい。冷静に論理的に考えれば、名医に行き当たったのは、幸運でしかないだろう。

そして、7月の初めに医師と事前打合せを行ったところ、7月14日に検査を行うことが決まった。そして、仮にポリーブが見つかった場合は、その場で内視鏡で切り取るが、1週間はアルコール禁酒だし、病院で1泊(つまり入院)することになるとのこと。つまり来週の予定は何も立てられないことになる。

記事を読むと、この病院には、34の大学から50人もの若い医師が集まって研修しているそうだ。日本以外もいるのだろうか。お願いだから検査は外国人研修生には任せたくないものだ。そうでなくても麻酔で頭が朦朧とするのだろうから、検査中に大腸や盲腸や肛門のことなんかを英語でうめくのだけは勘弁していただきたいものだ。

というようなことで、仮に長期入院ということになると、ブログ休眠ということにするしかない。とりあえず数日間分はlivedoor blogの機能である”予約機能”を使って入稿しておくが、さて、どうなるのだろうか。永眠の場合は誰かリアルな私を知っている方が、「永眠コメント」書いてくれると思う。

栄養不足のアタマで考えられるパターンは、

0.なんらかの事情で検査がうまくいかず、出直しとなる。
1.検査の結果、異常なしと判定される。
2.ポリーブがいくつか見つかり、切除され、1日入院となる。
3.さらに、事態が悪化し、次の段階に進む。
4.お手上げ。

といったところか・・

ノムノム対クネクネ もう一人の瀬戸際外交

2006-07-13 00:00:55 | 市民A
7b3507d6.jpg韓国では大統領になるものいずれは不幸を覚悟しなければならない。李承晩(亡命)、朴正煕(暗殺)、全斗煥(死刑判決)、盧泰愚(懲役)、金大中(暗殺未遂、死刑判決)。では、盧武鉉(ノムヒョン)に待ち受けているのは何か・・国家反逆罪ではないだろうか。何しろ緊急電話の中でも、112番(警察)や119番(消防)よりも113番(スパイ通報)の方が早く情報機関員がかけつける国である。韓国史上最左翼大統領であるのは間違いない。もっとも北の国に行ったら、目立たない。あれくらいが普通だろう。

ノムノムの最近言うことがどうもおかしいと思っていたら、ミサイル発射に対しても「敢えて日本のように夜明けから発表をしなければならない理由は無い」とめちゃめちゃな発言をしている。だいたい、太陽政策にしても前任者の金大中の踏襲をしているだけで、別に金大中の考えを理解しているようにも見えない。国内選挙では、ことごとく野党ハンナラ党に破れ、人気維持のため反日キャンペーンを張ったが、就任当初は「未来志向」とか言っていたことから言えば、「豹変」ということになる。結局は選挙対策で反日キャンペーンをし、親朝路線をしたところで、誰もついてこない。

だいいち、ソウル市民の暮らしは楽なのかといえば、金融危機で資産価値下落、リストラ、減給。週休2日だって最近のこと。多くの市民はソウル郊外からバスで1時間半もの通勤をしている。夕方のバスステーションに並ぶサラリーマンの苦労もわかっていないようだ。一言で言えば、「平和ボケ」。二言目に言えば「ストックホルム症候群」。

もし、太陽政策に対して北側が歓迎するつもりなら、38度線に張り付けている100万人の陸軍を削減すべきなのだろうが、そういうことはまったくない。反日だけでなく反米、反中とこれでは行き先は決まっているようなものだ。

例えば、ソウル市は市の中央を東西に横切る漢江という大河によって南北にわかれている。主要官庁は北側にあるのだが、最近、地価の南北格差が発生しているそうである。南側(江南地区)が高いそうである。これは北側が一気に奇襲をしかけ国境線から60Kmのソウル市を攻撃した場合の最終防衛ラインが漢江だろうと思われているからだそうだ。そして青瓦台は川の北側にある。ソウル市民が全員、江南側に逃れても、一人だけ公邸に残り、解放軍を迎えるのだろう。初代自由ソウル市長として、あるいは次期北朝鮮元首としてなのだろう。

一方、野党ハンナラ党の党首である朴槿恵(パク・クネ)だが、暗殺された朴正煕夫妻の娘。54歳。昨年(2005年)5月に暴漢に襲われ、顔を切られ60針を縫う手術を行った。ノムノム派からは60針の大部分は、整形手術も合わせて行ったものと、とんでもないいいがかりをつけられた。ノムノムの二重瞼疑惑はほっかぶりしたままなのにである。

大統領選挙は2007年であるが、ノムノムは、「負けて刑務所に入るぐらいなら瀬戸際外交の方がいい」と思っているのだろう。しかし、クネクネが大統領になったら政策は変化するのだろうか?実は、なってみないと、まったくわからない。

一方、困りはてているのが中国だろう。選択肢は三つくらいか。
1.見捨てて国家崩壊を待つ。
2.米中連合で北に進軍。
3.中国の植民地(北朝鮮自治区)にする。

自転車には向かない場所

2006-07-12 18:00:29 | 市民A
妙な記事が報道されている。



不審者追い川へ、警察官が行方不明に…岡山

11日午後6時30分ごろ、岡山県高梁(たかはし)市落合町阿部の高梁川で、自転車を盗んだ疑いで高梁署員に追われていた同市内の男子大学生(19)が川に飛び込み、同署高梁駅前交番の渡辺裕明巡査長(33)が後を追ったが流されて行方不明になった。同署と県警機動隊など約90人が捜索している。
大学生は別の署員に約250メートル下流で発見された。同署は占有離脱物横領容疑で調べている。

県警によると、同日午後3時ごろ、同署のパトカーが、鍵のついていない自転車に乗った大学生を発見し、職務質問しようとしたところ、高梁川の河原に向かって逃走。署員約15人が川周辺を捜索していた。
(読売新聞) - 7月12日0時46分更新


何が妙かと言うと、たまたま私も前日に自転車を止めて職質している警官を見かけた。関連記事。自転車の後部を調べていたようだが、鍵だったのかもしれない。コメント欄にも「私もみかけた」との書き込みもいただいている。全国で何が起きているのか?

ここから先は、一切が私の推理で、物的証拠は何もないのだが、背後に自転車盗品輸出の組織があるのではないだろうか。そういえば、日本海側からある方向へ出国する船舶に自転車が山積みされているのをテレビ映像でみたことがある。一方で、我々が自転車を買う時のことを考えれば、
(1)必要な状況になり、新たに買う。
(2)前の自転車が老朽化し、ほぼ壊れたので買いなおす。
(3)自転車を盗まれてしまって、泣く泣く新品を買う。

といったところではないだろうか。つまり、こういう自転車マーケットの中で、中古自転車の正規市場が存在しているとは、思えないのである。

ということは、「自転車窃盗団摘発」→「中古自転車マーケットの撲滅」→「輸出自転車台数の縮小化」→「ある政府の締め上げ」といったことなのではないだろうか。

もちろん、自転車ドロというのは、組織化されたもの以外にもたくさんあるだろうから、現場警官は、深い理由など関係なく、手当たり次第、鍵のついてない自転車を追跡しなければならなくなったのかもしれない。以上推測。

ところで、事故の起こった高梁川だが、高梁市といえば、私の最大のご推薦は「備中松山城」である。山城への登り口までは備中高梁駅からタクシーで3000円以上かかるのだが、まさか、当の大学生が、私のブログを読んだ結果、登城を決意したもののタクシー代が惜しくなってつい出来心を起こしたということではないことだけを祈りたい。

ついでに言えば、高梁川は倉敷を河口とし、まっすぐ中国山地を北上し、JR伯備線は、この川に沿って山間を走る。きわめて絶景路線であるが、川の中で格闘すれば、いずれか一人が落命することは容易に想像できる。そして水中ではピストルは役に立たず、身軽な方が勝つのだろう。あっと言う間に瀬戸大橋。

追記:事件から15時間後に現場から450メートルの場所で警官の遺体発見。2階級特進となる。また大学生は高梁市内在住ということである。現場の水深は10メートル近く深い場所もあるそうだ。

”あかいくつ号”は行く

2006-07-12 00:00:25 | 市民A
65d90a3a.jpgブログを2ヶ所に開設している。「livedoor」と「goo」である。といっても基本的に同じものである。もともとlivedoor派だったのだが、粉飾決算摘発以降、経営もシステムも不安定なところがあり、バックアップとしてgooにも口座を開設。危険分散ということである。使い勝手はややlivedoorの方が扱いやすいので、そちらを先にアップ(あるいは予約)してからgooにコピーしている。もちろん慣れれば逆だっていいかもしれない。

ところが(というかあたり前だが)、ちょっとした問題がある。コメント、トラックバックの類である。同じコメントを2ヶ所に書き込まれる方は、まずいないだろうから、どちらかに書かれることになる。したがって管理人(私)は両方を確認しなければならない。そしてなぜか、ちょっと読者層が異なるように思っている。gooの方が硬質でlivedoorの方が軟質な感じだ(気のせいかもしれない)。

さて、弊ブログでは、少し前に「赤い靴を追いかけて」特集を書き、有名ブロガー大西宏さまからも推薦されたりしたのだが、話の性格上、ごちゃごちゃしてしまい、不安を感じていた。もともと、横浜で「あかいくつ号」という市内遊覧バスに乗ったことから発展していった史実追跡物なのだが、goo側に、「あかいくつ号のガイド」であるmacさまからコメントをいただいた。まず、紹介から。

おおた葉一郎さん、赤い靴のミステリーハントお疲れ様でした。私はあかいくつバスのボランティアガイドをやっている者です。

このガイドは桜木町駅11時発と13時発は横浜老舗のガイド団体が担当し、12時発と14時発は私共のボランティア団体が担当しています。

我々は素人のガイドばかりなので、あかいくつガイドに取り組むに当たり、ガイドの教科書となるガイドブックを作成しました。このガイドブックの編者は「赤いくつはいてた女の子」の本も読んでいたので、岩崎きみちゃんのエピソードもガイドブックに入っています。結構受けがいい話題なので、この話を紹介する人は多いと思います。それだけではなく、ガイド同士でメールで情報交換しているので、鰺ヶ沢の像の情報は10月の終りに流れていました。

そういう訳で、おおた葉さんが乗られたバスは14時発の僕の便か12時発の別の中年男性の便だったと思われます。

このblogをたまたま見つけたガイドから情報が流れて、今では、おおた葉さんのblogはガイド仲間で持ちきりなんですよ。ワールドカップ観戦で忙しくて、コメントが遅れたことをお許しください。

でもひと言。
僕の次のガイドは16日なのですが、結構一週間くらい前からプレッシャーで大変です。前日はPCにかじりつきで、新しい情報を整理して、バスの乗客の皆さんに、楽しくて役に立つ情報をお知らせしようと必死なんです。

取りあえずここまでお送りします。 mac  


コメントは、一点を除いて筆者にとってほぼ最大の満足。一点というのは、「おおた葉・一郎」ではなく「おおた・葉一郎」ということなのだが、どうせ本名じゃないのでどうでもいい。「赤い靴の女の子はアメリカには行けないで横浜港から麻布の孤児院に送られて9歳で亡くなった」という従来の定説に疑問を持ち、「本当は、日本人女性として初めて世界一周した女性ではないか」という仮説を提示し、さらに「札幌にある日本基督教団札幌教会の礼拝堂は間違いなく彼女が中で生活をしていた現存する唯一の建物である」と断定。幻の書「赤い靴はいてた女の子」を発見し、その著者が現在、札幌のある大学の教授であることなどを明らかにしていったわけだ。


さて、コメントを拝読すれば、同じ赤いバスなのに「横浜老舗のガイド団体」と「ボランティア団体」がシェアしている、というのもかなり意外な内実。私がでくわしたのは、老舗の方の女性ガイドと思う。そちらでも鯵ヶ沢の話が登場していたということは、ガイド業界というのも新情報には貪欲ということなのだろうと推測。私もそのうち外人専用ガイドにでもなって薄給の足しにでもしようかとも思っているのだが、なかなか勉強も大変そうである。

考えれば、私のブログで紹介した中でも、「日本最古鉄道は横浜発品川行きだった」「高島嘉右衛門はホリエモンそっくり」とか「赤い靴関連」とか「カールユーハイム1号店」とか「横浜駅はたぶん日本一タイ(5人)駅長の多い駅」など、横浜ガイドブック垂涎みたいな話が多い。

特別にコメントへのお礼として、手持ちのいくつかの隠しネタの一部を振り出してみると、「ユーラシア記念館の売店で売られている、”赤い靴くつした”(白い靴下に赤い靴の絵が描かれている)」「世界的造形家イサム・ノグチの通っていた聖ジョセフ校はあえなく消滅(たぶん横浜双葉のそば)」「伊勢崎町一帯は吉田新田--江戸時代前期に開拓された海だった」「中田宏市長がサミット横浜誘致にこだわる深いわけ」「サカタのタネ創業者の汗と涙と借金の歴史」とか・・

先日、神戸に行ったら、ポートタワーとマリンタワー、南京町と中華街。元町と元町といった比較物が多い。どっちが勝ちかというのもいいかもしれない。それと、調べていて面白いのは、まったく切り口や見え方の異なる事象が裏で色々関係していること。関東大震災で生き残った人が横浜大空襲でも横浜公園の池にもぐって生き延びた話なども見つけたりする。

ところで、macさんがガイドをされる7月16日は、ちょうどその頃、横浜ワールドポーターズで開かれる「詰将棋全国大会」へ行くつもりなのではあるが、7月14日号でアップするある事情によっては行けなくなる可能性もあり、という宙ぶらりんなのである。

東京国際ブックフェア2006に行く

2006-07-11 22:20:49 | マーケティング
43b21dc6.jpg昨年のブックフェアに続き、今年もブックフェアに行く。昨年、「CD-ROM版 江戸東京重ね地図」を安く購入したのだが、最新版は「江戸、明治、東京重ね地図」にバージョンアップし、さらに検索機能が充実していると聞けば買いに行くしかない。ところが、今回は出店なしのようだった。がっくりだ。まあ、昨年より趣味の範囲は広がっているが、珍しい本は高いし、さらに厚いし、難しい。

結局、新人物往来社の「日本史 有名人の晩年」(あまりおもしろそうでもないが)と国書刊行会の「日本語修辞辞典」を購入。この修辞辞典、パラパラと開いてみると大変な書である。日本語の表現法を文例をあげ、解説しているのである。

例を書けば、「くびき語法」という手法では、「畳と女房は新しい方がいい」というのが例文となっている。くびき=カッコということで、aX+bX=(a+b)Xということで、畳は新しい方がいい&女房は新しい方がいい。ということを同時に表現するものだそうだ。成功すると意外性な滑稽性が強調されるが、誤用の場合もあるが、不注意の場合と文彩の場合があるそうだ。そしてドイツ人には、単なる表現の省略として強く嫌われるようである。

こういうのが続々とアイウエオ順に並ぶ(奇先法・破調法・撞着語法・黙説法・トートロジー・・・)。チョムスキーの構造文法のようなものだろう。読み終わる日がくるのだろうか。

ところで昨年も国書刊行会のところで「江戸妖怪辞典」を買おうと思ったのだが、この出版社の本は高額だが、平積みするときわめて美しい。思わず手に取るが、箱から取り出すのに苦労して、結局買わなかったりする。


他の場所で、講演会などやっている。吉永みち子(気が付けば騎士の女房)や池田香代子(世界がもし100人の村だったら)など女性陣が多いのだが、ガヤガヤとうるさく、人の流れる場所で話をするというのもなかなか難しい。おカネのためと割り切ってしゃべるしかないだろう。選挙の街頭演説のようなもの。そして、新潮社のブースで塩野七生特集が行われていて、講演会の準備が進んでいた。着々と人が椅子に座っていくので、私も一角にすわり、「でも、本人がこんなところにくるかな?」と原始的な疑問を感じ、係りの社員に「誰が講演するのですか?」と意を決して聞いてみた。

編集長です。」との答え。本人ではなかった。私が席を立つ1秒前には、私のまわりの席の人たちはみんな立ち去ってしまったのだ。「自分で聞け!」。ただし、無料の記念品として、ローマの英雄たちのことば入りのメモ帳一冊をもらったのだが、これがなかなかいい。特に、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)がルビコン川を前にして、「ここを超えれば、人間世界の悲惨。越えなければ、わが破滅」と言う。このあと、彼は「(賽銭ではない)は投げられた」と言い、「来た、見た、勝った」ということになる。さすがに新潮社。「電車男」だけ売っていたわけではなかった。

弱いものいじめか?

2006-07-10 21:01:48 | 市民A
cff3baeb.jpg歩道を若い女性が自転車で走っていた。というか横断歩道橋のスロープを自転車で下ってきて、その先が歩道だったわけだ。そして数十メートル走ったところでたまたま後ろから通りかかったクルマが、自転車を追い越し急停車する。完全に止まる前にドアが開き男が飛び出してきた。道路交通法違反だ。そして頭にあることばが浮かぶ。「誘拐か!」。こちらは道路の反対側。物陰に隠れてカメラを取り出す。

しかし、よく見るとクルマはパトカー。下りてきた二人組は警官のようだ。そして女性の体にやたらに近づき、自転車を調べはじめた。自転車泥棒の嫌疑か。怒っている女性の顔色から覗うと、見込み捜査の失敗のようだ。一方、停車前にドアを開けたのはあきらかな危険行為。警察の内規など知る余地もないが、停車したパトカーには施錠が必要なのではないだろうか。無防備。常識的にいって、走っている自転車をパトカーから見て盗難自転車と判定できるわけもない。要するに、捕まえてから調べようということだろう。以前、現場の近くでデイトレの知人が昼休みに弁当を買いに自転車で走っているときに捕まり、嫌疑が晴れるまで1時間近く棒に振り、後場の下げに引っかかり損を出した。

近くで起きた殺人事件の捜査でもしたらどうかという気もするが、難事件でも軽事件でも検挙率には関係ないのだろうから実績稼ぎには自転車いじめが手っ取り早いのだろう。なにしろ頭を使う必要がない。

さて、一見して交通警官ではなさそうなのだが、交通警官の方も大変なのである。駐車禁止で捕まえる台数が激減してしまったため、本来反則金が財源である”駐禁取締り下請け料”で赤字になってしまうわけだ。さらに、いくらパトカーで流しても、パトカーのまわりを走るクルマは、全部パトカーと同じ速度だから捕まえることもできないわけだ。

さらに、駐車禁止でつかまりたくない人たちは、今まで一人で外出していたものを同居人を連れて外出し、一人が路上のクルマに残り、取り締まり対策をするわけだから、自宅が留守がちとなる。空き巣が増えてしまうわけだ。  

R25で冷静なサッカー分析が・・

2006-07-10 00:00:28 | スポーツ
e85e7eb8.jpgフリーマガジンの「R25」が創刊2周年ということだ。なかなか2年というのは雑誌では大変な長さである(ブログもそうだ)。しばらく読んでなかったのだが、何か表紙の光沢が違っていたので手に取ってみた。見立ては全く正しく、「今週から表紙が丸まりにくくなりました。」と書かれていた。2年、100号にして進歩。

ところが、しばらく読んでなかったうちに内容もだいぶ変わった。多様性である。以前は、コラムが無数にあって、「ちょっとした豆知識」という感じで25歳の新入社員のコネタではあるが、人前でしゃべると笑われるレベル、だったのだが、結構大型執筆陣が加わっている。

畑正憲(ムツゴロウ)氏が自らの生い立ちを語る。斜め45度読み。動物トレーナーは彼を天敵扱いしている。”動物と遊んでいるだけ”とみている。

そして、時節柄、二つのサッカー記事が書かれている。

まず、石田衣良氏が書く「空は、今日も、青いか?-日本代表は日本人」。

日本代表の成績について、「2位になるのも4位になるのも同じ可能性だったので、驚かない。2位になってもイタリアに負けただけだろう」と書く。「ほとんどの時間帯で守備はよかったが、相手のゴールに近づくとやさしくなってチャンスを逃してあげた」と指摘。「専守防衛で60年以上過ごした」「サッカーは日本人の和の精神と根本的にそぐわない」「心やさしい日本人選手が好きだ」とほめる(?)。

さらに、フォワードのだらしなさについては、「日本人に彼らを責める権利なんかない。まわりをみても、仕事や会議で正論を述べてばりばりと中央突破する人間なんかほとんどいないではないか」と鋭く日本人の特性を指摘する。

そして、4年後でも12年後でも28年後でも、優柔不断なチームで不思議にワールドカップに連続出場できるチームになっていることを期待している。

思い起こせば、4年前のトルシエ監督の時に、サントス(アレックス)が、「ゴールキーパー以外、どこでもプレーするから代表に選んでほしい・・」と言っていた。彼をフォワードにすべきだったのではないだろうか。倒れ込むのもうまいし、倒すのもうまい。


もう一つのサッカー記事はミニコラムに書かれた監督論(長谷川一秀氏記)。まず監督にしたい人のアンケートから。
1位:ラモス(39%)、2位:ヒディング(23%)、3位:トルシエ(10%)、4位:岡田(9%)、5位:オシム(8%)。
まあ、そんなものだろう。3位と4位が愉快だ。前の方がましだ、と考えている人が多いのだろう。なんとなくオシムの2年契約というのは、両者ともに解約権を持つということなのだろう。監督交代騒動がもう一度楽しめるわけだ。

コラムでの意見では、「日本語のしゃべれる監督がいいのではないか」と書かれている。たしかに、語学下手な日本人選手ではあるが、選手がポルトガル語やフランス語やもっと小さな国の言葉を覚えるのは非現実的だろう。いくら下手とはいえ、英語なら日本語の1割くらいはわかるだろうが、英語の上手な監督は日本にはこない。ただ、サッカー用語はそう多くないのだから、トルシエもジーコも言葉が通じなかったというのは、ちょっと信じられないのだが、おそらく、「興奮してポルトガル語を早口でまくしたてていた」のかもしれない。ようするに冷静な監督なら意思の疎通はできたのではないだろうか。

ところで、オシム監督の欧州での取材を見たのだが、聞いたこともないような言葉を話していたのだが、大丈夫だろうか。それに日本人監督(コーチ)を探そうにも、「Wカップ出場経験+欧州クラブ在籍経験」を有資格者と考えると、実はほとんどいない。

・・・サッカーネタ続く・・・

上川主審が3位決定戦(ドイツ-ポルトガル)の笛を吹いたのだが、両チームの選手より体格がガッチリと見えた。もう一回選手に戻ってフォワードでもやったらどうなのだろう。

次期ブラジルの監督候補に鹿島アントラーズの監督が有力だそうだ。どうも監督と審判が一流の国、という変な国になりそうだ。国歌も湿っぽいし・・(もともと天皇制を支持するか否かの踏絵国歌になってしまったから)。

日本選手(特にバックス陣)は、ブラジル戦敗退の後、帰国前に三角ベースで遊んでいたところを目撃されてしまった。「野球の国から来たサッカープレーヤー」とドイツで紹介されていたそうだ。”もっとも野球のうまいサッカーチーム”かな?(たぶんアメリカチームの方がうまいだろう)

ブラジルの不発弾、「ロナウド」がニューヨークでショッピングをしていたそうだ。どうもガールフレンドがそこにいるらしい。「もっとも足の遅いフォワードが鳥のように飛んでいった」と言われている。「ロナウド」という名前は平凡な名前で、もっとも優れた「ロナウド氏」がロナウドと呼ばれ、それより若い次期ロナウドのことを「ロナウジーニョ」と呼ぶことになっているそうだ。となれば、現ロナウドも以前はロナウジーニョだったのだが、「ロナウド」の呼称を譲る時期がきたようである。それでは、元ロナウドのことは何と呼ぶのだろうか?ポルトガル語はまったく知らないので答えられないのだが、英語だったら過去形とか完了形とかにすればいいのだろうか?「ロナウデッド」とか「ロナウデン」とか???

藤堂高虎家訓200箇条(14)

2006-07-09 00:00:22 | 藤堂高虎家訓200箇条

家訓200箇条も、攻略不能かと思っていたのだが、徐々に終結に近づいている。読んでいるうちに感じているのだが、本来は藤堂家の中に隠しておくもので世間に公開すべきものではなかったのかもしれない。これで高虎の評価が高まるようにも思えない。「こうるさいオヤジ」という感じもする。ともかく、解読作業を前に進めるしかない。

第131条 人前の咄に我手前をならぬとて必悔事いふへからすたりに不可成結句嘲に逢事多かるへし其身のふかひせうハ不言人の知たる様に聞にくし心ある人ハ人より悔とも能程に返答してよの咄に可直

人前で自分の暮らしが良くないと愚痴を言ってはいけない。何の足しにもならず、結局あざけりにあうことが多い。自分に甲斐性がないとは言わないのだから、聞き苦しい。心ある人は、他人から愚痴を聞いても、程よく返事して、他の話にもっていくべきである。

この131条を、頑なに守っている男がいる。隣国にいる大将軍様。ただし、彼の愚痴を聞き流すと、液体燃料が登場する。


第132条 人の手前の不成を余り悔へからす深く悔程の中ならハ一廉合力をして可侮ロにての悔ハ役に不立結句手前不成人の不戒なると名を立ぬ斗なれハ害を付るに似たり

人は暮らし向きがよくないのを悔いてはいけない。深く悔いるほどならば、いっそのこと合力(乞食)でもしてから悔いるべきだ。口だけの悔いは役に立たず、結局、何人の役に立たず害になることである。

もちろん、戦国時代は「すべての国民は自己責任」であったわけなのだが、敗者は敗者席に座って、黙っておけ!ということだろう。致し方なし。

第133条 人に余り悪人ハなきもの也かゐもく還らざる人と言人も稀成へし人には添て見よ馬には乗て見よと言伝へたり

人と言うのは余り悪人はいないものである。どうにもならない人というのは稀である。「人には添うて見よ、馬には乗ってみよ」という言い伝えもある。

「男は食ってみよ、女には乗ってみよ」ということわざもある。ただし、証券マンは信用するな。


第134条 盗人に逢共大方に吟味いたすへし結句由断者と嘲を請る事有へし盗人知れたり共せむへからす子細若人の家来を同類に指事あり大かたにして成敗可然人の家来を同類といハせ付届いらさる事なり兎角盗まれ物捨てると覚悟して強く吟味すへからす慾に離るへし

盗人にあっても、適当に調べるべきだ。結局は、「油断者」と嘲りをうけることがある。犯人がわかってもあまり責めてはならない。なぜなら他人の家来が仲間だったということもある。適当に処分すればいい。他人の家来が仲間だったりすると届け出なければならず、要らざることである。ともかく、盗まれた物は捨てた物と覚悟して、強く吟味しないことである。

社内不祥事は、ご内密に・・・ 「盗まれた物は捨てた物と覚悟」といっても竹島問題や拉致問題には該当しない。


第135条 屋焼人殺徒党を立る歟公儀に対したひそれたる科におゐてハ強く責メ同類を言せ可然訴ねハならぬ事なり

放火、人殺し、徒党を組むなど、公儀に対して大それた罪を犯した者は、強く責め共犯者を明かすべきである。訴えなければならない。

「強く責メ、同類を言せ・・」どうやって、強く責めるのかは、あえて書かないが、痛そうだ。


第136条 死人か不吉成方江見舞共人遣す共少おそきハ不苦可聞合必早立て不首尾成事度々に及ふ心得へし

死人とか不吉な方へ見舞いの人を遣るのは、少し遅くてもいい。聞き合わせてからすべきで、早く立てて不首尾になってしまうことがあるから心得るべきである。

亡くなったと同時にやってくる生命保険会社の調査員のようなものだ。「不首尾になること度々」とはどういうことだろう。それだけ当時は、ニセ情報とかがあったのだろうか・・
六代将軍となった徳川家宣は五代将軍綱吉逝去の間で、同日中に、生類憐みの令を廃止した。


第137条 可歓事ハ早見舞ても人を遣ても可然人のうへを悦により後悔有へからす

歓ぶべき事は、早く見舞っても、人を遣ってもいい。人の喜びには後悔はないだろう。

喜ばしいことで見舞うとは、「出産祝い」とかであろうか。結局、「不幸はゆっくり見舞え、慶事は早く祝え」というのは、情報伝播速度が「悪事は速く、慶事は遅い」ということに起因しているからかもしれない。


第138条 惣別いや成事を可好必いや成事ハ能事多しすきたる事ハ棄へし悪敷事のみなり乍去諸芸抔ハ格別なり嫌ふハ芸の外なり

すべて、嫌なことを好むこと。嫌なことにはいいことが多い。もの好きなことは捨てるべきだ。そういっても芸については別で、嫌うのは芸の外のことだ。

安い株を買って、高い株は売れ、しかしファンドは別だ。運用成績が悪いファンドはもっての外だ。あるいは、嫌なトイレの掃除をすると、500円玉を拾うことがある(従業員が正直かどうかをチェックするため、わざと店長がおカネをトイレに落としておく手法がある)。


第139条 武士と生れ武芸を不嗜うかうかと日を暮す事ひが事なり武芸を能勤てハ身の行もよかるへきかたとへハ出家町人の武芸を好む事ひか事なり出家ハ経念仏をやめ町人ハ商売をやめ候事非本意武士か経念仏商売の事もてあつかふもひか事なり心に物なき人の作法成へし

武士に生まれ、武芸を嗜まず、うかうかと毎日を過ごすのは間違いである。武芸もよく勤めれば、自身の行いもよくなる。たとえば、出家僧や町人が武芸を好むのは間違いである。出家僧が念仏をやめ、町人が商売をやめることは本意ではない。武士が念仏を唱えたり、商売をすることも間違いである。心に物のない人の作法である。

現代では、出家僧が商売をしたり、小説を書いたりする。江戸時代の武士=現代の役人と考えれば、第三セクターは、武家の商法ということになる。日銀総裁の利殖も同根。「心に物なき人の作法なるべし」というのは含蓄のあることばだ。「財布にカネなき人の作法なるべし」というより難しい。


第140条 身深くかざり薫ひふんふんとするハくせもの成へし女若衆ハ格別なり惣而男たる人はさのみかもふへからす人によく見られ思ハれんとするハ心根いたつらのもとひ成へし

身をたくさん飾って香りをぷんぷんとさせるものは、くせものである。女性や若衆は別である。すべて、男たる者は、そのようにかまってはいけない。人によく見られたり思われたりと思う心は、つまらぬことの始まりである。

耳にピアスをしている外資系証券会社のサバオ君は、くせもの!である。女性やホストなら話は別だ。好きな場所に穴を開ければいい。一方、男は、ピアスやネックレスにかまけてはならない。見かけを気にするのは、「心根、いたずらのもとだ」と言うときのいたずらは「徒に」という意味で、「人生を棒に振った」というようなニュアンスだろう。高虎は「巨体で、ぶ男」だった。

続く


テポ2は、どこへ行く?

2006-07-08 00:00:48 | 市民A
9a56934e.jpg3発目のミサイルは沿海州に落下したのだが、テポドン2号の失敗と言われている。しかし、2段目にも点火されていた場合、どこまで飛んでいったのだろうか?

どうも基地と落下点の直線上をみると、北海道とサハリンの中間を通過し、カムチャッカの南からアラスカ南部の方向にむかっている。案外、アラスカそのものを狙ったのかもしれない。産経新聞は、ハワイ周辺を狙ったのではないかという説を紹介しているが、根拠としてアラスカ方面を狙うと精度の不正確性からいって陸地に着弾する可能性があるから・・と書いてあるが、逆に陸地を狙ったのではないかとの感じもある。

9a56934e.jpgそれでは「戦争になるではないか」と思うが、もはや戦争を始めるしか、現王朝体制の維持が困難になっている可能性がある。韓国の太陽政策に対しても、北側は100万人の陸軍の削減をまったく行わなかったわけだし、韓国の政権も、もうもたないだろう。ロシアにしても。自国の経済水域にミサイルを撃ち込まれれば、支持などできなくなるだろうし、ロシアが積極的に王朝支持をする意味はまったくない。

中国は面子をつぶされた上、日本海北部から北太平洋海域は米中間の大量交易ルートである。特に、中国北部と米国間の航路は津軽海峡経由で日本海を航行する場合も多く、なんらかの政策変更をせざるを得ないだろう。妙な政権を支援しすぎるといずれ手に負えなくなることは米国とアフガンの関係からも容易に連想できる。中国にとって、北朝鮮のもつ意味は、「アメリカとの間の盾」だろうが、盾が勝手に動き回ると困るはずだ。


9a56934e.jpg以前、弊ブログ2005年2月8月「もう一つのペイトリオッツは?」に、ミサイルの性能等は書いたので再読されたいのだが、テポドンはやっかいなのだ。何しろ高度1000キロという宇宙空間まで飛んでいく。マッハ20というのも速い。

では、迎撃方法は?といえば、サッカーのロングボールのような話なのだが、打ち上げ直後に迎撃する(イージス艦から3M-3ミサイルを発射)方法か、落下地点で改良型パトリオッツで迎撃するかということになる。そして、それぞれ問題ある。

まずイージス艦だが、いわゆる高度情報集約型のイージス艦というだけでは迎撃能力はない。さらに迎撃システム3M-3を装備してはじめて盾となる。とりあえず、今日段階では3M-3は米軍しか配備していない。自衛隊の配備は来年に間に合うかどうかだ。さらに、3M-3は高度200キロまでが受け持ちエリアである。つまり、テポドンのように1000キロの超高度に飛んでいくミサイルは、打ち上げ後、数分以内に迎撃しなければならない。そして、6月末に米軍は太平洋上の演習で約5分間で迎撃に成功している。


9a56934e.jpg一方、パトリオッツ改良型は守備範囲が半径20キロ程度なので、日本全土をカバーしようとすると100基は必要となる。まだ全国配備は完了していない。が、これも着実に配備は進んでいく。イージス艦はまもなく、韓国、台湾なども配備する予定なので、1~2年後には北朝鮮は完全にミサイルを封じ込められてしまうはずだった。

では、ミサイル攻撃があった場合のサバイバルだが、いくつか考えてみる(もちろん保証はなしだが)。

1.ミサイル侵入方位を知ること。
おそらく、ノドン、スカッドなどは角度30度~45度のように斜めに落ちてくる。上からではないだろう。となれば、山とか大ビルとか陰に隠れる場所の方が安全ということになる(もちろん地下の方がいい)。愛読ブロガーさん(奄美とブラジルは省略)の推定住所とノドン基地とを直線で結んだだいたいの方位図をGoogle Earthで作ってみた(クリックでちょっと拡大)。北九州、京阪神、名古屋、首都圏(YokohamaとKamakuraの間になぜかKisarazuがある)。もっと細かいものは、各自製作されたし。

9a56934e.jpg2.ミサイルの当たったビルは、30分以内に倒壊すると思え。
鉄骨のビルでは、鉄骨が熱で耐久力を失うことから、コンクリートで鉄骨を覆い、30分間は鉄骨が剥き出しにならないようにしている。逆に言えば、高熱を受けると30分後にはむき出しの鉄骨が熱で耐久力を失うことを意味している。ビルの一部が被弾しただけのようにみえても、絶対にビルから逃れること。

3.どこにPAC3が配備されているかについては最高機密だが、人口密集地や原発とされている。

4.日本国内で”同胞が多くいそうな場所にはミサイルを撃ち込まない、ということはない”と考えられる。(同胞を守るなどということは考えていないだろうし、ミサイル精度もない)


ところで、北朝鮮のマネーロンダリングの多くはマカオのカジノで行われていたという報道から、思い出した話がある。2005年7月19日「ゲーミング・マーケットって・・」で書いた話なのだが、2007年にオープンが予定されている「PONTE16」という再開発計画のこと。出資するマカオ・サクセス社の増資計画の説明会に行った時、違和感を感じた件なのだが、マカオと細い海峡を挟んで隣接する珠海市(日本人買春事件で有名になったが中国最悪の犯罪都市という人もいる)を結ぶ海底トンネルが完成するという件である。

といっても、これが自動車の道路ではないのである。自動車用の海底トンネルは既にある。二本目のトンネルは、クルマが通れない道路だそうである。歩行者用トンネル?。そしてそのマカオ側の入り口は、カジノの入る新しいホテルの中からということであった。そんなトンネル、怖くて歩けないような気もするのだが・・

灘の酒蔵で酔う

2006-07-07 00:00:24 | 美術館・博物館・工芸品
大阪と神戸の間には、3本の鉄道が並行して走る。北側から、阪急、JR、阪神。この中では阪神がグレードが落ちるとされている。実際には、芦屋のあたりでは「ちょっと」違う。そしてもう少し神戸よりの灘のあたりでは、その阪神線よりさらに南の海側に酒蔵が多数ある。「灘」である。「伏見」と並ぶ酒の町。といっても、現代の灘は、タンクが立ち並んだ化学工場のような外観だ。さらに阪神大震災の時にダメージを受け、多くの設備が建て直されている。

そして、これらの工場の多くは、隣接して博物館とか資料館、記念館というような施設を持っている。そしてどこにも「利き酒コーナー」がある(運転者はNO!)。東側からいうと、浜福鶴、櫻正宗、菊正宗、白鶴酒造、瀧鯉蔵元倶楽部、泉勇之介商店、神戸酒心館、神戸甲南武庫の郷、沢の鶴、ということになる。しかし、一つずつ大きな工場であるのだから、端から端まで歩くと阪神の駅6駅分にもなる。そこまでの時間はない。南京町にも行かなければならない。

13942456.jpgそして、電車の足の便からいってJR住吉駅から六甲ライナーで数駅先の南魚崎駅で降り、菊正宗酒造記念館と白鶴酒造資料館に行った。菊正宗の方は、震災で建物が倒壊したのを鉄筋コンクリートで立て直したもの。どちらかというと、酒造りの博物館といよりも「お土産物センター」風。菊正宗の各種ブランドを買うことができる。そして、利き酒コーナーでは、しぼりたての原酒をグラス猪口に一杯だけ飲ませてもらえる。これが絶品。旨過ぎる。こんなに旨い日本酒を飲んだことがない。一気に飲むともったいないので、少しずつ啜るのだが、胃袋から血管の中に溶け込んで全身麻酔が効いてくるまで10秒くらいだ。菊正宗は辛口のはずだが、くせのないできたての原酒は甘いとか辛いとかを超越。

あまりの旨さに、今後1年は他の日本酒飲めないなあ・・といったところ。実際に1年間飲まないでいいとなると、まったく経済的だ。1年後にまた灘にくればいい。1年分の酒代より新幹線代の方が安い。

次に、白鶴酒造資料館。これもメジャーブランドだ。資料館の前の芝生がたいへんに手が入っていて、いきなりおみそれしてしまう。建物は木造。こちらは、徹底して酒造りの工程の展示にこだわる。たいへん勉強になる。酒造りは、いわゆるロット立て生産方式で、ある数量分ずつ作っていく。経験と研究の積み重ねですべてが合理的にできている。各加工段階の醗酵時間などは時間単位で決まっていて、過酷な作業が続くときがある。そして、作業場の昼食では一升瓶が飲みまわされる。体の外も中も酒浸しになっていたのだろう。資料館としては菊正宗より白鶴が上質である。

13942456.jpgそして、こちらも利き酒コーナー。白鶴の原酒もうまいが、ちょっと酒のくさみがある。利き酒は菊正宗の勝か。ただし白鶴も十分にうまい。あと半年は他の酒が飲めないくらいだ。

そして、灘にはこの2社以外にも多くの利き酒コーナーがある。クルマだと飲めないが、歩いて飲みまわると、とても遠い、という攻略の難しさがある。そして、一杯ずつ飲んでいっても結構大量に飲むことになる。そして阪神電車は車両がちょっとボロイ。ふわふわの座席シートは冬場に暖房が入ると、眠り込むこと間違いなしだろう。特に利き酒の後は要注意である。山陽電鉄に乗り入れて、姫路まで寝過ごしてしまうだろう。