芦屋は墓地までリッチ?

2006-07-04 00:00:41 | 市民A
芦屋といえば、「芦屋令嬢」(あるいは「芦屋夫人」)という熟語を思い出してしまう。もちろん、思い出すだけで、それ以上は何も起きない。令嬢や夫人だけがリッチなわけではなく、背後にはリッチな旦那が存在するはずだ。しかし、リッチな旦那やリッチな夫人やリッチな御令嬢にしても、100年経てば、みんな骨になってしまう。JR芦屋駅前のショッピングセンター、ラポルテ内にある「高級フルーツショップやまもと」で季節のビワやイチジクをあと数十回買って、食べて、終わりだ。そうすると、市営の「芦屋霊園」のお世話になり、残された末裔の方々が、僅かな維持費を払っていれば問題ないはず。

ところが、世間には様々な事情があり、維持費が払われないケースがある。もちろん、ものがものだけに、一回未払いになったからといって、いきなりレッドカードが出て退去通知になるわけではないが、そのうち「権利消滅」ということと相成る。

一方、芦屋霊園は山の中腹にあるため、拡大するためには、山の斜面の森を、上に上にと削っていくことになるのだが、山といっても頂上はそう遠くないので、いずれ行き詰る。さらに芦屋市は財政状況が悪化している。全国ワースト13だ。

なぜ、大金持ちが大勢住んでいるのに赤字になるのか、私にはよくわからないのだが、その理由を考えるのは本題から逸脱するのでやめる。少なくても横浜市民の私には影響ないだろう。(ダイエー中内氏の墓地があるのと関係があるのかどうかも検討しないことにする)

e796bc1a.jpgそれで、そういう、財政危機の結果、芦屋市は墓地の永代使用権を売却した。昨年何区画かを募集。週刊誌等では7500万円とか書かれていたのであるが、聞いてみるとそれより若干安い(造成費とかの扱いだろうか)。最も高い区画を見せてもらった。入口からすぐのところだ。ほとんど上り坂なし。陽当たり良好。面積広しだ。

造成中である。つまり、前占有者の痕跡を全部クリアするのだろう。掘ったり運んだり埋めたりだ。東京の青山墓地でも同様なことをやっているのを見たことがある。そして、この区画の面積は50平米ということだそうだ。15.15坪。平米単価は120万円(坪396万円)ということだそうだ。都合6000万円ということ。まあ、芦屋で6000万円持っている人はザラに大勢いるだろうが、・・

e796bc1a.jpg庶民感覚で言うと、もったいなくて、墓だけでなく地下室付の3階建て住宅でも建ててしまいたくなるかもしれないが、たぶん許可にならない。

そして、様々な理由で立ち退かなければならなくなった無縁仏や墓石は霊園の一隅に集められている。バウムクーヘン王、カール・ユーハイムが終戦直後にあわただしく埋葬された時の古い墓石はどこにあるのだろうと、ちょっと探したが無理だった。現在の新しい墓石の下にあるのでないだろうかとは私の推測なのだが、勝手に墓石を動かしたりすると、(見つかった場合)まずいことになるのであきらめた。


ところで、芦屋の町を少し歩いたのだが、どこに御令嬢達(あるいは御夫人達)がいるのか、よくわからなかった(御令婆はたくさんいる)。どうも山の手の方ではなく、海岸の方に多く高級住宅があるようなのだが、それは少し意外だった。よく、北から阪急、JR、阪神と3本並列運行している中で、リッチ度は阪急>JR>阪神と捉えていたので(3種類の電車にも乗ってみたが、車両格差の順位もはっきりしている)、どうも芦屋地区だけは逆パターンになっているというように感じた。(もっとも御令嬢は電車なんか乗らないから阪神なんか関係ないのだろうけど)。

ただし、芦屋でも神戸でもそうだが、どこへ行っても坂だらけである。リッチ度の測定尺度の一つは「靴」なのだが、このエリアではこの法則は使えない。金持ちから貧乏人まで、みんなスニーカーを履いている。