文学作品とは別の話なのだが

2006-07-15 00:01:28 | 書評
第135回芥川賞・直木賞の選考会が13日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に伊藤たかみさん(35) の「八月の路上に捨てる」、直木賞に三浦しをんさん(29)の「まほろ駅前多田便利軒」と、森絵都さん(38)の「風に舞いあがるビニールシート」が決まった。

伊藤さんは、昨年2月に第132回直木賞を受賞した作家・角田光代さん(39)の夫。今回の受賞決定によって、初の芥川賞&直木賞作家の夫婦が誕生することになる。

また、三浦さんは87年の第97回の山田詠美さん(受賞時28歳)以来19年ぶりに、20代での直木賞受賞で、歴代でも4番目の若さ。

芥川賞の伊藤さんと角田さんは早稲田大学の卒業生。これまで角田さんの意向もあり、結婚の事実は親しい出版関係者をのぞいては伏せられてきた。(2006年7月13日20時58分 読売新聞)



芥川賞・直木賞が決まって各種報道されているが、おおむねこの読売のような内容が多い。

笑ってしまうのが、19年ぶりに引っ張り出された山田詠美。「当時28歳」と書かれれば、誰だって計算してしまう。なんてことだ・・

そして、角田光代と伊藤たかみが夫妻であった話が「秘密扱い」というのも笑ってしまう。昨年、NHKで自宅の特集していたのに・・さらに対談で石田衣良が粉をまいていたのに・・・

それで、誰しもすぐに疑うのは、「伊藤たかみ著」と書いてあっても、本当は角田光代が書いていて、税金対策で夫の名義にしているのではないか?ということなのだが、よくわからない。将来(あるいはすぐにでも)離婚してしまったら、伊藤たかみ著作の著作権を注目すればいい。「半分は私が書いた・・」とかだと財産分与の時もめそうだ。

さて、伊藤たかみは過去2回芥川賞の候補になって3度目に受賞している。一方、角田光代の記録を見ていて驚く。まず平成4年から、5年にかけて3回も芥川賞の候補になっている。しかも平成14年には直木賞の候補になり落選。とうとう平成16年下期になって直木賞を受賞している。12年間もかかってやっと受賞している。色々、表を見ていると山田詠美だってそうなのだ。昭和60年下期から3期続いて芥川賞で落選したあと62年上期に直木賞を受賞している。

ところで、夫婦で受賞ということで、「池田満寿夫(故人)と富岡多恵子」はどうだったかと思うと、池田満寿夫は一発芸で芥川賞を受賞。一方、富岡多恵子は芥川賞の候補に二回なっている。さらに言えば、同居していても籍を入れていなかった。追加すれば、富岡多恵子の後の同居人、佐藤陽子も籍は入っていない。本妻が離婚に同意しなかったからだ。

作家の著作権という話で言えば、先日、帰宅電車の中で、席に座った。眠りそうだったのだが、KOと思われる中学か高校生かの3人が私の前に立って、その場にいない同級生の話をしていた。その同級生は遠藤君というらしいのだが、遠藤周作の孫らしい。親は普通の会社員らしい。生徒たちの話では、働くなくても印税が入るからうらやましい。というものだった。さらに驚いたのはこの3人でどうやって遠藤君のおすそわけに預かるかを相談していたのだが、ちょっとアブナイ話もあった。

少年法改正とか共謀罪新設ということになれば、電車の中で、うっかり仲間と相談でもすると懲役刑が待っているということを忘れてはならない。  


ロリン・マゼール(Lorin Maazel)「運命」DVD盤

2006-07-15 00:00:07 | 音楽(クラシック音楽他)
502a8d15.jpgクラシックのDVD盤は、あまりポピュラーではない。あまり多くは作られていない。しかし、国営放送局には大量の素材が残っているのだから、受信料未払いで倒産する前には是非、公開してほしいものと思うが、そういう話は全く聞かない。何枚か廉価版を買い貯めている中から、もっとも有名なベートーベンの5番を聴いてみた。

なんとなく、大病院で大腸の内視鏡検査をする前で、色々と心配が多く、まあ「運命」でも聴いてみるか、ということだ。こういう時に「レクイエム」を聞こうという気にはならない。

いつものように、DVDをセットしスタートボタンを押してからソファーに座ると、犬が膝に乗り、即座に眠り始める。まるで猫だ。そしてマゼールが登場するのだが、どうも変だ。なにしろステージにピアノがある。巨体のピアニストが登場する。運命にピアノが必要だったかなあ?と思ってしまう。そして指揮は始まるのだが、例の「ジャジャジャジャーン」じゃないのだ。指揮者のアレンジかと一瞬思うが、あきらかにピアノ協奏曲。どうも一緒にカップリングされた別の協奏曲が先のようだ。

そしてリモコンは手の届かないところにあり、犬は膝の上から動かない。ということで、「運命」がはじまったのはピアノ協奏曲4番が終わってからだ。

そして、このもっとも有名な交響曲は、一つのパターンがフルトヴェングラーということになっていて、1947年5月25日にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とベルリンでの公演が有名である。モノラルではあるが、例のLP盤では最大音量のところでバリっと音が割れるところがある。CD盤ではバリっではなくベコっとちょっと音が変わる。

マゼールはバイエルン放送交響楽団と1995年ボンのベートーベンホールの録音である。何か楽団員の方に「ベートーベンスタイル」が予め固定観念化され、指揮棒を振り回してやっとマゼール風になっているところがある。画質は良好である。

さて、DVDの面白さは指揮者の表情につきるのだろうと思う。特に運命は、高音大音量で鳴らす部分と、低い音で誰か(たぶん神)と打ち合わせるような部分が交互に繰り返す。その低く流れる部分でマゼールは、その場にいない神に、交響曲の今後の運命を相談する。そして嵐のような運命と指揮者(あるいはベートーベン)とは対峙することになる。そして、ホールには金管楽器や打楽器で稲妻が表現される。

はっきりいって、ピアノ協奏曲は不要だった。マゼールは熱演だった。そして、これからクラシックDVDをもっともっと購入してしまいそうでちょっと怖い。まあ、すべて私が病院から生還したら、の話である。====>生還してしまった。