「狩人と犬,最後の旅」試写会へ行く

2006-07-06 22:40:37 | 映画・演劇・Video
768410d7.jpg2004年にフランス・カナダ・ドイツ・イタリア合作で製作され、フランスで「皇帝ペンギン」「ディープブルー」を超えて大動員された映画が、なぜ2005年でなく2006年8月に日本で公開されることになったのか、その事情はよくわからないが、公開の1ヶ月前の「狩人と犬、最後の旅」試写会に行く。六本木のGAGA(配給会社)の試写室は席が35人分しかなく、当日は25人ほどが参加し、約3人は眠っていた。評論家がノートをとれるようにテーブルもひろげられるようになっている。有名女優が映画の一部を観ただけで、既にマネージャーが一読している「できあいの感想」にアリバイをつける場所だ。

試写会で観た内容を書き連ねるのは本来マナー違反だが、営業の方は、「周りの方に、どんどん宣伝してください」と言っていたので、パンフレットに記されたストーリーを書いてみる。


”最期の狩人”としてカナダ・ロッキー山脈を長年行き抜いてきた実在の狩人、ノーマン・ウィンター、しかしながら、森林伐採により動物たちは減少。仕事も住まいも、生きる目的さえも失いかけていた彼は、今年限りで山を去ろうと決意する。

そんな彼の元にやってきた子犬のハスキー犬、アパッシュ。狩にも犬ぞりにも役に立たない一匹との出会いは彼の人生を大きく変えていくのだった・・・。


しかし、実際のストーリーは、少し違う。おそらく映画を観ないで書いたのだろう。だいたい、犬は主役でなくて脇役だ。副題の”最後の旅”というのもちょっと感じが違う。原題(英語版)は「The last trapper」なのだが、tripperと間違えたのではないだろうか。要するにカナダの山奥で先住民(Indian)を妻とする白人狩人が、森林伐採で山奥に追い込まれていく「自然との共生」というテーマが一つ。そして、犬や馬という人間が改良した家畜動物と狼や熊といった自然動物との争いがテーマの一つ。さらに、狩人としての「老い」との戦い、そして「引退」というサッカー選手のような葛藤がテーマの一つではないだろうか。


美しいカナダの自然は、本来、映画を観る観客の心をピュアにしていくはずなのだが、何か色々と考えごとが湧き上がってくる妙な映画である。たぶん、フランスでもそして日本でも、一冬に何百匹も動物を捕まえて、皮を剥いで毛皮に仕立て、中身の肉を犬の餌にして犬ぞりを曳かせるようなことがないので、その辺の違和感も最初は感じてしまう。

そして、この映画の狩人は、しじゅうへまばかりして、猟犬を殺してしまったり、湖で溺れかけたり、地吹雪で凍死しかけたり、熊に食われそうになってしまい、「もう、潮時じゃないのかな?」と思わせてしまう。ところが、毛皮価格の高騰という新たな状況におかれ、「引退して町に下りる決断」をためらう。

実は、この映画が完成したのは2004年なのだが、なかなか公開のチャンスに恵まれなかったのかもしれない。監督のニコラス・ヴァニエは、宣伝(?)も兼ね、大デモンストレーションを行う。

犬ぞり旅行。なんとバイカル湖からモスクワ赤の広場までだ。シベリア横断8000キロメートル。4ヵ月半。1日6時間走行として平均時速約10kmとなる。2006年3月19日に到着。たぶん、次の映画ができるのだろう。題名は「世界で一番犬ぞりの上手な映画監督」とか・・


ところで、GAGAの親会社はUSENである。実は私は株主。今年最大の失敗投資(凍死)。あっという間に株価が半値になった(3000円→1500円)。最大の原因は社長の宇野氏が個人としてライブドアの株を買い集めたからだ。そして奇妙な株主優待制度がある。GAGAの配給する映画の試写会に招待していただけるのである(今回の試写会は違う筋)。そして、その権利行使は6月1日から10月末日までなのだが、どの試写会が選べるのかという情報はホームページに記載されるはずなのに、既に期間が始まって一ヶ月以上たっているのに、「只今作品選定中です。今暫くお待ち下さい。 」ということだ。株価がさらに半値になるのではないだろうか、と、大いに心配・・・

「ハンニバル」はカニバリズム?

2006-07-05 00:00:45 | 映画・演劇・Video
c73682a9.gif映画ものをいくつか書くことになりそうだが、まずは旧作「ハンニバル」。原作はトマス・ハリスである。塩野七生の書くポエニ戦争を読んで、カルタゴ軍の大将軍ハンニバルに感動したわけではないのだが・・

ハンニバル・レクターは世界中の警察が追いかける超凶悪犯である。まあ、シリーズ物で、「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」の超怖いカワハギ、人食い犯罪者は、小説で書かれたあと、映画化される(その前に、「ブラック・サンデー」というテロリスト物を一つ書いているが、ちょっと陳腐)。小説だけでも十分にこわい。映画は、小説よりは怖くない。小説をすでに読んでいるからだ。

映画は原作の一部を割愛しているため、ちょっと怖さが伝わらないところもある。それで、本で読むだけで映画は観ないことにしているのだが、結局、いつも観てしまう。

そして、映画のエンディングが小説(原作)のそれと異なっている。これでは、次作の時に困ってしまう。小説ではFBIの女性刑事、クラリス・スターリングはレクター博士の愛人になって二人でブエノスアイレスに潜伏するのだが?!?!

そしてハンニバルが出版されたのは1999年。その前の羊たちが1988年。レッド・ドラゴンが1981年と超寡作作家である。そして、どうも2006年に次作が出版されたようだ。「Behind the Mask」。まだ未翻訳のようだが、またも、怖そうな題名である。Maskというのは、また顔の皮をはぎとって他人になりすます、というようなことをイメージしてしまう。

ああ、嫌だ、嫌だ、といいながら結局は本を読み、いずれ映画も観るのだろう。

芦屋は墓地までリッチ?

2006-07-04 00:00:41 | 市民A
芦屋といえば、「芦屋令嬢」(あるいは「芦屋夫人」)という熟語を思い出してしまう。もちろん、思い出すだけで、それ以上は何も起きない。令嬢や夫人だけがリッチなわけではなく、背後にはリッチな旦那が存在するはずだ。しかし、リッチな旦那やリッチな夫人やリッチな御令嬢にしても、100年経てば、みんな骨になってしまう。JR芦屋駅前のショッピングセンター、ラポルテ内にある「高級フルーツショップやまもと」で季節のビワやイチジクをあと数十回買って、食べて、終わりだ。そうすると、市営の「芦屋霊園」のお世話になり、残された末裔の方々が、僅かな維持費を払っていれば問題ないはず。

ところが、世間には様々な事情があり、維持費が払われないケースがある。もちろん、ものがものだけに、一回未払いになったからといって、いきなりレッドカードが出て退去通知になるわけではないが、そのうち「権利消滅」ということと相成る。

一方、芦屋霊園は山の中腹にあるため、拡大するためには、山の斜面の森を、上に上にと削っていくことになるのだが、山といっても頂上はそう遠くないので、いずれ行き詰る。さらに芦屋市は財政状況が悪化している。全国ワースト13だ。

なぜ、大金持ちが大勢住んでいるのに赤字になるのか、私にはよくわからないのだが、その理由を考えるのは本題から逸脱するのでやめる。少なくても横浜市民の私には影響ないだろう。(ダイエー中内氏の墓地があるのと関係があるのかどうかも検討しないことにする)

e796bc1a.jpgそれで、そういう、財政危機の結果、芦屋市は墓地の永代使用権を売却した。昨年何区画かを募集。週刊誌等では7500万円とか書かれていたのであるが、聞いてみるとそれより若干安い(造成費とかの扱いだろうか)。最も高い区画を見せてもらった。入口からすぐのところだ。ほとんど上り坂なし。陽当たり良好。面積広しだ。

造成中である。つまり、前占有者の痕跡を全部クリアするのだろう。掘ったり運んだり埋めたりだ。東京の青山墓地でも同様なことをやっているのを見たことがある。そして、この区画の面積は50平米ということだそうだ。15.15坪。平米単価は120万円(坪396万円)ということだそうだ。都合6000万円ということ。まあ、芦屋で6000万円持っている人はザラに大勢いるだろうが、・・

e796bc1a.jpg庶民感覚で言うと、もったいなくて、墓だけでなく地下室付の3階建て住宅でも建ててしまいたくなるかもしれないが、たぶん許可にならない。

そして、様々な理由で立ち退かなければならなくなった無縁仏や墓石は霊園の一隅に集められている。バウムクーヘン王、カール・ユーハイムが終戦直後にあわただしく埋葬された時の古い墓石はどこにあるのだろうと、ちょっと探したが無理だった。現在の新しい墓石の下にあるのでないだろうかとは私の推測なのだが、勝手に墓石を動かしたりすると、(見つかった場合)まずいことになるのであきらめた。


ところで、芦屋の町を少し歩いたのだが、どこに御令嬢達(あるいは御夫人達)がいるのか、よくわからなかった(御令婆はたくさんいる)。どうも山の手の方ではなく、海岸の方に多く高級住宅があるようなのだが、それは少し意外だった。よく、北から阪急、JR、阪神と3本並列運行している中で、リッチ度は阪急>JR>阪神と捉えていたので(3種類の電車にも乗ってみたが、車両格差の順位もはっきりしている)、どうも芦屋地区だけは逆パターンになっているというように感じた。(もっとも御令嬢は電車なんか乗らないから阪神なんか関係ないのだろうけど)。

ただし、芦屋でも神戸でもそうだが、どこへ行っても坂だらけである。リッチ度の測定尺度の一つは「靴」なのだが、このエリアではこの法則は使えない。金持ちから貧乏人まで、みんなスニーカーを履いている。

芦屋霊園とゴッホの関係

2006-07-03 00:00:34 | 市民A
59638b13.jpg先日、ユーハイム一家の墓標を探しに芦屋霊園に行ったのだが、その他の話題。まずは、ゴッホの「ひまわり」から。

ゴッホは12枚の「ひまわり」を残したといわれる(「13枚目が存在する」というのが藤原伊織「ひまわりの祝祭」のテーマだが、それはあくまでも小説)。現在の所在地は以下。(5枚目のひまわりのことがよくわからないこともあり、藤原伊織とは違う意味で別のひまわりがあるのではないか?と考えている人間も一人いる)

 1.ファン・ゴッホ美術館(アムステルダム)
 2.メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
 3.ベルン美術館
 4.クレラー・ミュラー美術館(オッテルロー)
 5.?
 6.個人蔵
 7.焼失
 8.ノイエ・ビナコテーク美術館(ミュンヘン)
 9.ナショナルギャラリー(ロンドン)
 10.損保ジャパン美術館(東京)
 11.フィラデルフィア美術館
 12.ファン・ゴッホ美術館(アムステルダム)

12点は、1887年から1889年にわたって描かれたのであるが、ゴッホは現物を見なければ絵を描けないという特殊な能力(というかイメージを頭に残せないという欠陥というか)を抱えていた。そして、ひまわりの切り花は日持ちが短い。12枚全部が本物のひまわりを見て描いたのではなく、何枚かは直接ひまわりを見て描いたのだが、何枚かは自分で描いたひまわりの絵画をみながら描き直している。どれがオリジナルでどれがコピー描きなのかは知っているのだが、書かないことにする。本業で営業停止になったりして可哀想な会社の美術館にあるからだ。

そして、このリストの7枚目のひまわりは、背景色がロイヤルブルーという某国のサッカーのユニフォームのように深い闇の色である。6枚目のひまわりが、現在「個人蔵」となっているのと同様に、7枚目のひまわりも個人蔵だった。日本国芦屋市打出在住の貿易商である山本顧彌太が所有していたのだが、終戦まであと9日という昭和20年8月6日の阪神大空襲で焼失してしまった。山本氏自身は難を逃れ、戦後、自伝の中で、「居間の壁に埋め込んでいたので持ち出せなかった。銀行の地下金庫に預けてもらうように再三依頼していたが、断られていた」という意味のことを書く。もちろん真偽不明だ。

芦屋に行ったら、焼失現場を確認しようかとも思っていたのだが、その前に霊園に寄った時に、「大空襲の慰霊碑」と「戦災犠牲者の墓地」を見ると、ひまわりの現場なんかどうでもいい、という気持ちになっってしまった。

59638b13.jpg慰霊碑は霊園に入り、右側に数分進むと一角を仕切られたスペースにある。高さ2メートル横4メートル程の石碑に犠牲者の氏名が刻まれている。よく見ると、犠牲者の名前は”あいうえお順”に並んでいるのだが、同姓が何人も連なっていて、一家で犠牲になられた方が多いことが偲ばれる。そして女性の比率が多いというのは、終戦直前には男性の多くは「どこか遠くにいた」ということだろう。3月10日の東京大空襲以来、本土空襲は波状攻撃を受けていて、6月頃からは、ほぼ連日、日本の大都市のどこかが焼夷弾を浴びていた。敗戦の時期を先延ばしして犠牲者を増やした結果となる。

8月6日、芦屋での犠牲者は91人ということだ。その他3回の空襲を合わせ、139人が犠牲となったそうだ。しかし、石碑に刻まれたのは、出資した遺族会の方に限定されていて、数えれば、95人である。そして、遺族会は戦後60年の昨年、解散している。

芦屋市が大空襲の記録をまとめた文書の中に、慰霊碑左から2列目、上から9番目から12番目までに刻まれている金児光子さん、美恵さん、哲也君、美抄子さんの4人についての記載<戦争が人間を変えた>があった。


ところで、慰霊碑の右側にある縦型の石碑には、「あの苦しかった、又悲しかった戦争体験は、決して風化させてはなりません」と刻まれているのだが、この言葉には違和感を感じる人もいるのではないだろうか。抽象的過ぎるし、主語や目的語があいまいだ。本来の意味は、「無理な戦争などを始めて、負け始めると、敗北宣言をする時期を逸しがちで苦しい生活になるので、その苦しい生活を忘れないことによって、負け戦に突入しないようにしよう」ということなのだろうか。侵略戦争そのものがいけない、というのではなく自分たちが苦しむから戦争はダメといっているように聞こえてしまう。まあ、そう考えがちなのだろうが。

そして、現代の芦屋は大富豪の都市に変貌している。その話題は次回。

追記:ゴッホのひまわりについて、もっと調べてみたいこともあるので、中期的課題ということに・・
要点は、
1.ゴッホは12枚ひまわりの絵を描こうと思っていた。
2.ひまわりがテーマの一つであるような絵は何枚もある。
3.確認されている12枚のひまわり単独絵画は5枚がパリ、7枚がアルルで書かれた。
4.ただし、5枚目はちょっと感じが違うので、ゴッホのいう12枚の内数なのだろうか?
5.もし、5枚目が違うならば、もう一枚書いたのではないだろうか。
6.6枚目のひまわりは、個人蔵とされるが、米国という説と欧州という説がある。
7.7枚目の焼失されたとされるひまわりは、本当に焼けたのだろうか?

それと、「12」という数字には悪魔性がある。日本に現存する天守閣は12。結局、全部見に行った・・

私選・横浜名所めぐり&全国詰将棋大会

2006-07-02 00:01:58 | しょうぎ
本日のブログ第二弾の後半は7月16日(日)に横浜ワールドポーターズで開かれる第22回全国詰将棋大会の話だが、それでは将棋ファン以外にはまったくつまらなくなる。関東の読者のため、および当日、全国から横浜に集まる詰将棋ファンために私的横浜観光スポット紹介をしてみたい。(いずれのスポットも間違いなく現代の普通のガイドブックには書かれていない穴場だが、穴場すぎるかもしれない)

1.東海道中最初の銘菓「米饅頭」復活 鶴見駅前清月堂
 (ブログ登場予定)

2.日テレ炭谷アナ盗撮逮捕現場 横浜駅西口エスカレーター
 (カメラ持参のこと)

3.銀行地下支店 三井住友銀行横浜西口支店
 (アングラマネー持参のこと)

4.日販1000万円!「崎陽軒」横浜駅東西中央通路売店
 (当日中に食べること)

5.東横イン「日本大通駅日銀前店」 偽装改造発覚の地
 (おわりのはじまり?)

6.明治のホリエモン、高島嘉右衛門の造成地見学
 (ライブドアオート展示場あり)

7.日本最古鉄道発車の地 桜木町駅裏 横浜発品川行
 (乗車料金1円)

8.カールユーハイム日本一号店の推定跡地
 (OPで関内クラブ街徘徊あり)

9.イサム・ノグチ少年通学の聖ジョセフ校跡
 (山手・歴史的建造物破壊例) 

10.「赤い靴」便乗商法(ホテル赤い靴) 山下公園そば
 (休憩5,000円カード可)

一番、費用がかさむのは、10番かな・・


ここからが、将棋関係者用。昨年から始めた詰将棋に「全国大会」というものがあった。昨年は名古屋、その前年が北海道だったそうだ。今回はご当地なので顔を出してみようと思っている。詰将棋作家とは、どういう人たちなのか?実はよく知らない。さらに不思議なのがよく○○会というような会に所属している方が多いようなのだが、団体で創るものなのだろうか?まあ、最大の魅力は会費が格安(1,500円)ということ。詳細は、わかりにくいホームページに紹介されているのだが、7月16日、13:00から17:30まで。

プログラムは、
・平成17年度看寿賞表彰式、解説
・10回参加者表彰式
・三代伊藤宗看生誕300年記念企画
・大道棋実演
・書籍紹介
・その他(詰将棋にハマる企画盛りだくさん)

二次会は中華街の萬珍楼(5,500円)だが、私は横浜人なので行かないつもり。たぶん、詰将棋界も「白い巨塔」の世界だろうし、「徒党主義」を感じないでもないので・・

そして、行かないつもりの二次会でアマレン(日本アマチュア詰将棋連盟)杯「握り詰作品表彰」があるので、とりあえず応募してみる。
「握り寿司」ならぬ「握り詰」とは、誰か第三者が、駒箱の中に手を突っ込んで、何枚かの駒を適当につかみ、その駒を使用した詰将棋を作る、といった趣向である。本当は、その場でやればいいのだが、それでは碌なものができないだろうということで、あらかじめ出題されていた。素材は、王、飛、金金、銀銀、桂、香、歩歩歩歩ということで12枚。

df260919.jpgまず、12枚は多すぎる。私の好きな角はゼロ枚。香はたった1枚。不得意な金銀が計4枚も・・歩が4枚というのも面倒。これも曲詰と同様に余詰の訂正とか困難を伴う。全部の駒を使ったあとの修正のこと。とりあえず、1週間もかけて1作を作り投稿してみたが、自分ながら凡作風。やはり「自由創作」の方がいい。一応、指し将棋のように、序盤、中盤、終盤風になっている(つまり長い)。できたと思われた方は、最終手と手数をコメント欄に・・。またも、余詰指摘の嵐になる予感もありだが・

「チ・バ詰将棋」解答と不完全作のおわび

2006-07-02 00:00:51 | しょうぎ
74451975.jpg1.チ(図1)
曲詰の難しい点は、「飾駒、不要駒の禁止」である。一応、すべての駒に意味が必要である。

74451975.jpgまず、「チ」の方から。

▲7四角成 △同玉 ▲ 6四飛 △8五玉 ▲8六飛 △同角 ▲8四銀成 △9五玉 ▲9四成銀 △8五玉 ▲8四飛(図2)まで11手詰。

74451975.jpg駒の説明をすると、5五金は3手目の飛車打を6四飛に限定するため配置。7五歩は香でも可。攻方の玉が金だと、途中7手目▲8四飛以下、早詰となる。さらに受け方の7四竜が生飛車だと、初手▲8五飛という手がある。同玉だと作意と同様の別手順となるが、△9四玉と逃げたときに▲8三飛成(図3)以下という強烈手順がある。7四にいるのが竜ならこの手順はできない。以上。

2.バ(不完全作)(図4)
74451975.jpg当初発表図だと、おそらく3種類の余詰め順がある。初型から▲1三竜 △3三金 ▲5三飛 △同銀 ▲同角成 △3四玉 ▲4三銀 △4五玉 ▲3五馬 △5五玉(図5)。ここで、作意は▲6六銀 △5六玉 ▲5七馬 △4五玉に▲4七香の限定打なのだが、4八、4九から香を打つと合駒が一枚余ってしまう。また▲4七香ではなく、▲5四銀不成でも詰む。さらに図5に戻り、▲5六銀 △同玉 ▲1六竜以下でも駒余りで詰む。

74451975.jpg3五香の配置を歩に変えると、うち一つの余詰順は消えるが、二つ目、三つ目は無理だ。これらを修正しようにも「バの字」が崩れるので、色々と配置を平行・垂直移動させたりしたが、解消できず。要するに攻め方の駒が強力過ぎるのが原因と思われるので、攻撃陣を若干弱体化させればいいのだが、もう修正をあきらめようかとも思っている。というのも、別の課題「握り詰」に取り組んだら疲れ果ててしまったからだ(その事情は後でアップ予定)。それに「バ」の方には不本意ながら持駒「銀」がくっついている。「”千葉”詰め」ではなく「”千葉銀”詰め」になっているのだ。

現代植物画の巨匠展(~7/2)

2006-07-01 21:49:17 | 美術館・博物館・工芸品
1b4f5b56.jpg損保ジャパン東郷青児美術館(新宿)で開かれている「ボタニカル・アート」の展覧会。実は、そういう分野が確立されていることをはじめて知った。まず、植物画は学問なのか?あるいは芸術なのか。

学問か?芸術か?ということに現代で答えをみつけることは難しい。どちらかというと「芸術に近い」ような気がする。植物の特徴をデフォルメし、写真よりもリアルな姿をあきらかにしようということだろう。今回出品された作品は、ほとんどが紙に書かれているし、植物の背景は白である。しかし、これも流派が様々で、もっと絵画に近いものもある。

1b4f5b56.jpgそして、気付いたのは、これは日本でも江戸時代の盛んだった「博物学」と同じではないだろうか?ということ。昨年、国会図書館がとりあげていた「描かれていた動物・植物-江戸時代の博物誌」でも同じようだ(もちろん日本画に遠近法が導入されたのは明治以降)。このホームページもたいへんよくできている。

ところで、会場は大入り。インド・オーストラリア・南アフリカといった地域の作家が描く色鮮やかな植物絵画は、いかにもこういう絵が好まれるのだろうか。絵葉書を買って、自宅で拡大コピーして額縁に入れて壁に掛けてみると、世界の植民地王になった気分になれるのかもしれない。

1b4f5b56.jpgところで、この美術館の本業である「保険事業」は保険金未払などの不祥事で業務停止処分を受けた。その後、他の証券会社もいくつかの処分を受けた、と思ったら、他の会社からはすぐに「反省文」が送られてきたのに、損保ジャパンはなしのつぶてだ。個人的には、ここ数年、2回怪我をしたり、ゴルフクラブが折れたりで損保ジャパンに支払請求したが、容易なことではなかった。こちらを「保険金詐欺」のように露骨に疑う。「保険会社変えますよ!」と脅かしてもあまり効き目がないようなので、担当者ではなく上司を怒鳴りつけ、満額獲得してから、徐々に他社に乗り換えている。