あくまでもストレートに

2005-01-26 21:50:55 | 音楽(クラシック音楽他)
47de63c8.jpg花粉症の季節に、不便していることの一つに「コンサート自粛」がある。もちろんくしゃみのせいだ。で、本格花粉シーズン直前の今は、無料コンサートを愛用している。港区では、会社の近くに3ヶ所で昼休みを利用して行われている。サントリーホールはオルガンコンサート。それから日本財団とJTアートホールではそれぞれ室内楽である。いずれも原則30分間で出入り自由なので、重宝している。もっとも、無料なので満足には限界もあるのだが、それはしょうがない。しかし、芸術の感動の半分は、自分の心がかもし出すものだから、自分で聞き込めば、それなりの満足は得られる。

そして、JTアートホールでは「期待の音大生によるアフターヌーンコンサート」シリーズで、1月24日は東京音楽大学の二名の男女による「R・シュトラウス」と「ラインベルガー」の協奏曲の小品2曲。ピアノとホルンである。

まだ20歳を少し超えたばかりの彼らの演奏は、あくまでも、そしてどこまでもストレートでクリアだ。スコアを忠実に表現して、音楽そのものを「快感」の側でとらえていく。空に雲ひとつ見えない。

二人の若いプレーヤーにはこれから、才能と若干の運をもって、長く続けてもらいたいが、これからがロングアンドワインディングロードになっていくはずだ。年を重ねるにつけ、感情は複雑に織り成されていくし、激しい個性が噴出す場合もあるし、何度もそういう変遷を続け、進歩か頽廃か訳のわからぬ泥沼にはまっていくものだ。

野球のピッチャーと同じで、若いうちはストレートだけでいいのだろう。年をとってやたらに変化球を覚えると、最後はストレートが投げられなくなるものだ。

自分がよく聴くCDもアシュケナージのラフマニノフのピアノ協奏曲とかバルトークとか、結構、正常と異常の境目のあたりが多い。住んでいる世界だって、虚言と虚構と虚像の世界なのだから、お似合いか、ああ・・・