ドームに来たイタリアは

2005-01-16 22:33:41 | マーケティング
9c68598f.jpgイタリア・フェスティバルin東京ドーム;(Qui Italia)に行った。水道橋駅から東京ドームの入場口へ上がっていく階段の途中にはダフ屋もいるが、原則的にダフ屋からは買わないことにしている(売ることはないかと聞かれると口ごもってしまうけど)。なにか、正規のチケット窓口だけではなく、割引券や招待券の方も多いようで、ちょっと顔が歪んでしまうが、たまには逆の立場の時もあるので気にしない。1500円払う。8対2で女性が多い。

ドームのグラウンドにパネルが敷かれ、パーティシションで分けられているが、全部回るとなかなか遠い。というか人ごみの中を歩くので方向がわからなくなる。展示品よりも人が多すぎる。そして、イタリアが歴史と文化で世界の頂点であるという主張がよくわかる。特にデザインや工芸品やワインやミケランジェロやバイオリンやカメオやヴェネチアングラス、そしてフェラーリ。そういうものが全部揃って並べられると、欧州の他の国は絶対にかなわない。逆に言えば英独仏に対し、負けているものはイタリア人そのものだということも言えるのが、この国の問題か。

イタリアの良さを感じるなら高級品を並べなければならないが、そのせいか会場警備員がたくさんいる。男性客が少ないせいか、展示品に近づくと、どこのブースでも警戒の視線を感じてしまう。嫌な感じだ。かなり疑われているのは、本当に盗難事件でもあったのかも知れない。かといって30分待ちのイタリアンカフェの列にならぶ気力はなく、自動車関係のブースを覗いたが、私にはカタログも見せてもらえなかった。マセラッティ購入資金700万円を財布にいれていたのに・・・

なんとなくイタリア雑貨品バザールみたいで、招待客が多いのもわかってきた。ちょっと正規料金は高かったかな?

実はF1のことを調べていると、フェラーリが2001年に使ったフォーミュラーカーを急遽出品するというのでそれを見に行ったのだ。ただ、フェラーリのF1カーはお台場の昭和シェルミュージアムにも展示されているので、それとは違うのだろうと思っていた。しかし、実物は何か似ている様な気もして、カメラで写して、後で確認しようと。

そして、自宅で、シェルミュージアムのホームページのフェラーリの画像と比べても、違いはわからない。同じようにも見える。もちろん、まだ会期中なので、お台場に行って確認すれば同一のフェラーリ使いまわしかどうかはわかるのだが、野暮はやらない。なぜかと言えばイタリア・フェスティバルのホームページを見て、もっと不愉快なことがわかったからだ。主催者がナベツネだった。東京ドームだから当然か。新聞購読者へのサービス券だったわけだ。だから、ダフ屋に売る券が余るのだろう。新聞拡張員に始まり、ダフ屋で終わる構造はナベツネにお似合いだ。

N證券FA説明会はスルー

2005-01-16 22:32:56 | 市民A
N證券から、FA採用の説明会の案内が来ていたが、スルー。ただし、友人3人に転送する。あくまでもFPではなくFAというのがキーポイントで、外交セールスマンなのだろう。ペイオフ解禁により、資産分散化が必要な資産家の自宅を訪問し、業界ナンバーワンの地位を生かして、自己責任型のあぶない金融商品を売り歩くのだろう。そういえば、「個人はドブ」というのは、この会社の内規であったような・・・

説明会のことで言えば、どうも1月16日は2回目の説明会らしい。1回目の説明会ではFA希望者が少なかったのだろう。1回目の開催案内は届かなかったので、2回目は募集範囲を広げたのだろう。読み切りだ。

バブル期には、本社をニューヨークに移すとか言っていたが立ち消えになった。その後、特定の傾向の強い組織への利益供与事件が発覚したことを考えれば、案外、東証からNYへ離れることにより、総会屋を整理しようとしていたのではないかと曲解できる。

ところで、四大證券と言われた4社のうち、山一は廃業。日興は日興コーディアルとして、CITIとみずほが提携。大和は三井住友が提携をしている。NMRは東京三菱と提携するだろうというのは消去法的選択だろうが、プライドの塊同士の組合せでは100年待ってもうまくいかないだろう。

燃費って

2005-01-15 22:35:43 | MBAの意見
相当年数の過去に、ガソリンスタンド関係の仕事をしていたことがあり、今でも友人と会う時にガソリン価格の話をすることがある。ちょっと、驚くのは、こういう発言があることだ。「最近原油価格が上がって、燃費が悪くなった」。確かに原油価格はバレル30ドルから50ドルになった、為替は1割くらい円高になったものの、ガソリン価格は上昇した。レギュラーガソリンはリッター100円くらいだったのが110円くらいになっている。(もちろん、スタンドによって値段は違うし、地域によっても違うし、現金かカードかによっても違うが、それはミクロ経済学的説明ができるのだが、後日ということにする)

単価が100円から110円に1割アップしたのだから、月間10,000円ガソリン代を使う人だったら11,000円になるし、5,000円使っていた人なら5,500円になる。家計の中の燃料費は1割アップということになる。月間1,000KM走っていた人で、リッター10km走るのであれば、1kmあたり10円だったものが11円になる。確かに燃費は悪くなった。と言えるのだろうか。

本当は違うわけだ。車のカタログを見ればわかるように、「10-15モード、12.0km/L」とか書いてあるはずだ。ただし、ほとんどのカタログでは燃費は最後のページのスペック諸元表の一番最後から2行目くらいに書かれている。それも極めて細かな数字で書かれていて、老眼鏡とか虫メガネが必要だ。もちろん本当に老眼の人には絶対に見えない。ちょっと考えればわかるのだが、車を豪華にして、スペックを上げれば上げるほど値段は高くなりメーカーの利益は増えるが、反面、車体重量は増えていくのだから燃費は悪化する。だから見せたくないわけだ。

燃費の計算式は簡単だ。走行した距離を使った燃料で割ればいい。素人でも計算できる。セルフスタンドで満タンにして、トリップメーターを0にする。ガソリンがなくなった頃、同じスタンドの同じ給油機で満タンにする(機械にはくせがあったり、スタンドの敷地の微妙な傾斜があるので、同じ条件で測定した方がいい)。それで、走行距離とガソリンの量が出るから、電卓で割り算をする。これで終わり。結局ガソリンの価格や金額は関係ないのだ。

もともと、燃費は地球温暖化の原因物質であるCO2を増やさないための、指数のようなものなのだが、結局は環境よりも自分のポケットの方が重要と考える人がほとんどである。距離の燃費と費用の燃費が一致するなら問題はないのだが、日本ではガソリン価格が上がっても下がってもガソリン需要量は短期的には、ほとんど(まったく)影響がない。おそらく、もともとガソリン価格が高いため、むやみに走る人は少数で、何らかの目的で走行することがほとんどで、調整できないということだろう。米国の場合は、昨年末の流通業のレポートを読んでいると、クルマで買い物に行く回数を減らして、まとめ買いをするようになり、シアーズのような中流家庭向けスーパーでは「衝動買い」商品が不振をきわめているそうだ。(ハイブリッド車が環境ファッションで売れる日本と違い、実利で売れるのだから米国はまた凄い。そしてGM・フォードが対応できないのもまた凄い。)

トヨタプリウスがうまいのは、ハイブリッド車だけの車種であることだ。ノンハイブリッドと比較することができない。同じハイブリッドでもエスティマが不振なのは、ユーザーが車両価格差と燃費差を電卓で計算できるからなのだろう。

ところで、地球に優しくすると同時にサイフに優しくするためには、リッター走行距離を伸ばすことにつきるわけだ。クルマを買い換えるというのは、大胆なリストラ策で効果は絶大だが、そう簡単ではないわけだから、その他のことを考えるべきだ。通常の市街地走行で、上で書いた簡易燃費測定法で測定すると、カタログ値(10-15モード)の70%程度にしかならないことが多い。つまりこの70%を改善することが目標となる。

アクセルを踏み込むとガソリンは大量にエンジンに注ぎ込まれ、回転数が上がり、加速することになる。しかし、加速というのは速度の変化であって、速度そのものではない。マラソンランナーは42キロをコンスタントに100メートル16秒のスピードで走るが、これを12秒で走って4秒休むという走り方をすれば、相当体には無理がきて消耗する。なるべく等速度で惰性を使ったほうが効率的だからだ。つまり、簡単にいうとおとなしい運転をすることがいいわけだ。高速道路の無闇な車線変更もいけない。といっても運転は性格をあらわすとも言う。意識を変えることは難しい。

こう考えたらどうだろう。隣に座っているのが「18歳の恋人で、全身にアドレナリンが走りまわるような加速度運転」とか「戸塚カントリーから首相官邸に戻る前に自宅へ寄ってスーツに着替えるための大急ぎ運転」をするのではなく、「世界でもっとも大切なものを運んでいるハイヤー運転手の気持ち」になればいいわけだ。といっても「世界で最も大切なもの」って何をイメージすればいいのだろう?もちろんそれは、あなた次第ということである。「大切なもの」がすぐに思いつかない人には問題があるのだが、例えば、「デパ地下で買った8,000円のクリスマスケーキ」というのはどうだろう。あるいは、「ヤマダ電機で買ったばかりの42インチの液晶テレビ」というのはどうだろうか。「ベンチャー企業サン・アクト社の樹木非破壊診断装置」がいいかもしれない。

しかし、大切なものは物質ではなく、断固として人間であるべきだと思う人は、「婚姻届は出したが、まだ生命保険に加入していない大事なパートナー」を想像してもいいのだろう。

一人当りGDPを真剣に報じる愚

2005-01-15 22:34:43 | MBAの意見
読売新聞は1月14日の記事で、内閣府の試算をもとに、2003年の日本のGDPが6位から9位に後退した、とさも残念そうな書き方をしているが、そういう考えは「愚」だ。

リストをつくってみると、こんなものだ。

2003年の一人あたリGDPの上位国 金額(ドル)

1 ルクセンブルク58,440
2 ノルウェー 48,754
3 スイス 44,888
4 デンマーク 39,622
5 アイルランド 38,455
6 アメリカ 37,424
7 アイスランド 36,311
8 スウェーデン 34,000
9 日本 33,727
10 オランダ 31,778
11 オーストリア 31,164
12 フィンランド 30,898
13 イギリス 30,432
14 ベルギー 29,282
15 フランス 29,251

まず、GDPという統計は二次統計であり、いきなり計算できるものではない。いくつかの経済指標をもとにいわば推定して作るようなものであり、経済活動のすべてを網羅する絶対に正しいものということではない。中国のGDP統計が怪しいのは、各省ごとの計算値を集計しているだけと言う事情もある。

さらに、本来、GDPは各国通貨で計算されるものであって、ドルベースの統計ではない。それを無理やりドルに表示しているわけだが、為替は変動相場であり、1年の間に20%も違うこともある。要するに、適当に割り切って換算するわけなのだが、為替によるGDPの変動など、あまり意味はない。

また人口にしても、どの国も国内の外国人比率が高くなっていて、それらをどうやってカウントするかどうかも一人当たりの計算には影響する。

次に個別論だが、上位5位までをみるとヨーロッパの小国と金融立国が並ぶ。1位のルクセンブルグは金融立国政策という言い方をするが、実際にはファンド運用益への課税を無税にしているはずで、私の持っている何本かの円建て外債もルクセンブルグ法人が運用していることになっている。ルクセンブルグの国民とは関係ない。ノルウェーとデンマークは北海油田の原油価格高騰による。つまり2004年には、もっと原油価格は高騰したため、ノルウェーが1位になるだろう。
アイルランドはGDPが実質的に相当成長している。ここは本物だ。ただし、EU効果を生かしているため全産業というより、特定の分野に特化しているようだ。私のコンタクトもアイルランド製だ。貿易統計を見ると有機化合物の輸出が非常に多いが何だろう?ただし、国民の数は横浜市と同じくらいだ。アイスランドの人口も30万人以下だ。

やはり、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアといったところと比較しておいた方がまだましだと思う。また国民の豊かさを示そうというのなら、GDPだけでなく貿易赤字分を上乗せし、貿易黒字を差し引いてから人口でわるべきだ。よく、貿易赤字は悪いのではないかと思いがちだが、マクロ的にいえば正解だが、生活の豊かさを論じるなら逆だ。札束を切って、外国から輸入して、財を増やすから貿易収支が赤字になり、国内は物質的には豊かになる。

ところが、この一人当たりGDP、2004年の統計が発表されると大問題となるだろう。ユーロ高でユーロ圏の国は無条件で2割増えるはずだ。円は1割増えるだろう。そして、ノルウェーと英国という産油国は、さらに上に行く。日米ともに来年は15位争いになっているかもしれない。

しかし、日本についての朗報(?)は、2006年から、人口が減少することだ。一人当たりGDPが増加の方向に働くだろうが、それこそ、あまりにも情けない。

スギ花粉近づく!

2005-01-14 22:37:00 | 市民A
42bd7e3c.jpg今年は近年まれに見る花粉量らしい。異常気象で昨年夏が猛暑だったことが原因だが、その前2年間が少なかったのもまた、異常気象のせいなので、怒ってもしかたない。ところで花粉量は昨年の20倍から30倍と報道されているが、科学的であるような、科学的でないような表現だ。花粉症の苦しさを知らない記者が、どこかの発表を鵜呑みにして無神経な記事を書いただけだろう。実際は、昨年はほとんどゼロに近い微量だったわけだから、ゼロのような数字に対して、何十倍とかいうのもナンセンスだ。

普通の患者は、普通の量の花粉が飛べば発症するのであって、問題は花粉量ではなく、飛散期間と、その期間の天候だ。花粉が飛んでも、山間地に雪が降れば軽減される。大雨でも同じだ。一気に大型台風でもやってきて、すべて吹き飛ばしてくれればいいのだが、それこそ非科学的希望だろう。予想では1月中旬から4月中旬までらしい。3ヶ月。普通より1ヶ月長い。

私は、患者歴数十年、症状から言えば、「中の上」か「上の下」くらいだ。最近の基本戦略は、予防薬+目薬+鼻スプレー+外出時のマスク。そしてゴルフには行かない。空気清浄機のついていないIYというスーパーには行かない。(対策ではないのだが、コンサートにも行けないし、満員電車も避ける。髪も切らない。ティッシュは高くても柔らかいKブランドにする。)

経験的には、予防薬を飲み続けると、体が弱ってくる。2ヶ月がほぼ限度だ。よく、予防薬は早めに飲むべきといわれるが、そういうわけであまり早くからは飲めない。そういうわけで、今年は飛散期間が長そうなので、慎重に対処しなければならない。

4大症状というのがあって、目のカユみ、鼻水、くしゃみ、鼻詰まりといわれる。最近は、いきなり鼻ではなく目から発症する。今の計画だと、目が痒くなった初期段階は目薬で対応して、鼻にきたら耳鼻科に行くつもりだ。「遅すぎる」と怒られるだろうが・・・

そして、そろそろ、目がカユくなりつつある状況なのだ。たぶん、来週後半に耳鼻科行きかな?できればあと1週間でも粘りたいものだ。クスリ漬け期間の始まりだ。3年ぶりの大飛散量ということなので、今年の夏には耳鼻科医の乗る3年落ちの乗用車は残らず新ベンツに買い換えられることだろう。

つぎに、大量飛散となると、今まで、さまざまな民間療法が紹介されていたが、今年こそ真価を問われることになる。もっとも、症状が軽くても重くても、効果測定は不可能なのだが。去年は立体マスクも使ってみたが、平面的な顔の方にはいいのだろうが、立体的な顔の場合は、顔の凹凸にフィットし過ぎて、隙間がなくなり呼吸困難になってしまった。

そして、絶対に効く薬がある。ステロイドだ。普通の医者は絶対に使わないが、時に、使う場合がある。効果がある反面、数多くの副作用がある。過去2回2医院で使ったことがあるが、やはりちょっとあぶない感じがつきまとう。実際、副作用以上の問題は、最終兵器のような薬を花粉症程度で使うべきかということだ。例のSARS患者に対しては、この薬を大量投与していたようだが、そういう時のための薬ということだろう。しかし、統計的には、今年こそ、わかっていながら使う人数は増えるのだろう。性格が暴力的になる可能性もあり、あくまでも統計的な話だが、犯罪増加に結びつかなければいいのだがと思う。


ところで、いくつか期待していることがある。まず、軽油車の排ガス規制の強化である。軽油車から排出されるSMという微粒物質が空気中で花粉とやすり状に擦れ合うことにより、花粉の中のアレルギー反応物質を液体の形で花粉表面から分泌させることが知られている。大都市での4月からの規制施行に備え、既に車の対応は終わり、軽油に含まれるイオウ分も1/10になった。いわゆる慎太郎軽油だ。これが花粉症を防ぐことになるのなら、次の選挙で1票投じたいが、残念ながら選挙区が違う。

もう一つの淡い期待は、どうも冷血宰相も花粉症持ちらしいのである。戦後の「政治構造」、「経済構造」に終止符を打つのは彼の仕事のはずだが、現在のスギ花粉症の多発もまた、戦後の「植林政策の失敗」の結果である。個人的には、郵政民営化や今後発生する第三セクターの整理整頓が不発に終わってもかまわないから、日本中のスギの木を切り倒してもらいたいものである。

就職人気企業発表

2005-01-14 22:36:24 | MBAの意見
ダイヤモンドリード社による学生による就職人気企業が発表になった。対象60,000人に対し、わずか5.7%3425人の回答というのがなさけないが、ちょっと考えてみる。

■文系/男子
1位  三菱商事
2位  三井物産
3位  三井住友銀行
4位  東京三菱銀行
5位  松下電器産業
6位  東京海上日動火災
7位  みずほFG
8位  電通
9位  住友商事
10位 損害保険ジャパン

まず、文系男子から商社の人気が高いのは、日本が正常化しつつあることを示しているのだろう。「交易国家」だ。それから銀行は大手3行がランクイン。住友が三菱より人気が高いのは、若くから仕事を任せるからだろう。金融志望の学生も細かいところをよくみている。

■文系/女子
1位  東京海上日動火災保険
2位  ジェイティービー(JTB)
3位  全日本空輸(ANA)
4位  損害保険ジャパン
5位  日本航空(JAL)
6位  東海旅客鉄道(JR東海)
7位  サントリー
8位  三井住友銀行
9位  ロッテ
10位 ベネッセコーポレーション

文系女子は、おどろくことに旅行系が多い。自分が旅行に行くには、ツアコンになった方が早いのだが。HISが入っていない。業種は楽しそうだが、仕事は楽しくないというような会社が多いように思えるがどうだろう。男子もそうだが損保ジャパンが意外に人気だ。写真で本社ビルを見ると、スマートな超高層ビルのようだが、新宿高層ビル街の中ではかなりミジメだ。

■理系/男子
1位  松下電器産業
2位  日立製作所
3位  NTTデータ
4位  日本電気
5位  ソニー
6位  トヨタ自動車
7位  NTTドコモ
8位  野村総合研究所
9位  NTTコミュニケーションズ
10位 日産自動車

理系男子は、ついに松下が1位。文系でもランクインしている。インスパイアネクストの日立が2位とは、上位過ぎるのではないかと思うが・・、ソニーはどこまで落ちていくのだろう。リストラしている会社は人気が下がるし、リストラが終わった日産はホンダより上だ。野村総研は男女ともランクイン。シャープと三洋が入っていないのはちょっと意外。トヨタがソニーの下というのも情けない。これから株主重視政策といっているが、そのかわり軽視するのはユーザーなのだろうか、社員なのだろうか、納入業者なのだろうか?

■理系/女子
1位  ロッテ
2位  サントリー
3位  NTTデータ
4位  日立製作所
5位  資生堂
6位  味の素
7位  野村総合研究所
8位  花王
9位  江崎グリコ
10位 P&G
理系女子1位のロッテって文系女子でもランクイン。女性に魅力があるのはなぜなのだろう。すべてのランキングの中で、一番わからないところだ。(あっ、ハン流か!給料がハン流でないことを祈る)


全体を見て感じるのは、ライブドアとか楽天とかソフトバンクとか入っていないし、ソフト産業よりハード産業が人気のように読める。元政府系企業もチラホラ。本音はそんなところかな。

しかし、日本の世界に誇る産業は次の5種だそうだ。ゲーム、パチンコ、マンガ、カラオケ、携帯電話。いずれも、文系・理系とはあまり関係ないし、男女差もない。

そして。この結果はあくまでも「希望」であり、現実は妥協の結果ということになる。できれば来年の調査では、企業だけでなく、「上級国家公務員」「教師」「市役所」とかの選択肢も付け加えてほしいものだ。

スパイラル型省エネボールとは?

2005-01-13 22:38:44 | 市民A
283e2537.jpg一風変わった電球がある。「新スパイラル型省エネボール」。スパイラルということばとボールということばは、本来、同居できないのだが、何物かというと、白熱球型の蛍光管である省エネボール(松下、東芝製品が多い)の改良?型で、細いガラス管をメビウスの輪のようにねじった形状だ。ばねのようにも見えるが、あくまでもガラス管である。作るのも大変だろうが、設計図を書くのも大変だろう。よくわからないが、完成するまでにはずいぶん試作品を作ったのだろう。日本メーカーだがメイドインチャイナだ。

省エネボールは電球より、電力消費が少なく、また長持ちするのが特長だ。一方、欠点としては、値段が高い点と、点灯して直ぐには明るくならないで、完全に明るくなるまでに30秒程度かかることだ。それと、電灯60Wに対して15W程度が対応するのだが、実感としては少し暗い。その少し暗いというのを解決するために、縦長で、ボールではなく管状にしてあるらしい。実際には確かに白熱球とかわらない。徐々に明るくなるというのは同じだ。だからトイレや階段などには向かない。

実は、家の門灯を終夜つけておくようにという要請がある。電力会社の陰謀ではない(はず)。防犯用だ。本来は市の仕事であろうが、実際にはほとんど無理だ。そこで道路に面した門灯を各戸がオールナイトでつけておいてほしいとのことである。そこで問題は電気代になる。現在は、普通の60W電球である。計算は比較的簡単だ。1日10時間60Wをつけっぱなしにすると、60W×10時間=600WH(ワットアワー)。1年間だと365倍なので600WH×365日=219,000WH=219KWH
KWH単価は約20円なので、219×20=4,380円、5%の消費税を上乗せすると4,600円になる。

これが15Wだと1/4となるので、3/4分がコストセーブとなる。3,450円の節約。一方、電球のコストだが白熱球のコストは格安だ。100円くらい。一方松下・東芝の省エネボールは1球1500円位なのだが、このスパイラル型のものは、一流メーカーでないこともあり、安い。3個1,050円だ。1個350円。約1ヶ月で元がとれる。

しかし、一つ欠点があった。とりつけるにあたりちょっと手からすべり、落下したと同時に、こっぱみじんに砕け散ったのだ。電球型の場合はどうということない程度の衝撃なのだが、破壊力はすさまじくガラスの破片が広範囲に飛び散り、後始末に長時間が必要だった。落としてみたら、予想を超えた恐ろしい被害がでてしまった、最初の原爆投下国の気持ちかもしれない。1個350円のはずが、2個になってしまい、1個525円となってしまった。

自宅には、この他にも待ち受け電気をカットするコンセントとか、パソコン周りはスイッチ付きコンセントとか使っている。電池式電動歯ブラシでへたってきた電池は、「へたり電池ボックス」に入れられ、100円ショップで買ってきた電圧計(テスター)で測定され、AV用のリモコンへ回っていくことになっている。もっとも電動ハブラシとか低周波治療器とか超音波ねずみ対策器ペストXとかデロンギオイルヒーターなど使わなければそれの方が省エネ・省マネー効果が大きいのもまた確かなのではあるのだが。

ランディ・ジョンソン、ヤンキースへ

2005-01-13 22:38:09 | スポーツ
弊ブログ12月22日23日でヤンキース、ダイヤモンドバックス、ドジャーズの3角トレードが寸前で崩れた話を書いたのだが、その中で、「ジョンソンが宙に浮いたまま」と指摘したが、やっと片付いた。ジョンソンがヤンキースに移り、代わりにバスケス投手と2選手と金銭をヤンキースが支払うことで決着。ダイヤモンドバックスのホームページを見ると、その他ドジャーズからグリーン野手を獲得している。計算からするとジョンソンのおつりとしてヤンキースからダイヤモンドバックスに入るおカネをドジャーズに払って、グリーンを獲得したのだろう。とすると実質的にはダイヤモンドバックスはジョンソンのかわりに、若いピッチャーと4番バッターと2選手を補強したことになる。なぜか、というと2004年のシーズンの成績は51勝111敗。勝率.314だ。オリックスどころの騒ぎじゃない。それでもジョンソンは16勝。さらに5月18日には、完全試合のおまけがつく。

ダイヤモンドバックスは1998年にデビルレイズと同時にMLBに参加。1年目の98年にはナリーグ西で5チーム中最下位(デビルレイズはどうしたことか、それ以降ずっと、地区最下位のままだが)。しかし翌99年はジョンソンを獲得し1位。00年は3位、01年は1位でヤンキースとのワールドシリーズでジョンソンの連投(シリーズ3勝)でワールドチャンピオン。ついに頂点に立つ。02年も地区優勝だが、その後03年3位、04年5位と落ちるところまで落ちてしまった。三木谷さんも気をつけないとすぐに最下位になるかもしれない。

ジョンソンは南カ大卒業後、エクスポズ、マリナーズ、アストロズ、ダイアモンドバックスと移籍。今までチーム運には恵まれていなかったのか、あるいは自らの高い給料が他の選手への高額支払い能力を奪い、2流選手の中で投げなければいけなくなったのかはわからない。

それにしても、ヤンキースにもナベツネがいるのだろうか?もっともジョンソンはダイヤモンドバックスから給料が払えないので引き下げると通告されていたため、早くから移籍を表明していた。「MBAのテキストには、給料を1割下げると勤労意欲が2割下がり、逆に1割上げても5%しか勤労意欲は改善しない。と書いてある」と説明すると、そうかそうかと納得する人が多いが、本当はテキストなんかには書かれていなくて私のオリジナルである。

背番号は41、年齢も41。やはりニューヨーカーには2001年のワールドシリーズ第7戦に3試合連投で1点差で負けている場面でリリーフに出てきた時の衝撃が残っているのだろう。ところでジョンソンの背番号に1を足すと42になるが、これは全チームが永久欠番にしている。ジャッキーロビンソンの背番号だ。そんな待遇は彼だけだ。アメリカのかかえている問題が垣間見える。

一方、前回の3角トレード話では石井投手が絡んでいたが、こちらはきょう現在はそのままのようだ。ただし、ドジャーズには4番の内野手がいなくなって、数百万ドルの現金がある。「NAKAMURA?」

ごみ処理の後進地区のトライ

2005-01-12 22:40:43 | 市民A
f09c6529.jpg横浜市は現在月間11万トンのごみを処理している。一人あたり月間31?だ。世帯人員は2.39人なので、1世帯あたり月74kgの排出量だ。そしてその2/3が家庭ごみである。そして、家庭系事業系を問わず、年間160万トンのうち、わずか5万トンだけが資源ごみとして再利用されている。そして残り155万トンは、ほとんどが焼却炉行きとなる。そこで灰となるわけだ。
燃やして灰になると、重さが2割になり、容積は大いに小さくなる。8割分は、二酸化炭素と極少量の有害物質となる。そして、灰と、燃やせなかったゴミは、本牧沖の人工島か内陸の最終処理場に埋め立てられる。おそらく、日本の大都市の中で、最も原始的な方法だ。

横浜には長く住んでいるが、これでもビン、缶、ペットボトルは別になったばかりで、数年前は、すべてのゴミはまず焼却炉で縮小化していた。処理場でのデータを見ると40%が紙ゴミで30%が生ゴミ、20%がプラスティックで、残りが樹木などその他である。

それが、突然4月から、細分化分別になる。まず、「燃えるゴミ」ではなく「燃やすゴミ」となる。それから、プラスティック、ダンボールと古紙と雑紙が別扱い、古布、スプレー缶、電球や刃物といった危険物、それから、缶とびんとペットボトル(ふたはプラだ)、小さな金属類、乾電池。発泡スチロールと牛乳パックは買った店に返すということだ。覚えられない。実は、12月から分別の練習しているのだが、よくわからないことだらけだ。雑誌は、ばらばらにしてホチキスをはずすのだろうか?使い捨ての髭剃りは、とってがプラだが刃が鉄製。履きつぶした革靴は、裏底がゴムだ。古くなったゴルフボールは?生ゴムと糸巻のバラダボールは燃やすゴミだろうか?使い捨てコンタクトは?レトルカレーの袋にはプラマークがついているが、洗うのだろうか?大量の水を使うのだが・・・花粉症で大量に発生する使用済みティッシュは雑紙かな?シュレッダーゴミは?とかとか不明だらけなのだが、その都度横浜市に電話をするのだろうか?

そして、当面の問題は、ゴミ箱を買い込まなければならないこと。とりあえず、プラと雑紙は各部屋ごとに分類して生ゴミと古紙は一箇所で集約するとして・・・家中がゴミ箱だらけだ?!?

横浜市はG30計画と称して、平成22年までにゴミの30%減量をめざしている。理由は、早い話、場所がなくなるということらしい。どっちみち平成19年には次の島を作らなければならなくなり、段々コストが増えていく。一方、横浜は大都市だが、実は空地だらけで、東京並に家が立ち並ぶとあと200万人くらい増えるはずだ。今、6ヶ所の焼却場はすでに1980年代にダイオキシン対応も終わって余裕があるとはいうものの、いずれ足りなくなり投資が必要になる。それに、今まで何もしていないようなものだからできることはたくさんあるわけだ。が一度に最後進国が最先進国になろうというのだから段差が激しい。

そして、個人的には心配になり、先行する他の市の市民の方々に実情を聞くと、まったく守ってない人が多いことがわかった。全部一緒に燃えるごみに出しているような人が多いみたいだ。横浜はどうなるのだろう。こういうルールものは案外、よく守るのが市民精神のように思っている。まとまりのいいのが取柄のような市で、前回当選した中田市長は、次回は全党相乗りになりそうだ。少しあぶなさを感じるが。

ところで、先日、朝日新聞に、ごみ回収の有料化の話題が書かれていて、朝日流のいかにも社会派的見解で、有料化が当然の流れというような書き方だったが、少し勘違いがある。たとえば、ごみ袋を1枚100円とかで販売する方式である。一見合理的だ。ごみ排出量により費用負担を比例化させるわけだ。

しかし、考えてみると、今までの収集費は税金による予算の内数になっているわけだから、有料化する場合は、それに伴う減税とセットで行わなければ、事実上の増税になり、浮いた税金は、無駄遣いされるだけになる。最悪だ。

それに、例えば横浜市の場合、人口350万人でごみ処理費用は年間450億円。1世帯あたり年間3万円である。そしてなによりこれは市の予算のたった3.5%に過ぎないわけだ。そして残りの96.5%分が、費用対効果という面で市民の平等性に基づいているかといえば、まったく違うわけだ。

横浜で成功するかどうかのポイントは、おそらくプラごみではないだろうか。なにしろかさばる。ごみの大半はこれだ。このサイクルがうまくいかず、結局燃やしてしまうだけになれば、誰も分類しなくなる。それは失敗だ。

もう一つ、見えないところの心配が、資源ゴミの輸送問題だ。いわゆる「静脈輸送」と言われ、物流業者にとっては大変においしい。なにしろ公共性があるため、レートが高いのが一因だが、それ以上に魅力があるのが、帰り荷という種類の輸送で、空車走行(空船航行)を埋めることが多いからだ。日本は産業構造上、人口の多い首都圏へ、生産地の北日本や西日本、あるいは中国等から物資が送られる物流構造になっているのだが、その輸送の帰りの貨物が少ないのである。東西のトラック輸送をとっても西から東に向う貨物100に対して、東から西に向う貨物は80位であり、その西向き貨物の成約率が運送会社の収支に大きく影響している。要するに空気を運ぶくらいならかなり安くてもいいわけだ。資源ゴミはまさにそういう構造にあるのだが、きちんとした入札で妥当な業者が決定されることを切に祈りたい。

「前向き破局」も文化か?

2005-01-12 22:39:54 | 市民A
ことしの破局1号は石田純一=長谷川理恵組であった。もっともクリスマス破局だったらしいので、正確には「破局発覚1号」というべきだ。49歳と31歳。まあ、不自然だと思っていたので、当然の帰結ということだろうか。石田純一氏の方は世田谷区にある旧田村亮邸を3億円で購入し邸宅建築中とのことだが、不安定な関係に終止符を打つために、動いた平凡な一手が裏目に出たという、古今よく聞く展開である。幸いなことに、おそらく今回は慰謝料は不要ではないかとは思うが。

そして破局第2号は黒木瞳なのであろうか?元祖「失楽園・映画版」の方だ。映画版は黒木瞳X役所浩司で、テレビ版は川島なお美X古谷一行であったか・・・
話は横に飛ぶが、テレビ型の役者と映画型の役者の差は、顔の彫にあるとの説がある。彫の深い顔は映画向きで、平面に近い顔はテレビ向きということ。このキャストを見ると、確かにそうなっている。ハイビジョン化すると変わるのだろうか?

ところで黒木瞳は44のはずだ。年からいえば石田純一とお似合いだ。さらに趣味は両者ともゴルフだ。以前、栃木県の小山カントリーでプレーしていたら、前の組に黒木瞳がいた。日焼けしないように夏にもかかわらず、長袖と目深帽の完全防御策だった。土方焼け(アメリカでは農民焼けという)では様にならない。ボールをぶつけると高くなりそうなので、遠く離れていたため詳細は不明だが、うまそうだった。クラブで地面をたたいたりはしていなかった。一方、石田純一も顔のゴルフしみをレーザーで焼きながらも芸能人大会に出てくる。そしてどちらもマラソンはやらない。

と勝手なことを書いてしまったが、いずれの方々もそうはならないのだ。みんなもっと若いパートナーの方がいいと思っているわけだ。マラソンランナーの方もそう思っているだろう。

うっすらと漂う、4-1の噂

2005-01-11 21:21:49 | 市民A
a32d09fd.jpg東京都内に昨年末からうっすらと流れている噂がある。それは北方領土3島返還論だ。実際のリークからの噂なのか、意図的にどちらかの国から流されているのかはわからない。かなり、噂には肉付けがされていて本当らしくも感じる。うわさを考える前にいくつか、整理しておこう。

まず、北方4島の面積だが、歯舞は100平方キロ。色丹は253平方キロ。国後は1,499平方キロ。択捉は3,184平方キロで合計5,036平方キロ。つまり歯舞+色丹は全体の7%、国後が30%、択捉は63%である。

次に、二国間の条約の推移だが、説明の便宜的に広義の北方領土として4つの地域を設定する。
A.歯舞+色丹
B.国後+択捉
C.ウルップ島からシュムシュ島(北千島)
D.南樺太。

もっとも古くは1855年の日魯通好条約ではBとCの間に国境を定め、樺太については国境を決めなかった。

次の条約は、1875年の樺太千島交換条約で樺太全体をロシア側に譲渡する一方、Cの北千島を日本領とすることになる。

その後日露戦争が勃発。結果として、1905年にポーツマス条約が締結され、Dの南樺太を日本が領有することになる。(ABCDのすべてを日本が領有)

その後、第二次世界大戦が勃発し、昭和20年8月8日にソビエトが対日参戦をし、日本はポツダム宣言を受諾する。しかしその後もソ連軍は進駐を進め、9月5日に北方4島を占有する。

この第二次大戦終局部分は複雑だ。

まずポツダム宣言(1945年7月26日)は当初米英中の三カ国の宣言であり、その後ソ連が参加することになる。領土問題の記載の背後にあるのは、一つはカイロ宣言(米英中1943年11月27日)であり、もう一つはヤルタ協定(米英ソ秘密協定1945年2月11日)だ。

時系列で追うと、カイロ宣言では、
It is their purpose that Japan shall be stripped of all the islands in the Pasific which are she seized or occupies since the biginning of the first world war in 1914, and that all the territories that Japan has stolen from the Chinese, such as Manchuria, Formosa, and Pescadores, shall be restored to the Republic of China.

Japan will also be expelled from all other territories which she has taken by violence and greed.( November 27,1943)

前段では第一次大戦開始以前に戻すことが規定されている。中国関係には固有名詞が使われている。
後段は、一般的規定で、この節だけでは、いつ以降ということが明確でないが、otherという単語は前節を受けていると考えられるので、前節同様に第一次大戦開始以前と解するのが一般的だろう。(となると、千島のすべてと南樺太は日本領となる。


次がヤルタ秘密協定である。この協定は主にヨーロッパ戦線の終結後の体制を決めたものだが、日本問題については、ソ連の参戦を規定してあり、その果実として
一 外蒙古(蒙古人民共和国)の現状は維持する。
二 1904年の日本国の背信的攻撃により侵害されたロシア国の旧権利は、次のように回復される。
  (イ)樺太の南部及びこれに隣接するすべての島を、ソヴィエト連邦に返還する。
  (ロ)大連商港を国際化し、この港におけるソヴィエト連邦の優先的利益を擁護し、また、
    ソヴィエト社会主義共和国連邦の海軍基地としての旅順口の租借権を回復する。
  (ハ)東清鉄道及び大連に出口を提供する南満州鉄道は、中ソ合併会社を設立して共同に
    運営する。但し、ソヴィエト連邦の優先的利益を保障し、また、中華民国は、満州に
    おける完全な利益を保有するものとする。
三 千島列島は、ソヴィエト連邦に引渡す。

実際には、ヤルタ協定は、米国が議会で批准していないし、実際には中国の主権を侵害する条項は実行されなかったため有効性はないと考えられる。もちろん秘密協定で日本側は知らないわけである。


次にポツダム宣言の領土規定である
The terms of the Cairo Decleration shall be carried out and Japanese sovereignty shall be limited to the islands of Honshu, Hokkaido, Kyushu, Shikoku and such minor islands as we detarmine. (July 26, 1945)
前段がカイロ宣言の確認であり、後段が固有名詞である。such minor islands as we detarmineというのがその対象個所である。そしてそれは不明確であり、米国はヤルタ協定ではないと言っているわけだ。


そして1951年にサンフランシスコ平和条約があり、樺太と千島の領有権を日本は放棄した。この千島の中に、択捉、国後は含まれているかどうか明確になっていない。さらに放棄した領土の行き先は書かれていない。沖縄や小笠原は米国信託統治と規定してある。さらに言えば、ソ連は調印していない。

問題は、この時1951年に全権大使である吉田茂は「歯舞、色丹は固有の領土」というスピーチを発しているが。国後・択捉についても日本の固有領土であると言うべきだったわけだ。(もっとも。言わなかったから放棄したとは解釈はできない)


ここから先が、戦後の交渉になるのだが、1956年日ソ共同宣言(両国批准)では平和条約締結後、歯舞、色丹を日本に引き渡すことが規定されている。いかにも2島返還に合意しているようだが、日本側の解釈では、2島返還と平和条約締結を行っても、領土交渉は続くということである。そして平和条約は締結されていない。ロシア側も、2島を引き渡すといっても主権は別だということを言っている。

次に1993年の東京宣言では、「4島全体が領土交渉の対象である」ということを確認している。実質的にはこの段階でロシアも国後択捉問題をテーブルにのせることに同意し、日本は北千島と南樺太の領有権がロシアにあるということを認めたことになるだろう。

このあと、川奈提案という、「主権を日本と認めれば引渡時期は先延ばしする」という案があったがロシアが拒否をしている。

両国間の最後の宣言は、2001年のイルクーツク宣言で、交渉の原点が1956年の日ソ共同宣言であるということを確認している。(つまり、サンフランシスコ条約以前のごたごたした部分にはふたをしようということである)

つまり、それなりに交渉は煮詰まってきているのは確かなのである。

ここから先はライブな話になる。
プーチン政権の豪腕さがどこまで続くのかはわからないが、州知事を簡単に任命制に変えたりする男であるから独裁者に向いつつあるのは間違いない。その中で領土問題では、昨年、中国と国境を確定した。アムール川の2島とウスリー川の1島である。中国の固有の領土3島を実効支配していたロシアが、1島を中国領にし、1島を1/2に分け合う形で解決した。要するに半分ずつということだ。そしてその方法を日本に使えないかと、アドバルーンを上げ始めたのかもしれない。

が、どうみても日本が歯舞・色丹の2島の7%の面積で満足するわけがないことは明らかであるため、ロシア国内で1956年の2島返還論をベースして、プラス1(国後)を足して決着しようと考えている可能性がある。それでも面積的には択捉は4島合計の63%もある。(国後は沖縄島程度だが、択捉は鳥取県程度である)日本は島の数で3/4、ロシアは面積で63%と主張するわけだ。

そして実際ロシアが譲れないのは、国後択捉間にある国後水道のロシア海軍による自由航行のはずだ。もちろん核兵器搭載の原潜のことだ。ここが通れなくなるとロシアの潜水艦艦隊は太平洋への北側の出口に苦労することになる。だから択捉は日本に渡せないのである。

しかし、この3島案の最大の問題は、どちらの国内でも損失論が沸騰することが目に見えている。そこで、逆にどこからともなく3島論が聞こえてきたのかもしれない。非公式世論調査というか・・・

もし3島案が俎上に乗るとするなら、どちらの国ももう一つプラスアルファの要因が必要なわけだ。領土に替わるべき、巨大プレゼントである。喪失感を埋め合わせる実利が必要なのだろう。そして、少し前から考えているのではあるが、ロシア側が日本に期待する実利はたぶん各種あるだろう。よりどりみどりかもしれない。しかし、一方日本がロシアに領土一島に見合って求めるものは何かあるのだろうか?実際に見当がつかない。今の日本に必要なものは、物質ではなく、「不良債権処理」とか「土建屋国家からの脱却」とか「赤字国債依存の終焉」とか「拉致被害者奪還」とかの課題であり、そこにロシアの必要性は感じられない。そう考えると、結果として3島論はあっという間に風の中に吹き飛んでいくのかもしれない。

しかし、皮肉にも3月に開始される愛知万博の最大の目玉は「ロシア製冷凍マンモス」であるらしい。死せるマンモス、生ける政治家を走らすというような話があればまた展開は進むかもしれない。

2国間交渉は時に不自由で進まないものであるが、もし交渉の仲介者をさがすなら、冷凍マンモス以外に一人適任者がいるかもしれない。それは米国政府の中でもっともロシアに近いと言われる新国務長官ライス氏である。もっとも彼女が親日家であるという話はさっぱり聞こえてこないのではあるのだが。

1 ShotLog-9 卑弥呼の家

2005-01-10 22:50:16 | PHOTO
353b9f96.jpg博多駅からJR長崎線に乗り佐賀県に入ると、ほどなく吉野ヶ里駅に着く。そこには有名な吉野ヶ里遺跡がある。佐賀県が、遺跡の発掘と古代の状態への復元に力を入れている。

その中心が、卑弥呼の家だ。つまり邪馬台国である。修復された(というか、魏志倭人伝の記述から想定された)3階建ての建物が卑弥呼の家であり、3階の2DK位の広さの居室に卑弥呼が住む。そこには窓がない。そして、階下の2階には大広間があり、近隣の邪馬台国を支持する部族長たちが集まり、定例会議を行っていたそうだ。そして1階は侍従の女性たちの仕事場だ。

邪馬台国では集落をいくつかのパートに分けていて、中心部には卑弥呼がいて、周縁にいくほど身分が下がり、一番外側には農民が住む。居住地は、柵と堀にめぐらされていて、農耕地は、その外側にあり、昼間は外で稲作(黒米、赤米)をし、夜は柵の中に戻る生活をしていたらしい。

実は、ここでは、すべて「ここが邪馬台国である」ということを前提に組立てられているので、不勉強な私は、「そうか、邪馬台国論争には決着がついていたのか」と納得していたのだが、帰宅後、調べると、まだまだ諸説並立状態ではないか。畿内説、九州説、そして九州内でもあちこちが誘致活動をしている。地元の気持ちはわかるが、この卑弥呼ハウスは虚構が実像になったものだ。

実は欧州でもこの30年ほどで古代史は大きく修正されている。考古学に科学が導入されたからだ。日本の古代の謎は、今後、少しでも明らかになるのだろうか。

あまりにぼんやりしたところから歴史が始まることも、まずいだろう。歴史と神話は別物なのだから。

1 ShotLog-10 卑弥呼の外堀

2005-01-10 22:48:21 | PHOTO
7e3f3d39.jpg前回に続きだが、吉野ヶ里集落のボスが誰だったかは別にして、大集落であったことは間違いない。そして1000人近い人口を抱えていた城郭都市的であったと考えられる。そして、農耕地が集落地の外側にあったために大規模な戦闘行為があったことがわかっている。一つは発掘された遺骨に戦闘による負傷の跡があることと、居住地を取り囲んだ巨大な堀と上部が尖った柵やその外に這わされた茨などからの推測である。

公式展示コーナーでは、そうやって「卑弥呼」は専守防衛につとめていたことになっているのだが、不作の年などには、実際には近隣の集落を攻撃したり、他集落と同盟を結んだりとか生臭い話はあったのだろうがいかにも平和国家的解説になっている。

正月に飲みきれなかった酒の話

2005-01-09 22:53:12 | マーケティング
f7832510.jpg正月の鯨飲シリーズは、きょうが最終回。用意のアルコールが払底し、しかたなく時々チビチビ飲んでいる薬用酒「ウニクム」に手を出す。能書きはこうだ。「40種類以上ののハーブからつくられる、ハンガリーの国民的健康酒。1790年ハプスブルク王家侍医のツヴァックが処方。酒名はユニークの意。」要するに「養命酒」だ。

しかし、世の中に、こんなまずいものはないほどまずい。苦い薬を飲む時に、うまく水と一緒に胃に流し込めず、口の中に薬があふれてしまい、嫌な気持ちになってしまう、あの苦さだ。水で割ると、さらに苦い。食前酒というのも頷けるのは、食後に飲むと、すべての食事の味を一瞬にして忘れてしまう。

この酒が自宅にあるにはいわれがある。ハンガリーから輸入する会社はこの酒と同じ名前の「ウニクム社」というのだが、ある超大手運輸会社Aの子会社Bが、親会社に内緒で孫会社Cとして設立したのだが、味が味だけに、まったく輸入品が売れず、大量の不良在庫を持つにいたったのだ。さらに子会社Bは不動産投資でも失敗し、結局、親会社Aからの鉄槌をふるわれることになったわけだ。私は、この子会社Bと取引があったのだが、最後は会社整理をし、不良在庫はあちこちの知人筋にばらまいて処分したわけだ。そのうち1本が私のものになった。苦いのは、味だけじゃない、というところだが、それにしてもこの苦さは尋常ではない。

ところで、地下収納庫があり、ワインを保管できるようになっている。会社でいえば、「古いワインから飲む」先入れ後出し法や「新しい方から飲む」後入れ先出し法とか在庫評価方法はさまざまあるのだが、当家の場合は在庫評価法で悩む心配はない。買ったらすぐ飲む方式なので、在庫自体が存在しない。在庫0経営だ。デルコンピューターと同じだ。しかし、何本かの記念の酒を除くと例外が一つだけある。それが「ウニクム」。今年も、小さなコップにちょっとだけ飲んだだけだ。輸入元C社の長期不良在庫が自宅の長期在庫になっただけかもしれない。

欧州の範囲

2005-01-09 22:51:54 | 市民A
fba88172.jpg欧州連合(EU)は12月16日、ブリュッセルで首脳会議を開き、2005年10月3日から、トルコの加盟交渉を始めることで合意した。今後、EUでは大問題になるだろう。

相対的に労働力の安いトルコは、関税フリー化となるEU加盟を強烈に希望しているのである。が、EU側は冷たい。

一つの問題は、キプロス問題で対決しているギリシアの反対であるが、もう一つはやはり「トルコは欧州か?」という根源的問題である。さらに人口問題。現在のEU加盟国の中で最大人口はドイツで約8000万人。一方トルコは7000万人であるが、人口増加率が大きく、10数年後にはドイツを追い抜くと予想されている。
また、巨大なイスラム国家であり、髪や目の色が違うことで、欧州各地での移民が差別されているのも実態。特にドイツでは、今ままでの開放政策を見直してトルコ人のドイツ定着に差別をしようとし始めている。フランスでは、公立学校での女子生徒のイスラム式のスカーフを禁止する法律も可決された。驚くことに、フランス国民の70%はこの措置に賛成している。

しかし、欧州各国からすれば、トルコは重要な「中東とのバルブ」である(パイプではない)。あまり冷たく扱ってイラン、イラク、トルコの三国同盟ができたら大変なことになる。
政治的には取り込みたいが、社会的には抵抗があるし、経済的にはトルコばかり儲かるようになると困るのである。

さらに、トルコが加入したとなると、地中海の対岸にあるアフリカ諸国だって、加入したいと言い出すに違いないわけだ。

また、将来ユーロ導入などになれば、ユーロはEU後発参加国中心の弱い通貨になる可能性もある。トルコは着々とデノミを行い、通貨を100万分の一に切り上げた。通貨統合の準備をはじめたわけだ。
また、トルコは軍事的にはNATOに属したり、サッカーは欧州選手権に入ったりして、着々と欧州化を狙っている。

しかし、日本からは遠い。あまり報道されない。しかし、傍観者的態度ではあるが、欧州人がこういう異民族問題をどういう意識で取り扱うのかをじっくり観察すべきなのだろう。(私の予想では、EU側がトルコに対して、かなり技巧的に、屈辱的要求を羅列して、選択肢をトルコ側が選ぶように仕組むのではないかと見ている)


さて、欧州側から見た歴史上では、トルコは野蛮な邪教国家である。数々の戦闘だけではなく、海賊が美女を略奪して、スルタンのハレムに売り飛ばす国として悪名が高い。実際、ナポレオン王妃ジョセフィーヌの従姉妹、エメ・ドュブク・ド・リビュリも海賊の手に落ち、当時59才のスルタンのハレムに売られてしまったりしていて、フランス人は今でも忘れない。

ついでに、もう一つフランス人が忘れないのは、ジャンヌ・ダルクを捕まえて火あぶりにしたイギリス兵たちのことであるが。

もっとも、リビュリ嬢を捕まえて高額商品にしてしまった海賊はアルジェリア人だったし、ジャンヌ・ダルクを捕まえた後、1万フランでイギリス軍に売り渡したのは、ブルゴーニュ軍なのだが・・・