HIS社株主総会は平穏に終わる

2005-01-30 21:46:46 | MBAの意見
0abb9a4c.jpg全国第二位の旅行代理店HIS社の株主総会は1月29日に行われた。決算期が10月なので、このような時期になる。そして、株主が出席しやすいように土曜日に開催。泡沫株主ながら顔を出した。

朝10時に、新宿のある会場。前夜帰宅が朝1時半だったため、猛烈に眠い。会場は4割の入りか。100人はいない。40才くらいの方が多い。株価はともあれ、会社の経営は順調だ。売上げも利益も配当も増加し、遊休資産の売却も行い、金庫株を消却し、株式は1:1.5で分割。総会での質問も厳しいものはなく、むしろ、今後の経営方針への質問が多かったようだ。

おもしろい質問では、「役員の報酬が低すぎるのではないか」というのがあったが、「ずっと低いままなので、気にしない」とのこと。見習うべき企業は多い。

ネット販売の現状への質問では、ネット販売と店頭販売の比率は10:90だそうである。ネット経由の方が急成長しているが、利益率が低いそうだ。自由旅行の組み立てと言う観点から言うと、ネットだけではどうしても限界があるから、店頭販売のほうが優位なのだろうとの見解。

団塊シニアへの取り組みへの質問には、「彼らが30代、40代の頃から取り組んでいるので、特にシニア向け商品を作らなくても利用してもらえるだろう」と鈴木社長が話していたが、若干ずれているかもしれない。

ところで、創業者で30%近い株主である澤田秀雄氏の、創業した頃(25年前)の写真がスライドで流されたが、精悍な顔立ちだ。安売り航空券を手に入れて販売するという、厳しいビジネスをしていたからだろう。しかし、今でもまだ53歳。エイチ・エス証券の社長の方が楽しいのかもしれないが、HISの方にも、どんどん口を出してほしい。総会では一言も口を開かなかったが、結局、彼の会社という存在感を十分に出していた。

総会後、ハワイ旅行のパンフレットとQUOカード1000円分をいただいたが、1000円ではハワイには行けない。もしかして、子会社のスカイマークエアラインズをハワイまで飛ばそうと考えているのかと頭をよぎったが、やめたほうがいいだろう。航空券の販売手数料でもうけた上、航空運賃そのものでももうけようと思うのは危険だ。もう一つ気懸りなのは、オーストラリアでホテル事業を展開しているようだが、大京、ミサワ、ダイエー、西武といった暴走はやめたほうがいい。こちらも、ホテルの予約手数料で儲けた上、ホテルそのものでも儲けようと考えたのかもしれない。

まあ、泡沫株主は、いつでも株を売り払って撤退すればいいのだから気が楽だが、経営者は大変だ。