復興資金を並べてみると

2005-01-22 21:59:43 | 市民A
52df37d7.jpgスマトラ沖地震による犠牲者はインドネシアが突然5万人を上乗せしたため、22万人となった。一方、各国の政府や個人による援助額の総額は50億ドルを超えている。個人分が16億7800万ドルで、政府分は日本の5億ドルやドイツの5億ユーロ、EUの5億2900万ユーロ、オーストラリアは8億1500万ドルと言っているが、融資分も込みなので無償分は不明だ。そして米国は当初1000万ドルと言っていたが、F1レーサーのM.シューマッハと同額では恥ずかしくなったのか35倍の3億5千万ドルと上乗せしたが、どうやらまた下方修正して6000万ドルが上限とか言っているらしい。

そして、この政府分の金額表明はそのまま実行されるのではなく、被害状況から復興費が計算され、その額に対して、会議の末、各国別に決定されるものである。また、全体で配分する分と二国間だけで完結する部分がある。その中で、日本は既にポンと現金で2億5000万ドルを1月21までに支払うそうだ。当面の必要資金分としてだが、国連側は、そんなに早く払う例はないのにと驚いているようだ。

何しろ日本は外貨をたくさん保有している、どれだけ外貨を持っているかを調べてみると、外貨準備高が8,445億ドル(約85兆円)そのうち債券(おおかたが米国債だろう)が6,993億ドル(70兆円)。そして、現金や預金が1,249億ドル(13兆円)というわけだ。2.5億ドルなどささいなことがわかる。(横道にそれるが、それにしても日本は赤字国債を年間35兆円も発行するのに、その2年分の金額の外国債を持っているのも滑稽だ)

ところで、これから復興費の算定があるのだが、部分的には算定されている。インドネシア、アチェ州の被害は建物被害もあり45億ドル、スリランカが8.5億ドルとか言っている。タイは日本からの援助は要らないと言っている。全部合計すると100億ドルに届かないかもしれない。そして、支援金をもらおうという国もあれば、要らないという国もでてくるだろう。どの国もそれなりに既に工業化して自立可能な国だからである。さらに今回の被害の大部分が、海岸線被害であり、元の姿にもどすのは、そう困難ではないからだろう。(おカネを持っているからといって、本当は日本が一番貧乏なのかもしれない。国債乱発して、ほとんど国内でのみ国債を消化しているだけなのだから)

そして、今度の地震からの復興問題は、元の姿に戻したあと、津波警報システムのような対策を考えないと、観光客が戻ってこないということで、そちらの方が今後重要だ。

ところで、スマトラ沖地震の復興費が100億ドル(1兆円)として、中越地震の復興費はというと、どうも3兆円らしい。さらに阪神淡路大震災の復興までの10年間の復興費は16兆円という試算もある(国6兆、地方自治体5兆、JR・JHで5兆)。桁違いだけれど、他国が支援してくれるという話はまったくない。また、国内で巨大地震があっても緊急時対応の部分は除き、支援をするという国もいなければ支援を求めることもないだろう。奥の手が消費税率のアップだからだ。現在の5%税率で9.5兆円の税収なので税率1%で約2兆円となる。復興費用と増税期間が明示されれば、国民的合意は得られるだろう。

ところで、復興の原因が天災ではなく人災も場合もある。戦後復興だ。アフガンについては復興費が45億ドルと認定されたが、イラクは未知数なのであるが、派手に爆撃で破壊された結果が550億ドル必要といわれる。そして国連拠出金と同じような分担率と考えれば20%は日本が負担することになるだろう。さらにいえば1050億ドルが必要という試算もある。しかし、復興と言っても例えば古い病院を最新設備の建物に建替えたりしたら少しやりすぎだろうと思われるが、かといって古い設備の病院をたてるわけにはいかないのである。どこまでが支援分なのかはよくわからない。そして病院を壊した人はあまり払う気にはなっていない。

復興費の安い順に並べ替えると、下のようになる。スマトラ地震を1として比率も計算してみた。
アフガン45億ドル<スマトラ沖地震100億ドル<中越地震300億ドル<イラク復興550億ドル<阪神淡路復興1,600億ドル。
比率で言うと、0.45<1<3<5.5<16だ。

金持ち生活も大変だ。


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