アンフェア the answer(映画 2011年)

2018-02-07 00:00:02 | 映画・演劇・Video
2006年にテレビドラマの10回シリーズで15%の視聴率を取っていた「アンフェア」の劇場版。三部作の第二作。第一作「アンフェア the movie」が2007年公開。本作の後に「アンフェア the end」が公開された。

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本作は、主として三つ(二つ半)の柱でできている。

一番目は、主演の刑事雪平夏見(篠原涼子)の個人的魅力。鋭い思考力で犯人を突き止め、逮捕に当たっては発砲をいとわず、射殺経験あり。アンジーのように殴ったり蹴ったりはしない。

二番目は、あらすじの複雑さ。そのため冒頭に第一作の復習があるのと、連続殺人の構造が複雑なので、意味のよくわからないシーンについては、エンドロールの中で、補習授業が行われ、大部分の謎が解明できる。それでもわからない場合、yahoo!知恵袋に問い合わせると、「馬鹿にされたような丁寧な回答」を読むことができる。

三番目は、たいした話ではないが、底流に流れているのが日本のエスタブリッシュメントによる国体支配の構造。そしてそのアンフェアと戦う一般市民との対立軸で、あるUSBをめぐる争奪戦が行われる。そこには日本の暗部が記録されている。

ただ、劇中で使われるシーンはそれぞれがどこかで見たことがあるように感じないでもない。釘を打ち込んで殺す惨忍シーンは「ハンニバル」に似ているように思うし、真犯人が内部にいるのも佐藤浩市はいつもそういう役だし、そもそも連続無差別殺人に見せかけ、何人目かに本当に狙っている人間に到達するというのはホームズにもあったような気がする。USBのように小さな物体が爆発するというのは「スペシャリスト」だったはず。

実際には本作の中で死んだ役者は多いのだが、本当に死んだことになった役者は、第三作には登場しないが、死んだことになっても実は生きている役を演じた役者は、同じ名前で第三作に連続登板する。