禁断のオッサン流振り飛車破り(神谷広志著)

2018-02-17 00:00:54 | しょうぎ
本日は、朝日オープンの準決勝&決勝ということで初の藤井×羽生戦が行われる。勝負以外の興味として、どちらかが「和服で現れるのか」ということ。そして、興味ではないが、いずれ名人戦と重複感のある本棋戦は廃止になるだろうとも思われていたこの棋戦で藤井五段が優勝すると、簡単には廃止にできないだろうと、彼の優勝を祈っている棋士もいるだろうと想像する。

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さて、その藤井五段によって不滅の28連勝の記録を破られた神谷広志八段の渾身の著書である「オッサン流振り飛車破り(平成28年5月)」。第29回将棋ペンクラブ大賞の技術部門大賞に選ばれている好作である。「29回」という著者にとって不吉な数字が付いているというのが、連勝を破られる運命を暗示していたのかもしれない。

内容は、大きく四戦法。「ゴキゲン退治の盛り上がり戦法」、「四間飛車退治の鳥刺し戦法」、「四間飛車穴熊退治のホラ囲い」、「石田流退治の棒金戦法」。

ペンクラブ大賞の選考会でのプロ棋士の声では、B級戦法ではなくマニアック戦法であり、しかも自分で対局に使った上、本書を書いているというところが評価されているようだ。まったく指しもしない戦法の本を出版する人に対する反語的評価でもあるのだろう。

自分的にはホラ囲い(別名ミレニアム)と棒金は時々指すのだが、なかなかうまくいかないのだが、本書を読むと形勢が良くわからない時はゴリゴリと攻めてみればいいというように感じた。鳥刺しは、将棋を覚えたての頃の古い定跡書に書かれていたように思うので、少しやってみようかなとも興味を持っている。

選考棋士の談によれば、文才があるのだから棋書だけではなく文芸作品を書かれたらどうかという意見もあった。記録を破られて意気消沈するだろうことを、半年前に予測していたのだろうか。


さて、2月3日出題作の解答。

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舟囲い崩しの詰将棋で、1二から角を打つ筋に気付くかどうかである。ただし、6手目の玉方の逃げ方が、同手数迂回手筋になっているとのご指摘があった。

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