映画「レオニー」は原作を超えているのか

2010-12-09 00:00:13 | 映画・演劇・Video
レオニーは世界レベルの造形芸術家のイサム・ノグチの母である。あるいは、日本人で英語詩を書き米国で評価された野口米次郎の妻のはずが妻でなかった。小泉八雲のこどもの英語家庭教師でもある。



本映画の原作はドウス昌代氏による「イサム・ノグチ」という精緻を極める伝記によるわけで、以前、2006年9月20日21日22日と3日にわけて紹介したことがある。

また2006年6月9日には横浜美術館でのイサム・ノグチ展。2009年2月22日のイサム・ノグチ庭園美術館へでも触れている。

彼についての伝記は、大きくいって混血で産まれて日米間の人種差別の軋轢の中で必死に生き抜いたところを強調するものと、青年になって、米国を離れ欧州でブランクーシの弟子として、影響を受けたところから強調して書くものの2種類に分かれる。映画的には、愛と感動の詰まったドウス昌代版を下書きにする方がいいだろう。



ただ、原作はあくまでもイサム・ノグチの生涯を書いたものなので、レオニーの登場は前半部分になる。

監督の松井久子は撮影に相当長い期間を必要としたと言っているが、原著からは離れた部分も多い。

個人的には、本を読むほうがお勧めかな。

ところで、イサム・ノグチ、赤い靴のきみちゃん、小泉八雲、津田梅子、カール・ユーハイムなど、本ブログで今までとりあげてきた過去の列伝が、それぞれ関係があることが多いのだが、実はまた別の人物のネタを仕入れたところである。新年になったらまとめてみようかな、と思っているわけだ。