二つのデッチアゲ

2007-01-22 00:00:29 | 市民A
二つのデッチアゲがあった。まったくデタラメな国だ。
「その1.婦女暴行未遂事件(富山)」
こんな状態だ。
 
富山県警氷見署が2002年に婦女暴行事件などで逮捕し、実刑判決を受けて服役した富山県の男性(当時34歳)が無実だったことが19日わかった。

 別の婦女暴行事件などで富山地裁高岡支部で公判中の松江市西川津町、無職大津英一被告(51)が犯行を自供したもので、氷見署は同日、大津被告を婦女暴行などの容疑で再逮捕した。

 県警によると、大津被告は、2002年1月中旬、富山県西部で少女を暴行し、3月にも少女にナイフを突きつけて暴行しようとした疑い。

 氷見署は同年4月15日、当時、氷見市でタクシー運転手をしていた男性を婦女暴行未遂容疑で逮捕し、男性は富山地裁高岡支部で懲役3年の実刑判決を受け、確定した。県警は同日、男性の親族に事情を説明するとともに、謝罪の意を伝えた。

この男性は、別の婦女暴行事件で有罪で、さらにもう一つ未遂事件が加わったわけだ。こうなると、もう一つの事件の方だってどうなのか、ということになってしまう。男性にはアリバイもあり、証拠の足跡の大きさも違うということになれば、早い話が何一つ調べていないのだろう。しかし、こういう調べもしないで、調書もでたらめなのだろうが、それで有罪になるとは、警察署、検察、弁護士、裁判所のすべてが機能していないことになる。そうでなくても冤罪は多い。さらに誤認逮捕は数々である。

背景には、日本の警察は「自供主義」で「証拠主義」でないから、とはよく言われるのだが、まず、憲法38条「刑事事件における自白等」の第3項の条文を読むべきだ。


何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

「有罪とされ、又は刑罰を科せられない」では有罪だが刑を受けないように読めてしまうが、この辺が現行憲法の怪しいところだ。英語の翻訳風だから。とりあえず、自民党の新憲法草案では、「・・・自白である場合には、有罪とされない。」と解りやすくなっている。いずれにしても、自白だけでは有罪とならない、というのは戦前の特高、憲兵の暗い時代の反省からだ。さらに、敢えて言うなら、目撃者(被害者)の証言というのも、絶対的証拠とも言い切れない。憲法に追加するなら、「客観的な証拠が必要」というように書くべきなのではないだろうか。

それに、裁判官の国民審査については最高裁だけである。これは、三審制の最後の砦が最高裁だからなのだが、現実的には地裁の判事だって怪しいのは多い。少なくても冤罪判決に関与した裁判官は、国民審査の対象にすべきだろうと言いたいところだが、そうなると裁判官達も仲間内の保身に走るのだろう。名案が必要だ。


「その2.あるある大辞典2(納豆効果捏造事件)」
例の、関西人が納豆を買い漁り、関東人が納豆を食えなくなった張本人の番組だ。「笑止千万」とはこういうことを言うのだろうが、何しろ民放の奇妙なところは、人員の配置と放送時間のアンバランスなことだ。なにしろ、NHKでもないのに、報道関係の人間が多い。報道部のフロアなんて体育館みたいだ。ところが、放送時間は短い。圧倒的に放送時間が長いのはバラエティだ。そして、社員の給料は外資系証券会社に近い高給である。今回問題になった下請け会社や孫請け会社に対して、それぞれ、3倍、5倍ほどだろう。

つまり、極めて短い報道時間帯のために高給の社員が沢山いて、極めて長いバラエティ時間帯のために、薄給の下請け、孫請けがいることになる。そして「あるある大事典2」は、その中間物なのだろう。バラエティでもなければ、報道番組でもない。そこに落とし穴があったわけだ。未だにテレビ局の社長が反省していないようだが、テレビ側は「クイズ番組と同程度の高等バラエティ」という思いなのだろう。方や、視聴者は「学術番組」と思っていたのかもしれない。NHKの「きょうの健康」とか同類と・・

しかし、決定的にテレビ局側のあてがはずれたのは、クイズ番組では、仮に、答えが間違っていたとしても、出演者がファイナルアンサーで痛い目に会うだけの話で、視聴者には実害はない。ところが、「納豆で痩せる」というのはうけ過ぎたわけだ。つい数ヶ月前も、白いんげん豆(ファセオラミン)で嘔吐事件というのがあったばかりなのに、なんといういい加減さ、ということだ。痩せたいという人の中には、美容だけでなく、肥満起源の病気をもっている人も多いだろう。

おそらく、下請け、孫請け制作会社の立場では、「納豆で痩せるという番組作ってください」と言われれば、その線でことを進めるしかないだろう。先に結論があって、後で都合のいいデータを集める。集まらなければ捏造、というなら学術番組でも何でもない。「ナット・イフェクティブ」。そういう番組を社内のフィルターにかけることもできないとなれば、まったく社員の配置ミスというしかないだろう。

ところで、「痩せるとか太るとか」いうのは、摂取カロリーと消費カロリーの差がマイナスかプラスか、ということに尽きるのだが、白いんげんは消化を抑制しようというのだから摂取カロリー抑制側の効果だ。一方、納豆は代謝促進、つまり消費カロリー増の効果ということなのだろう。テレビショッピングで登場する数あるガラクタと同類だ。納豆のいいところは、粗大ゴミにならないことだろう。そして、今回、初めて2週間連続の納豆イート修行に勤めた関西人が、今後も納豆を食べるのかどうかだろうが、まったく期待薄だろうと予測。