言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

時事評論石川 2020年5月号

2020年05月24日 08時54分01秒 | 告知

 武漢肺炎禍は続いてゐる。そしてしだいに論調は、アフターコロナの展望について触れるやうになつてきた。人間関係や物流や、教育の在り方も変はる、変はると連呼されるが、果たして本当に変はるだらうか。

 かつて3・11の後、計画停電が行はれたとき、街の照明は暗くなつた。テレビの放映時間も短くなり、節電社会が到来するかのやうに言はれた。自然エネルギーが主流になると息巻く「経済評論家」もゐた。しかし、どうか。ポスト東日本大震災の後の社会は、一層のエネルギー消費社会であり、過剰なまでの東京一極集中が続いてゐる。首都は直下型地震に襲はれるとほぼ確定的に「予言」されてゐるのに、首都はどんどん大きくなつてゐる。ポストコロナだらうが、ウィズコロナだらうが、変はるとは思はない。

 

 さて、シェイクスピアの『アセンズのタイモン』は私は未読である。恥ずかしいが留守先生のコラムで初めて知つた。人物造型が両極端であるために、つまりはその中間がないがゆゑに硬直化したものになりがちなので、人気も作品としての質もあまり評価が高くないやうだが、とても興味深い物語に思へた。その理由は、留守先生らしくメルヴィルを引いて「恐ろしいばかりの眞實」をこの作品の中に見出してゐるからでもある。福田恆存訳で読みたいが、それはない。小田島雄志訳か松岡和子訳か、それしか見当たらない。

 
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準戦時宰相論――求められる指導者像

  ゲリラ的感染症への対策

         史家  山本昌弘

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武漢ウィルス肺炎対応――ここは政治力の見せ所だ
  安倍総理最後の御奉公
         政治評論家 伊藤達美
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教育隨想  かくも能天気な日本人 武漢ウィルス禍の教訓(勝)

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台湾 蔡英文政権の決断と実行力――「武漢肺炎」封じ込めに成功 何故か

         平成国際大学教授 浅野和生

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「この世が舞台」
 『アセンズのタイモン』 シェイクスピア
        早稲田大学元教授 留守晴夫
 
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コラム
  幻の天皇訪韓と慰安婦問題(紫)

  ”失われた世代″再び?(石壁)

  九月入学を議論する前に(星)

  是々非々を貫かぬ言論人(白刃)
           

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