なんでもない言葉ですが、日本人はこの「ながめ」を風(空気)の中で感じ、風景といったのでしょう。
英語ではランドスケープですから、「地上に広がるながめ」です。
地上に広がる動きの少ない「ランドスケープ」より、風の中でゆらめく「風景」の方が、日本人にはピッタリのようです。
巨木(岡乃松)
木のある「ながめ」は、まさに風景です。
それが巨木であれば、日本人はそれに神を感じました。
岡西の稲荷神社には、かつて松の巨木が空に向かって風の中で騒いでいました。
先日、稲荷神社に出かけました。
現在、巨木は枯れ、切り株(直径1.3メート)の上にお堂が建てられ保存されていました。
『稲美町史』で「岡乃松」の説明を読んでみます。
(文章は書き換えています)
「岡西の稲荷神社の松の木(岡乃松)は、岡の里の守神として大切にされてきました。
2月の最初の午(うま)の日(初午)に、老若男女がこの宮に集まりました。
岡の松は霊験の松と信じられていました。
そして、昭和17年1月、樹齢が1千年の神木としてお祭をしました。・・・」
『稲美町史』(p705)に、岡乃松の(昭和10年ごろ撮影)の写真(写真上)があります。
写真下は、宮西の稲荷神社です。
向かって左の社が稲荷神社で、岡乃松の切り株は右の若干小さなお堂で保存されています。