ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

稲美町探訪(8):印南野台地⑤・文学にみる印南野(2)

2009-11-06 21:49:58 |  ・稲美町印南野台地

文学にみる印南野(2)

 Puaru_092 印南野は、万葉集に多く登場します。

 *まずい英訳をつけておきます。

《作者不明》

家にして 吾は恋なむ 印南野の 浅茅が上に 照りし 月夜を(巻7-1175)

 (家に帰って、恋しく思い出すだろうな。印南野の浅茅の上に照っていた月夜を)

  I would think after going home of this beautiful moon shining over the thaches of the Inamino Plateau.

《柿本人麻呂》

  稲日野(印南野と同じ)も 行き過ぎがてに 思へれば 心恋しき 加古の島見ゆ (巻3-252)

  I was cruising off the broad Inamino Plateau. Sailing was slow.

  As I was considering many things, the Kakono-ShimaIsland came into my sight.

 (広々とした稲日野の近くの海を航行していた。船足がはかばかしくない。いろいろと物思いにふけっていると、やがて恋しい加古の島が見え出した。)

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稲美町探訪(7):印南野台地④・文学にみる印南野(1)

2009-11-06 11:02:17 |  ・稲美町印南野台地

文学にみる印南野

 私たちの生活の舞台である印南野(いなみの)は、しばしば文学にも登場します。

 清少納言は『枕草子』で、印南野を嵯峨野についで二番目にあげています。

45a06812  

 野は、嵯峨野さらなり。

印南野。

交野(かたの)。

飛火野(とぶひの)。

しめ野。

春日野。

そうけ野こそ、すずろにおかしけれ・・・・

 *すずろにおかしけれ・・・・・心ひかれて、趣がある。

 清少納言が、野について述べているところで、印南野を二番目に取り上げた理由は分かりません。

 特別な個人的なつながりや思い出があったとも考えられません。

 とすれば、印南は中央(京都)でも広く知られていた地名であったようです。

 印南野がもっとも多く登場するのは、なんと言っても『万葉集』です。

 (山部赤人)

 印南野の 浅茅押しなべ さねる夜の 

ながくしあれば 家し偲はゆ (巻六ー九四

 《いなみ野の短い茅(ちがや)を押しなびかせて寝る夜の日数がつもったので、家が恋しくなった》

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