長野県駒ヶ根市中沢にある天竜川水系の南向(みなかた)ダムを再訪問しました。今回は昼間に訪れたので全体像がわかるかもしれません。前回訪問した時の深夜の模様はコチラからどうぞ。
南向ダムの下流にある橋から見た「ご尊顔」。お〜、ローリングゲートだったんですね。それに左岸側(写真右側)にはお魚さんが上流に遡るために作られた魚道も見えます。
まずは右岸に行ってみます。う〜む、木が邪魔だなあ。
右岸のダム横の入口には「吉瀬(きせ)ダム」のプレート。南向ダムでない理由は前回訪問した時の記事に書いてあります(上のあるリンク先をご覧ください)。
右岸から見たダム上の様子。ローリングゲートであるのがわかります。
上流の天竜川です。
下流側はこんな感じ。
今度は左岸に来ました。ダム横はこんな感じ。
ちょっと上流側から見た様子です。写真下方に見えるのが取水口。
水利使用標識は前回と同じ。
ここは2015年に土木学会選奨土木遺産になってたんですね。当該ページの表記だと「南向発電所取水堰堤」になっています。1929年竣工なんですね。
これがダム(堰堤)の上流側にある取水口。写真で説明すると、左側に見える天竜川の水は中央に見える取水口を経て右の水路に流れ込み、やがて離れたところにある南向発電所へ向かいます。
別の角度から。このゲートが水路の入口。
左岸、下流側から見たダムの様子。写真下方のところが魚道になります。
魚道から天竜川の下流方向を見るとこんな感じ。
管理所は左岸にあるのですが、その片隅に不思議な形をしたモニュメントがありました。
「全員参加! 安全と健康な職場 平成2年3月 南向ダム管理所」
と記されています。なんでしょうね。
近づいて見ると、その下には
「労働省第一種 500万時間無災害記録達成記念 樹立年月日 昭和63年5月23日」
とあります。へぇ〜、何となくすごいなと思いますが、イマイチ実感が湧きません。では、日数に直してみましょう。208,333日。う〜ん、まだピンとこないな。じゃあ年数にすると?…なんと570年!えぇ?570年もの間災害が発生していないってこと? ということは室町幕府時代以来災害が起こってない? だとしたら、ホントすごいわ!
いや、待てよ。このダムは1929年竣工で、それに対する表彰なのですから何かおかしい。そこで「無災害記録」について調べてみました。すると、計算方法に間違いがあることが判明。つまりここでいう「●●時間」というのは大まかにいうと、そこで働く人数 × 勤務時間のことだったのです。
例えば、30人の職員がいて、一人が毎日8時間働いたとすると240時間になります。ダムは毎日稼働しているので240時間 × 365日で、一年間の合計労働時間は87,600時間。それがもし59年続いたとすると87,600時間 × 59年 = 5,168,400時間。59年としたのは当該のダムが500万時間無災害記録を達成したのが1988年なので、竣工から59年経過しているとみてそうしました。
なるほど、その計算方法なら合点がいきます。ちなみに無災害記録には第一種から第五種までの5つの段階があり、その記録日数の計算方法は段階に応じて変わります。(参考)
門外漢にとって、無災害記録という制度は初耳だったのでとても勉強になりました。要するに労働者が安全確保のために費やす連続した時間という意味だったのですね。でも、その制度を知らない一般の感覚からすると、普通に「500万時間無災害記録達成」と表記されていると、ワシが最初に思いついた計算方法が頭に浮かび、とんでもない勘違いが起こる可能性は否めません。別の表記を考案するか、もしくはモニュメントに補足説明するなどの工夫が必要かと思われます。
最後にもう一度、左岸から見たダムのローリングゲートをお楽しみください。
うん、やっぱり格好よろしい!
南向ダムの下流にある橋から見た「ご尊顔」。お〜、ローリングゲートだったんですね。それに左岸側(写真右側)にはお魚さんが上流に遡るために作られた魚道も見えます。
まずは右岸に行ってみます。う〜む、木が邪魔だなあ。
右岸のダム横の入口には「吉瀬(きせ)ダム」のプレート。南向ダムでない理由は前回訪問した時の記事に書いてあります(上のあるリンク先をご覧ください)。
右岸から見たダム上の様子。ローリングゲートであるのがわかります。
上流の天竜川です。
下流側はこんな感じ。
今度は左岸に来ました。ダム横はこんな感じ。
ちょっと上流側から見た様子です。写真下方に見えるのが取水口。
水利使用標識は前回と同じ。
ここは2015年に土木学会選奨土木遺産になってたんですね。当該ページの表記だと「南向発電所取水堰堤」になっています。1929年竣工なんですね。
これがダム(堰堤)の上流側にある取水口。写真で説明すると、左側に見える天竜川の水は中央に見える取水口を経て右の水路に流れ込み、やがて離れたところにある南向発電所へ向かいます。
別の角度から。このゲートが水路の入口。
左岸、下流側から見たダムの様子。写真下方のところが魚道になります。
魚道から天竜川の下流方向を見るとこんな感じ。
管理所は左岸にあるのですが、その片隅に不思議な形をしたモニュメントがありました。
「全員参加! 安全と健康な職場 平成2年3月 南向ダム管理所」
と記されています。なんでしょうね。
近づいて見ると、その下には
「労働省第一種 500万時間無災害記録達成記念 樹立年月日 昭和63年5月23日」
とあります。へぇ〜、何となくすごいなと思いますが、イマイチ実感が湧きません。では、日数に直してみましょう。208,333日。う〜ん、まだピンとこないな。じゃあ年数にすると?…なんと570年!えぇ?570年もの間災害が発生していないってこと? ということは室町幕府時代以来災害が起こってない? だとしたら、ホントすごいわ!
いや、待てよ。このダムは1929年竣工で、それに対する表彰なのですから何かおかしい。そこで「無災害記録」について調べてみました。すると、計算方法に間違いがあることが判明。つまりここでいう「●●時間」というのは大まかにいうと、そこで働く人数 × 勤務時間のことだったのです。
例えば、30人の職員がいて、一人が毎日8時間働いたとすると240時間になります。ダムは毎日稼働しているので240時間 × 365日で、一年間の合計労働時間は87,600時間。それがもし59年続いたとすると87,600時間 × 59年 = 5,168,400時間。59年としたのは当該のダムが500万時間無災害記録を達成したのが1988年なので、竣工から59年経過しているとみてそうしました。
なるほど、その計算方法なら合点がいきます。ちなみに無災害記録には第一種から第五種までの5つの段階があり、その記録日数の計算方法は段階に応じて変わります。(参考)
門外漢にとって、無災害記録という制度は初耳だったのでとても勉強になりました。要するに労働者が安全確保のために費やす連続した時間という意味だったのですね。でも、その制度を知らない一般の感覚からすると、普通に「500万時間無災害記録達成」と表記されていると、ワシが最初に思いついた計算方法が頭に浮かび、とんでもない勘違いが起こる可能性は否めません。別の表記を考案するか、もしくはモニュメントに補足説明するなどの工夫が必要かと思われます。
最後にもう一度、左岸から見たダムのローリングゲートをお楽しみください。
うん、やっぱり格好よろしい!