ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

色々楽しい!…玉川ダム

2022-06-20 07:08:52 | 秋田(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は秋田県仙北市田沢湖玉川(せんぼくし たざわこ たまがわ)にある雄物川(おものがわ)水系の玉川ダムを訪れます。ダム名はそこを流れる玉川に由来します。アクセスは国道341号を進んで行くと「玉川ダム」の表示があるのでそこから入ると右岸のダム横に到着します。

ダム横へ行く前に、まずダム下へ行ってみます。これが「ご尊顔」。



非常用洪水吐をアップで撮ってみました。



ダム下には玉川発電所があります。1990年6月1日運転開始だそうで。



玉川発電所のあらましが表示された案内板。秋田県が運営する発電所で14番目に作られたものだそうです(参考)。説明文には書き手の優しさが感じられますね。



近くには水利使用標識。



では、ダム横に向かいます。先ほど書いた道を行くと最初に目にするのが展望台の建物です。



「カリヨンの鐘」とありますが、カリヨン(carillon)それ自体が鐘という意味なのでこの表記は「鐘の鐘」みたいになるので、おかしいんですけどね。



展望台に登り、そこからダムを見るとこんな感じ。ちなみに上の写真の説明にある通りカリヨンを手動で鳴らすことができるので何も考えずに鳴らしてみると…いやいや、これ、めちゃくちゃデカい音がするんですよ。恥ずかしいったらありゃしない。ご注意ください。



嫌な汗が出たところで、さらにダム横へ近づきます。そこには玉川ダムの案内板が。ダムの大きさを表現するには東北地方だと東京ドームなんですね。関西だと大阪ドームとか甲子園球場だったりして地域性が出ていて面白いです。







その近くには「ダム湖百選」のプレート。ダム湖名は宝仙湖だそうです。



ダム横にあるこの建物は玉川ダム資料室。





その奥には玉川ダム管理所の建物があります。





まだダム上には行きませんよ。資料室の前には玉川ダム竣功記念碑があります。デザインのセンスが良いですね。



その隣には平成元年度土木学会技術賞受賞記念の碑。受賞の根拠となったのはこのダムはRCD(Roller Compacted Dam-concrete)工法が採用されたことだそうです。





その付近からダムを見ると、こんな感じ。



右岸、宝仙湖側から見たダムの様子。



さて、いよいよダム上を歩きます。



ダム上の欄干には先ほどのRCD工法の説明があります。国土交通省が独自に開発した工法で、従来の工法よりも時間とコストを大幅に短縮できるものだそうです。説明がとてもわかりやすいですね。



で、指示されたようにダム下を見ると、ご覧の通り公園にはRCDの文字が。



そしてダム下の副ダムのところには先ほど見た玉川発電所の建物があります。



国土交通省の管理するダムに共通なのは細かいところまで説明が行き届いていることです。教育的配慮なのかもしれませんが、非常に好感が持てますね。

観測計器室




エレベーターハウス




ゲートハウス




ダム上、中央から見た宝仙湖の様子。うん、美しい!



一方、ダムの真下を見るとこんな感じ。



そして、下流側の遠景。



左岸の斜面には「玉川ダム」の文字。



対岸(左岸)に来ました。振り返ると、こんな感じ。



左岸、宝仙湖側から見たダムの様子。



同、下流側からダムを見ると、こんな感じです。




資料館の前には「玉川ダムまめ知識」の案内。マスコットキャラクターのロンくんとルンちゃんは日本と台湾のハーフなんですね。でも、なぜここで台湾が出てくるんでしょうか。



【辰子伝説】(参考
疑問に思ったので調べてみました。まず彼らの母親である「田沢湖の辰子(たつこ)」には次のような伝説がありました。田沢湖はその昔は田沢潟と呼ばれていたそうですが、院内(現在の湯沢市西部)に辰子という美しい娘がいたそうな。彼女はその美貌を保ちたいと思い、密かに大蔵観音に百度参りの願をかけていたところ最終日の夜に「北に湧く泉の水を飲めば願いが叶う」とのお告げを受けます。

そこで辰子はワラビを摘むと言い残し、ひとりで院内岳(いんないだけ/秋田県仙北市田沢湖潟:標高750m)を越えて深い森を進んで行くと苔生す岩の間に泉が湧いているのを発見する。彼女はこれがお告げの水だわと思い、掬って飲むとますます喉が乾いてしまい、ついには泉が枯れるほど夢中になって飲み干してしまう。そして気づけば彼女は龍になっており、やがて田沢潟の湖底に沈み、主となったという。

ついでに言えば、娘が帰宅しないのを案じた母親は娘を探しに田沢潟のほとりにやってくると娘が龍になってしまったことを知ります。そして悲しみのあまり持っていた松明を湖に投げ捨てると、松明は魚になって泳いでいったという。これはのちにクニマス(国鱒)と呼ばれるようになったとか。ふぅ〜ん、すごい伝説だねえ。

次にロンくんとルンちゃんの父親である八郎太郎について調べてみました。八郎太郎は八郎潟の主と言われる龍ですが、もちろん元は人間でした。その生誕地には諸説あるようですが南秋田郡大潟村のサイトによれば八郎太郎が生まれたのは秋田県鹿角市十和田草木保田(かづのし とわだ ぼった)だそうです。あれれ、上の写真の案内板には台湾の清澄湖出身と書かれていますが、これはどういうことなんでしょうね。謎だなぁ。八郎太郎の詳細については大潟村のサイトに詳しく記されているので興味ある方はご覧ください。

いずれにしても、伝説によれば毎年秋の彼岸の頃に八郎太郎が田沢湖にやって来て辰子と過ごすため、主のいない八郎潟は凍りつき2人のいる田沢湖は冬の間は凍らないというのは興味深いですね。

ついでに書くと田沢湖と台湾の高雄市内にある清澄湖(せいちょうこ)が姉妹湖の提携を結んだのは1987年11月4日なのですが、そもそもどういう経緯で提携を結んだのでしょうか。どうやら以前「旧田沢湖町で開かれた国際シンポジウムで、パネリストが湖を縁に台湾と交流してはどうかと提案したのがきっかけ」だったようです。日台間で姉妹都市を提携すると中国からの圧力と妨害が懸念されたが湖同士なら問題はなかろうということで提携に至ったそうな(参考)。

そして、その前の同年6月には玉川ダムの本体コンクリート打設が完了したことでマスコットキャラクターを設定するにあたり八郎太郎を姉妹湖である清澄湖の出身ということにすれば両湖の友好関係に寄与すると考えたのかも。そう解釈するとまあ合点がいきますね。かなり強引な設定のように思えますが。
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