ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

時代の要請?…八塩ダム

2022-06-10 06:57:31 | 秋田(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。えー、今回は秋田県由利本荘市東由利田代深山(ひがしゆり たしろ みやま)にある子吉川(こよしがわ)水系の八塩(やしお)ダムを訪れます。ダム名は当該ダムの南南西にある八塩山(やしおやま:標高713m)に由来すると思われます。アクセスは県道32号沿いのカーブミラーのあるT字路を入り、八塩パークゴルフ場を横目に見ながら道なりに行くと到着します。

見えてきました。これですね。



左岸のダム横には周辺地図が描かれた案内板があります。案内するのは東由利のイメージキャラクターの「モウ太くん」。それはおそらく由利本荘市の特産物である「秋田由利牛(あきたゆりぎゅう)」をイメージしたもので(参考)、牛だから「モウ太くん」と命名したんでしょうが、なんとも安易なネーミングじゃないですか。第一、それだとどこのイメキャラだかわかりにくいですよ。まあ、いいんですけどね。



近くには八塩ダムの概要が示された看板。



そして、これがダム上です。車両通行可。



ダム上、中央から見た貯水側の景色です。



一方、こちらはダムの下流側の景色。



対岸(右岸)に来ました。振り返ると、こんな感じ。



洪水吐は右岸側にあり、増水すると、水はここから溢れ出てトンネルを抜けて下流へ向かいます。



その洪水吐隧道(トンネル)は1998年3月に完成したそうな。壁面にデザイン柄のタイルが貼られているのは何ともおしゃれです。



右岸、貯水側から見た様子。ダム上と洪水吐の位置関係がこれでわかると思います。



右岸横には「竣工記念」と題された石碑があります。それによると、八塩溜池は当初、玉米(とおまい)地区の団体営事業として計画されたが、石沢川を主水源とする旧玉米・下郷(しもごう)・石沢・小友(おとも)の4つの村の恒久かつ円滑な灌漑用水を確保するための県営事業として陳情・採択され、昭和26年度から工事に着手し、昭和37年度に竣工したと記されています。





「竣工記念」の石碑の右側には八塩溜池改修竣工記念として「上善若水(じょうぜんじゃくすい)」と刻まれた石碑があります。これは中国春秋時代(B.C.770-B.C.403)に活躍した思想家である老子の言葉と伝えられるもので、「上善」は最も良いこと、「若水」は水の如しという意味なので、要するに「理想的な生き方とは水のようにあること」という感じでしょうか。この文言の出典は上・下巻からなる『老子道徳経』の上巻『老子道教』の「易性第八」の冒頭に記されています(参考)。ただし、『老子道徳経』は老子が直接著したものではなく、漢代(B.C.202-A.D.8)初期に道家(どうか)の思想、いわゆる老荘思想をまとめたもののようです。



石碑の裏側には改修の経緯が記されています。要約すると八塩溜池は1963年完成したが、老朽化のため漏水が生じるようになったため平成になってから改修工事に着手。そして2000年に工事が完成したと書かれています。



最後にナイスな眺めのショットを。これは左岸の貯水側へ行った先の高台から撮ったものです。良きかな。



こうして見てくると、築造当初は「八塩溜池」だったのが、改修工事以降は「八塩ダム」に名称が変わっていることがわかります。ダムの定義からするとここは高さが27mなので名称をダムに変えても何の問題もありません。もしかすると溜池という名称が古臭いと判断したのでダムに変更したのかもしれません。知りませんが。
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