ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

旧はないよ!…新豊根ダム

2023-02-22 16:36:25 | 愛知(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。さて、今回は愛知県北設楽郡豊根村古真立月代(きたしたらぐんとよねむら こまだてつきしろ)にある天竜川水系の新豊根ダムを目指します。アクセスは三遠南信(さんえんなんしん)自動車道の浦川インターチェンジを降りたところの国道473号を右折していくとすぐ大入川林道開設記念碑のあるT字路があるのでそこを入って行きます。それが県道429号で、どんどこ進んでいくと目的地に到着するはず…なんですが、訪れた日はなんと通行止め!仕方がないので国道473号を大千瀬川沿いに進み、国道151号に入ります。そして国道上の「豊根村役場→」の表示のあるT字路を入りそのまま道なりに進み、新豊根ダムの上流側からアクセスしました。まあ、とにかくぐるっと遠回りする感じです。ふぅ~、疲れるぅ~。

まずは、こんなダムです。いや~、デカイな!


では、順を追って左岸の上流側から見ていきましょう。ダム湖沿いをクネクネと走ってくるとダムが見えてきます。


そこには「新豊根発電所概要」と書かれた案内板があります。

地図をよく見ると新豊根ダムのダム湖である新豊根貯水池と佐久間ダムのダム湖である佐久間貯水池が導水路トンネルで繋がっているのがわかりますね。

それはただ繋がっているのではなく、佐久間貯水池近くの新豊根発電所では揚水発電を行なっているんです(写真上部に揚水時の文字が見えますね)。つまり新豊根ダムが上部調整池、そして佐久間ダムが下部調整池の役割を果たしているのです。


新豊根貯水池から導水路トンネルへ向かう取水口がこちら。この取水塔の下に取水口があり、導水路は地下を通って新豊根発電所へ繋がっています。



左岸のダム横に来ました。そこにはこんな建物があります。管理所? いえいえ、表示はないものの、これは「操作室」なのだそうです。(参考


その近くには新豊根ダムの案内板があります。洪水調節と発電を目的としたドーム型コンクリートアーチ式のダムで、高さは116.5m。1969年11月に着工し、1973年8月に竣工。


「新豊根ダム」と刻まれたもの。


これがダム上。歩いてみましょう。


ダム上、中央にある放流設備非常用ローラーゲートに貼られたプレート。1972年8月製作。


そこから見た新豊根貯水池の様子。向こうに見えるのが先ほどの取水塔。



一方、ダムの真下はこんな感じ。さすがにこの高さだとスマフォを持つ手が震えます。落とさぬよう慎重に…。

そして、下流側の遠景。


対岸(右岸)に来ました。アーチ形であるのがよくわかりますね。


…と、ここまで、ごく当たり前のように「新豊根ダム」と書いてきましたが、「新〜」と付いているのだから、じゃあ「豊根ダム」もあるんじゃないかと思いますよね。でも、調べてみましたが「豊根ダム」はありません。えー?、ならばなぜ「新」が付いたの? そう思うじゃないですか。

これについては発電所の建設に関係があるようです。現在の新豊根ダムが築造される前、ここには取水口があり現在の佐久間ダムの貯水池のところには豊根発電所があったそうです。その後、佐久間ダムが築造されることが決まり、豊根発電所は水没することになったため発電所を上流側に移設しました。しかしそれからしばらくして現在の新豊根ダムの築造が決定したことで従来使用されていた取水口が使えなくなり、結果として豊根発電所は廃止されることに…。

1956年に佐久間ダムが完成し、現在の新豊根ダムの建設に伴い、上に書いたように両ダムの間で揚水発電を行なうことが決まります。そのための揚水発電所が佐久間ダムの湖畔に建設されることになり、新たな揚水発電所が1973年10月に竣工し、「新豊根発電所」と命名されました。こうした経緯から上部調整池であるダムの名称が「新豊根ダム」になったようです。

なるほど、だから豊根ダムは存在しないんですね。
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