ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

ララバイの出所はどこなんだ?

2005-06-16 19:19:01 | 音楽あれこれ
あまりにも有名な映画『荒野の用心棒』(1964)のテーマ曲は、別名「ララバイ」と呼ばれる。ララバイはもちろん子守歌という意味である。なぜこんなマカロニ・ウェスタン映画に子守歌が関係するのか。ある資料によれば、この曲は音楽を担当したエンニオ・モリコーネ(1928- )が監督のセルジオ・レオーネ(1929-89)に捧げた子守歌だからと書いてある。ふーん、でも何だか釈然としないなあ。本当にそうなんだろうか。そこで事情を探るべく、ネットで検索してみた。

確かに、いくつかのサイトでは「モリコーネがレオーネに捧げた子守歌」説をとるものもあった。ところが、このサイトでは真っ向からその説を否定している。そして、

「この曲は1960年にユージン・オニール原作の舞台(TV?)「I DRAMMI MARINI」のために書かれた子守歌が原曲となっている」

と述べている。もちろんこのサイトは個人がやっているもので、オフィシャルなものではない。従って、それをすぐに信用するわけにはいかない。でも、面白そうなので他のサイトで検証を試みることにした。

まずはユージン・オニール(1888-1953)が本当に『I DRAMMI MARINI』という作品を書いているのかということを調べてみる。たとえば、こんなサイトとかあんなサイトを見てみるも該当する作品はない。いや、待てよ。『I DRAMMI MARINI』ってイタリア語だよな? なんでアメリカ人であるオニールがイタリア語の題名の作品を書くんだ?

いやいや前述の引用には「オニール原作の舞台(TV?)「I DRAMMI MARINI」のために」とあるから、ことによると原作のタイトルは違うのかもしれない。たまたまその演目の題名が「I DRAMMI MARINI」ということだったのかも。となると、今度は「I DRAMMI MARINI」の意味を考えてみなくちゃならんな。

文字通り訳せば「船員たちのドラマ」となる。このタイトルに類似するものを探すと、オニールの原作による映画に果てなき航路 (The Long vayage Home)(1940)というのがヒット。原題で検索してみたらオニールがこの戯曲を書いたのは1917年であることが判明。

それはわかったけれど、『果てなき航路』の音楽はモリコーネじゃない。あれれ、だんだんワケがわからなくなってきたぞ。そんな時、なぜかロシア人の若者による個人サイトをみつける。おやっ、ここをみると、前述の「新説」を裏付けられそうなことが書いてあるではないか!

なるほど、年号こそは1961年となっているが、確かに「I DRAMMI MARINI」とある。ということは「新説」のほうも全くのデタラメというわけではなさそうである。それにしても両者が入手したソースは何なんだろうな。それを考えていると、考えていること自体が「ララバイ」になってきそうだ…。

あぁぁぁぁぁ。
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